森のかけら | 大五木材


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1月は好む好まざるに関わらずお酒を飲む機会が多く、結構な酒量が体内に入っていきました。最近お酒にまつわるネタも多いことから、飲みすぎをご心配いただくこともあるのですが、年末年始の1月が特別なだけで、普段はめっきりとお酒の量は減りました。独身時代の若い頃はもうそれは給料のほとんどが二番町や三番町(松山市内の繁華街)に消えていったものですが、今では街まで飲みに出る回数も激減しました。かといって自宅でもほとんどアルコールは飲まないのでかなり健康体。

普段は月に1、2回街に飲みに出るかどうかのペースですが、普段控えめな分だけそういう場面では、日頃の反動から必要以上に(!)大量に痛飲してしまうので、それもどうだか・・・。特別に奮起して節制しようとしているわけではないのですが、夜遅くにこのブログを書いたりしているので、晩酌とかしてしまうと眠たくなってしまうので控えるようにしていたら習慣化した感じです。それでも老眼で文字が見づらくなったり、眠気に襲われたりしますが、まだまだ続けていくつもりです。

新しいホームページに切り替わったりして、昨年の6月からブログが幾らか歯抜けになっているのですが、書きかけて仕上げていなかったり、写真がアップできていなかったり、更新がずれて時系列的におかしくなったものなどを、週末にまとめて書き直して空白を少しづつ埋めていっています。計算では延べにしてあと80日ぐらい空白期間があるので、なるべく早く埋めて、今年に追いつかれないようにしなければと思っています。なにしろ昨年の木青連の全国大会(6月開催)が未だ道半ばですから・・・。

という長い前置きがありまして、1月最後のお酒の話。私の住む地区では、年明けの第三日曜日に地域の人が集まって神社でお祓いを受ける『御祈祷』という行事があって、その後は各組で集まって年次報告やら今年度の人事などを話し合って最終的には飲みます。昔は昼から延々深夜まで宴が繰り広げられたものの、最近は太陽に沈む前にお開きになるという極めて健全な集まりとなっています。その会に皆が手に手にお好みのお酒をお持ちになるのですが、そんな席で今年初お披露目されたのが、『れんこん焼酎 卯三郎(うさぶろう)』。

作っているのは松山の隣の今治市農業協同組合。私の住む平田町は、宮内伊予柑の産地ということもあって柑橘農家やJA、行政などの農業関係者が多く住んでいらして、町内の人が顔を合わす席では農業に無知な私にもいろいろな裏話を教えてくださいます。今治市は、松山の隣の市で松山に次ぐ人口を誇り、造船やタオルに代表される工業都市です。そのイメージが強かったのでレンコンと結びつきにくかったのですが、今治市鳥生(とりゅう)地区は、80年の歴史を持つ四国第二位のレンコン産地でした。

大正時代に導入され、低湿地帯の経済物産として根付き、それ以来地元の特産品として盛んに栽培されるようになったのですが、更にレンコンをPRするために作り出したのが、地元のレンコンを原料とした『レンコン焼酎』でした。穴が開いていることから、先が見える、見通しが効くという縁起担ぎで正月には欠かせない料理です。アルコール度数が40度もありましたが、癖がなくて飲み口もさっぱり。あっという間に飲み切ってしまいましたが、酒も木もその背景が分かれば一層味わい深くなるということ。




端材から作ったDIY商品『モザイクタイル』は、自分で自由に壁面をアレンジできるという思惑で作ったのですが、それとは別の用途で人気が出て、ある特定のパーツのみが品切れ状態となっています。もともとは、フリーリングを扱っていると意図せず発生してしまうB品(傷や節、割れ、虫穴、欠損等々)の有効利用も目的に生まれた商品で、80✕80✕10㎜を基本モジュールとして、その倍や半分のサイズに加工して、それを好みによって自由に組み合わせられるというものです。

なるべくいろいろな樹種があった方が面白いので、フローリングのB品だけでなく、端材なども利用するようになり樹種の幅が広がりました。しかもこの大きさになると、節や割れ、虫穴など表情のあるモノの方が圧倒的に魅力的なことから、あえてそういうところのある端材や釘穴のある梱包材なども利用するようになりました。挙句の果てには、ブラジルから来た商品の梱包材には結構レアな木も使ってあったりするので、そちらを手に入れるのが目的になってしまったりする始末。

