森のかけら | 大五木材


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20150331 1昨日からの音楽絡みで、なんて関連付ける事自体恐れ多い話ですが、まずはお断りをしておいて・・・先日中学1年の双子の次女が突然ギターが欲しいと言いだしまして、初心者入門編のギターセットを自分のお小遣いで購入しました。小学生の間はピアノを習っていましたので、音楽に興味があるのは間違いようですが、少し前まではバイオリンが欲しいと言っていましたので、熱しやすく冷めやすいのは親の遺伝。入門編の安価なギターとはいえ中学生にとっては高い買い物ですが、腹を痛めてこそモノの価値が分かるというもの

 

20150331 2あえて親はお金を出しません!それだけにギターが届いた日には小躍りして喜び、今のところは解説のDVDを観ながら一生懸命に弦に指を這わせております。娘の買ったのは初心者向けの安価なののなのでボディーに使われているのは合板ですが、高価なギターのボディ材としてはマホガニーバーズアイ・メープル、ブラジリアン・ローズウッドなどの銘木が使われ、超高級材の大切な『出口』のひとつとなっています。材質によって音にも個性が出て来るのでしょうが、いかんせん『聞き分けられる耳』がありません・・・。

 

20150331 3そんなギターに使われるような銘木についても稀に弊社にも問い合わせがあります。その多くは自分でギターを作るので材料が欲しいというものですが、材はあったとしても楽器となると、建築材や家具材とは別次元の乾燥が求められますし、そもそもの材の挽き方も違いますので、まずご期待には応えられません。ではそういう銘木の弊社にとっての『出口』は何かというと、そう『森のかけら・プレミア36』です!【森のかけら240】に含まれないレアな木を集めたのがプレミア36(内6種は240の中から選抜)です。

 

Exif_JPEG_PICTUREかけらファンが辿り着くひとつの頂きですが、特別仕様の箱入り36種で本体価格¥57,000(¥61,560  消費税込・送料込)というマニアっ気たっぷりの商品。30セットという数量限定で、年に1、2セットご注文が来るような高級品ですが、それが今月何と1か月で3セットもご注文いただきました。それぞれ全然関係の無い地域からのご注文で、たまたま偶然ご注文が重なっただけだと思うのですが、想定外のペースに箱が間に合わず、随分お待たせしてしまいました。それが昨日どうにか完成しまして年度末最終日にどうにか出荷。

 

20150331 5あらかじめ多めに作っておけばよかったんですが、今までのペースが頭にあったので、ギリギリの在庫で準備していたので大慌て!大変ご迷惑をお掛けしてしまいました。でもお陰で限定30セットのプレミア36もあと11セットに。製作当時、周囲から「誰が買うのか?」と相当突っ込まれたものですが、今やこの頂きすらもひょいと越えて次の『森のりんご・プレミア』なる頂きを目指すチャレンジャーが続々と登場。なぜあなた方はその頂きを目指すのですか?そこにかけらの頂きがあるから。かけら無限なり・・・ 




20150330 1サカエドラムさんのドラムは世界中のミュージシャンが愛用されてい て、世界でどういうミュージシャンが使われているかご紹介していただいたのですが、当日参加したメンバーの多くがそういう世界の音楽シーンとは無縁の者ばかり。海外でも販売が主流だったのが、最近日本でも販売するようになったという事で、我々のために分かりやすく日本で愛用されているミュージシャンもご紹介していただきました。ONE OK ROCK(ワンオクロック)、シシド・カフカ・・・残念ながらそれすらも分からない面々・・・え、分からないの私だけ~?!

 

20150330 2ONE OK ROCKというバンドでは森進一と森昌子夫妻の長男がボーカルをしているそうですが、息子がいたとかミュージシャンだったとかすら初耳・・・。後日高校生の長女に話すと、知らないという事の方を驚かれましたが、もう少し視野も広げておかねば木の出口も広がらないと強く実感した次第。それまでドラムに使う木と言えば、メープルなどの広葉樹が主流でしたが、今回スギヒノキなどの針葉樹を使う事になったのは、中田社長井部健太郎君の考える『黄金の森プロジェクト』の考え方に強く共感共鳴したためです。

 

Exif_JPEG_PICTURE折角長い時間手間暇かけて育てた木が、安価な値段でしか販売されず、継続的な森林循環がおぼつかなくなる中で、材に付加価値を与え、誰にも無理や負担やストレスのない皆がHAPPYになれる出口を探そうというW3の構想にご理解をいただき、愛媛の木を使ったドラムが実現。今後安定的な生産を続けるに際しては、まだ改良しなければならない課題はあるようですが、当日飾られたドラムは実に誇らしく見えました。理念は理解できても、本来柔らかい針葉樹が果たして楽器の用材として使えるのかどうか?

