森のかけら | 大五木材


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今日と明日は、松山市久万の台においてワンズ㈱さんの完成見学会が開催されます。私も今朝ちょこっとお手伝いしてきました。ワンズさんはセンス溢れるデザインを建てられていて、フローリングや内装材などでいつもお世話になっています。このお家ではいろいろな木をふんだんに使っていただきました。その中でもっとも目を引くのが、1階のリビングルームのフローリングです。弊社では初めての登場、床暖房にも使えるサーモアッシュです!

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塗装しているわけではありません。アッシュのフローリングを、サーモで燻しています。アッシュは木目がくっきりした端正な木ですが、サーモ加工(特殊な熱処理で燻す)をすることで、濃い茶褐色に燻しあげられ独特の風合いに変身しました。水分を極限まで落としたことにより、収縮が起こりにくくなり床暖房にも対応出切るレベルにまでなりました。着色では得られない深みが感じられます。

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白い壁との対比が鮮やかです!亜麻仁油を塗っているので、更に濡れ色になってシックな雰囲気が出ています。 白い布で拭くと、最初は煤(スス)のような黒染みが少しつきますが、磨くほどに光沢が出てきます。煤もしばらくすれば付かなくなります。」

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キッチンにはダイニングテーブル。見覚えがありますか、数日前にアップしていたあのエルムの1枚板のテーブルです。いい感じに収まっています。そのテーブルの上には【森のかけら】があるではないですか!私が持ち込んで仕込んだものではありません。ワンズさんも以前に購入していただいていて、こういう見学会などのイベントがあるたびに、いつもこうして展示していただいています。ありがたいです。

ワンズの川原社長とは、高校の同級生で20数年来の古い付き合いです。一緒にいると私の方が老けてみられますが。まさか将来、お互い住宅に携わる仕事に就くとは、当時は夢にも思っていませんでした。今となっては不思議な縁を感じずにはいられません。

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左が川原社長、右が設計・工事管理の石村隆司君

 この他にも各所に木を取り入れていただいています。このお家のお施主さんが、ワンズの設計を担当をされている石村智子さんの友人という事もあり、全幅の信頼を寄せられており、打ち合わせも提案もスムーズでした。家造りは何といってもパートナーとの信頼関係が一番大切です。そこさえしっかりしていれば、よくある家造りのトラブルも解消できると思います。疑心暗鬼でいいお家が出切る筈がありません。今回は打ち合わせもとても楽しかったです。他にも見どころ多いのですが、詳しくは今月の【適材適所】にて。

なおこちらの見学会は明日もあります。今回は予約の必要がないようなので、ご興味のある方は是非出かけてみてください。詳しくはこちら  




ここ数日、無垢のテーブルたカウンターの見積りが集中していて大変忙しくさせていただいています。ありがたいことです。以前なら、店舗にしか使えないだろうというような個性的な木も取り入れていただける方が増えてきました。類は友を呼ぶということでしょうか、あるいは交われば朱に染まるでしょうか?いずれにしても家の中に木の物を取り入れて頂けるという事は、嬉しいです。

弊社の場合、一度来て頂いてもその場で即決ということはほとんどありません。私がくだらない話しをダラダラするものですから、結局実際に木を見る時間が足りなくなって、再度着ていただくことがほとんどです。多い方になると4度も5度も来られる方もいらっしゃいます。いいんじゃないでしょうか。一般の方がそう何度も、自分の家に使う木を選ぶという機会はないと思います。わざわざこんな所まで来ていただて、埃まみれの加工場や寒い倉庫の中で恐る恐る木を選んでいただくわけです。奇特な方々です。もうお客さんと呼ぶレベルではないです、木のファンです。

ファンはエライです。誰に頼まれるわけでもないのに、無償の愛で応援してくれます。骨身を削って支持してくれます。でもファンは一人だと辛いです。多くの仲間がいてこそのファンであり、連帯感こそがファンの至上の幸福です。強いファンの愛に応えるためには日々の精進が欠かせません。ただひたすらに木が好きというだけでは、濃いファンを満足させる事はできません。『適材適所』とかを書いたり、ブログを書いていると『放電』状態なので、いろいろ動いて『充電』していかないと中身がどんどん薄まってしまいます。私の場合は、ほとんどが個人的な趣味みたいなものなのですが・・・。

