森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
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20120930 1先日久し振りに製品の材市場に行きました。日頃から製品の仕入れではお世話になっているものの、自身が市場の門をくぐるのは6、7年ぶりの事。愛媛県松山市は、平成の市町村合併で現在51,7万人(平成23年度末現在)で、四国最大の人口を擁しています。しかも愛媛県は桧の生産量日本一を誇る全国有数の木材算出県なのです。にも関わらず、松山市内には木材の製品市場はたった1つしかありません。これは最近の事ではなく、私が業界に入った20数年前からそうなのです。

 

20120930 2私自身が松山で生まれたわけではありませんし、先代の父親も純粋な材木屋というわけではない家系なので、大五木材に入社する以前の松山における業界事情に明るくありません。そもそも松山市内は国産材よりも外材の製材工場が集積していたので、国産材製品流通の基盤である市場機能を必要としなかったのか、それとも過去には存在した市場が閉鎖したのか、理由はよく分かりませんが、人口比で見ると異常な少なさだと思います。その1件というのが愛媛県森林組合木材流通センターです。

 

20120930 3市内をはじめ県内各地から木材製品が集められ、県内外の木材屋に販売されています。弊社では葉柄材を中心に製品を仕入れさせていただいています。以前は月に1回開催されるセリに来て製品を競って購入していましたが、最近はもっぱら「メーカー指定」の「付け買い」がほとんどになりました。大工さんが手刻みをしていた時代と違って、プレカットでの家作りが主流になると製品の安定供給が必要命題となり長期契約などの影響で、製品相場の乱高下は少なくなりました。

 

20120930 4もはや市場が製品相場をリードしていた時代は過去の話。相場の上げ下げはあっても末端単価への転化は容易ではなく、結局材木屋が差額を調整する事に。最終的なモノの値段の決める権利を失いつつある現状に、新たな『出口』を求めるようになったのは10年ほど昔。それから【森のかけら】を経て、ようやく製品から商品へ脱皮をしようとしているところです。しかし、久し振りに訪れたこの地は私の材木屋としての原点でもあります。大学の4年の秋頃に、大五木材への就職が決まったのですが、時同じく当時の専務が独立する事になり、私の人生計画は大きく変わりことに・・・。明日へ続く!




20120929 1しばらくの間、更新が出来ずにお叱りを受けていた『ちょこっと端材』ですが、先日久し振りにようやく更新致しました。秋の木工キャンペーンと銘打って、9月20日~10月19日までのおよそ1ヶ月の期間限定セールを開催します。その告知すら遅くなってしまい、楽しみにしていただいている木工ファンの皆さんには重ねてお詫びを申し上げますが・・・。通常価格の60~70%の特別価格を呈示させていただきました。なお、商品総額1万円以上で送料無料は継続中ですので是非ご利用下さい。

 

20120929 2キャンペーンの特別価格については、一覧のリストに記載しておりますので、こちらからご確認下さい。以前に比べると「自分で何かを作りたい」という方が随分増えて来た実感があります。数日前にもアップしましたが、来店される数に比例して樹種にこだわる人も増えてきて、メジャーではない木をご所望されるケースが増大。大抵の場合ご希望の樹種はあるのですが、ご希望のサイズがない事がほとんど。あくまで廉価な端材を求められるのですが、そう上手い具合に適寸はありません。

 

20120929 3テーブルやキャビネットなどの家具や造作材を木取りした残りが「端材」となり、それらを軽く削り直したものが『ちょこっと端材』になります。倉庫にはまだ加工もしていない荒材の端材は山積みとなっていますが、さすがに外に出すのに化粧ぐらいしてやらねばなりません。念入りに化粧(#180サンダー加工)した後は「見合い写真」も必要です。どんな端材からも少しでも良い所を見出していただけるように、(カメラの)腕が未熟な分だけ、見合い写真も沢山撮らねばなりません。

 

20120929 4いろいろな樹種をアップしてご覧いただきたいのはやまやまなのですが、なにぶん時間と労力ににも限りがあります。もう少し簡単にアップ出来るように商品公開のシステムも改良していくつもりですので、いましばらくお待ち下さい。更新が遅れたお詫びというわけではありませんが、レアな樹種『バーズアイメープル』の端材を数点アップしております。本当は『今日のかけら』で詳しく樹種の紹介をしてから公開するつもりでしたが、私自身が待ち切れなくなりましたので、ひと足先に端材デビューさせます!

 

※ なお、『バーズアイメープル』については、秋の木工キャンペーンに含まれませんのであしからず!




