森のかけら | 大五木材


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Painting a timber building with creosote昨日に続いて枕木の話です。木クレオソートが、ブナなどの木材から出来たものだから安全というのは早計で、やはり何事も過ぎたるは及ばざるが如しと言いますので、用法や用量を守るのは当然ながら、あまり過信するのもどうかと思います。イチョウイチイをはじめ木材の中にも毒性のあるものはいくらもありますから。また業界関係者の人も案外ご存じない方が多っかたりする事なのですが、クレオソート油で防腐処理された枕木については、改正された家庭用品規正法によって、販売対象に制限がかけられています

 

20141130 2弊社でも以前は中古枕木を取り扱っていて、一般の方が購入されるケースもありましたが、現在は一般の方への販売は控えさせていただいております。また現在残っているわずかな在庫が無くなれば、中古枕木の扱いそのものも止める方針です。ちなみに、業者の方が業務用に使用する場合は問題がありません。例えば、建設業者や造園業者が業務用資材として使われる場合、事業を営む個人が営業用として購入する場合、事業者が一般家庭の造園などに施工する場合、農業者が牧柵や土留めに使う場合などは問題ありません

 

Exif_JPEG_PICTUREちなみにホームセンターで『中古枕木』または『中古風枕木』などとして販売されているものについては(新品枕木というのも含めて)、実際に線路で使用してたものではなく、ガーデニング用に作ったもので、クレオソート以外の防腐剤を使ったり、発癌性物質は取り除いたものだと思いますがご自分の目でよく確認して下さい。その枕木も最近はコンクリートなどに切り替えられ、文字通り枕木なのに木が使われなくなりつつありますが、現在の日本で鉄道枕木に使われる主要木材は東南アジアの『ケンパス』です。

 

20141130 4そのケンパスの商品が先日まとまって入荷しました。それがこちらの写真。枕木に使われるぐらいですから、ケンパスが硬くて重く耐久性の高い木だという事は分かってもらえると思いますが、気乾比重0.80〜0.95程度。これはマンションのベランダなどに敷き詰めるタイプのデッキなどに使われるつもりで海外から輸入したものだと思われるのですが、ご縁があって弊社にやって来ました。昔はよくケンパスのフローリングというのも出回っていましたが、よく見ればなかなか味わいのある木なのです。詳しくは明日。




20141129 1昨日、ウッドデッキの材料としてマニルカラをご提案している話をしましたが、雨風に晒される外部に使える木というのはある程度制限されます。勿論、強い防腐剤を塗りたくるので材種は問わないなんて場合は別ですが・・・。外部で使う木として多く方が思い浮かぶ用途のひとつに線路の枕木があると思います。その枕木の条件としては、重い電車の重量を分散させ、レールが地面にめり込むのを防ぐ弾力性、強度、耐久性などが挙げられます。安全性は勿論ですが、なにしろ大量に使用するため当然コストも重視されます。

 

そういう条件のもと、利用されてきたのがクリブナニレミズナラなどの広葉樹、また意外に思われるかもしれませんがヒノキヒバなどの針葉樹の他いろいろな樹種が枕木として利用されてきました。それは日本全国に張り巡らされた線路の枕木として利用するのに、硬い広葉樹だけではどうにも対応出来なかったという事情があります。もっとも日々鉄の車輪に踏みつけられる特殊な環境の枕木の場合は、そのまま生地で使ったのではすぐに朽ちてしてしまうので、クレオソート油による防腐処理が施されます。

 

20141129 3よく廃枕木、いわゆる中古枕木をガーデニングなどに利用される方もいらっしゃいますが、クレオソート油というのは、コールタールを蒸留して得られる液体で、IARC(国際がん研究機関)のグループ2A(おそらく発がん性がある)に分類されている非常に強力な塗料ですのでくれぐれも取り扱いには注意しなければなりません。それを塗れば確かに耐久性は飛躍的に向上する(無塗装状態に比べれば倍から数倍)ものの、それだけ長持ちさせる効果のある塗料が果たして人体にも無害なものであるのか?

