森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20121231 1年末年始は実家に帰省するため、遅れ遅れの更新ですが、我が道を往く者でありますので、公開日との乖離感はご容赦下さい。ブログ上、この日で2012年も千秋楽。2009年から始めたこのブログも、丸々4年でアクセス総数は2200万を超え、延べ62万の方がご覧いただきました。始めた最初の月で比較すると、およそ10倍。地道な作業ではありますが、アナログの情報量・発信量に比べたら、私的には天文学的な数字に感じられます。嗚呼、感慨もひとしお・・・。

 

20121231 2アナログの情報発信としては、平成10年から毎月発行している『適材適所』が、この12月号で『NO.175』となり、こちらも足掛け15年目となっています。ピーク時には、月に700部を郵送させていただいておりましたが、それも今のウェブからの発進量と比べると微々たるもの。デジタルでの情報発信量の凄まじさを痛感しております。ただ、今はデジタルとアナログの特性を使い分けながら、相応の良さを活かせればいいと考えておりますので、『適材適所』は今後も継続の方針です。

 

20121231 3少し前に、その『適材適所』をバックナンバーで全部購入したいというご連絡をいただきました!ありがたくて涙が出るようなご依頼でしたが、初期の頃のモノは、(一応お配りしていて言うのも失礼な話ですが・・・)自分で読み直しても赤面するような恥ずかしい内容で、とてもお代をいただけるようなシロモノではありませんでしたので、こちらの方から「せめて体裁の整ってきた(つもりの)100号ぐらいから・・・」と、丁重にお断りをさせていただきました。世の中には奇特な方がいらっしゃいます(涙)!

 

20121231 4しかし、ありがたい!冗談でなく、涙が出るほどありがたい!今時、手書きで写真も切り貼りした「超アナログ(本当の)手作り通信誌」で、内容も拙いものではありますが、大五木材という会社で何がしたいか、どういう者にないたいか、何をお伝えしたいか、背骨だけは貫いているつもりです。いかんせん表現手段が拙くて、思いがうまく伝わらないのはお許しいただくとして、一材木人としてこうありたいという気持ちだけは、発行当時から揺るいでおりません。まあ、ここまで続くとは思ってもいませんでしたが・・・

 

20121231 5最近、月遅れ状態が続いていて、大変ご迷惑をお掛けしておりますが、12月号(NO.175)は、久し振りに当月内に発送が出来ました。お取引先の皆様には、請求書の〆日の関係で一部月遅れになってしまった方もあうかもしれませんが、どうかご容赦下さい。なるべく、デジタルとアナログで内容が重複しないように心がけているつもりですが、なにぶん過去を振りかえらず忘れっぽい性格ゆえ、この不肖者を寛大なお心で受け入れて下さい。我、ただこの「かけら道」を友と手を携え往く者なり




20121230 1昨日の続きで、瀬村製材所と南洋材の話ですが、先日入荷していたのは『アピトン』の原木。アピトンにしては、決して大きなモノではありませんが、今はこれでも充分立派なサイズ。大きな木にはそれなりの敬意を払い大切に使わせていただかねばなりません。瀬村要二郎兄貴には【森のかけら】についても絶大な理解と協力を得ていて、珍しい南洋材が入荷した際には必ず声をかけていただいているのですが、南用材の入荷量は年々減少の一途を辿っています。

 

20121230 2そんな中においてありがたいのは、兄貴の所に南用材の樹種を問わない注文が入る事。梱包材や、愛媛で盛んな(今治地区の)造船の仮止め材などとして、重量感のある材『イエローハートウッド』や『バーケラ』、『ヘリチエラ』など、ある意味探そうとしたってそう簡単には手に入らない材が揃う事は【森のかけら】にとっても非常にありがたい事です!水に沈む『シンカー』系の材が多く揃う事も魅力。特徴ある材が身近にあった環境は、私を『世界の木』へ開眼させてくれました。

 

