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昨日に続いてドイツからの便りの話しです。今回、大成かけら大使(サンシン暖炉社長)の手はずで、ドイツから愛媛に届いたのは、桧の『木言葉書(きことなのはがき)』です。大人の事情で、厚みが10㎜ある旧バージョンを託したのですが、無事にドイツの香りを届けてくれました。恐らく今回もドイツの郵便局で物議を醸した事でしょうが、自分が作ったものがこうして海外からきちんと届くと何だか世間に認めてもらえたような気分になってしまうのです。
それにしても海外から木言葉書が届くたびに感じるのですが、海外の切手の美しいこと!今回も美しい切手が3枚、とりわけ地と水と火と風という万物を構成する四つの元素をモチーフにした構図の、葉っぱの上の水滴のアップと思われる1枚は芸術性も高くて、そのままポストカードやポスターにしてもいいぐらいの素敵さ。日本ではなかなかお目にかかれません。きっとこれ4枚綴りで構図がつながっている企画モノの切手ではないでしょうか?
こういう美しい切手を見ていると、また切手収集にも火がついてしまいそうです。それほど熱は入っていなくなったといっても、会社に届く郵便物の切手は必ず確認して、面白いモノは切り取って収集してはおります。しかしそれらと見比べてみても、海外の切手とは根本的な意識の差が感じられます。OO記念切手とかいうのは、未だに中学校の図工の教科書に出てくる見本のような、標語ポスターのようなトリミングで、デザイン性よりもメッセージ性が強く出すぎて、何だか重たく感じてしまうのです。
その点、海外の切手はドイツに限らず、絵や写真の構図の美しさへの配慮や敬意が感じられます。こういう事を考えると、『木のモノ』もただ機能性やコストパフォーマンスだけではなく、デザインや色彩の美しさなどを、商品購入の判断基準にされている人は結構多いと思うのです。特に弊社の【森のかけら】のような使用目的不明のような商品に興味を示される方は、その傾向が強いと思うのです。海外から届くものはただの木のハガキではなく、『モノを考えるヒント』が詰まった、奮起と希望の素!
過日のコペンハーゲンに続いて、また海の向こうから便りが届きました!【森のかけら】のファン、マニアを世界に広めて、もっともっと木を楽しんで好きになろうという野望『森のかけら世界戦略』。この野望達成の命運は、それぞれの大陸担当の敏腕『かけら大使』にかかっています。今回のプロジェクトを遂行してくれたのは、森のかけらヨーロッパ担当特派員・サンシン暖炉の和製マルカーノ大成郁生君。大成特派員は以前にもベルギーにかけらを広めてくれました。今度の舞台は、ドイツ!
私の浅い知識にあるドイツのイメージは、ビールにワイン、ベンツ、ゾーリンゲン(ナイフ)、ナチス、ライン川(石ノ森章太郎の漫画サイボーグ009の004ことアルベルト・ハインリヒのエピソードの影響、子供の頃の私の中のドイツ人のイメージもこの004の刷り込みによるもの)、ツァラトゥストラはかく語りき(映画2001年宇宙の旅の影響から)、ニーチェ、皇帝ベッケンバウアー(子供の頃のサッカーのスーパースター、妙にその名前が記憶に)などなど、古い昔の関連性もとりとめもないものばかり。
遠い異国の話しながら、実は日々の仕事で身近に接している「ドイツ」がありました。それは日頃から塗装に使っている植物性オイル、オスモカラー。ドイツは環境大国といして有名ですが、ドイツは環境安全面に対する基準が非常に厳しく、幼児向けの玩具の塗装などには非常に厳格な基準が設定されています。そういう環境の中で生まれたのが、再生可能な自然の植物油(ひまわり油、大豆油、アザミ油)と植物ワックスをベースにした自然塗料・オスモカラーです。
弊社では、オスモカラーと国内で配合された植物性オイルを、素材や用途に合わせて使い分けています。そんな環境大国ドイツでは、いち早く脱原発を掲げて、再生可能エネルギーへ転換に舵を切った事から、家庭の電気代が大幅に値上げになる事が話題にもなりましたが、それこそドイツにおける再生可能エネルギーに対する意識の高さを物語っています。さて現在、ドイツで供給されている再生可能エネルギーのおよそ半分近くは、熱利用の木質バイオマスという事だそうですが、そのひとつに身近な天然資源を原料とする薪ストーブやペレットストーブがあります。今回、『大成かけら大使』が向かった目的は、【森のかけら】の世界啓蒙活動とドイツの蓄熱式電気暖房機の製造販売の大手・オルスバーグ社の視察。同社は設立から400年以上の歴史を持つ老舗企業だそうです。左がオルスバーグ社の社長、中央が大成大使。その手には日独友好の『木言葉書』が燦然と!
