森のかけら | 大五木材


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20150930 1現在の弊社の仕事の主流は、今も住宅部材の商材ですが、主に無垢のフローリングや無垢のカウンターなどをはじめとする内装材に特に力を入れています。また無垢の家具の製造・販売、【森のかけら】や『モザイクボード』をはじめとするオリジナル商品の製造・販売、併せて植物性オイルなど塗料の販売、木の玩具や雑貨の販売、『木の玉プール』などの出張木育活動などが主な仕事内容となっています。今振り返れば、その多くは私が入社当時には考えもしなかったものばかり。

 

20150930 2まさか入社して四半世紀後に、これほど仕事内容が変化するとは想像もしませんでしたが、それでも根っこにあるのは『大好きな木の仕事で生きて行こう』という思い。中にはうまくいかなかったことも沢山あって(そっちの方が多いかもしれませんが)、決して自分が思い描いたイメージ通りに進んでいるわけでも何でもありませんが、やりたくない事を徐々に控えていって、やりたい事を増やしていたらいつの間にかこうなったという感じ。なので今後も業態は相当変わるはず。

 

20150930 3まあ、時代に合わせて変わっていかねば生き残って行く事も出来ませんが・・・。ですから、材木屋の仕事といっても千差万別で、市場やセンター問屋のように、ある程度ルーティンが決まっているわけではなくて、家を建てたい人に始まり、家具に興味がある、木工の材を探している、クラフト小物を買いたい、幼稚園のイベントに来てほしい、異業種だがコラボ商品を作りたい、大学・高校・中学・小学校の先生や生徒、行政、アーティスト、デザイナー様々な人が訪れます。

 

そのどれもこれもに共通キーワードが『』。ただマテリアルとして素材をだけを扱い続けていたならば、決して今のような展開にはなってなかったと思います。今にして思えば、十数年前あたりからジワリと舵を切り始め、国産材に執着せずに世界のあらゆる樹に目を向けたことで、仕事の振り幅もかなり広がったと思います。明確なビジョンがあったわけでもありませんが、自分がしたい事をやりたいように楽しくするわけですから、こんな自由奔放な仕事でいいのかとも・・・




20150929 1過日のブログで触れた地元の中学生の体験学習の授業ですが、本日ふたりの中学生が会社にやって来ました。中学二年生としてはかなり大柄と小柄の凸凹コンビ。実な何を隠そう、小柄なのは私の愚息。今回この体験学習の話が合った時(双子のうち、娘の方は幼稚園に行く事になったのですが)、息子が大五木材を選ぶというので、私としては家業の仕事はいつだって体験できるのだから他の職業を体験してみたらどうかと意見したものの、息子なりに考えて決めたようです。

 

20150929 2まあ動機はどうあれ、授業の一環として会社に来たからには息子だからといって特別扱いはしません。照れくささはあったのでしょうが、息子も自分なりに『小さな覚悟』を持って臨んだよう(当然、担任の先生からは自分の親の会社に体験学習に行くという事で、一層まじめに取り組むようにとの指導もあったと思われますが)。体験は2日間で、どういう事をするかはすべて企業にお任せなのですが、一般の方が想像される『材木屋の仕事』って一体どんなものなのでしょうか?

 

20150929 3まさか、貯木場にに浮かべた丸太の上に乗って竿を差している姿や丸太を筏に組んで河を流れているような姿を思い浮かべるような人はいないと思いますが、職業的な分類としては理解していてもその仕事の内容を理解している人は案外少ないのではないかと思います。材木屋の仕事というのも、私が入社した四半世紀前とは随分と変わってきました。その頃は、プレカットなんてなくて、材木屋の土場では大工さんが切り組みをして汗を流している光景が当たり前でした。

 

20150929 4それから時が流れ、今や材木屋の軒先を借りて切り組みをする大工さんの姿を見る事はほとんどありません。それ以前に材木屋の数そのものがめっきり少なくなってしまいましたが。自慢ではありませんが弊社には現在、住宅の骨格をなすベイマツの梁や桁の在庫は1本もありませんし、柱とて数本程度。躯体部分についての加工はプレカットが主流になり、流通業たる材木屋の仕事も変わらざるをえなくなったのです。それが良いか悪いかという問題ではなくて、経営選択という現実。続く・・・