 

Exif_JPEG_PICTURE音に関する専門的な知識は皆無ですが、楽器部材として木の収縮は正しい音を出すための致命的な欠陥になる事ぐらいは分かります。そのため収縮を抑え、材の強度をるための圧縮加工を行います。これはスギ、ヒノキのフローリングなどにも行われている技術です。まずはこの前提条件があって針葉樹がドラムの部材に使えるようになったのですが、敢えて手間のかかる加工を経てもなお、愛媛の木、W3の考え方を支持しようとしていただく中田社長にはただただ頭が下がるばかり。我々は敬愛の念を込め「師匠」と呼ぶことに・・・

 

Exif_JPEG_PICTUREこの会議はただ単に楽器という出口を考えるというものではなく、こういう機会を通じて森の事や木の事、そして人のつながりの事などを考えていく、話し合いことこそが理解者、協力者を増やし、それぞれの中にそれぞれの黄金の森の構想を抱かせることにつながっていくのではないかと思うのです。世代が近いという事もあって初対面にも関わらず、師匠には夜遅くまで懇親会にもお付き合いいただき、非常に親密にお話をさせていただき感謝、感謝。師匠のお言葉は私の琴線も激しく揺らし、考えていた木の楽器造りにも火が点いたのです




Exif_JPEG_PICTURE 昨日の話の続きで、木や森を『経済価値』だけで考えるのではなく、『生命価値』の観点から考えると、途端に森が無限の可能性を持つとんでもない大きな資源であることに改めて気づかされるのです。それは緑のダムであり、美しい花が咲き競う舞台であり、どんぐりなどの収穫場であり、虫や鳥や獣の終の棲家、大気の巨大な循環装置、暮らしの様々な道具を与えてくれるドラえもんのポケット等々、それぞれの関わり方によってその恩恵は計り知れません。今更改めて言うような話ではありませんが、材木屋としては欠けていた視点。

 

Exif_JPEG_PICTURE今までの大木至上主義(主にスギヒノキなどの建築用材向けの針葉樹)が崩壊し、新たな建築資材が台頭してくる中、先人たちが苦労して植えられた木に対して不平不満を言っても仕方がないので、考えるべきは新たな視点、物差しで森を考える事だと思うのです。大変前置きが長くなってしまいましたが、そういう観点で森や木をどう活かしていくか、いやどう使わせていただくかを考えようとしたのが今回開催された『音と森との交流会』。従来とは別の切り口で愛媛の木が楽器の部材として関わっていくことができないものか?

 

Exif_JPEG_PICTUREそのためにお招きした楽器の専門家がゲストスピーカーの㈱サカエリズム楽器中田栄蔵社長。サカエリズムさんは1925年創業の老舗で、世界のトップ10に入るドラムメーカー。多くのドラムメーカーが海外に生産拠点を移す中で、MADE IN JAPAN にこだわり、80年以上の継承されて職人が作るドラムは世界中のミュージシャンに愛されています。井部君からは半年ほど前に、久万の木を楽器に使えるかもしれないので協力をという話をもらっていて、それから試行錯誤を重ねてようやく目途が立ち、そのドラムを携えて中田社長降臨!

 

Exif_JPEG_PICTURE井部君の呼びかけに集まった気に携わる仕事をする十数人の男女。その多くが愛媛木材青年協議会の現役会員とOBでしたが、その昔は建築素材にあらずんば木にあらずとまで言えばオーバーですが、建築部材こそが木の王道という時代があり、畑違いともいえる楽器用材にこれだけ関心を持つメンバーが増えたことも嬉しく思う一方、現状の深刻な事態が透けて見えます。さて司会進行は、W3の事務局を務める才媛・竹森まりえさん。井部君の挨拶の後、満を持して中田社長からまずはドラムについて、楽器と木についてのお話。この話更に更に明日へ・・・




Exif_JPEG_PICTURE昨日紹介した『W3-C』で開催された『音と森との交流会』。井部健太郎君とは数年前から一緒に木材の新しい出口を探してきました。【森のかけら】などを通じて、従来の建築材・家具材以外の新しい森の出口を作って行こうと試行錯誤していた私と、従来の林業経営に疑問を抱き、自分らしい、久万の山らしい持続可能な林業が出来ないものかと模索していた井部君の方向性が重なり、幾度となく話をしてお互いの出口を確認したりアドバイスし合ったりしてきました。長い時間をかけて構築されたのが『黄金の森プロジェクト』。

