森のかけら | 大五木材


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大晦日で田舎に帰省していますが、昨年とはえらい違いです。今年も寒波が来て寒いのは寒いのですが、雪は降っていません。昨年は、数年振りの大雪で子供達みんなでカマクラを作りました。関東とかに話すと、「えっ、愛媛でもカマクラが出来るの?」と驚かれますが、最近はさすがに温暖化の影響か、大雪はなくなりましたが自分が子供の頃は結構積もっていました。子供の頃は雪が積もるのが楽しみでしたが、大人になると寒いし出かけられなくなるし・・・ただ子供は雪が珍しく、正月休みはいとこ達が大勢集まっているので雪合戦やらカマクラ作りで盛り上がります。

どこの雪国ですか?という感じでしょ。愛媛県です。昔の写真ではありません、昨年の今日の事です。カマクラもしっかり固めれば結構長持ちしますが、なにぶん寒くて長時間は「滞在」できませんでした。今年は雪にもならずに、子供達にとっては少し残念な大晦日となりました。まあ子供は集まれば天気も道具も関係ありません。あるもので適当に遊びます。ちなみに私は4人兄弟で、全員結婚していて1家族二人以上子供がいるので、勢揃いすると子供だけで10人います。それに親がいるわけですから・・・相当の人数が一堂に揃うことになります。

雪の話に戻りますが、私の田舎・西予市野村町は北海道の黒内松町と姉妹町提携を結んでいます。野村町の大野ヶ原という所には貴重なブナの原生林がありますが、黒内松町も「ブナの北限」として有名な町で、その縁で姉妹町提携につなっがたようです。そういう事もあり、黒内松町というキーワードには敏感なのですが、数年前に倉本聰さんの講演を聞かせて頂いたのですが、その時にいままで北限といわれていた黒内松町よりもさらに北でもブナが生育し始めたという話しをされていました。今年は愛媛も雪がほとんど降ってないので、やっぱり温暖化かな~などと考えますが、昨年は「どこが温暖化や!」というぐらい寒くて、ブナの事など思い出しもしませんでした。つくづく人間身勝手なものだと思います。北海道は今日も寒波がきていてとても寒いようですが、寒さにも暑さにも耐え、それでもブナは少しずつ北へ向かっていくのでしょう。まさに、たゆまざる歩み恐ろしい北のブナ・・・。




昨日、今年最後の「適材適所no.127」をようやく発送。以前からお取引があるとこ+ご来店いただいて発送を希望された方+イベントなどで知り合った方など縁があった方に送っているうちに、少しずつ増えて昨日は619通ありました。クロネコヤマトに持って行ってメール便で送るのですが、さすがに1箱に収まりきらず紙類とはいえ結構の重さがありました。早いものでもう作り始めて10年が過ぎました。えっ、もうそんなに経ったのかな~という感想です。まさに光陰矢のごとし!

ところで話は変わります。本日の事で、このブログを見られた頃には終わっているかもしれませんが、今日1230日(火)の午前1140からのFM愛媛「えひめまるごと15分」で、久万造林㈱の社長、盟友・井部健太郎君が登場します。健太郎君は、久万林業の礎を築いた井部栄範翁の子孫で、先祖が残した良質な久万の杉・桧材をきちんと管理し継続できる健全な林業経営を目指し日々頑張っている男です。ヤマハのメカニックとして世界中を回っていたという異例の経歴を持ち、林業の世界に新しい風を吹き込んでいます。

 

しかし、現実の林業経営はとても根気が要る気の長~いもので甘くはありません。とりあえずは明日の食い扶持も考えながら30年後、40年後を見据えていくというダイナミックなものです。そこで井部君は、長期的なビジョンとしての林業経営に手を打ち一方で、短期的に結果の出る別の事業を立ち上げました。それが、豊穣な久万の大地で育った野菜を取りまとめ、家々にデリバリーする、八百屋「木っちん」です。詳しくは久万造林㈱さんのHPを見ていただければよく分かります。今ではかなり順調に契約農家や取引先も増えたようでかなり安定、むしろキャパを超えるのでは?と心配しているほどです。年明けには松山市内のサニーマートさんで、久万高原町の物産展があり、それに仲間と出展予定ということで、その件でラジオにも出演するようです。地元で時間のある方は是非聞いてみて下さい。

特にお勧めが放し飼い鶏のこの卵!超新鮮な生卵をほかほかご飯にかけてみて下さい。絶品です!井部健太郎君とは、単なる木材仲間という関係を越えて、異業種の方々も巻き込みながら新たな展開を模索しております。今まで木材業界にとらわれ過ぎていて見えなかったもの、聞こえなかったものが少しずつ見えたり、聞こえたりするようになってきました。一人では出来ないことも仲間がいれば何とかなります。つくづく友のありがたさを感じる年の瀬です。




面白い木工作家さんのご紹介・・・愛知県の伊藤憲昭さん。実はこの方、社会保険労務士さんの傍ら木工をされています。いや、もしかして今は逆かも?数年前からお付き合いをさせていただいたいますが、人を「あっ!」と言わせるのがお好きなようで、とにかく面白い木の物を作られます。伊藤さんのホームページをご覧になれば面白作品の数々が見られます。私が最初に「!」となって手に入れたのが『蟻-あり-』。結構な大きさと重さがあります。全長で300㎜を越える大きさです。触覚と頭や胴体、お尻の部分が木製で、脚はアイアンで作られています。