20150928 1先日、木の節について触れましたが、生き節だけで揃えるという意味では国内外の樹種を問わずどの木にも当てはまる難題です。にもかかわらず、『生き節』というグレードのフローリングがあるのは、どういう事かというと、すべてではないにしてもその多くが『生き節』+『埋め木処理、あるいはパテ埋め処理など、抜け節や死に節など節への処理がきちんと施された』ものです。特にヒノキスギカラマツなど枝(節)の多い木については、そういう節処理は避けては通れない道。

 

ごく稀に生き節だけのフローリングなどもあるものの、4m材で僅かの抜け節すら無いモノって果たしてどれぐらい揃えられるものか。もしそういうモノが揃うならば、価格もそれに比例する事になるでしょう。なるべくリーズナブルな価格で、沢山使ってもらいたい(木の醍醐味を味わうという意味だけでなく、なるべく広い面積で調湿効果を得るという実利もありますので)と考えると、節に処理をして使えるようにして使うという事になります。こちらは我が家のリビングのカラマツフローリング

 

まだ子どもたちが幼かった頃(今から13年ほど前)にリビングの8割を床上げして長野産のカラマツ・フローリングを貼りました。カラマツそのものは非常に枝の多い木で、冬には自ら葉を落とすという特徴を持った落葉性の針葉樹です。硬度は決して高くはないものの、床に寝そべってテレビを観たりくつろぎたいという事で肌触りの柔らかい温もりのある木としてカラマツを選びました。それから10数年、深い傷は無数に刻まれたものの家族の中でそれを気にする者は皆無。

 

それよりも経年変化で深い飴色になったカラマツは、その傷まみれの体も含めて我が家の一員。床に合わせて作ったカラマツの框もすっかり角が取れて丸くなってしまいましたが、生活に何の支障もナシ。もし、このカラマツの床を貼り直すと言ったら子どもたちは反発するのではないかと思うほど家族の肌にはこの木の温もりが馴染んでいます。よく見ればパテ埋めした節の部分にも、パテ埋めした部分だけ痩せて凹んだりしているもののそれが何か?という感覚です

 

だから他の人も文句を言うななんて事は言いません。床材をはじめ内装材や家具などに使われる木材に何を求めるのかというのはそれぞれ個人の自由ですので、そこから得る感覚にも個人差があります。カラマツの軟らかさについてどれぐらいかと訊かれれば、「豆腐よりは硬いが鉄よりは軟らかい」と答えます。節を人間の骨と考えれば、多くの小骨が支えるカラマツ。素足で踏まれ、磨かれいつの間にやら節にも光沢が現われ風格する漂う。うちの家族は節のあるカラマツが大好きです。




20150927 1最近、スギの足場板をそのままのラフで床材に使ったり、破風板に使うようなスギの荒板を造作や家具に使われる機会が増えていて、そういうご注文も急増しています。特に若手の設計士さんや業界に新規参入してきた異業種の方などにそのニーズが多くあります。電話だと「大きな節も個性だし、赤白の源平(色ムラ)も本物の証だから全然問題ないです〜♪」なんて殊勝な事を仰っるものの、実物を目の前にすると、節や色ムラに対する認識があまりに違いすぎてその乖離感に驚かされる事も。

 

20150927 2そういう方がイメージされている節や色ムラなどは、あくまでも雑誌に出て来るようなワイルドな雰囲気を醸し出す恰好のいい絵になる荒々しさ。それは実物の被写体がどうであるかというよりも、もっとも絵になる角度から絵になるように撮っているのであって、ごく一部分の作られた格好よさ。ところが実物にはいいところだけの切り抜きではなくて、その裏も表もあって、硬さも温もりもあります。帯鋸で挽いただけのラフな仕上げはワイルドではあるものの触ればそげらも立てば痛い

 

20150927 3節にもいろいろあって、大きな節だって生きている赤身の『生き節』であればそれはそれで格好いいし絵にもなります。しかし、それは目の詰まった天然の木やしっかり手入れされた高齢木の場合であって、そういう原木から足場板や破風板のようなモノを挽く事は考えにくく、多くの場合いろいろなタイプの節が混在する事になります。『節あり材』の中でもっとも忌み嫌われるのが、完全に節そのものが抜け落ちてしまい向こうが見えてしまっている『抜け節』。しかしこれだって節!