春は新しい年度の始まる季節、学校関係の入学式はもう少し先の事になるのでしょうが、新社会人たちの胸は希望と不安に溢れていることでしょう。思い起こせば20数年前に私も不安一杯の中で、木材業界に飛び込みました。あれから何度桜を見たことでしょうか。子供達の進学には関係の無い春でしたので、平穏な新年度でしたが、来年は長女の高校進学があります。希望の高校に行ける行けないに関わらず、来年の春に見るサクラは特別なものになるでしょう。
日本人にもっとも愛される花・サクラ。【森のかけら240】でリストアップした木のほとんどが、材として利用されるものですが、サクラは材よりも花の方が認知度の高い珍しい例です。サクラの花言葉は『微笑』。その木言葉をモチーフにしたのが、こちらの『木言葉書(きことのはがき)』です。1つに木に対してそれぞれの人がさまざまなイメージを抱くものですが、サクラについては多くの人が似たようなイメージを抱いているのではないでしょうか。晴れやかな歓喜のサクラ、散り往く悲哀のサクラ・・・
そんなサクラの季節に発売を開始する商品があります。先日、【森のかけら36】の新企画商品『設計士なら知っておきたい日本の木36、世界の木36』の発売を開始させていただきましたが、その入門篇にあたるのがこちらの『住宅設計の木36』です!これから現場で家作りを学ぶ若手設計士の必需アイテムです。『希望に胸を膨らませ住宅産業の世界に飛び込まれる皆さん、世界中にはたくさんの魅力的な木があります。皆さんはそんな木を使って住宅などの設計をされるわけですが、残念ながら現代社会における暮らしの中で木のもの、木の素材を体験する機会は少なくなってきています。昔ならば当然のように身近にあった木の素材が異素材に変わっています。しかし住宅建築現場で主流となるのは木材です。がその木についての知識は、先輩や現場の棟梁、職人さんたちから口伝が教わることが多く、頭では理解できても感覚が伴わないことが多いものです。
木という素材は、見て、触れて、匂って、聞いて、心で感じるものです。木を深く知るためには、普段から身近なところで木に触れることがなによりの近道です。木を学ぶ入門篇として、現代の住宅建築現場でよく使われている木を、日本と世界で36種セレクトしました。240種の「森のかけら」のオールカラー解説書も付いています。』その中身は、青森ヒバ 赤松 銀杏 蝦夷松 樺 落葉松 木曽桧 桐 樟 栗 欅 科木 杉 梻 栃 朴 水楢 山桜の18種。
そして、アピトン イエローシーダー ウエスタン・ヘムロック ウエスタン・レッドシーダー オウシュウアカマツ 紫檀 スプルース ダグラスファー チーク ハードメープル ブラック・ウォールナット ブラック・チェリー ブビンガ ホワイトアッシュ ホワイトオーク ホワイトセラヤ ヨーロッパビーチ レッドオークの18種を合わせた合計36種です。企画商品という事で、先の『設計士なら知っておきたい日本の木36、世界の木36』と同様に¥15,000(消費税・送料込み)で販売させていただきます。希望を胸に住宅産業に飛び込んで来る設計士の卵たちへの入社プレゼントとして、またこれから現場で家作りを学ぶための基礎知識の手引きとして、是非この機会にご検討下さい!木は遠く山奥にあるだけのものではありません。身近なところで大切に長く使ってこそ、『材木』としての役割を果たせるものです。それこそが森と交わした私達の約束事。
★同シリーズの企画商品36も発売中です!いずれもに¥15,000(消費税・送料込み)。
先日、兵庫県明石市のイオン明石ショッピングセンターで開催された㈱明石住建㈱さんの子育てイベントに、家内とえっちゃんこと武智悦子さんが参加させていただきました。私は行った事がないのですが、会場となるショッピングセンターはかなり大きな施設で、相当数の来客もあるとの事。松山とは違いアウェイの場での開催でしたが、木を嫌いな人なんてほとんどいないでしょう。そう考えればどこだってホームグラウンド!明石住建の皆様には夫婦で大変お世話になりました、感謝、感謝!