20120928 1愛する阪神タイガース城島選手が引退を発表。先の金本選手に続き、大物選手の相次ぐ引退発表は、来るべき時が来たかというのが実感です。数年前から遅々として世代交代が進まないというのは周知の事実。今回の2選手の引退にしても、若手の台頭に押されてというわけではなく、満身創痍で体がボロボロになるまでやったうえでの結論。若手との切り替えには時間がかかりますが、出来ないからやらさないでは、永遠に芽は出ません。やらせれば出来る、そう信じなければ世代交代は叶いません。

 

20120928 2金本選手は私と同じ誕生日で2歳年下、20代の選手に混じってよくぞこの歳まで現役を続けてこれたものだと思います。今年も甲子園観戦は叶いませんでしたが、現役最後の年に生で試合を観れただけでも良かった。代打で名前がコールされるだけで球場が沸きあがる、数少ない華のある選手でした。輝かしい連続試合フルイニング出場などの世界記録を打ち立てましたが、地味な記録ながら1002打席連続無併殺打(日本記録)という記録こそが金本選手の真骨頂だと思います。凡打でありながらも1塁まで全力疾走しなければ作ることが出来ない記録です。ただ漫然と記録を伸ばしたのではなく、こういう地道な姿勢があってこそのものでしょう。阪神タイガースに移籍してきて9年。2000年代のタイガースの意識を変えてくれた大功労者です。その偉業は永遠です。お疲れ様でした、アニキ!

 

20120928 3思えば優勝こそ逃したものの、二桁本塁打6人、90打点クインテットマートン17本、91打点)、鳥谷(19本、104打点)、新井貴(19本、112打点)、ブラゼル(47本、117打点)、金本(16本、45打点)、城島(28本、91点)を生み出し『第四次ダイナマイト打線』の呼び名を欲しいままにした2010年は、阪神ファンを堪能させていただきました。その後、幾多の怪我に苦しめられ何度も体にメスを入れながらも、阪神ファンの溜飲を下げさせてくれたお二人に感謝、感謝です。

 

20120928 4城島選手は36歳ですが、金本選手は44歳。昔に比べてスポーツ選手全体的に選手寿命が延びたとはいえ、40歳まで現役を続けられるプロスポーツは多くはありません。多くの選手の場合、それから後の人生の方が長いわけですから、不惑の年頃になって第二の人生を選択するエネルギーは相当のものでしょう。プロ野球選手もいわば個人事業主、体力の限界が引き際となうのでしょうが、翻って自分はどうかと考えます。体力仕事の側面はあるものの、魂が折れた時が引退の時。そう思いながら今日もひたすら木の物語を喉も枯れよと喋い続けるのです。




20120927 1外部向きに「端材あります」とか、「小売いたします」などの看板を掲げているわけでもないのですが、長い事この地で材木屋をさせていただいたお陰でしょうか、最近一般の方の飛び込み相談率がもの凄く増えています。しかも以前に比べて変わったのは、日曜大工に使うOO用の木が欲しいのだけどというホームセンター感覚のお客さんではなく、OOの木でOOを作りたいんだけれどOOの加工(かなり特殊!)出来ますか?とか、OO科の厚みOO㎜の耳付き板が欲しいとか、注文がマニアック!

 

20120927 2尋ねると、OOさんに紹介されたとかホームページを見たという方がほとんどで、ますますマニアの巣窟と化しておりますが、それも望むところ!ただし、マニア度にも深みを増してくるとかなりアクの強い個性派が現れます。いくら説明しても頑として受け付けない思い込みの激しい方、こちらの説明よりも自分が喋りたくてたまらない自己主張の強い方、各地の材木屋を巡って道場破り(?)をしてきたと己の武勇を語る方等々。そういう方には偏屈材木屋なりの礼を尽くした(!?)応対をさせていただきます。

 

20120927  3表現方法にはいろいろありますが、皆さんそれぞれに「木材愛」をお持ちの方々なので、最初は「おいこら」口調でも少し木の話をしていればそれなりに打ち解けたりするものです。それよりも心外なのは、「端材」を「廃材」と勘違いされている方、「捨てるようなものでいいから」と形容詞をつけられるお方。きっと悪気もないのだとは思うのですが、「どうせタダみたいなものなんだから何だっていいから安くしてよ」という意識が口に出てしまわれる方には、バッサリとお断りしてお帰りいただきます。

 

20120927  4私にとっての宝物端材もゴミに映るのかもしれません。私だってそれが磨けば光る原石だと気がついたのはつい数年前ですからそう見られても仕方ありません。ですがそれを大切に思っている人に向かい声高に否定してはいけません。世の中それぞれに価値観があります。それを尊重せずに土足でそこに踏み入っては交渉の余地はありません。昔、ある小さな材木屋の店に、木の好きなお金持ちがやって来てこういいました。「い木が沢山ある。気に入ったから店ごと買ってやる、いくらだ?」

 

