森のかけら | 大五木材


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091231_1103~0001年末で野村町の実家に戻っていますが、今朝起きると辺りが真っ白!天気予報では雪だるまが出ていましたが、これほど降るとは!数年前にも正月に大雪が積もりましたが、少し野村の雪をなめていました。子供達は大喜びでさっさと雪遊びに飛び出て行きましたが、私の方はノーマルタイヤで戻ったものですから帰りの心配でドキドキ!大学で松山に行ってからスタッドレスタイヤを装着した事もありません。北海道や東北の方にしてみれば、たかだかこれくらいというレベルの雪でしょうが、普段慣れてないものですから戸惑いもひとしおです。とりあえずスタッドレスタイヤを装着した車で兄夫婦と隣町の宇和町に買い物に出かけましたが、宇和町は南予でも有数の豪雪地帯。宇和町内に入ると野村以上に大雪が積もっています。道路の轍すらも雪で隠れようとするほど・・・!前を走る車の姿が見る見るうちに白い世界に飲み込まれていきます。

 

DSCF0239木々の枝にも雪が積もり一夜にして水墨画の世界に様変わりです。『柳に雪折れなし』という言葉がありますが、弓の如くしなる枝の強さには感嘆させられるばかりです。世界遺産に指定される『白神山地のブナの原生林』も、太古の昔まだ東北地方が温暖な気候に恵まれていた時代にはブナではなくが趨勢を誇ったようですが、寒くなり豪雪が積もるようになると、雪の重みに耐えられなくなった楢の木は次第に姿を消し、ブナが現れてきたということです。今でこそ世界遺産に指定され脚光を浴びるブナですが、そこには雪との長い格闘の歴史があったのです。

100101_0847~0001山々に神々しい水墨画を作り出す雪には、美しさと厳しさの二つの顔があります。寒冷地においては木の中の水分が凍結し木を破砕させることもあります。多くの枝が雪の重みに耐えかねて折れたことでしょう。雪だけでなく自然は常に二面性を備えていますが、雪景色がはかなく美しい分だけその厳しさが際立って感じられます。この雪も数日で溶けてしまうでしょうが、美しさの裏にある厳しさは常に肝に銘じておかなければならない戒めだと思います。この一年いろいろな方に出会い様々な体験をしました。

 

100101_0850~0001それまでは全く無縁だったデザイナー、行政、飲食業、観光、医療などなど多くの異業種の方からヒントをいただき、まったく別のフィールドに上げさせていただきました。お陰で【森のかけら】にとっては新境地を開いた1年でした。異種格闘技戦のような戦い方の分からない手探りのリングでしたが、そこにはビギナーズラックの強運もありましたが、ご支援いただいた方々のご協力で何とか無事に戦える事が出来ました。やがて新たなフィールドでも慣れも出てくるかもしれませんが、常にその裏にある怖さも忘れることなく謙虚な気持ちで臨みたいと思います。今年最後の日に大雪に見舞われ、その事を強く意識させられたのも偶然ではない事のようにも思います。この1年の感謝を胸に、更に新たなご縁を期待して来る年を迎えようと思います。このブログも多くの皆様にご覧いただき、たくさんのコメントもいただきました。本当にいろいろお世話になりありがとうございました。どうぞ来年も宜しくお願い致します。




091231_1637~0002従来の三国志における孫権のイメージは決して良いものではありません。野心溢れる先代・孫堅が大望を目前にしながら暗殺され、その遺志を受け継いだ才色兼備な長男・孫策伯符が更に若くして毒殺され、その跡を継いだ弟・孫権仲謀は先代と兄の遺した優秀な重臣に支えられ劉備、曹操と肩を並べられたというのが定説のように語られています。史実ではそういう風になっているのかもしれませんが、王欽太氏の『蒼天航路』では、かなりの大胆解釈で孫権が描かれています。どちらかというと、頼りなく偶然廻ってきた呉の王の椅子に座った頼りない男というイメージがあっただけに、このキャラクターの造形にはとても心を惹かれました。