しかしよく誤解されるのは、弊社でやらせていただく木育のイベントは、決して客寄せ興行ではないという事。よく展示会などにぬいぐるみやアニメキャラが来て握手会などを開催されていますが、その類ではありません。県内でもいろいろな場所に行かせていただく事が増えたのですが、木育とはまったく無関係の主催者側から、「子どもが集まって賑やかしになるから」という理由でオファーされるケースが稀にありますが、イベンターではないので丁重にお断りさせていただいています。
今回の明石住建さんのように、あくまでも真剣に木育というものに関心を持っていただき、そういう入口からもっと木の事、家の事、暮らしの事を考える契機にしたいとお考えいただけるところと一緒にさせていただけるのは大歓迎でありがたいことです。この日のためにわざわざ明石から何度も愛媛まで足を運んでいただき、熱心に家内の話にも耳を傾けていただきました。こういう形のイベントは初めてという事でしたが、スタッフの皆さんも大変熱心に協力的で賑やかなイベントになったようです。
木の玩具、木の玉プールなどを通じたこういうイベントはほとんど家内が活動していますが、私の元には、同業者からは「それでいくら儲かるの?」とか「材木屋の遊び、座興」との声も寄せられました。木材業界の危機はずっと昔から叫ばれているにも関わらず、同業者仲間で愚痴を言い合い、傷を舐め合うばかりで、ちっとも外部に向けてアクションも起こさない、新たな一歩を踏み出さない人ほど、他人の批判には長けたものです。うるさかった外野の声を少しずつ遠くになりにけり・・・。
何もせずに10数年過ごした同業者と、少しは違いが出てきたように感じています。それが今回の明石住建さんとのご縁につながったのだと感じています。材木屋が売れるものは木ばかりではない、と10数年前に笑われた言葉を今、しみじみと噛み締めています。兵庫県明石に蒔かれた種はほんの小さなもので、どこに植えたのかすらもかもしれませんが、どんな大きな巨木だろうとはじめは小さな種でした。長い時間かけて芽は幹となり枝を伸ばし、美しい花を咲かせ天を目指していくのです!
2月、3月は、沢山の無垢の家具のご注文を頂きました。弊社では無垢材を使ったキャビネットやダイニング・テーブル、座卓、ベンチなどの家具も作らせていただいておりますが、社内に木工部門があるよな大きな会社ではありません。弊社の在庫から木を選んでいただき、加工+塗装して仕上げていくわけですが、その加工については懐刀のZEN FURNITURE(善家雅智君)が大部分を手掛けてくれています。いくら機械があるとはいっても、木の癖を見ながら、そのほとんどを手作業でこなしていくわけですから、1月にこなせるキャパにも限りがあります。打ち合わせから含めると、1つの家具が出来るのに2、3ヶ月かかる事もしばしば・・・。私は、無垢の家具ってそうやって時間と手間隙かけて出来るものだと思っています。なので時期が重なるとかなりお待ちいただく事もあります。
材料となる木にしたって、この天板と脚材の何㎜サイズが何枚要ると言うとポンポンと揃って出てくるわけではありません。長さ、幅、厚み、木目や色合い、節の具合、当然コストも含めて、どの木とどの木を組み合わせようかと、倉庫の中で多数の樹種と睨めっこしては、あれがいいのかこれがいいのかと(楽しみながら)頭を悩ませます。よく「天板以外の材は適当でいいですから」、と寛容な事を言われる事も多いのですが、その「適当」というのが曲者!
材木屋の腕の見せ所、意地の見せ所となったりするのです。そういう工程を経て、今回も材をセレクトして収めさせていただいたのが、こちらのダイニング・テーブル。迫力の1枚板は、『チャイニーズ・バーチ』の耳付き板です。長さが1.8m、幅が850㎜で厚みが58㎜もあり、さすがに私でもひとりで持つのは四苦八苦。バーチとは、日本のマカバやミズメザクラと同じカバノキ科でかなり重硬な材です。木目に強い個性はないものの、材質が緻密な事から通好みの、飽きのきにくい木でもあります。
触感も滑らかで、納品後早速お子さんにモデルと座り心地を体験していただきました。写真では黄色っぽく見えますが、いつもの植物性オイルで着色はしていません。左の写真は同じカバノキ科の『イエローバーチ』ですが、材の色合いではなく樹皮の色合いが名前の由来とされています。赤身と白身で色調には相当差があります。このテーブルの場合は、かなり赤身が張っているうえに木目が整っていて、一見するとバーチとは分かりづらいほど。
脚材には北海道産の『樺(カバ)』の赤身(実際には黄身色)を使わせていただきました。白身や赤身の木は、脚材などを合わせやすいのですが、黄身色の木は簡単そうで実は材を合わせにくいものです。脚材はやや薄い色調の木を選び、天板を引き立たせなければなりません。バーチには派手さはありませんが、和洋を問わず収まりがよく、床材や壁材の節のあるなし、色合いに関わらず「使える木」です。使える木は、飾るものではなく文字通り使って楽しむ木なのです!
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