20121230 3国産針葉樹ではありえない大きさの原木を見ていると、OO産でなければならないとか、OO地域の木でなければならないという「こだわり」が小さな事に思えてしまいます。この星の『地球産材』として、どこの国のものであれ、その端材のひとかけらまでもが愛おしく思えてきて、大切に使わせていただかねば申し訳ないという気持ちになり、思わず背筋が伸びます。隣に並べた軽四トラックと比べてこの大きさですから、おのずと材に刻まれた風格もにじみ出てくるというもの。

 

20121230 4アピトン』については、優れた耐久性や強度を活かした用途に用いられています。トラックの荷台床材やフローリング、ピーリングなど。伺った時も大型トラックの渡り板が挽いてありました。スギヒノキでは重機の重量を支える事は出来ません。材にはそれぞれに特徴があります。近くで入手出来る材を有意義に使うことは大切ですが、特性に合致した材を使ってこそ木である事の意味も出てきます。例えばアピトンが入手出来る環境があったからこそ、アピトンという需要が生まれました。

 

20121230 5その環境が無ければそれなりに代用材が定着していた事でしょう。中には外材の輸入によって国産材の出番が失われたと言う方もいますが、そんな甘いものではないと思います。それはあまりにも材の特徴も個性も無視した暴論。その用途にその材の特徴が合致したからこそ、その材の出番が定着したのであって、そこにはそれに関わる人々の不断の努力あってこそ。ただ木であれば何でもいいというわけではなくて、その木でなければならない必然を語ってこその「材木屋と木の仕事」。




20121229 1年末の挨拶も兼ねて、三津浜の瀬村要二郎兄貴のところへ伺うと、直径が1500㎜オーバーの立派な『アピトン』の原木が入荷しておりました。以前にも何度かご紹介させていただきましたが、瀬村製材所さんは、松山周辺ではとても貴重になった南洋材を挽く老舗工場です。【森のかけら】のうち、南洋材のいくつかはここの工場から分けていただいたものです。当日も挨拶がてら、お目当ての材がないかと工場内をウロウロと物色。(私にとって)とんでもないような樹種が転がっているからタマリマセン!

 

 

20121229 2もし兄貴の工場が近くになくて、こえほど懇意にさせていただいてなかったら、世界中の240種もの木を集めようなどと無謀な考えを思いつかなかったかもしれません。この仕事に就いた頃から、もっとも古いお付き合いをさせていただいている会社であり、私にとっての南洋材の学び舎。当時から周辺に幾つもの南用材が普通の事のように存在した事が、図鑑で学ぶ数倍のスピードと濃度で、自分の血となり肉となりました。その経験が以後の私の「ものづくり」の基礎ともなっています。

 

 

20121229 3また要二郎兄貴には材料の事だけでなく、材木屋の心構えなどについても色々と教わりました。決して大きな工場ではありませんが、その人間性は素晴らしく大きい方です。地域ではなくてはならない人で、さまざまな地域行事の要で動かれています。工場の外で話していても、道往く近所の方々が気さくに声をかけてこられますが、松山でもっとも愛される製材所だと確信します。多くの原木を挽く、多くの製品を作る、多くの社員を雇用する、だけではない製材所の価値があってもいいはず。

 

 

20121229 4もし瀬村製材所がなければ、【森のかけら】は生まれていなかったでしょうし、私自身ここまで木に没頭する事は無かったかもしれません。ただそこに「木が在った」から話がつながったのではなく、そこに「木と人がいたから」こそ、物語は展開していたのです。当時の無知な私を開眼させたのは、そこに在るだけで浪漫をかきたてるような巨大な原木でした。さすがに昨今はそのような原木が入荷する事は稀ですが、無言の巨人はそこに在るだけで雄弁。丸太を囲んで、要二郎兄貴と時が経つのも忘れて語り合いました。




20121228 13日間『間伐材』の話をさせていただきましたが、最初の日の画像で双子が登っている『』に高らかに掲げられているのは、自宅の庭先に植えられた『ジャカランダ』の枝先。ジャカランダというと、木に造詣のある方は、ワシントン条約で絶滅危惧種に指定され輸出入が禁止されている世界的にも希少な銘木『ブラジリアン・ローズウッド』の事を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、それとは別物。かの銘木はマメ科で、我が家に庭先に咲くジャカランダはノウセンカズラ科で全くの別物。