ところでその中で、基本モジュールの1/2にあたる40X80X10㎜サイズだけが圧倒的に減り方が早いのです。何故かというと、家内がこの商品に興味を持って、本来の目的とは別のあるモノに転用したためなのですが、それが何かというとこちらの『音板(おんばん』。木琴のように音階で並べて木製のマレットで叩いて音色を楽しむというもの。厳密には木琴というより叩いて音を楽しむ楽器もどきですが、木の種類によって音色が違うのでそれを聞き比べるだけでも結構楽しいです。

こちらは音階など意識して作っているわけではないのですが、材質によって高音から低音まで音の幅があるようで、ひとつひとつ実際に叩きながら音の高低を聞き分けて、その順番で並べるとそれなりに楽器っぽい感じで楽しめるようです。バットなどにも使われるほど硬くて、更にサーモ処理した『サーモアッシュ』や、ウッドデッキに使われる硬質のアイアンウッド系の木はかなり高い音、アカシアクルミなどやや軽軟な木は低く軽い音と、今まであまり考えなかった『森の出口』です。

これとは別に、音による商品の開発は考えていたものの、思わぬ形で音が商品化できる可能性を感じているところです。今まではどうしても、建築用材からの延長という視点でしか木を見ていなかったため、材質の硬軟だけに目がいきがちでしたが、『』や『香り』という視点で木を捉えると、今までフローリング材としてはほとんど評価されなかった木にもスポットライトが当たり、いかに自分が今まで木の上っ面しかみていなかったのか痛感させられます。森を見て木を見ず・・・今年のテーマは『木を叩く!』。




今年もこの季節が巡ってきました。生涯学習センターでのコミニュティ・カレッジふるさとの森林講座」の講師です。早いもので今年で7年目になります。こんな私であるにも関わらずっと講師としてお声をかけ続けてくださっているスタッフの皆様の忍耐強さと好奇心の高さには恐れ入るばかりです。今年は講義のコマ数も1つ増えて、講師の先生方も元愛媛大学の教授やその道のプロフェッショナルの方々ばかり。そんな先生方と同列に名前を並べていただけるだけでも光栄なことです。

一応まがりなりにも講師ということで、前に立って偉そうにお話をさせていただいているものの、喋りながら自分自身でも記憶の糸を手繰り寄せながら、木の物語を脳髄に刻み込んだり、新しく仕込んだネタの反応を見る試金石としてとても役立たせていただいているところ。今回は20名弱と受講生の方が少なかったのですが、それでも熱心に毎年受講される顔見知りの方も数人いらして、毎回ネタが被るのは申し訳ないと思い、新ネタも少しずつ増やしてはいるものの全新作はなかなか。

森のかけら】と同じぐらい(240種)話のバリエーションがあればいいのでしょうが、1つのネタをきちんと喋れるようになるには、私の場合かなり場数を踏んで恥をかく必要があります。いつの日にか、【森のかけら240】の中からお好きな木を指定してもらえば、その木について最低5から10分ぐらい喋りますので、気になる木がありましたらどれでもどうそ~♪、なんてその場でリクエスト受けて話が出来るようになるのが理想なのですが、その道まだまだ遥かなり。

そのためにも一日でも早く『今日のかけら』を完成させねばならないところですが、外国のマイナーな木になると、国産の木のような気の利いたエピソードなんてほとんど無いため、材の説明すら難しい事も多々あります。材の特徴に合わせて日本ほど細かく用途を分けていないので、硬ければ枕木なんて安直な用途が多いもの。そういう状況下でも、特徴を生かした用途や逸話・伝承にひょっこり出会ったりすることがあって、そんな時はひとりで祝杯でもあげたくなる気分なのです。また1つネタが増えたと、




本日は『赤と黒とのエクスタシー』の赤の方の話。ブラジル産の高耐朽木材『マニルカラ(アマゾンジャラ)』です。水に沈むほど重たい硬質材で、弊社では主に防腐剤不要の耐朽性抜群のウッドデッキの材料として販売させていただいております。現地工場でデッキ材に4面プレーナー+4方面取り加工したものが輸入されていて、長さ、厚み、幅の組み合わせで様々なサイズがあるのですが、弊社では在庫スペースと安定供給と資金力の観点からアイテムを絞り込んでいます。

なにしろ大引や根太に使う3000✕70✕70㎜サイズだと、誤って足の指先にでも落とそうものなら、大惨事になってしまうぐらい重たいので、在庫を切らしてしまい、個別にそれだけを宅急便で送ってもらうおうとしたら、目が飛び出るほど高い送料を払うことになってしまいます。それで、弊社ではもっとも多く使っていただく工務店さん基準で、在庫のアイテムを絞って、なるべく欠品を出さないように心掛けています。それでも注文が重なる時は重なるもので、よくご迷惑をおかけしています。