091231_1636~0001自分が男3人兄弟+妹という環境で育った事もあり、男兄弟の物語には強く惹かれます。特に、兄・孫策は秀でた容姿を備えて性格も温厚で、性格は闊達で人の意見を良く聞き入れ、適材適所に人身を登用したのに対して、才武に劣る弟・孫権が周瑜公瑾(しゅうゆ・こうきん)などの有能な家臣に支えられたという件りには、同じ二男として共感を覚えずにはいられません。周瑜の武才は、映画『レッドクリフ』でも華やかに描かれていました。他にも、呉の3代に使えた程普(ていふ)、黄蓋(こうがい)、韓当(かんとう)の勇猛な将軍を含め、確かに孫権の周囲には優れた重臣が居て、孫家を支えたのは事実でしょうが、当の孫権の心情はいかばかりであったでしょうか。私は、それが気になって仕方ありませんでしたが、『蒼天航路』ではかなり溜飲が下がりました。

 

 

20091230 孫権大中華の一時代を治めた孫家はあまりにも別格ですが、誰でも否応なしに生まれた環境でその後の人生は大きく左右されます。自分の意志や努力の及ばない外因や人間関係、ねたみ、そたみや風評、批判厳しい世間の荒波に突然晒され、苦悩する事もあります。そして臥薪嘗胆の気概で耐え忍ぶのです。生まれたときから一族の後継者として嘱望される長男も大変だと思いますが、降って湧いたようにその座に着くことになる二男のもそれなりの苦労はあると思います。そういう思いもあって、三国志において孫権がもっとも身近に感じられます。読みながら、次第に成長し覇王へと「進化」していく孫権の勇姿に熱いものが込み上げてくるのでした!

 

 

091231_1638~0001敵陣でも神出鬼没に虎狩りをするなど無邪気な面も併せ持ち、碧眼(蒼い目)を持つとし「碧眼児」と呼ばれた孫権ですが、晩年は評価を下げたようです。比較される劉備や曹操とは一世代も年下で、やがて孫権も時代と乖離してしまったのでしょうか。まあ歴史は常に勝者が後付で書き直していく物ですから、真実かどうかは定かでなないと思いますが、晩節を汚したのは残念です。曹操の【木簡】からかなり脱線してしまいましたが、いつか三国志の事に触れてみたかったので、つい調子に乗って長編になってしまいました。三国志ファンの方には、大いに異論のあるところでしょうが、是非『蒼天航路』も読んでみてください。迫力ある画力と全編名言格言の飛び出すドラマチック三国志に心が震えない男はいません!私は『レッドクリフ』の100倍面白いと思います!




091229_1539~0001先日、中国河南省で『曹操の陸墓』が発見されたというニュースが話題になりました。三国志の英雄にして稀代の傑物・曹操の陵墓が今まで発見されていなかった事の方がむしろ不思議でもあります。陵墓からは60歳前後とみられる男性の遺骨が見つかったということですが、洛陽にて66歳で死去したという史実と整合性があり、また「魏武王」と刻まれた銘文があったことなどからも暫定的な鑑定では曹操本人であるとされたようです。これから専門的な鑑定で更に正否が明確になるのでしょうが、かなり信憑性が高いもののようです。一般紙ではあまり大きな扱いではありませんが、三国志ファンにとっては歴史的な大発見でしょう。こういう場合、よく【木簡】が出土する事が多いのですが、いずれいろいろな物も公開されると思います。三国志の時代の木簡、曹操が手にした木簡、もうそれだけでも浪漫があるではないですか!

私は熱狂的な三国志ファンというレベルではありませんが、こういう歴史物は結構好きなのでいろいろ読みました。どこにでも三国志ファンと『必殺!』のファンはいるものです。男が三人集まれば一人ぐらいは三国志に詳しい人間がいるものです。

 

20091229 三国志蜀の劉備か呉の孫権か魏の曹操、誰を支持するかという事だけで常に論争になるのは大人気ないと思いながらも、この種の話は盛り上がります。私はNO.1とかが嫌いなひねくれた性格なので、三国志の中でもっともに気のある劉備は問題外です。三国志の中では、英雄扱いされる劉備の敵役のような扱いを受け、乱世の姦雄(かんゆう)とも呼ばれる曹操ですが、鬼神の如き伝説に彩られたキャラクター像には惹かれます。昔、三国志を描いた漫画といえば横山光輝氏の『三国志』の大長編コミックが定番でした。