木は素晴らしい素材ですが、よく特徴を理解して使わなければ、その持ち味を活かすどころか暴れたり反ったりして、後悔することになりかねません。とはいえ、木の世界は奥深く際限がありません。私も20年関わってきましたが、木の道の入り口でグルグルと迷うばかりです。だからこそ木の世界は面白いのですが。まだまだ未熟で反省ばかりですが、木のファンが一人でも増えるように頑張っていこうと思います。




今日はご注文をいただいていた1枚板のダイニングテーブルの納品です。エルムの大きな両耳付の1枚板で迫力があります。お施主さんが無垢の1枚板にこだわっていただきました。木の好きなお施主さん大好きです。

エルム(Elm)はニレ科の仲間です。以前にもブログで書きましたが、木目のくっきりした木です。エルムの木には、軽軟なソフトエルムと呼ばれるものと、より重硬なハードエルムの2つに大別されます。更に細かく分類されるそうですが、大まかには硬いか柔らかいかと考えたのでいいのではないでしょうか。このテーブルは、重硬なハードエルムに含まれます。大人一人で持つには骨の折れる重さです。1600x860x50㎜の立派な物です。赤身と白太との差が顕著です。下の画像は、塗装する前の生地の状態です。

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塗装は当然、植物性油+蜜蝋ワックス拭きです。これはミャンマー産ですが、白太がよく塗料を吸い込み乾燥に結構時間がかかりました。塗装するとメリハリがはっきりします。木目がよりくっきりとしてきて表情が際立ってきます。どう~してもナデナデとさすりたくなってしまいますね。滑らかで気持ちいいです。この仕上がった最初の手触りを味わえるのは至上の楽しみですね!

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幅860㎜というと、大人が手を広げて一抱えにするぐらいの大きさです。そう考えると結構な大きさです。一般的なダイニングテーブルのサイズは、大体コンパネ1枚分ぐらい(900X1800)なので、それがひとつの目安になるので、「900㎜幅ぐらいの1枚板を」と言われる方も多いのですが、900㎜の直径のある立木を想像してください。これはかなりの巨木です。まず100年ぐらいは森に鎮座ましましていたに違いないのです。

パソコンでマウスをちょこちょこっと動かして幅が広がるなんて物ではないのです。直径が10㎜大きくなるのにも何年も費やしているのです。そう考えれば、虫穴や傷があるのは当たり前です。むしろ無傷なほうが不思議なくらいで、果たして森における役割ではどちらが値打ちがあったのかを考えれば、虫穴や傷の尊さも分かろうという物です。このエルムにも端に小さな『勲章』がありますが、少しも気にされませんでした。理解のあるお施主さんに出会えて嬉しいです。木の好きな方に好まれて買われる木の家具は幸福です。合板でも何でもいいけど、割合木も安いから木にした・・・なんて言われてしまうと悲しくなります。まあ、そんな方は私のような偏屈者の所には来られませんが。

いずれこのテーブルにも傷や染みや汚れがついていきます。お施主さんにはそれを恐れずあまり神経質にはならないで下さいといつもお話しします。生活の証としての傷や汚れがついていくほどに、このテーブルもご自宅に馴染んでいきますよ。過保護にしない程度の大切さで扱っていただければ嬉しいです。家具の傷や汚れに一喜一憂する暮らしでは疲れます。いくら高価な家具を手に入れようとも、家具のための人間になってしまっては意味がありません。心が捕らわれる暮らしは決して平穏ではありません。

頑丈に作った家具もいずれは壊れます。それは物の宿命です。新築の家に真新しい家具がやってきて何十年も過ぎて気がつけば、古傷にまみれた馴染みの家具がそこにあり、多少汚れも目だってきたものの愛着があってとても捨てる気にはなれない。もうちょっと辛抱して使ってみようか・・・仲間と一緒にそんな家具が作れたら嬉しいです。




各種イベントで【枝の輪切り】大人気で、以来が殺到しています。お陰で輪切りの技術もずいぶん上達しました。手頃なサイズの枝のストックが、紅葉葉楓(モミジバフウ)榎(エノキ)ぐらいしかないので、当分その2種類頼みなのですが、丁度色合いがはっきりしているので喜ばれています。

20090202e38080e6a68ee381a8e7b485e89189e89189e9a2a8持帰った頃は、邪魔者扱いされた小枝も既に半分以上がなくなりました。スライド丸鋸で切断するのですが、あんまり曲がりくねった枝だと切断しにくいので、ついつい真っ直ぐな枝ばかり選んでしまいます。曲がり具合が少ないと、輪切りにしたときに面白い形の物ができにくいのですが、ついつい効率重視で・・・。それでもときどき面白い形の物も取れます。タイトル『進化の過程