20121228 2ブラジリアン・ローズウッド』については、ジャカランダの他にも『ハカランダ』の名前でも呼ばれる事があるのでますます混乱。それぞれに独自の言い分があるようですが、言葉は生き物で、日常的に慣習とし使われ続けていると、それが常套となり定着しますので、本来は誤った意味でも言葉が独り歩き始めると、それはそれで定番となってしまいます。銘木のジャカランダは、ギターや楽器の材料としてマニアにとっては垂涎の的ですが、本当に幻となりつつあります。

20121228 3弊社の倉庫にも貴重な貴重なジャカランダ、いや『ブラジリアン・ローズウッド』が数本だけありますが、もはや販売するつもりはありません!【森のかけらプレミアム/第二弾】のためにも大切に保管しておかねばなりません。さて、庭先のジャカランダに話を戻すと、この木は中南米に50種ほどが分布していて、日本でも公園や街路樹などに広く栽培されていますが、その多くはアルゼンチンが原産のジャカランダ・ミシモフォリアという種で、名前の由来はブラジルでの呼び名から付けられたポルトガル名だそうです。

20121228 4日本では春から初夏にかけて淡い藤色の花をたわわに咲かし、『ブラジリアン・ローズウッド』に負けず劣らず『世界三大花木』の異名を持っています。原産のものは、樹高が15mにも達するそうですが、我が家のジャカランダもスクスクと成長し、この世の春を謳歌するがごとく枝葉を拡げております。花が咲くようになるには、早くても2、3年はかかるという事ですが、満開時にはひと房に50~90もの花を付けるそうなので、紫のカーテンを家族で楽しみたいと思います。




20121227 1更にしつこく昨日に続いて『間伐材』の話です。(俗に未利用材と呼ばれる)『間伐材』が森から出て来ないと書きましたが、ものの値段は供給と需要のバランスで決まるもの。本当に『間伐材』を利用しようと思う高いココロザシがあるのであれば、木材市場や製材所を介さずに直接林業家と交渉して、それなりの対価を払って山に放置された『切捨て間伐材』を、山から下ろしてもらうという事は出来るはずです。ただし、それには相応の覚悟と努力が必要になってきます。

 

20121227 2間伐材』が山から降りて来たとして、そこかの製材所で製材してもらわねばなりません。その際、時間対応で製材してもらう(賃挽き)わけですが、通常よりも小さくて曲がりねじれているような未成熟材ですから、効率はよろしくありません。曲がりやねじれを考えながら結構な時間をかけて製材してもらったとて、おのずと使える量は通常よりも随分少なくなります。結果、歩留まりとしては通常製品の数倍もするようなモノになることも充分考えられます。そこまでして使っていただければ『間伐材』も本望!

 

20121227 3世に『間伐材を使った商品』という触れ込みは多いのですが、どこまでが信頼性のある『間伐材』なのかはなはだ疑問です。まあ、かなりの量がまとまれば通常の主材並みの流通も可能になるのかもしれませんし、全てを伐採してしまう『皆伐』に対する反語的な意味合いとしての『間伐(材)』というスタンスもあるのかもしれません。折角、木に関心を持って『間伐材』でも使ってやろうと言ってくれているのに、そこまで神経質になる必要もないじゃないかと言う方もいらっしゃいます。

 

20121227 4でも、だから『間伐材』という言葉だけが独り歩きをして、その看板だけ掲げていれば「環境に配慮した、健全な森の循環に貢献している商品です」という気分がまかり通ってしまうのです。『間伐材』というキーワードが商品価値を持っているのに、木材関係者はうまく使えていないと諌めるコンサルタントがいます。でもそれは、なにかぼんやりして向こうの透けた錦の御旗に頼ることなく、胸を張って堂々と『利用するだけの価値と意味があるからこの木を伐って商売しています』と言いたいプロの矜持でもあるのです。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2012年12月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
Scroll Up