Monthly Archives: 2009年 12月

雪の断章2009

091231_1103~0001年末で野村町の実家に戻っていますが、今朝起きると辺りが真っ白!天気予報では雪だるまが出ていましたが、これほど降るとは!数年前にも正月に大雪が積もりましたが、少し野村の雪をなめていました。子供達は大喜びでさっさと雪遊びに飛び出て行きましたが、私の方はノーマルタイヤで戻ったものですから帰りの心配でドキドキ!大学で松山に行ってからスタッドレスタイヤを装着した事もありません。北海道や東北の方にしてみれば、たかだかこれくらいというレベルの雪でしょうが、普段慣れてないものですから戸惑いもひとしおです。とりあえずスタッドレスタイヤを装着した車で兄夫婦と隣町の宇和町に買い物に出かけましたが、宇和町は南予でも有数の豪雪地帯。宇和町内に入ると野村以上に大雪が積もっています。道路の轍すらも雪で隠れようとするほど・・・!前を走る車の姿が見る見るうちに白い世界に飲み込まれていきます。

 

DSCF0239木々の枝にも雪が積もり一夜にして水墨画の世界に様変わりです。『柳に雪折れなし』という言葉がありますが、弓の如くしなる枝の強さには感嘆させられるばかりです。世界遺産に指定される『白神山地のブナの原生林』も、太古の昔まだ東北地方が温暖な気候に恵まれていた時代にはブナではなくが趨勢を誇ったようですが、寒くなり豪雪が積もるようになると、雪の重みに耐えられなくなった楢の木は次第に姿を消し、ブナが現れてきたということです。今でこそ世界遺産に指定され脚光を浴びるブナですが、そこには雪との長い格闘の歴史があったのです。

100101_0847~0001山々に神々しい水墨画を作り出す雪には、美しさと厳しさの二つの顔があります。寒冷地においては木の中の水分が凍結し木を破砕させることもあります。多くの枝が雪の重みに耐えかねて折れたことでしょう。雪だけでなく自然は常に二面性を備えていますが、雪景色がはかなく美しい分だけその厳しさが際立って感じられます。この雪も数日で溶けてしまうでしょうが、美しさの裏にある厳しさは常に肝に銘じておかなければならない戒めだと思います。この一年いろいろな方に出会い様々な体験をしました。

 

100101_0850~0001それまでは全く無縁だったデザイナー、行政、飲食業、観光、医療などなど多くの異業種の方からヒントをいただき、まったく別のフィールドに上げさせていただきました。お陰で【森のかけら】にとっては新境地を開いた1年でした。異種格闘技戦のような戦い方の分からない手探りのリングでしたが、そこにはビギナーズラックの強運もありましたが、ご支援いただいた方々のご協力で何とか無事に戦える事が出来ました。やがて新たなフィールドでも慣れも出てくるかもしれませんが、常にその裏にある怖さも忘れることなく謙虚な気持ちで臨みたいと思います。今年最後の日に大雪に見舞われ、その事を強く意識させられたのも偶然ではない事のようにも思います。この1年の感謝を胸に、更に新たなご縁を期待して来る年を迎えようと思います。このブログも多くの皆様にご覧いただき、たくさんのコメントもいただきました。本当にいろいろお世話になりありがとうございました。どうぞ来年も宜しくお願い致します。

蒼天に行く道あり・・・②

091231_1637~0002従来の三国志における孫権のイメージは決して良いものではありません。野心溢れる先代・孫堅が大望を目前にしながら暗殺され、その遺志を受け継いだ才色兼備な長男・孫策伯符が更に若くして毒殺され、その跡を継いだ弟・孫権仲謀は先代と兄の遺した優秀な重臣に支えられ劉備、曹操と肩を並べられたというのが定説のように語られています。史実ではそういう風になっているのかもしれませんが、王欽太氏の『蒼天航路』では、かなりの大胆解釈で孫権が描かれています。どちらかというと、頼りなく偶然廻ってきた呉の王の椅子に座った頼りない男というイメージがあっただけに、このキャラクターの造形にはとても心を惹かれました。

091231_1636~0001自分が男3人兄弟+妹という環境で育った事もあり、男兄弟の物語には強く惹かれます。特に、兄・孫策は秀でた容姿を備えて性格も温厚で、性格は闊達で人の意見を良く聞き入れ、適材適所に人身を登用したのに対して、才武に劣る弟・孫権が周瑜公瑾(しゅうゆ・こうきん)などの有能な家臣に支えられたという件りには、同じ二男として共感を覚えずにはいられません。周瑜の武才は、映画『レッドクリフ』でも華やかに描かれていました。他にも、呉の3代に使えた程普(ていふ)、黄蓋(こうがい)、韓当(かんとう)の勇猛な将軍を含め、確かに孫権の周囲には優れた重臣が居て、孫家を支えたのは事実でしょうが、当の孫権の心情はいかばかりであったでしょうか。私は、それが気になって仕方ありませんでしたが、『蒼天航路』ではかなり溜飲が下がりました。

 

 

20091230 孫権大中華の一時代を治めた孫家はあまりにも別格ですが、誰でも否応なしに生まれた環境でその後の人生は大きく左右されます。自分の意志や努力の及ばない外因や人間関係、ねたみ、そたみや風評、批判厳しい世間の荒波に突然晒され、苦悩する事もあります。そして臥薪嘗胆の気概で耐え忍ぶのです。生まれたときから一族の後継者として嘱望される長男も大変だと思いますが、降って湧いたようにその座に着くことになる二男のもそれなりの苦労はあると思います。そういう思いもあって、三国志において孫権がもっとも身近に感じられます。読みながら、次第に成長し覇王へと「進化」していく孫権の勇姿に熱いものが込み上げてくるのでした!

 

 

091231_1638~0001敵陣でも神出鬼没に虎狩りをするなど無邪気な面も併せ持ち、碧眼(蒼い目)を持つとし「碧眼児」と呼ばれた孫権ですが、晩年は評価を下げたようです。比較される劉備や曹操とは一世代も年下で、やがて孫権も時代と乖離してしまったのでしょうか。まあ歴史は常に勝者が後付で書き直していく物ですから、真実かどうかは定かでなないと思いますが、晩節を汚したのは残念です。曹操の【木簡】からかなり脱線してしまいましたが、いつか三国志の事に触れてみたかったので、つい調子に乗って長編になってしまいました。三国志ファンの方には、大いに異論のあるところでしょうが、是非『蒼天航路』も読んでみてください。迫力ある画力と全編名言格言の飛び出すドラマチック三国志に心が震えない男はいません!私は『レッドクリフ』の100倍面白いと思います!