20120727 5小さい店の主人は小さい店なりに、各地から材をコツコツと集め何十年も木の仕事を生業としてきました。規模や金額の問題ではありません。何十年もかかって築いてきた歴史を愚弄すうような、金にモノを言わせる傲岸不遜(ごうがんふそん)な態度は許せません。当然、店の主人は男を叩き出しましたが、たかだかお金ごときでは換金出来ないものもある事を知らねば恥をかきます。ものの価値が金に置き換えられてしまうと、道徳心や慎み深さ、畏敬の気持ちを失ってしまいます。

 

20120727 6先日このブログでご神木に穴をあけて故意に枯らして買い叩くという事件について触れましたが、記事の公開後、全国の心ある方々がフェイスブックで数多くシェアしていただき、注意喚起と犯罪防止にご協力いただきました。にも関わらず、実はあれからも犯罪は沈静化するどころか被害が拡大しています。ひときわ背の高いご神木の葉だけが茶色に変色し息絶え絶えな姿は見るに忍びない・・・悪魔の所業。天知る、地知る、人知る、我知る。心の豊かさまでお金で買う事は出来ませんぞ!




20120926 1昨日に続いて、映画『リバー・ランズ・スルー・イット』の話・・・無邪気に鱒を追ったあの日、同じ時間を共有していた兄弟は、知らず知らず少しずつ違った時間を積み重ねていきます。日常的なささやかなエピソードが丁寧に描かれることによって、その少年期から青年期へ成長していく微妙な兄弟関係が実感を伴い伝わってきます。四人きょうだいの次男(兄・弟・妹)である私にとっては、兄の立場も弟の立場も理解でき、そのエピソードがごくありふれた日常的なものであるからそこの兄弟の気持ちがとても身につまされるのです。

 

20120926 2映画の中でも兄弟は、くだらない事から一度だけ殴りあいをしますが、実際には殴りあいながら本音をぶつけるなんて芝居じみた事は余程あるわけではなく、成長と共に互いの立場を慮(おもんぱか)り、そのテリトリーを侵さないように一歩退いた距離感で接するようになっていくもの(私の場合)。言葉をかけるのも妙に照れくさくなるものです。その間をとりもつものが互いの子供であったり、映画のようなフライフィッシング(趣味)なのかもしれません。

 

 

20120926 3ギャンブルにのめりこんだ弟(ブラッド・ピット)は、悲しい結末を迎えます。押しつぶされそうになるつらい現実の中でも川は静かに変わらぬ姿で流れ続けてゆく(A River Runs Through It)・・・。兄弟だけでなく、その周辺の人々、自然に対するレッドフォードの眼差しはどこまでも優しく、悲しい結末にも決して絶望したり突き放したりはしません。初監督作品『普通の人々』以来、奇をてらわず淡々と日常を見つめ、来るべき運命を前向きに受け止める、彼の演出スタイルが好きです。

 

 

20120926 4鱒釣り(フライフィッシング)が舞台の映画ですが、兄の履歴が語られる冒頭の独白シーンに「」の事が語られます。「1917年にアメリカが第一次世界大戦に参戦、その影響はミズーラにも及び、身体壮健な男たちは戦場に駆り出され山には老人と少年だけが残った。16歳になった私は合衆国営林署で屈強な男達に混じって働いた。どこを見回しても山、山、山以外何もなかった・・・。」子供の頃には、その懐に抱かれて遊んだ大自然も、大人になると山は別の側面を見せるようになります。

 

 

20120926 5映画の舞台モンタナ州は、スペイン語で山、あるいは山の国を意味する Montaña から来ていて、州面積の25%が森林に覆われている大森林地帯です。ロッキー山脈やイエローストーン国立公園の一部も含まれ、愛媛県の70倍ほどの面積(全米第4位)に、その7割ほどの人しか住んでいないわけですからスケールが違います。州内にはロッジポールパインポンデロッサパイン、ダグラスファーウエスタンレッドシーダーなどの針葉樹と、シラカバアルダーなどの広葉樹が多く生育しているようですが、残念ながらまだモンタナ履歴の木材を扱った事はありません。映画の中でも ブラピが付き合っていたインディアンの女性が登場し、いわれなき迫害を受けますが、この辺りにはインディアンの先住民族が暮らしていて、今で州内に7箇所のインディアン居留地があります。

 

 

20120926 6出来ればブラピには、地元の新聞社ではなく、地元の製材工場にでも就職して、原木を製材しながら「やっぱり家具にするにはやっぱこのアルダーだなあ」なんて台詞を喋らせて欲しかったものです。でもどうせ字幕じゃ「この木がいいな」なんて樹種なんて省略されてしまうんでしょう、きっと。プロの材木屋の鑑賞眼にも耐えうる、北米広葉樹の製材工場が舞台で、1本の原木がドラマの大切な鍵を握る、そんな男の材木屋兄弟の魂の映画、レッドフォード様撮っていただけないものでしょうか・・・。




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