森のかけら | 大五木材


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随分前の話なので恐縮ですが、松山市内の某ホテルに行った時にたまたま面白そうな展示をされていたので立ち寄らせていただいたのが、こちらの木製楽器。作られているのは、愛知県半田市に工房を構えられて、家具やオーディオ、雑貨などを作られている木工作家の原田 佳文さん。私は存じ上げていなかったのですが、展示してあった携帯電話(iPhone)用のスピーカーが、ウッド感満載で目に留まったので、近づいて作品を拝見させていただき、少しだけお話もさせていただきました。

 

実演されていたので、音色に引き寄せられたという事もるのですが、ラッパというか銀杏の葉のような形をしていて、iPhoneを置くだけで音を増幅させて、温かい音色を楽しめるウッド・ホーン・スピーカーです。ユニークな形状ですが、オール無垢材ではなく合板を利用されていました。私は音楽への造詣が浅くて、音色の微妙な違いはよく分かりませんが、合板でも無垢と同じような音色が生まれるそうです。もしiPhoneを持っていたら思わず買ってしまっていたかもしれません。

 

20160430 3 森の出口のひとつに「音」もあって、その分野については弊社もほとんど手付かずで、木が『五感で楽しめる素材』であるとするならば、今後真剣に考えていかなかればならない分野だと考えているところです。ただしギターのような装飾性の高い高級楽器とは縁遠そうなので、打楽器のように、打ち合わす事で音を出すようなシンプルなモノで考えています。ところで、こういう風に見ず知らずの方が木にまつわる商品を展示販売されている場にお邪魔するとき、悩ましい事があります。

 

20160430 4買うか買わないかという問題はさておき、とりあえず木のモノなら何でも興味があって近づいてしまうのですが、店頭の主を思われる方に、どのタイミングで自分の立場を伝えるかという事。例えば、いきなり「決してお客というわけではなくて、好奇心満載の材木屋なんですが・・・」というのもぶしつけで失礼な話ですが、一方で黙って見てて相手に散々木の事を喋らした後に、実は材木屋でした、なんて名乗るのも厭らしいかと。シャツとかに目立つように材木屋のロゴでも入れとこうかしら




20160430 2会社が交通量の多い国道に面していることもあって、建築や木材の関係者以外にもさまざまな方がお越しになります。そんな中でしばしば繰り返し交わされるお客様と私の会話。客:「この木を〇㎜に削ってもらえない?」私:「それだと削るよりも鋸で挽き割ることになるんですが、その後プレーナー加工とかしとかなくていいですか?」客:「(加工賃が)高くなるからそんなもの要りません」私:「鋸だけだと寸法キッチリしませんけど・・・」客:「そこはだいたいでいいんで

 

20160430 5私:「だいたいって・・・じゃあ、手押しだけ当てて鋸で挽き割りましょうか?」客:「いやいや、このままササッと割ってくれたらそれでいいから」私:「でもこのままだと多少木が反っているのでこれで割ったら反ったままになりますよ」客:「(小さくなっても困るし、また加工賃高くなりそうだし)だいたいまっすぐだったらいいから」私:「だいたいって・・・じゃあ、このまま割ります」そして、加工後。私:「ご希望通りですがこれでいいですか?」客:「あ、反ってるね

 

だから・・・!こうならないようになるべく事前にどうこういう理由でこういう加工をしないとお客さんが望むようには仕上がらないので、こうこうこれだけの加工が必要になりますよと説明しているつもりですが、これがなかなか伝わらない。勿論私の説明が下手という事もあるのですが、加工とか製材というものをものすごく安易に考えられていて、材料さえあればいつでもすぐに簡単に加工できると思われている人が結構いらっしゃいます。ボタンひとつで電子レンジの仕上がると。

 

