森のかけら | 大五木材


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本日も『アユース』の話。愛媛では昔から結構馴染みのある木で、いわゆる『ラワン』が姿を消して以後、幅広で比較的軽軟な材質の木の一つとして、『ペルポック』と『アユース』がよく使われていました。私が本格的に広葉樹に目覚めるずっと前から、日常的に『アユース』という名前を伝票に書き込んでいた記憶がありますので、かなり以前から弊社の倉庫にもあったはずです。当時はこういったアフリカ材を扱う人も多くなくて、その流通ルートも限られていて、専門業者が個別の店に訪問販売していました。

当時まだ私の中の『かけらの魂』はハッキリと覚醒されてはいませんでしたが、そういう専門業者に対して何か普通の材木屋とは違う匂いを感じ取っていたように思います。尺貫法や木材業界の独特の隠語などがまるで聞いたことのない国の外国語のように聞こえていた私の耳には、彼らが繰り出す「フィートやらインチ、インボイス」といったキーワードの方によりシンパシーを感じたのです。何しろ業界の隠語には指南書はなく、すべてが口伝なのでまだ生真面目だった青年には非常に取っつきにくい言葉だったのです

そういった専門業者が仕切っていた当時、アフリカ大陸からやって来たというだけで、そこら辺で採れたスギとは別物なんだという偏った舶来偏重主義が徐々に私の中に生まれたのかもしれません。しかしその後、はるばるアフリカからやって来たこのアユースでは何度か痛い経験をしました。まだネットもない時代、その木の性質や特徴などについては、専門業者の口から聞くしかありませんでした。そのわずかな情報だけを頼りに、見てきたがごとくに木を語り販売していたのですから、随分いい加減な時代でした。

そういうぐらいなので、こちらもよく特性が理解できていませんでした。このアユース、温度変化に対してあまり変動しないという特徴があり、乾燥段階で大反りやねじれも少なく、乾燥も比較的スムーズなのですが、問題は早く乾燥させないと木材腐朽菌の影響を受けて青変してしまうとと、虫害を受けやすいのです。輸入材については既に人工乾燥が前提でしたが、まだその技術が拙い工場もあって、乾燥が十分でない材も流通していて、しばらく保管していて中を開けたらビッシリカビが発生していたことがあります。

まだ初期段階なら削ればどうにかなるものの、中の方まで入っていたらまったく使い物になりません。乾燥機に入れるまでにそうなったのだと思われますが、当時はアユースに限らず乾燥不良材も結構あったりしました。それともっと怖いのが虫の被害。あまり経験したくないことですが、以前にこのアユースがヒラタキクイムシに食害されれとんでもない体験をしました。専門メーカーが製造されたアユースのモールディングが図面で指定されていて、それを納品させていただいたのですが、施工も無事終わって数年後・・・




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