森のかけら | 大五木材


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20130930 1 .bmp本日もリグナムバイタの話ですが、ご縁がある時というのは不思議なもので、なかなか入手する事が出来なかったのに、先日たまたま別のところからもリグナムバイタの出物が出たとの話が!木が木を呼ぶというパターンでしょうか。木材との出会いも一期一会と考えておりますので、資金が許す限りすぐに必要な材でなくともご縁は大事にするように心がけています。昔、市場で滅多に出ない材に出会えたのに迷っている間に買い損ねた経験がトラウマになっていますので。

 

20130930 2 .bmpそれで今、「森のりんご」を作っても少しだけリグナムバイタに余裕があって、ご来店された方に「世界一重たい木」を実際に持ってもらっています。木を売る場合、その木にまつわるいろいろなエピソードや伝承、名前の由来などをお話させていただいておりますが、「世界一重たい木」という冠は一般の方の心にもズドンと響くようで、皆体験されて楽しまれています。とはいっても水に沈んでしまう木ですから当然ひょいと簡単に持ち上げられる重さではありません。

 

20130930 3 .bmpその持ち上がらなさ、動かせなさが「世界一重たい」事の証拠となっています。誤って足の上にでも落とせば恐ろしい結果になりますので、慎重にお願いしていますが、木を持ち上げてみる事、実際に触ってみる事、そしてその匂いを嗅いでみるという事は、万人共通の木へのアプローチ方法です。本能的な木へのアプローチを、何とか商品の特徴にも利用できないものかと検討中。このリグナムからは薬臭っぽい香りがしますが、薬効に使っていたという潜在意識があるからでしょうか。何とも渋いお香のような、薬草のような・・・ 

20130930 4 .bmp香りの商品化についてはいまだアイデアが整理できていません。といあえず匂いの強い木の鉋屑やプレーナー屑は、先行して収集しております。このリグナムバイタだって、独特の芳香を生かさないなんてモッタイナイ!とりあえず商品化の兆しは見えているのですが、あと1つ2つ調味用をふりかけて味を調えなければ荒々しくて食べられたものではありません。早くまとて商品化したい反面、出来上がってしまうと寂しくなってしまう事もあり、生まれ落ちて欲しいのとまだまだ寝かせておきたい気持ちのせめぎあい!

 




20130929 1.bmpこのリグナムバイタ木質油分を大量に含み、自己潤滑性があるので触ると鉄に蝋を塗ったような不思議な触感があります。水中で100℃以上の温度で熱すると、中から樹脂が出てくるという特殊な性質があり、その性質を生かして船舶用のプロペラシャフトの入れ子やベアリング、滑車などの海洋で用いる道具に重用されてきました。また金属製のベアリング潤滑油の注入の難しい歯車やガイド、ローラーなどにも欠かせない材料として利用されてきました。

 

20130929 2.bmpしかし最近では材の希少性による供給不安定、非常に高価な事などから敬遠されるようになり代替材に取って変わられてしまっているようです。ワシントン条約付属書に、非常に注意して取り扱うべき樹種に指定されているぐらいですから、もはや身近に使える木ではなくなってしまいました。資源としても貴重であり、大木にならないうえに非常に重硬で、なおかつ干割れが発生しやすいなどの特徴から一般の木材市場で流通する事はほとんどありません。

 

20130929 3.bmp特殊なルートに限られる上に、普通のまともな材木屋は手を出すような代物ではありません。弊社では、「森のかけら・プレミアム36」の中で異彩を放っています。この普通では手に入らない木が、普通ではない人たちの手によって私の手元にやって来たのです。持つべきものはフェチな材木仲間!購入させていただいたのは、珍しいリグナムバイタの原木の一部(原木を落札して、製材して仲間で分け合うというシステムで、珍しい木や特殊材がリーズナブルに購入できるようになったのは本当にありがたい事です)。

 