20160430 3

弊社のようにどんなにに小さな少人数の会社でも、それなりに一日の仕事の段取りというものがあって動いています。ホームセンターのように、専用の加工コーナーがあって、担当者がベルひとつで飛んで来てくれて対応してくれるというわけではありません。木を見るといっても、4mを越えるものであれば事前に奥から引っ張り出して並べる時間も必要でありまして、買いたい意向と売りたい都合がうまく噛み合わないこともしばしば。「だいたい」解釈にはいつも悩まされます。




昨日、【森のかけら】の膨大な在庫の話をアップしましたが、それに伴い(望んではいなくとも)出来てきてしまうのが、かけらのB品。その名も『夢のかけら』。文字通り、【森のかけら】になる夢が叶わなかったワケ有りのかけらたちです。今までにもこのブログでも何度も何度も取り上げてきましたが、A品というか通常商品である【森のかけら】の生産数に比例して出来てしまうので、溜まって少し売れたかなと思うと、またいつの間にか溜まっているのが『夢のかけら』。」

 

20160429 2これは『夢のかけら』だけに限られたことではなくて、製造過程で節や割れ、虫穴、青染み、収縮、欠損、腐り等々、生きている素材・自然素材ならではの特性で、B品が発生してしまうのは宿命。出来ないにこしたことはないのでしょうが、決して「大トロ」という最高の部位を使っているわけではない、端材生まれの【森のかけら】においては避けて通れぬ道ではあります。ある程度の数量のまとまったご注文の場合には、加工ロスなどの心配もあってそもそも少し大目に作ることもあります。

 

すべて弊社の工場で自主生産しているわけではないので、県外等の工場に発注している場合、問題が生じた場合に作り直しが間に合わないこともあるので、ついリスク回避をする意味で少し水増ししてオーダーすることもあり、結局その予備分が残ってしまうこともしばしば。それが『かけら』のようなシンプルなものであれば、B品として販売することも可能なのですが、つぶしの効かないような形状のものだと、遺産として残ってしまうことになるのですが、事務所のあちこちに遺産の山。

 

そういうこともあり『夢のかけら』ぐらいはきちんとB品としても販売の道をつけておこうと、溜まると『夢のかけら愛好家』の皆さまにお声掛けをさせていただき、なるべく溜め込まないようにしているのですが、それでも溜まる不思議。もうこれ以上出来なくてもいいと思うほどの生まれる特定樹種のかけらのB品。時にそれが恨めしく思うことはあっても、かけらに貴賤なし!かけらだって好き好んでB品として生まれてきたわけではないはず。やはり、親思う心にまさるかけら心・・・

夢のかけら(B品30種)・・・¥4,000(税込)




20160427 1油断をしているとあっという間に「欠品」が発生してしまう【森のかけら】。これは決して売れ過ぎているから欠品が出るという意味ではないのですが・・・。【森のかけら】には、日本の木120種と世界の木120種の合計240種があるのですが、常にどれかが欠品状態にあります。端材をベースに作っているため、端材の在庫状況によって生産が左右されるという宿命的な問題が根本にはあるのですが、最近は「端材になる前」のモノをつまみ食いさせていただくこともあります。

 

20160427 2欠品の原因はそれだけではなくて、そもそも1つの樹種のストックが多くないために『今だからこそこどもに伝えたい日本の木36』とか『設計士なら知っておきたい木36』などのテーマを絞った企画商品のご注文が続くと、特定の木ばかりが売れることになって、在庫量が少ない木が品薄になってしまうのです。だったらもともと多めに作っておけばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、全部で240種もありますと、売れそうな樹種に絞ったといてもかなりのボリュームになります。

 

20160427 3以前にそれをやって保管が大変な事になった(在庫に極端な偏りが発生して、在庫の総数も膨大になり置き場そのものがなくなってしまい、あちこちに移動しながらの箱詰め作業となった)ので、今はなるべく多品種少量生産を心がけるようにしています。例えば50種でも、各50個ずつ作ればそれで2500個になります。当然在庫にも費用が発生しますので、端材もモッタイナイですが、資金だってモッタイナイので、零細材木屋としては資金の振分けには慎重にならざるをえません

