森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

今日のかけら・#055 【科木/シナノキ】 シナノキ科シナノキ属・広葉樹・北海道産

Exif_JPEG_PICTURE

 

 

 

 

 

 

20150131 1本日、俎上に乗るのはシナノキなのですが、ちょっとまわりくどい話になりそうなので最初にお断りをさせていただきます。シナノキというと、刈り込みにも強く樹形もいいことからヨーロッパなどでは街路樹や公園樹として用いられ古くから親しまれている木で、それにまつわる逸話も沢山あります。材そのものとしてはちょっと認知度が低い木ですが、今回は少し違う側面からこの木にアプローチしてみることにします。

 

20150131 21991年にアルプスにあるイタリアとオーストラリア国境の氷河で、ひとりの「男」が発見され当時大きなニュースになりました。「男」を発見した登山家の夫婦は、氷河から突き出た遺体を冬山の事故で無くなった遭難者だと思いました。クレバスに落下すると長い時間をかけて氷河が遺体を押し流すので何十年も経ってミイラ化して発見される事が多く、その遺体も数十年前の遭難者だと思われたのです。ところが遭難者リストと照合しても身元は判明せず。

 

20150131 3革製の靴や銅製の斧を持っていたことからかなり古い時代の人間だと推測され、法医学研究所に運ばれて詳しい調査がされたのですが、その結果驚愕の事実が明らかに!!放射性炭素法による年代測定によって、このミイラは少なくとも5000年以上前の人間だということが判明したのです。複数の研究所の調査の結果、紀元前3300年~3200年頃に亡くなった人物で、そのアイスマンには「エッツィ」というニックネームまでつけられました。

 

20150131 4「エッツィ」というのは、発見されたエッツ峡谷の雪男という意味です。5000年前というと日本では穴式住居や貝塚が作られていた縄文時代で、世界に目を向ければ人類最古の文明・エジプト文明がナイル川流域で生まれたと言われる時代。そんな時代に生きていた人間が現代に突然現れてきたのですから、当時でも相当話題になりました。この発見を遡る6,7年前に、実はこの発見を予見するかのような1本の映画が封切られていたのです。




20150130 1愛媛のオモシロイものを紹介し台湾と愛媛の架け橋的役割をされている『168 PLACE』さんから、【森のかけら】が届きましたとのご連絡がありました。昨年末に『168 PLACE』さんがオープン時には、『森のしるし』や『森のこだま』、『誕生木ストラップ』など小物部隊が先兵として出動致しましたが、このたび晴れて大物【森のかけら・日本の100】が無事に台湾に届いたようです。台湾の方に日本の森林の多様性を知っていただくために日本の100種を厳選しました。

 

20150130 2私はまだ台湾に行った事がないので、情報としてしか知らないのですが台湾にもオモシロイ木が沢山あるようで、本当は台湾の木も幾つか【世界の100】に加えようと思っていたのですが、木の詳しい情報が入らないという事、また台湾の木を日本語で解説した文献やサイトにも出会えなかった事、そして何よりも材の供給が単発的になってしまうのではという供給の不安があったので最終的には、『台湾ヒノキ』に台湾代表の責を負っていただく事にしました。

 

20150130 3台湾は明治時代末期より銘木の産地として知られ、特に良質材が出材される阿里山には、木材を搬出するための阿里山鉄道が敷設されたほどで、その歴史も古いのですが、それは同時に台湾の貴重な巨木を乱伐採してしまうという悲しい歴史でもあります。巨木を伐ったせめてものつぐないとして、端材を活かす事は出来ないだろうかとも考えたのですが、当時私にはか細い台湾ルートしかなかったためその願いは叶いませんでしたが、今こうして繋がりができたのも不思議なご縁。

 

20150130 4弊社の商品たちも中国語に翻訳していただきましたので、これを機に台湾でも『かけら』を集めたくて集めたくて仕方がなんくなる『かけらコンプリート症候群』が蔓延するのを期待しているところです。国が違おうとも言葉が違おうともフェチズムに国境なし!木材がそれぞれの国でどういう存在であったかたいう背景はあるでしょうが、そんな理屈抜きに単純に「見てみたい、触ってみたい」という欲求は万国共通です。神聖のかけらフェチの登場を首を長くして待っております!