 

Exif_JPEG_PICTUREそれは単に林業とか自分の所有する山の事を考えるのではなく、山を取りまく自然環境全体、ひいては町やひとなどコミニュティ全体の事を考えて、自分がする事が全体のプラスになる方向に向かう事。数十年という長い時間をかけて行われる林業は、カイワレ大根のような即席栽培とは違い、数十年の間に激変するであろう経済事情やライフスタイルにすら耐えていかねばならない宿命にあります。しかしそれは翻れば流行に流されない絶対的な普遍価値を持ち、万人に受け入れられる素晴らしい資源でもあるという事です。

 

20150328 4その森が成長する長い年月、それを見守るひとはどう成長してきたのか?戦後植林された木は70年という歳月を経て、立派な大木に成長して今まさに実りの収穫を迎えようとしています。しかし現状は、植林した先人達の願いとは少し違う状況にあります。立派な大木を育てれば付加価値がついて高価な値段で取引されるという暗黙のルールは、人口減少による住宅着工数の激減、CLT(Cross Laminated Timber)などの技術開発により必ずしも大型物件に大木が必要とされなくなりつつ中で、大木至上主義は崩壊しつつあります。

 

Exif_JPEG_PICTURE大きな木は小さく加工できるが、小さな木は大きくできない』というのが大木至上主義の根幹をなすものでしたが、それはあくまでも大木が必要とされ、そこに価値が見出されていることが前提でした。そこには供給と需要のバランスがあり、希少な広葉樹においては今でも広葉樹では大木至上主義は生きています。大木だけでなく、かつて永遠に継続されると思っていた住宅分野における木の価値観(特に構造部材)は大きく変わりつつあります。その中で材木屋が木に対する価値をどういう風に作っていくかという事が大切になります。

 

Exif_JPEG_PICTURE私は木の価値には2つあると考えています。上述したのが『経済価値』と考えるならば、時代や経済状況いかにが変化しようとも決してぶれるこのとないのが生命に対するピュアな『生命価値』。数十年も生きた生命に対する敬愛の念であり、大きなる物に対する畏怖の念、それは貨幣価値ではなく地道に時間を重ねた日々の中で生まれてくる感情。それは時代が変わろうとも決して変わる事のないひとの生き方、付き合い方、繋がり方とも共有するものです。その物差しで森を考える事は生き方そのものを考える事に繋がっていきます。更に明日へ・・・




20150327 1盟友・井部健太郎君が中心となって活動している『久万高原環い和いわい(Waiwaiwai)コミュニティ推進協議会』(以後W3)では、さまざまな勉強会や交流会が開催されています。先日も『音と森との交流会』が開催され私も参加させていただきました。これは井部君の標榜する『黄金の森づくりプロジェクト』の一環で、愛媛県産材の新たな出口を求めるために、楽器作りに愛媛の木が使えないものか、また楽器に使われる木の特性とはいかなるものか、楽器と木の相性はなどについて専門家を招いて学ぼうという企画です。

20150327 3ところでまずその交流会が開催された場所についてですが、以前にもこのブログで軽く紹介したことのある井部君の会社(久万造林)の製材工場跡地。それまで行っていた自社での製材を止めて、植林や伐採など森林管理の仕事に専化したため不要となった工場を大胆に改造。屋根付きの広い工場をW3のコンセプトに合わせて木工やクラフト体験の出来る工作スペース、イベントや展示会など多目的に使えるオープンスペースなどに区切りました。

 

20150327 2その中の1つ、ミーティングや会議、研修会などに利用できてココロと身体にやさしい料理も楽しめるレンタルスペース(W3-C)が先行してオープン。各スペースごとに利用テーマがアルファベットで表されていてこちらのスペースはCafeのC。もともとは久万林業の代名詞でもあった『磨き丸太』などを保管する倉庫だった場所でした。もともと木造の建物だった場所に、化粧梁を架けて、床と壁を貼り、改めて木の香り溢れるスペースに大変身!

 

Exif_JPEG_PICTURE新たに建てられた3本の柱には、名残りの磨き丸太が使われています。床には久万高原町産の30㎜厚みのフローリングが使われています。調理するための本格的な厨房、久万産の大きなイチョウの木を繋いで作った特製カウンターも備え付けられ、まさに森のカフェ!井部君のイメージを具現化させたのは、K′craft川上陽介君。随所に癖のあるアイアンなど異素材も使われ、懐かしさと新しさが入り混じった不思議な空間に生まれ変わりました。さてここで一体何が語り合われるのか?この話、明日に続く・・・




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