 

 

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上がモミジバフウで、下がエノキです。

枝が二つに分かれる辺りの連続輪切りです。枝の成長過程がよく分かります。曲がった枝だともっと変化のある物が出来ます。小型のスライド丸鋸なので、せいぜい直径60~70㎜の枝しかカットできませんが、もう少し種類も増やしてストックしておこうと思います。

 

 

山にいれば枝なんか簡単に手に入る物ですが、町の中では案外入手しにくい物です。本当は街路樹の枝がうまく手に入ると一番いいのですが・・・、プラタナスとかニセアカシアとか。街路樹として車の排気ガスを浄化して、市民の憩いとしても貢献してくれた街路樹が、道路の拡張工事などで伐採され産業廃棄物として処分される姿はいたたまれない気持ちになります。その発想で【森のかけら】が生まれたのですが、【森のかけら】にすら使えない小さな枝も、カットして穴を開けるだけで多くの子ども達を楽しませてくれるのです。そう考えると、改めて木の偉大さを思い知らされます。幹から枝から、使えないところは何一つありません。本当は葉っぱにも興味があるのですが、収集がつかなくなるので、それはいずれ・・・。




今日のかけら・#168【セコイアSequoia   スギ科・針葉樹・北米産

テレビでも報道されていますが、オーストラリアで大規模な山火事が発生し、まだ完全に鎮火してないようで、延焼や新たな山火事の発生などの報道が続いているようです。木を扱う仕事をしている者として心が痛みます。「お前たちも木を切っているじゃないか」と言われるかもしれませんが、目的があって伐採しそれが家具や建築材に形を変え新たな使命を負うことと、山火事で燃え意味もなくこの世の中から消失してしまうのとでは大きな違いがあります。凄まじい勢いの炎に身を焦がされる森の木々の姿は直視に耐えません。『2009年2月、オーストラリア南東部で大規模な山火事が発生。これまでに住宅約1800棟が焼失し、約7000人が避難生活を余儀なくされている。死者は300人を超えるともいわれ、同国史上最悪の惨事に』・・・辛いです、一日も早い完全鎮火を願います。大火を生き延びたコアラのニュースもありましたが、山火事は怖いです。一部放火などがあったような報道もあり、真偽は分かりませんが、森には山火事は避けられない宿命でもあります。

特にオーストラリアのような乾燥期がある広大な森林地帯では、乾燥して燃えやすくなった木はちょっとしたきっかけで激しく燃えます。例えばカミナリなどの気象や山に入った人間の火の不始末など、さまざまな原因が考えられます。そういう乾燥期を持つ森の木々は、長い時間をかけて環境に順応していこうとします。例えば北アメリカの『セコイア(レッドウッド)』という木は、山火事によって子孫を残すと言っても過言ではないような面白い木です。セコイアの樹皮は分厚くゴワゴワしています。また内部に大量の油分を含んでいるため、山火事にあっても外皮が燃え焦げる程度で、内部が燃えきったり枯死することはありません。むしろ、火事のために枯れた他の木に取って代わって勢力を伸ばすのです。またストレスにより種子に強いストレスがかかり、タフな種が育つとも言われています

そして頑強な殻に包まれた種子は、火事の熱によってマツカサが開き、競争相手の減った原野のような場所に種が撒かれる事になるのです。火事を利用するというよりは、火事がなければ種を増やせないという極めて珍しい木です。これは特殊な例ではありますが、生まれたその場を移動することの出来ない木だからこその生きる工夫なのでしょう。この世で起こったことをクヨクヨ悩んでも仕方ないですね。それよりどうやって現実を受け入れ、うまく適応、順応していくか前向きに考えるべきでしょうね。

セコイアは、世界一高くなる木としても有名です。俗名のレッドウッドは、樹皮と材の色が赤身を帯びていることに由来しています。世界最長のセコイアは、実に樹高110mもある巨大な物です!よくテレビなどでも登場することがありますが、あまりに大きすぎてフレームに収まりきれてないですね。カメラを引きすぎて比較対象の人間が見えなくなってしまっています。とても自然が作り上げた物だとは信じられません。そのセコイアは、推定樹齢2000年といわれています。2000年前の山火事で種が芽を出したのかどうかは知る由もありませんが、自然は偉大です。オーストラリアで燃え尽きた森からも必ずや新しい命が芽吹いてくるはずです。人間が思うよりはるかに自然は強くたくましくそして偉大です!一日も早くオーストラリアの森が元の姿に戻ることを願います。




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