 

20150927 4 更に、貫通こそしていないものの、ほぼ生命力を失ってしまっている『死に節』。まだかすかに息のある状態『半死に(節)』、節の一部が欠損してしまっている『欠け節』㊧、芯は生きていても乾燥に伴い芯の中心から放射状に割れが出ている『芯割れ』など、節ひとつ取ってみてもその形態は様々。「節OKです〜♪」という方の多く真意は、「死んでいたり、抜けていたり、欠けている節なんて問題外ですが、生きている節だけであれば全然OKですよ~♪」と趣旨だと思われます。

 

20150927 5しかし実際には、天然木や高齢木で挽くわけでもなければ、そんなうまい具合に生き節ばかりが揃うわけではありません。むしろ生き節だけで揃えろと言われたら、無節の材を挽くよりもなお難しいぐらいで、当然価格だって高価になります。節有だと、魚で言う所の『赤身部分』なんだから安いんでしょうと思われるかもしれませんが、赤身にだって条件を付ければ高価になります。一般の方が「節有材で」、という場合にはまずこの認識の溝を埋めておくことが賢明なのです。




MISSOURI WALNUT*

本日はブラック・ウォールナットが入荷。弊社ではこういう風に、材の耳を断って板材に挽いたものを『平板』と呼んでいますが、これらの平板からテーブルやカウンターなどの家具が作られます。かつてはこういう平板のバンドルを梱包買いしてくださる工務店もあったのですが、最近では弊社で梱包をバラして1枚単位で販売するのが主流です。梱包買いしても短期間で使い切るだけの仕事(現場)を持っていたり、梱包で買う事で価格を抑えるスケールメリットや、自分で節や杢目に合わせて好きなように木取り出来る事に魅力感じる人も多かったのです。

大きな材木屋であれば、こういう梱包を右左で商材されるので大きな金額が動くのでしょうが、バラしてその中にどんな凄い奴が隠れているのか確認も身せずに売ってしまうなんてモッタイナイと感じてしまう私には縁遠い話。そのため、これぐらいのボリュームでも最後の一枚まで売り切ってしまうには結構な時間を費やしてしまう事になります。入荷した直後は、満杯状態の倉庫のどこにこれを立て掛けるのですかという冷たい視線を浴びつつ、減ったら減ったで途端に不安になる。

そんな性分なので、こういう平板の梱包が入荷するたびに心が小さく動揺するのです。しかしひとたびこの鉄帯を断ち切って梱包をバラし始めればそんな不安は吹っ飛びます(いつ売れるのかというお金の不安は払拭など出来ませんが、一時忘却)。こういう風に材を梱包する場合は、なるべく外側に良い材を持ってこようとするのは洋の東西を問わず。綺麗に見せたい、高く売りたいと考えるのは人間の本性。そんな事は百も承知なので、中身をバラして全体を見るまではぬか喜び厳禁。

鉄帯を斬った途端にバーンと反り上がるようなモノが入っている事もあったりしますし、これも入れるか~というコンディションのモノもあったりしますが、中には驚くほど美しい杢持つものや、貴重な無節の幅広板も出てきたりして、まあそのたびに一喜一憂するのが密かな愉しみなのです。今回は、このブラック・ウォールナットで幾つかの家具を製作するのと、複数の階段材一式等のご注文が重なっていて、今月中にはこの梱包をほとんど使い切ってしまう予定です。

どれもこげ茶ぐらいにしか思われないブラック・ウォールナットにも産地によって風合いに違いが見られます。私は現地(北アメリカ)の工場に行った事がないので、現地の森林事情や工場の事については仕入している商社や問屋の営業マンから訊くしかないのですが、最近はこちらのミズーリ産の色目の濃い黒褐色のモノに絞って仕入しております。赤身の強い茶褐色モノよりこちらが私の好み。嗚呼、一度現地で森の中に屹立するブラック・ウォールナットの姿を見てみたい・・・




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