初めて見たときには数匹の蟻の行列でしたので、それは「!」ました。もう見た瞬間、買うか買わないというよりも「何匹買おうか」で迷ったぐらいです。結局財布との相談で1匹だけプライベートで購入しました。後にまた分けていただくことになりますが。その後もイベントでお会いするたびに違った『驚き』を持ってこられていて、常に楽しませていただいています。蟻の次は『木の座布団』でした。弊社の2階の展示室にも置かせていただいたいますが、無茶苦茶シュールで来店された方のほとんどが手にされるのですが、初めて持った時の「えっ、重っ!」という表情を見るのが秘かな楽しみになっています。現物は伊藤さんのHPでご覧下さい。

その伊藤さんが最新作(?)を贈っていただきました。木のピーナッツ!大きさも皮の造型も質感も本物と見まがうばかり!しかもよく見ると『DAIGO』のネームの入ったプレートが慎ましく入れられています!勿体なくて、勿体なくて使う気にはなれません。本来は使うべきものなのでしょうが、もはやこれはアートの領域で使って傷つけたり、汚すのが失礼に思えてしまって・・・。伊藤さんの本意ではないでしょうが、飾らせていただいています。ここ一番で得意げに披露させていただきます。しかしそれでは、多くの人の目に触れることが出来ないので、お詫びと感謝の気持ちを込めてここで紹介させていただきました(そんなことしなくても今まで数々の受賞歴もあり充分有名な方なのですが)。伊藤さん、また楽しい「!」をよろしくお願い致します!




先日、玉春日関(楯山親方)が来店」された件を書きましたが、その時サインをもらったコースターがこれです。楡(ニレ)の木です。中央に『楯山』の字が見えます。

この楡は中国産のニレ科のエルム(Elm)です。エルムは、硬さによってハード類とソフト類に分類されますが、これはソフト類のエルムです。少しくすんだ灰褐色で、肌はやや粗目ですが木目ははっきりしています。見た目よりは以外に重たいです。一般にはあまり見る機会がないように思われるかもしれませんが、結構曲げに強いので曲げ細工などでよく家具やクラフト製品にも使われています。

 

これは、エルムの柾目を使って作られた『フライ返し』ですが、曲げに強い特性をうまく活かして作られています。薄く削られていて軽くて手に馴染んでとても使いやすいです。絶妙の曲がり具合で、目玉焼きとか綺麗にすくい取れます。握り具合の感触も滑らかでいいですね~。職人さんの丁寧な仕事ぶりがしっかりと手に伝わってくる巧品です!作られたのは、「樹のぬくもり工房」さん。内子町に作業場を構えられて、食器など木製品を作られています。作品から人柄もうかがえます。

エルムは、建築業界ではいまいち評価は高くありませんが、曲げ細工など用途によってはとても有効で活用範囲の広い木です。弊社では、長さ1.8~2.2m×幅140~250×厚み30㎜のサイズの物があります。よーく乾燥していますが、曲げにも強い反面、割り返すと反りやすい木でもありますので、よく木を見極める必要があります。『フライ返し』は、柾目部分をうまく削り出されています。先のコースターは、家具などに使った端材を利用して加工しています。

この『フライ返し』を使いながら、木を無理やり人間の都合に合わせるのではなく、素材の特性を活かす使い方が大切だと痛感させられました。




今日で会社は仕事納めで、最後にみんで大掃除です。少し前から事務所の前に鼠が棲みついていて、夜事務所が無人になるとあちこちで悪さをしていて、その悪行(?)が次々と発見されました。事務所にはカットサンプルや端材が所狭しと置かれているのですが、その隙間に食料を引っ張り込んで食い荒らしています。以前、その姿を目撃したのですがかなりのチビ鼠でした。とても奴一匹の仕業には思えない量です・・・。別に事務所にたくさんの食料を保管しているわけでもないので、お腹をすかした鼠はななんと!木をかじります!特に被害がひどいのは、シュロの木です。

えっ、シュロ?と思われるでしょうが、これは「森のかけら」を作るための物で、既に完成した物もあったのですが、無残にもそれもかじられています!おいしいのか、歯がかゆいのか?すさまじいかじり方でキューブの面影もありません・・・ショック!画像はちょいかじられた状態の物です。

鼠と木の関係で有名なのは地栂(ジツガ)です。つまり国産の栂です。かつては城や武家屋敷にも多く使われていたほど粘りがあり強度や耐久性にも優れた良材です。松山城にも一部使われており、最近の改修工事でも栂の木が指定になっていました。とはいえ、いまや幻となりつつある木でもあります。栂の高齢木には洞(うろ)も多く、腐りや藍(アイ)染みなども出やすい特徴がああります。丸太を製材してみないと分からないので、リスクが高いのというのもあります。

また、高地にしか生育せず公害に弱いため、林業の対象にはなりません。原木はほとんど国有地からの出材ですし、出材量が圧倒的に少ないので必然的に丸太の値段も上がります。それでも栂の素晴らしさは微動だにしませんが。その栂に惚れ、栂にこだわり続ける製材所があるのですが、それはまたいずれ別の機会で。画像は地栂のフローリングです。

話は戻ります。なぜ鼠と栂に関係があるかというと、栂にはフロコソイドという有機物質が含まれていて、それが原因で鼠は栂をかじらないといわれているのです。栂を削るとたまに、白い粉がふいたような物が見えることがあります。これがフロコソイドです。しかし先人の智恵は素晴らしいと感心するばかりです。よく木を観察し、その特徴を見事に生かして使っています。いろいろな木を置いていましたが、確かに栂は無傷でした。それに比べシュロは・・・。半年以上も前に伐採し再割してよーく乾燥させておいたのですが、芯の方まで乾いていなかったのか甘い成分がにじみ出るのか不明ですが。数ある木の中でシュロだけを選んで噛んでいるという事は確信犯でしょう。いろんな罠も仕掛けてはいるのですが、敵も頭がいいもので罠もすべて見破ります。この年末年始は何とか新しい罠で捕まえたいのですが・・・『おい、鼠!今夜は震えて眠れ!』




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