20150129 1いよいよ2月4日から6日までビッグサイトで開催されるギフトショーが迫って参りました。少し前に準備に追われる「おとな」達の無邪気な様子をご紹介いたしましたが、今回も昨年に引き続き『おとなの部活動』チームとしての出展です。今回は昨年の3社(Sa-RahYaetoco森のかけら)に加えて砥部焼のスギウラ工房が加わり更にグレードアップしております。これら猛獣を従えるのが、ふたりの猛獣使い。飴役・井上真季、鞭役・藤田雅彦なんとも濃いメンバー!

 

20150129 2更にこれらを頭上より暖かく見守りくださっているのが、愛媛のデザインプラットホームを支えるエスデザインスタジオ佐野勝久さん、そして(公財)えひめ産業振興財団。行政のお墨付きとご支援までいただいた猛獣たちはそれぞれの檻から野に解き放たれ、同類の仲間の存在を知って縦横無尽に野を駆け抜ける喜びに浸っているところでございます。最近おとなの部活動の異種格闘技戦をする事が多くなり、どういうメンバーで構成されているのかを説明させていただくと・・・

 

20150129 3こりゃまた凄いメンバーが集まっていますね~と、近寄るのも面倒な反応をされる事もありますが、それぐらい皆それぞれに腹にいちもつを持った一家言の持ち主ばかりという事で、こういう反応を喜々として受け入れているところであります。まあよくぞこの面々が揃ったものだと・・・個性的な面々が集う梁山泊では、しばしばその強烈すぎる個性がぶつかり合うのですが、そこは互いに個性を尊重し分をわきまえているところが「おとなの部活動」!

 

20150129 4個性の集まりゆえに表現手段もさまざまで、今回のギフトショーの告知にしても可憐な白石さんの私生活にスポットを当てた妄想系のモノから、猪木VSアリの異種格闘技戦に見立てるものまでふり幅は多彩。白石さんと猪木VSアリ戦、よもやこれがある1つのブースの展示告知であるとは思われない事でしょう。そして私は当然ながら後者の猪木VSアリ戦の立場!なんと場違いな、と思われようがこの違和感こそが異業種連合の醍醐味!ゆえにこのスタンスを貫く!

 

20150129 5という事で、今回の猪木VSアリ戦、いやその戦いは既に昨年行われているから、敢えて今年は猪木VSウィリー・ウィリアムス戦と表現させていただきたい。その場合、誰が大山茂役をするのか?大山館長役は?梶原一騎役は?黒崎健時役は?と難問山積みではあるが、とりあえずそこはスルーして東展示棟ES-12(ライフスタイル提案フェア)に足をお踏み入れ下さい。霊感の強い方、いや感度の高い方には白石さんの姿が見えるはずです。 ※ 私は5日、6日参戦予定です。




OLYMPUS DIGITAL CAMERAナナカマド』というな名前の由来については、あくまでも諸説あってこれが絶対というわけではありませんし、そうやって決めなければならないものでもないと思います。それでも先人たちがなぜそう呼んだのか、呼ぶようになったのかという事に思いを馳せて想像し、推察するというのも木の愉しみ方のひとつだと思うのです。私もずっと、七回竃に入れないと燃えないからだと思い込んでおりましたので、中村浩先生の持論を知って木の愉しみの奥深さに触れた気がしたのです。

 

20150128 2ところで、ナナカマドは四国にも自生していて、秋になると小さくて真っ赤な実をたわわについて山に彩りを与えてくれるらしいのですが、立木にとんと疎くて恥ずかしながら立っている実物を観察したことがありません。熟して間のない実には強い苦み成分が含まれていて、鳥も食べないが、越冬すると食べられるようになる。北海道では街路樹としてもっとも多く植栽されている人気のある木でそうで、ナナカマドを市町村の樹と定めている自治体は34市町村もあるほどです。