当然読みましたが、まだ中国の歴史がよく理解できないうえに登場人物が多すぎてかなり混乱しました。また横山光輝氏のライフワークとも呼ぶべき力のこもった労作なのですが、キャラクターの表情が似ていて正直、登場人物が増えれば増えるほど誰が誰やら分からなくなり、何度も何度も前の巻を読み返さなければなりませんでした。

20091229 蒼天航路その後も、三国志を題材にした小説や漫画は数多く出版されましたが、やはり時代背景が複雑で、馴染みの薄い地名や名前に翻弄されるばかりでした。それが数年前に出版された『蒼天航路』(王欣田太・画 李學仁・原案/講談社)で一掃されました!珍しく曹操の視点で三国志が描かれ、そのスーパースターぶりがドラマティックに活描されていて、全36巻は今でも何度となく読み返しています。壮大なスケールと歴史をまたぐ個性溢れるあまたの登場人物、大胆過ぎる解釈、そして血肉踊る湧き踊る切れ味鋭い筆致と、漢詩や格言名言のごときシンプルで歯切れの良い台詞!そのどれもが衝撃でした!

20091229 蒼天航路・孫権若かりし頃の曹操が北部尉(北門の警備隊長)を命じられた時に、威厳をもって職にあたり、『諸君!蘭心竹性(らんしんちくしょう)の気風で役目せよ!』と激するシーンがあります。そういう台詞の積み重ねから曹操という人間性が見えてきます。一族郎党を根絶やしにするような苛烈な戦を繰り返し、乱世の姦雄のイメージで語られる曹操ですが、『蒼天航路』では政治だけでなく音楽や詩歌にも才気煥発・才色兼備の万能人、皆を惹きつけてやまない破格のキャラクターとして描かれます。しかし、その曹操よりも私が心を惹かれるのは、孫権を含む呉の孫家なのです。

この話、明日に続きます!




DSCF0177本日で今年の弊社の営業も終了です。今年の総括はもう少し後でするとしますが、数年前まででしたら最後の最後まで配達に追われていたのですが、住宅不況もあり午前中で配達も終了です。午後からはみんなで大掃除をして今年の埃を落としました。2階の展示室ともしばしのお別れです。先日アップしたように、展示家具にも廉価販売の値札をつけて準備完了。隣の部屋の木のおもちゃ、クラフトたちも正月向けに模様替えをしてもらい新しい年を迎える準備が整いました。

 

DSCF0180最近は、「2階の木のおもちゃを見させて下さい」と、事務所を訪れられる方が1日に最低1組はあります。家内がいろいろなところで、「木育」活動に励んでいる事から、そのネットワークが次第に広がっているようです。以前は、一般の方が来社されるのは設計士さんと内装材の打ち合わせか、家具製作の打ち合わせがほとんどでしたが、大袈裟かもしれませんがまさに晴天の霹靂のような印象があります。お買い上げされる金額は決して高額ではありませんが、建築以外のいろいろな分野の方が来ていただく事は大変ありがたい事です。本来は、実際に施工したフローリングやパネリングの色目や肌触りなど体感してもらうための場所だったのですが、すっかりお株を奪われる格好になりました。けれど、多くの人が喜んでいただけるのであれば、それはそれでも構わないと思っています。

 

091228_1252~0001木のおもちゃは、家内の担当なので仕入れも販売も全て任せています。たまにおもちゃコーナーを覗くと、陳列してある新商品の中に私の感性をくすぐる物があります。自社の商品でありながら欲しくなるのですが、さすがにそこは衝動を抑えます!いろいろな作家さんや工房から商品が集まっているので、見ているだけでも楽しいのですが、商品説明が出来るほど詳しくはないのでご興味のある方は是非、ご来店下さい。来年の干支にちなんだ『』関係の商品も並んでおります。阪神タイガースファンとしては身につけておきたいところです!

