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昨日、仏木寺の畜産信仰の話の中で、家内の実家が畜産業を営んでいる事に触れましたが、その話についてもう少し詳しく。私と家内は同郷で、私が1歳年上。田舎なので小学校から一緒でずっと知った存在だったのですが、家も近くで、私の家内の実家から車で3,4分の距離に家内の実家があります。正月やお盆に帰省すると、両方の家を順番に移り泊まっています。家内は3人兄弟の長女で、義父がこの地で創業した家業の畜産業は現在長男夫婦が継いでいます。
400頭あまりの国産和牛を肥育していて、育った仔牛を京都市場などに出荷するという仕事ですが、リアル生物が苦手な私としてはただひたすら頭が下がるばかりなのです。さて、その牛を育てる牛舎というのが、地元で廃校となった小学校の木造校舎を移築したものなので、結構なボリュームがあります。その昔、その移築を請け負ったのが亡き父だったそうで、不思議なご縁を感じています。その牛舎を見下す所から撮影したのがこちらの写真。錦秋の中に佇む牛舎の姿。
文字通り、山間に牛の鳴き声が響くような環境です。私も結婚してから知ったのですがひと口に畜産といってもいろいろな業態や牛の種類があって、ここでは国産黒毛和牛を肥育しています。現在日本で飼育されている肉用牛は、肉専用種の黒毛和種、褐毛和種、無角和種、日本短角種が約6割を占め、残りの4割を乳用種(ホルスタインとか)ということだそうです。牛を間近で見れば分かりますが、体重が1トン近くもあっていくら柵に入っているとはいえ結構な威圧感があります。
うちの長女は肉が苦手で、鶏肉なら食べられるのですが、豚や牛肉はNG。それが義父から贈ってもらう国産黒毛和牛のA5の肉ならペロリ!現金なものですが、苦手でも美味しいものは美味しいと感じる味覚はあるようです。今ではすっかりA5という言葉が一般でも定着しましたが、酒の世界でいえば純米大吟醸、木材の世界でいえば100年生の木曽ヒノキの天然木といった感じでしょうか。そんなモノばかり食していたり使っていれば贅沢だと思われるかもしれませんが、
そういう客層を育てていくということも大事なことで、それはある日突然降って湧いたように生まれてくるものではなくて、小さな体験の積み重ねの中で生まれてくるのだと思います。何かの時に食したA5の肉をもう一度食べたい、純米大吟醸をまた飲みたいという味の記憶と体験が、高いお金を払ってでもまた味わいたいという衝動に繋がる、そう考えた場合、一生に一度の買い物とも言われる住宅産業においては、リアルな家とは別の形で木に触れる啓蒙活動が大切になると思います。
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