 

20160427 4かけらごときでけち臭いことを言うな!と憤慨されるかもしれませんが、『たかがかけら、されどかけらとも言われるように、わずか35㎜角の小さなキューブも集まれば結構な迫力があります。いままで通算でおよそ10万個に近い数のかけらを作ってきました。材木屋が好きな(!)単位の「立方メートル(㎥)」で表しますと、4.3㎥強ということになりますので、3mの105角の柱が考えれば、およそ130本分。その大半は、全国各地へ飛び出していったとはいえ、弊社にも万単位の在庫(B品も含めて)が常にありますので、それなりの資金とスペースが必要になってきます。それでも人気のありそうな樹種は他の木よりは少し多めに作っておくようにしておくものの、心のどこかでブレーキを踏んでいるところもあって、またしばらくすると欠品に慌てることになるのですが、それぐらいの慌ただしが活気よく見えていいのかも?!

※ 『今だからこそこどもに伝えたい日本の木36』、『設計士なら知っておきたい木36日本・世界)』・・・・いずれも、本体価格¥14,500(¥15,660 消費税込・送料込)

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20160426 1昨日に続いて、『第二土曜日の材木屋』の話です。というか、昨日は後半からかなり熱くなりすぎて脱線してしまい、趣旨とは違う方向にいってしまいましたが。昨日のブログだけ読まれた方は、普通に気軽な気持ちで木を買いにいったりしたら、専門的な言葉を浴びせられ、木と向き合う姿勢から問われるようなとんでもない材木屋だ、なんて思われるかもしれませんが、決してそんな時ばかりではございません。あまりにも木をなめた態度をとられた時しか切れませんのでご安心下さい

 

20160426 3ころで、『第二土曜日の材木屋』の事ですが、通常はお休みさせていただいている第二土曜日の午後だけ店を開けて、主に平日は時間の都合がつかない一般の木の愛好家の皆さん向けに端材の販売を行おうというもの。その構想は以前からあったのですが、なにせその時に動ける(木の説明等ができる)のが私ひとりという状態だったので断念していたのですが、ようやくそれが出来る体制になってきたので4月から試験的にやってみることにしました。端材や掘り出し物を並べて準備。

 

20160426 2昨今、木でものづくりをしたいという方が急増していていろいろな方が来店されます。ひと昔前だと、定年でお勤めを終えられ長年の夢だった木工をやりたいという事で敷居をまたがれる60過ぎのおじさんというのが定番でしたが、最近は20代とかでアーティスティックに木のものづくりをしたいとか、店を出したいので内装を自分でしたい、木彫をやっている、家具を作っている、アクセサリーを、キッチン用品を、教材にしたいなどと年齢層も幅も随分と広がってきています

 

特に学校関係の方からの問い合わせが増えていて、県内外の大学などから教材や卒業制作で使う木材が欲しいとのご依頼も多くいただいています。本当はご来店して実物をご覧いただければ、相当安価にご希望のものを入手できると思うのですが、遠く東北の方とかからのご注文だと、逆に遠くて申し訳ないような気分になったりもしてしまうのです。当然その近くにも材木屋はあるのでしょうが、コンセントがうまくつながっていないという事だと思います。逆につながれば距離は無関係。

 

さて、ほぼ何の宣伝もしないままにトライアルで行った『第二土曜日の材木屋』でしたが、会社の前に「本日、端材販売中!」の看板をだしていただけでも数人のお客さんが飛び込みでやって来られました。売買金額はわずかではあったものの、国道に接している地の利もあって、今後宣伝や口コミも伴えば面白くなりそうかと。合わせて木材塾なんかもやってみようかとサラッと書いていたら、ノート持参でわざわざやって来てくれた熱心な露口製材露口士夫君。材木屋として出来ること、やることはまだまだある。




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