20130929 4.bmpそのうちの一部を使って、今回「世界で一番重たい森のりんご」を製作したのです。この木に限ったことではありませんが、今回もしっかりと骨までしゃぶらせていただきます!気乾比重が1.20~1.35あり、「森のりんご」サイズでも水に沈んでいきます。水に沈む木を「シンカー」と呼びますが、まさにリグナムバイタはシンカーの中のシンカー!ちなみに浮かぶ木の事は「フローター」と呼びますが、こちらはほとんどの木に該当するので、当たり前すぎて一般的には使われません。これだけ重たいので硬いのは硬いのですが、鋸で切断も出来ないというわけではありません。むしろ材中にたっぷりと含まれる潤滑油の働きで縦切りはそれほど困難ではありません。それよりも厄介なのは、マツなどと同じくサンダーで磨くと一種で目詰まりを起こしてしまう事です。

 

 

20130929 5.bmp加工屋さん泣かせのタフなボディと、天然の色調とは思えない緑色を帯びた暗褐色の御姿、そして神秘の香り・・・頑張って沢山作ったつもりでも素材に限りがありますので、今回販売できるのは10個のみ。専用ケースにミニ解説がついた「リグナムバイタのりんご」は、プレミア・ステージで、1個¥5,000(消費税・送料別)で販売させていただきます。まだ実物を触った事が無いとい方、話のタネに、是非「世界でいちばん重たいりんご」に触れてみて下さい。

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★今日のかけら プレミアム06 リグナムバイタ】 Lignam-vitae ハマビシ科・広葉樹・中南米産

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20130928 2.bmp加工中、加工中と言い続けていたので、本当は作ってなんかいないんじゃないかと疑われるほどお待たせした例のものがようやく完成しました。そう、「リグナムバイタの世界で一番重たいりんご」です。実物を見たり触った事はなくとも、「世界で一番重たい木」という肩書きだけで、この変わった木の名前や存在を知っている人は沢山いると思います。その木を使ったりんごを作っていますといったのは随分前の事・・・それようやくが完成したわけですが、まずはこの木の特徴を。

 

20130928 3.bmpハマビシ科の広葉樹で、中央アメリカの沿岸部(天然分布域としてはフロリダ半島南部、バハマ諸島からジャマイカ、キューバ、西インド諸島、メキシコ、コロンビア、ベネズエラ、ニカラグアなど)に成育しています。鉄のように重たいこの木から薬用の樹脂が取れることは既に16世紀頃から知られており、ラテン語で「Lignam-vitea(リグナムバイタ・生命の木)と呼ばれていました。ちなみに「生命の木」の呼称を持つ木は意外に多くて、日本三大美林のひとつでもある「青森ひば」も「ヒバ・アーバーバイター(Hiba Arbot-vitae)と呼ばれています。

20130928 4.bmp青森ひばは爽やかな独特の芳香を持っていますが、リグナムバイタも薬のような匂いがあり、洋の東西を問わず刺激の強いものに「生命力」を偉大さを感じたのでしょう。このリグナムバイタの樹脂には特殊な薬効が取れることから、日本でも明治時代にはその存在が知られていて、ユソウボク(癒蒼木)の名前で紹介されています。このリグナムバイタには、非常に特徴のよく似た3つの近縁の樹種があり、商業流通上はこの3種をリグナムバイタの総称で呼んでいます。

 

20130928 5.bmpスペインで「グアヤック(guayacan)」、キューバでは「パロサント(palo santo)」、アメリカでは「アイアンウッド(Iron wood)」と呼ばれる種(Guaiacum officinale L..)と、グアヤック・ブランコ(guayacan blanco)などと呼ばれる種(G.sanctum L..)と、G.guatemalense Planchの3種です。この中でもグアヤックと呼ばれるものが最良とされているようですが、その資源はかなり以前に枯渇してしまい、現在流通しているのは主に後者の2種。いずれの種も特徴は酷使していて、非常に年輪が緻密で成長が遅く、樹高はせいぜい9m程度で、胸高直径も250~400mm前後。明日に続く・・・

 




20130927 1.bmp昨日ご紹介した「森のしるし・維新十傑シリーズ」について本日は詳しく説明します。家紋は、その人なりを端的に表わすキャラクターマークでもあるのですが、あまり近世になるとそれぞれの家紋がはっきりせず、また過去の歴史上の人物との血縁などから、マニアがもっとも嫌う「家紋かぶり」が多くなり、恐らくこの明治時代や大正、昭和初期あたりまでが、家紋と人物が結びつくボーダーラインではなかろうかと思います。そういう意味で明治維新はお宝家紋の宝庫!

