森のかけら | 大五木材


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昨日の『のれそれ』の話からスピンオフして、本日は木の話。『のれそれ』の学名である『レプトケファレス(Leptocephalus)』は、『柳の葉』という意味ですが、まさにヤナギの葉のような形をしています。そこで繋がったのが「ヤナギと魚の話」。いずれヤナギの話の際に使おうと思っていたエピソードでしたが、『のれそれ』から繋がろうとは考えてもいませんでした。折角の機会なので予定外でしたが本日は魚の話から木の事を考えてみます。俎上にあがるのはヤナギ科の広葉樹『バッコウヤナギ』。

この変わった名前のバッコウヤナギの名前の由来は、この葉を牛(東北の方言でベコ)が好んで食すことから、「べコが好むヤナギの葉」が縮まって「べコヤナギ」、それが転じて「バッコウヤナギ」になったという説があります。木の名前を調べていると、北海道ではアイヌ語やアイヌの伝説に由来していたり、含蓄のある神話や伝承が多くあって、アイヌの人々がいかに木と関わった暮らしをしていたかを窺い知ることが事が出来ます。その中のひとつにヤナギと魚にまつわる興味深い話があります。

アイヌ語ではヤナギの事を、chipu‐susu(チプ・スス)と言うのだそうですが、チプは舟の意、ススはヤナギの通称。河畔に生えていたことで、次のような伝説が生まれました・・・その昔、飢えに苦しんでいたアイヌの娘が病気の父のために河畔で祈りを捧げていると、風の神がヤナギの葉を吹き飛ばし、川に落ちた葉がシシャモに変身したというもの。似たようなエピソードは多くて、川上にあるヤナギの葉が川に落ちたものがシシャモに生まれ変わったので、秋になると故郷を懐かしんで川上に遡上するなど。

他にも飢えた人間に食べ物を与えるために、神がヤナギの葉を川に流したところそれがシシャモに変わって人々を救ったという話などもあり、いずれにしてもシシャモはヤナギの生まれ変わりということから、シシャモはアイヌ語のsusamスサム、語源はヤナギを意味するsusuスス)+hamハム)=葉)が変化したものだと言われています。ヤナギはその材の特徴からまな板としても適性がありますが、もしかしたらそこにもアイヌの伝承が関わっていたりするのかも?木材としての特徴についてはまたいずれ改めて。




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