 

20141129 4そういう疑問を抱くようになってから、安価で弱い木に強い塗料を塗って長持ちさせるような事は止めて、なるべく強い木をそのまま、またはなるべく人体への負荷の少ない塗料を使うスタイルへと切り替えてきました。ただ私も塗料についてはまだまだ勉強不足ですので、今も試行錯誤の繰り返しで、検証も必要だと思っています。また前述の石炭から作られる工業用クレオソート油の他にも、正露丸などにも使われる事で有名な『木クレオソート』があり、こちらはブナの木などから作られています。明日に続く・・・




20141128 1 先日ウッドデッキの材料を納品させていただいた現場に施工写真の撮影に伺わせていただきました。到着したのが5時前後でしたので、あれこれしていたらすっかり日が傾いてきて、すっかり暗くなっての撮影になってしまったのですが、室内からこぼれる灯りがまだカーテンの無い窓からウッドデッキに降る注ぎ、いつもとは違う雰囲気のウッドデッキの表情を垣間見る事が出来ました。最近、ウッドデッキを施工されるケースが非常に多くなってきましたが、身近に木に接する場面が増える事は非常にありがたいことです。

 

20141128 2弊社ではウッドデッキの部材としては、ブラジル産のマニルカラ(俗称アマゾン・ジャラ)をご提案させていただいております。マニルカラは、気乾比重が1を超える(およそ1.04〜1.06)非常に重硬な木材で、高い耐朽性を誇ります。今までにもこのブログでも何度も取り上げさせていただきましたが、弊社ではなるべく防腐剤や薬剤などに頼らず、木そのものが腐食に強く長持ちするような材を使うよう、それぞれの木の特徴を活かして適材適所に配したご提案を心掛けています

 

20141128 3湿気の多い場所や水回りにはなるべく腐食に強い木を使うなんていうのは昔から基本中の基本なのですが、家の部材がパッケージ化されてくるにつれ、部材が単純化、統一化され、多樹種を使わなくなり、どこでもここでも同じ材を転用する傾向が増え、材の特性がドンドン見失われてきています。そういう中にあって、適材適所に材を使う事はコストアップにつながると敬遠されるのでしょうが、長い目で見れば再塗装などのメンテナンスが必要な他の部材に比べればランニングコストを低く抑えられます

 

20141128 4ありがたい事に弊社の周辺ではそういう考え方にご理解のある設計さん、工務店さん、大工さんが多く、ほとんどのケースでウッドデッキにはマニルカラを使っていただいております。初めてこの木を使って施工される際は、下穴を開けるためのキリのビットが何本も折れたり、その尋常ならぬ重さに腰が痛くなるなど、初めて出会う『超高耐久木材』に悪戦苦闘されるのですが、慣れてこられるとその扱いもお手のもの。驚くほどのスピードで仕上げられ、大工さんの現場対応能力の凄技にはいつも頭が下がるばかりです!




20141127 1松山市三番町にオープンした日本料理のお店『海土魯(かいどろ)』は、京都の町屋のような玉砂利敷きの細長い通路の奥にあります。10数メートル進むと、その奥に店舗があるのですが、一見さんだとちょっと分かりにくい場所。個人的には騒がしくない静かなところでちびちびと日本酒を飲みたい口なので、こういう隠れ家的な店がありがたいのです。店主の向井君も久しぶりの飲食業界復帰なので焦らずのんびりとやっていきたいという事でしたので、ちょうどいい場所だと思います。その細長い通路を通ってテーブル納品。

 

Exif_JPEG_PICTUREテーブルを縦にしてギリギリで通過!無事に納品させていただく事ができました。イチョウのテーブルが1台、霧島ツガのテーブルが1台、モミのローテーブルが2台、それぞれ耳を活かした形で仕上げさせていただきました。製作したのは勿論、善家雅智君(ZEN FURNITURE)。後で分かったのですが、店主の向井君とは友達を通じた知り合いでした、世間は狭い。ちょっと暗めの落ち着いた内装の店内に、色白のテーブルが座ると途端に明るさが生まれます。先日も書きましたが、イチョウ、モミは決して表面硬度が高いわけではありません。むしろテーブルとしては軟らかい部類に入る材です。それでも敢えてこれらの木を選ばれたのは、食は目でも味わうものだからという店主の信念。店名に掲げた海、土から採れた自然素材を充分に味わってもらうための舞台演出の1つ。写真の手前が霧島ツガ、奥がイチョウの1枚板テーブル。