それで今回は、デッキ部分はもとより、デッキの格子部分のご注文をいただき、マニルカラのデッキ材を再割したのですが、この木も昨日の『サーモアッシュ』に負けず劣らずかなりの曲者でして、うっかりマスクを付け忘れて(眼鏡をかけているので、マスクをするとすぐにレンズが曇ってしまうので基本的にはマスクなしで加工しているのですが)加工していたら、鼻の奥がむずがゆく感じて、マスクの付け忘れに気付いたのですが後の祭り。それから鼻水が止まらなくなって・・・

サーモアッシュは、木粉が細かくて砂のようにサラサラしているのですが、夏場など汗をかいていると皮膚に付着して痛痒いことになります。一方でマニルカラは、木粉は少し大きめでザラザラして硬くて尖っていて触ると痛い(私の頭の中では、鋭利な金平糖というイメージ)。更に木粉を吸い込んだりすると鼻腔を強く刺激して、鼻水が出たりむずがゆくなります。同じむずがゆさでも『モアビ』のようにそれが長時間残ったり、そこまで強くはありませんが、それなりの覚悟が必要。ただ単に私が特に気管支が弱いのかも?!

100本以上の板を挽き割ったので相応のおが粉が発生しました。先に加工したサーモアッシュの黒がところどころに混ざっていますが、貧乏性の私としてはこれを棄ててしまうのが忍びなくて忍びなくて・・・。ということで一応ビニール袋に入れてストックしているものの、それも次第に溜まってきて、はやめに染色なり忌避商品の目途をつけないと保管スペースに窮する事態になりかねません。マニルカラのプレーナー屑とて当然赤いのでこちらも当然捨てがたく・・・ゴミなどにしてなるものか!悩みの中から新商品は生まれる!?




弊社は製材所ではないので、製材用の台車はありませんが、小割用のバンドソーが1台あります。先週はそのバンドソーが大活躍で、数日間は板の割り返しばかりやっていました。中でも『サーモアッシュ』と『マニルカラ(アマゾンジャラ』という、弊社の手持ちの材の中では1,2を争う強者(つわもの)を相手にしていましたので、スタッフにも皆全身オガまみれで、加工場はまさに『赤と黒のエクスタシー』状態!ちなみにサーモアッシュが黒でマニルカラが赤。

古くて分からないと言われそうなので一応解説しておきますと、川中島で幾度も刃を交えて名勝負を繰り返した越後の上杉謙信と甲斐の武田信玄の川中島の戦いを描いた映画天と地と』で使われたキャッチコピーです。赤備えの武田軍を赤、黒い甲冑の上杉軍を黒で統一して、赤と黒が戦うという、天からの俯瞰で捉えた名コピーだと思っています。かの角川春樹氏が監督を務めています。映画の内容そのものよりも、謙信役であった渡辺謙が撮影中に急性骨髄性白血病に倒れ降板した事の方が話題になりました。

映画の公開が1990年ですから、もう27年も前のこと・・・話を元に戻します。『サーモアッシュ』については以前にもご説明しましたが、北米産の『ホワイトアッシュ』をサーモ処理したものです(水蒸気式高熱処理)。サーモ処理によって硬度が増し、耐朽性や防虫性は飛躍的に向上します。ただし物事には一長一短がつきもので、サーモ処理によって木の糖分が変化して酸性になっているので、鉄の釘を使うと錆びてしまうためステンレスの釘を使う必要があります

また、実際に扱ってみると木の持つしなやかさというか弾力性や粘りについては少し失われているように感じます。私としては防腐薬剤処理などをしなくても外部で使えるものとして考えているので、そこは用途次第だと思っています。ただしいくらサーモ処理しているとはいえ、もとは自然の木材なのですから外部に使っても半永久的にもつ、とかいうものではありません。紫外線の影響を受けて経年変化でロマンスグレーにはなるし、収縮や割れなどとも決して無縁ではありません

重要視しているのは、薬剤処理などを施さずとも、木の風合いを残したまま風雪や酷暑の中でいかに長持ちさせられるかということ。サーモ処理していない材に比べると、はるかに強くなっていて私的には、設計士さんや工務店さんのご理解が得られればこちらをお薦めしたいところ。それで外部仕様の壁材なども作っているのですが、それがなかなか大変でして、硬度が増しているため厚みを割るのも容易ではなく、切り粉が非常に細かくて肌に付着すると痛い!粉塵は砂のようにサラサラで周辺は大変なことに・・・




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