森のかけら | 大五木材


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えひめのあるうれしい日』で作った『愛媛県産スモモの木で作ったスモモのスプーン&スモモのジャム』の『スモモ(李)』の木については、昨年の3月頃に角材に挽いて上から重しを載せて乾燥させています。ご覧いただけば分かるように、径が小さいためこれぐらいのサイズで挽いても、オール赤身というわけにはいかず白太も含まれます。なるべく艶や光沢も保ちたいので天然乾燥させているところですが、実際に削ってみると『ヤマザクラ』というよりは『シウリザクラ』に似たような、ややくすんだ赤身を帯びています。

スプーンの加工そのものは職人さんにお願いしたのですが、最後の磨き部分は私も関わりました。写真では分かりづらいかもしれませんが、柄の部分がわずかに湾曲していて、スプーンの先端にくぼみがあるのため最終的な仕上げ磨きは手作業になります。昨日も書いたように皮膚感覚だと『ヤマザクラ』よりやや軟らかくしなやかに感じます。磨き始めると、磨けば磨くほどに彫り面がツルツルに滑らかになる感覚がたまらなず、どこで止めればいいのか終わりが見えなくなります。

柄の部分は結構細いのでどんどん磨いていると、そのまま無くなってしまうのではないかなんて考えてしまうほど磨きが癖になります。通常よりも柄が細い分、固まったバターなどを救うには強度の点で不安が残りますが、ジャムであれば問題ないのではないと思います。最後は木製食器専用のオイルを塗って仕上がり。そうして完成したのがこちら㊨。このスモモのスプーンは、『朗-Rou』さんのお店で美味しいスモモのジャムと一緒に販売していただいています。木製スプーンそのものは珍しくもないでしょうが、愛媛県産のスモモのジャムと一緒にすることで新たな価値を作り出そうというもの。

お陰で出口を思案していたスモモにも1つの出口が生まれました。今までほとんど関わりの無かった『食』の分野で木を使うことで、いろいろな発見もありましたし、これから作り始めようと思っていた『フルーツウッド』(果実系の木)についても、出口のヒントになりそうです。フルーツウッドの特徴として、木は小さいけれど材が非常に緻密で滑らかということがあり、触ってその肌触りを楽しめる小モノに仕上げたいという考えがあったのですが、まさにスプーンなどの食器はうってつけの組み合わせ。こちらは『桜のシロップジュレ』。

この黄金の輝きは『金木犀と柊木犀のシロップジュレ』。もはや食べてしまうのはモッタイナイと感じてしまうほどの美しさ!今まで「材」としてしか見えていなかったフルーツウッドの、「実」の部分と繋がることで途端に発想が豊かになります。更に物語性も付加されるとなると、フルーツウッドの出口としては理想的。どうにも『かけら』だけに留めておくにはモッタイナイ、けれども『森のりんご』にするには大きさが足りないなど、いまひとつ活かしきれてなかったフルーツウッドの出口に光明が差してきた思いです。




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