 

Exif_JPEG_PICTURE多くのお客さんが来られて、食と一緒に木も愛でてもらいたい、テーブルに傷や輪染みが出来ても、それを商売繁盛の誇りとしたいという気持ちで、ふたりでこれらの木を選ばしていただきました。弊社ではそういう思いで木を選ばれる方も多く、キズがつきにくい、丈夫で硬いという一般的な選択肢よりも、自分と木との思い出であったり、出身地や名前にちなんだり、木の物語りに惚れ込んだりして木を探される方が沢山いらっしゃいます。そうなってくると、モノ選びではなく、物語選びの世界。これは楽しい~!

 

Exif_JPEG_PICTURE出来上がった新居にお友達が来られた時、ふと無垢のテーブルに目がいった時、実はこの木にはいわれがあって・・・なんて薀蓄(うんちく)の1つも言いたくなるのが木の好きな人。それを喋ってもらいたいがゆえに、埃まみれの汚い倉庫の中で『物語選び』に加わっていただくのです。大きなモミの板から取った2この枚のローテーブル。並べると木目が繋がっているのが分かります。開店直前の慌ただしい時期でしたので、店内の詳しい様子は客としてお邪魔させていただいた時に改めてご紹介させていただきます。

 

Exif_JPEG_PICTUREこれらの木々たちも、これからここ『海土魯』さんで、森にいた頃とは別の新たな物語を刻み込んでいくことだと思います。数年後にどういう物語が刻み込まれているのかを確認させていただくのも楽しみのひとつ。ちなみに木にもそれぞれに『木言葉』がありますが、イチョウの木言葉は『長寿』、モミは『向上』、ツガは『堅固』です。お店の商売は手堅く堅固に、常に向上心を持って、末永く長寿な店として繁盛されること心より祈念しております。向井君、嬉しいご縁を本当にありがとうございました!

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同じ町内在住の向井正和がオープンさせた和食のお店『海土魯(かいどろ)』に、無垢でテーブルなどの作らせていただく事になりました。銀杏(イチョウ) 、樅(モミ) 、霧島栂(キリシマツガ)の3種の耳付き板で、テーブル2台と座卓2台を木取り。モミは4m超あるので、1枚で座卓2台を取ります。イチョウは写真のように元がグッと張り出した形をしているものをそのまま木なりに使う事に。耳付き板を使う場合、こちらが木の形に合わせる事になるので、希望通りのサイズに巡り合えるかどうかも『ご縁』。

幸いにも今回はほぼ希望通りの材に巡り合えました!木にこだわって希望を胸に弊社にお越しいただいても、なかなかご要望の木に巡り合えず何時間も、時には何日も探しても出会えない方もいれば(そういう時に限って、ご希望サイズの材が数日前に売れたとか、あと数センチあれば長さが足りるのにとか、大事な部分に大きな節があるとか・・・)、すぐに希望通りの材が見つかる人もいらして、つくづく木との相性の良い悪いはあると思います。なにせ相手も生き物、画に描いたように人の思い通りにはなりません

そんな中、幸運にもご希望の材に巡り合えた向井君、お店の洋々たる前途を予感させますぞ!さて、テーブルと一緒にお店で使うビッグサイズのまな板もご注文いただきました。和食屋さんで使うまな板という事で、見た目の印象も考慮してイチョウで作らせていただく事に。イチョウは、まな板御三家の一角で、弾力があることから復元力が強いのと、油分が多く含まれているため水にも強く、刃当たりが良くて刃物との相性もいいのですが、メスのイチョウには独特の匂いがありますので注意しないと料理に移ります

イチョウは雌雄異株で、ギンナンの実がつく方がメスですが、一端製材してしまうとオス・メスをハッキリ見分けられる特徴がないため、匂いで嗅ぎ分けるしかありません(何か見分ける秘伝があるのかもしれませんが・・・)。それで、なるべく『芽節(葉っぱが生えていた跡)』の少なそうなものの中から、赤身が張って木目の整った材を選び、端を削っては匂いを嗅いで、匂いの弱いものを探し出しました。そうして完成したイチョウのまな板を抱え、店主もご満悦のご様子!明日は、いよいよ耳付き1枚板のテーブルの話!




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