DSCF0183その他にもいずれ購入しようと狙いをつけているものが幾つかあります。左の木製ロボットもそのひとつです!大人の掌に納まるような小さなサイズです。原色ベタ塗りのような仕上げですが、何故だかこういう物に異常に惹かれてしまいます。何故?と訊かれて答えの出るような物ではありません。事務所に置いてあるのだからわざわざ買わなくてもいいじゃないかと思う向きもあるでしょうが、それはコレクターの心を分かっていらっしゃらない。所有してこそのコレクターなのです。という事は全種類集めなくてはならず、悩んでいるところです・・・。

事務所2階の『木のおもちゃ展示室』も、今年の営業は終了しました。新年は1月5日(火)からの営業となります。平日は8:00から17:00までの営業で、祝祭日と第2土曜日(稀に第4土曜日)はお休みです。




091228_1248~0002いよいよ年の瀬も迫り慌しくなっていますが、弊社もいろいろ片付けに追われています。事務所の2階の展示室も(私の持ち場)整理しなければならにもののなかなかはかどりません。各種カットサンプルが山積みされていますが、これでもそれなりに何が何処にあるかは分かるから不思議です。昔は年末のこの時期になると大掃除で、使う見込みのないカットサンプルは大量に焼却処分していました。ある期間以上経つと、仕様変更でサイズが変わってしまって使えなくなったり、メーカーが廃業などという事もありましたので、勿体ないと思いながらも捨てるしかありませんでした。それが、数年前から【森のかけら】を作り始めてからは、それなりに用途が見つかったので再加工して使っています。それでも、寸法的に使えないものとか、同じ樹種が大量にある物とか出てくると泣く泣く処分しなければならない事になるのですが・・・それがなかなか捨てられない!踏ん切りが悪いと思いつつも、何かに転用できないかと思案を廻らして、結局取って置いてしまうのです・・・。

膳シリーズゴミと素材の違いは判断せねばならないと分かってはいるのですが、根本的にケチなので捨てられません。でもそのお陰で【森のかけら】が生まれたのですから、人生何が身を助けるかは分からない物です。とはいえ、腐ることはないであろうカットサンプルも物には限度があるので、何とかせねばなりません。こういう必要に迫られた時にこそ良きアイデアは湧いてくるものです。まさに必要こそが発明の根源!300㎜程度の大きめの面白い杢目は【丸膳】など膳シリーズに、40x40㎜ある物は当然【森のかけら】に、カットサンプルからは【円い森】など、かなり『勿体ない』から商品が生まれました。

 

 

DSCF0174カットサンプルなどは事務所の2階の展示室に置いてあるのですが、そこには仕上がった家具も数台置いています。基本的には、家具は注文生産という形にしているのですが、作ってみないとイメージがつかめない物もあったりして数台は在庫があります。メインの座卓は今までに10台は作ったでしょうか。現品でもいいという方も多く、結構現品を購入される方も多いです。やはり荒材だと仕上がりの姿が想像しにくいという事もあるのでしょう。打ち合わせに使用しているので小傷や汚れがありますよと言っても構わないという方がほとんどです。

今回も、岩手の栗の耳付板を幅剥ぎにして、槍鉋で仕上げた物ですが目出度くご購入者が現れました。晴れ舞台の姿は、年明けに落ち着いた新居で撮影させていただきます。

DSCF0171ヨーロピアン・ビーチ』のキャビネットや『日向杉』など各地の杉で作った酒卓、ブラックチェリーのダイニングテーブル、ブラックウォールナットの文机、ブラックチェリーの勉強机、桂の手洗い飾り台など、長らく展示室に花を添えてくれた愛着ある家具達なのですが、やはりどこかで踏ん切りもつけなければなりません。これと同じデザインを別の樹種でとか、これの少し大きいサイズでとか、直接販売には至らずとも家具の販売には大きく貢献してくれました。モデルチェンジや樹種変更などもあり、このたびこれらの家具を廉価にて販売させていただくことにしました。長期展示のため小傷や日焼けなどがありますので、現品をよくご確認のうえ、気に入っていただける物がありましたらこの機会にどうぞ。希望価格の50~60%程度で値付けさせていただいています。3月までのロングセールですのでどうぞ宜しくお願い致します!




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