 

20130927 2.bmpまずこの時代といえば外せないのは坂本龍馬。龍馬とその時代と言ってもいいぐらい熱心な龍馬ファンもいるぐらいですが、家紋も個性的。さすがに明治時代になると幾らかは先人との家紋のかぶりもありますが、なるべくかぶりの少ないもの、といって歴史上の重要人物を外すわけにもいきませんので、そのあたりは絶妙なバランスを取りながらの選択。まずは維新十傑という事で、10人を選ぼうとしたのですが、候補を書き出してみるとあの人もこの人も・・・

 

20130927 3.bmp大好きな新撰組は、それだけで1つのカテゴリーにまとめたかったのですが、あまりマニアックになりすぎるのもどうかと珍しく冷静になり、泣く泣く鉄板の近藤勇、土方歳三、沖田総司、永倉新八、芹沢鴨 あたりに絞り込む事に・・・しかしその余波で、結局10人などには到底納まりきらなくなり、「十傑」と銘打っておりながら掟破りのシリーズ化を決意!①が、坂本龍馬、勝海舟、大久保利通、近藤勇、板垣退助、榎本武揚、永倉新八、高杉晋作、木戸孝允、山県有朋

 

20130927 4.bmp②が、西郷隆盛、中岡慎太郎、土方歳三、沖田総司、吉田松陰、岩倉具視、福沢諭吉、山岡鉄舟、岩崎弥太郎、芹沢鴨の面々。あれ?誰それが入ってないじゃないか等のご意見もあるでしょうが、それは作り主である私のさじ加減。個人的な好みが大いに反映されています。この「森のしるし」に限らずあれこれ悩んでいる時がいちばん面白かったりするもので、完成してしまうと途端に感心が薄れてしまうのは、熱しやすく冷めやすい私の悪い癖。さあ、次に取り掛かろうか!

 

  ※各200円/個(税込み) 台木は愛媛県産ヒノキで、カーボンオフセットが付加されています

※ネット販売は、それぞれ10個セット¥2500(消費税・送料込み)からの販売のみとなっています。

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20130926  1.bmp以前に、木製マグネット「森のしるし」の戦国家紋シリーズ第二弾の事に触れましたが、本日はその第三弾と新シリーズとなる「維新十傑」について。根強い家紋マニア、歴史マニアに支えられ、少しずつながら着実に販売を伸ばしている家紋シリーズです。もうすぐ延べ2万個に達しようという勢いで、さすがに作るコツも会得してスピード生産が出来るようになりました。が、作れば作るほどに自分が「家紋の底なし沼」に足を踏み入れているのを強く実感します。

 

20130926  2.bmp日本中に家紋は3万とも4万ともあると言われておりますので、ものづくりにとってこの金鉱脈はどえらいものに掘り当たった感がある一方で、掘り進めれば進めるほどに後戻りできなくなる底なし沼のような恐ろしさも感じています。自分のさじ加減ひとつなのだから、適当なところでもストップすればいいだけの話だと思われるかもしれませんが、それが出来ないのが悲しいコレクターの性(さが)。知れば知るほどにコレクターの血が騒ぎ出すのです・・・!

 

 

20130926  3.bmp特に、大好きな「戦国シリーズ」などというカテゴリーで始めたものですから、やはりマイナーな武将といえども戦国に名を上げた武将ぐらいは網羅したいもの。自分が集めたいと思って作っているものですから、シリーズものをコンプリートしたいというコレクターの気持ちは痛いほど分かるのです。しかし」一方で同じコレクターの中にも、少しだけ時代背景や歴史観で違うゾーンにいらっしゃる方もいて、あえて王道の戦国時代を嫌う方がいらっしゃるのも事実。

 

20130926  4.bmpあまり戦国時代に肩入れすると、別ゾーンの方の反感を招きかねません。最終的にはいろいろなカテゴリーを作りたいと思っているのですが、あまり凝り過ぎると世に出る前に飽きられてしまうので、こういうこともスピードが大切。それで今回は思い切って、まだ温め中であった幾つかのシリーズを仕上げました。そのひとつが以前から戦国時代と同時進行で進めていた「維新十傑の家紋」。文字通り明治維新に活躍した方々にスポットを当てました。詳しくは明日・・・

 

 




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