 

Exif_JPEG_PICTUREたっぷり水を含んだ生木は燃えにくく、焚き火の火床に使われたり、肉の串に使われるほどですが、よく乾かせば重硬で緻密でもあることから道具の柄や台木、細工物などにもなるようですが、大きな材が安定的に供給できるというわけではない事から、決定的な用途が定まっているわけではないようです。私も大きなナナカマドの木を扱ったことがないので実感はありませんが、端材から見ても材が緻密で堅牢な事が分かるので材さえあれば家具にでも充分使えると思います。

 

http://www.dreamstime.com/royalty-free-stock-photo-image36050005エゾナナカマド、サビバナナナカマド、ナンキンナナカマド、タカネナナカマド、ミヤマナナカマド、ウラジロナナカマドなど仲間も多く、海外にもオウシュウナナカマドアメリカナナカマドなどもあります。英語では『マウンテン・アッシュ』ですが、葉の形や樹皮の色合いがタモなどに似ていて、低地に育つタモ類に対して高地に育つことが理由のようです。木に精通したケルト人は燃えにくい事から『灰にならない樹』と呼んだそうですから木に対する見立てもさまざま。

 

20150128 5果たして本当に七回も竃にいれないと燃えきれないほど堅いのかどうか、端材の端材で試してみたいところですが、現在は【森のかけら】に使える程度の端材を北海道の製材業者から分けていただいているレベルですので、端材といえども灰塵に帰させてしまうには抵抗があります。いずれナナカマドの原木でも手に入る事があれば、しっかり乾かせて家具などに使い倒して本当に余った端材の端材で燃焼実験をしてナナカマドの名前の由来を確認してみたいものです。




Exif_JPEG_PICTURE本日はナナカマドの名前の由来について。理学博士の中村浩先生によれば、ナナカマドという名前は、ナナカという言葉とカマドという言葉がくっついたもので、ナナカと七日の古語(現在ではナノカに変化)。カマドとは文字通りの事。よって、ナナカマドとはナナカカマド(七日竃)の意味で、重複しているカを一文字省略してナナカマドになったものと類推されています。なのでカマドに七日間この木を入れて燃やすことには間違いがなさそうです

 

20150127 2ではなぜ燃えきるはずのナナカマドを七日も燃やすことが出来るのか?そこで問題となるのがカマドの種類。このカマドというのは、台所の煮炊き用のカマドではなくて、炭焼き用のカマドではないかと言われるのです。炭焼き用のカマドとは石や土で作り、中にクヌギやウバメガシなどの硬質の木材を並べ火を点じて炭を作る木炭製造ものですが、この歴史は古く既に石器時代に炭焼きの技術は確立されていたともされている伝統的なものです。

 

20150127 3 木炭には硬炭(かたずみ)と軟質炭があって、硬炭の方が火力も強くて日持ちもよく、前述のクヌギウバメガシ、カシワ、ヤマボウシ、アカガシ、アラガシ、オノオレカンバ、ミズナラなどがその原料となります。中でもウバメガシから作られた備長炭は炭の中でも最高級品とされています。ナナカマドの炭もそれに負けないほど質がきわめて緻密で堅く、火力が強く火持ちがいいことから、江戸の料理屋や鰻の蒲焼などにも重宝されたといいます。

 

20150127 4そのナナカマドは材質が非常に硬い事から七日間ほどかけてじっくりと蒸し焼きにして炭化させ る必要がありました。つまりナナカマドの堅炭を得るためには七日間もの工程をかけて、じっくり七日間もカマドで蒸し焼きにするという事から七日竃、つまりナノカカマドがナナカマドになったというのが本来の名前の由来ではないかと推理されています。なるほど確かにその節には一理あるように思われます。では明日は「材としてのナナカマド」についての話・・・




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2015年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
Scroll Up