決して、ベルギーでお土産を買ってきてくれたからという訳ではありませんが、先日の愛媛木青協の児童木工広場でもチェーンソーの腕をふるった大成郁生君(サンシン機械&サンシン暖炉・社長)の事について。この数年、木工広場では恒例となったのが、大成君率いるチェーンソーアートクラブの皆さんによる妙技の実演です。音がかなり激しいので、少し離れた場所になってしまうのが気の毒ですが、その音で何事かとすぐに人だかりが出来ます。木片が飛んできますので防護ネットを張ってのパフォーマンスです。近くで見ると結構な迫力があります!
今回はヒノキの丸太を使いましたが、いつも使っているスギに比べると硬くて少々手こずったようです。ただ単に彫るという作業から、しっかりと魅せるアートにレベルも格段に上がっています。変哲もない1本の丸太から、みるみるうちに木の枝に止まった1羽のミミズクが彫り出されてきます。よく彫刻家が、作るのではない、木の中に眠っている物を出してやるのだと言われますが、まるで最初から仕込んであったが如くスムーズにミミズクが登場。子供たちからもやんやの歓声が沸き起こります。
短時間で見事なミミズクの完成。作者の確認は取ってないのですが、耳があるのでミミズクで間違いないでしょう。ちなみにミミズクとフクロウの違いは、この耳のように見える「羽角」と呼ばれる羽毛があるかどうかという事のようです。耳のように見えますが本当は羽毛が立っているだけで、実際の耳は頭の両側に穴のようなものがあるそうです。それ以上の専門的な事は知りませんが、もっぱらこれミミズクかフクロウかを判断しています。耳のあるミミズクの方がこういう彫り物には収まりがいいように思います。額の辺りや胸の毛の盛り上がり方が洗練されてきましたぞ。時間があればもっともっとディティールまで彫り込んでいきたかったのでしょうが、限られた時間で見事なパフォーマンスでした。暑い中、本当にお疲れ様でした。尚、このチェーンソーアートクラブ、会員も募集しているようですのでご興味のある方、是非大成君にご相談を。
数年前の木工広場で製作した大作『カブトムシとクワガタ』は縁あって弊社の玄関で通行人の目を楽しませてくれています。植物性オイルのオスモカラーで黒く着色しましたので、かなりシュールな感じになっております。屋外に展示しているのですが、この黒いボディの下には、オスモのウオーターレペレント(WR)という防腐剤も塗布しているので、ほとんどダメージも受けていません。角に触ると折れるのでは?と心配する方もいますが、私が力を加えても折れないほどしっかりしています。見た目以上にタフな2匹です。
弊社に小さな子供連れで来られたお客さんの記念撮影のスポットにもなっています。チェーンソーアートの定番といえば、上のミミズクや鷹、鷲、熊、鹿など羽毛や毛皮で包まれ、木目の質感が表現に生かせる物が多いのですが、私は大成君の作る昆虫物も大好きです。特にこのカブトムシやクワガタなど甲殻類のふてぶてしい力強さは、チェーンソーで削りだした肌目の荒々しい質感あってこそです。本当はこのタッチで「森の昆虫ワールド」を製作してもらいたいのですが、製作依頼するほどの余裕は・・・。完成品の引き取り展示先として気長に待つ作戦に変更。
本当はいろいろな樹種で作ってもらいたいのですが、さすがにこの大きさになると端材で作るというわけにもいかず、原木もなるべく瑞々しい方が良いという事もあり、おのずと樹種は限られてしまいます。ケヤキあたりだと相当面白い杢が楽しめそうですが、ここでもやはり適材適所の法則。使えそうに思える事と実際に出来る事は別物です。彫刻だと朴や桂が、もっと小さなバードカービングなどにはジェルトンなどが合うように、『彫る』といってもサイズと道具ひとつで木との相性もそれぞれです。









2010年 7月 26日 月曜日 - 1:15 AM
チェーンソーを手にあれこれ仕事をする人は、林業従事者とトビー・フーハー監督の某主人公だけだと思っていましたが・・・チェーンソーアートもあるのですね。そのワイルドな作品は見たことがありますが、製作現場は見たことがありませんでした。防護ネットのなか、木材と対峙する姿は、まるで金網デスマッチ?木材との格闘?ですね~。
さて、彫刻作品の素材には木材や金属、石材、FRP等、いろいろありますが個人的には木材が大好きです。そんな大好きな木材を素材にした彫刻家に三沢厚彦氏がいます。ただ、美術館や画廊に展示してある作品には必ず「近寄るな」「触れるな」「撮影禁止」の警告文が・・。これが残念&無念です。
いつか宝くじが当たったら、三沢氏の彫刻作品を購入し、見るだけではなく、触ったり、嗅いだり、またがったり、そして近所の林に設置し、子供たちをビックリさせたいと夢想する齢40過ぎの私なのです。
2010年 7月 26日 月曜日 - 7:57 AM
fujitaさん、いつもコメントありがとうございます。
チェーンソーを振り回して虐殺するショッキングなホラー映画でありばがら、その芸術的ともいえる美しさからマスターフィルムがニューヨーク近代美術館に永久保存されているという、いわくつきの『悪魔のいけにえ』(監督トビー・フーパー)は、学生時代の私にとって凝視に余る映像でした。一種のトラウマ状態ですので、冷静に鑑賞することは一生ないような気がします。その映画をサラリと触れて、決してそこで話を完結させない貴方の「どや顔」が瞼に浮かびます。
さて、私も大好きな三沢厚彦氏ですが、以前美術館でも同様の思いを抱きました。触りたいけど、一人の見識ある社会人としてその気持ちをグッと押さえていたら、後ろの方で小さなガキ、いえお子様がチョロチョロと飛び出して、停止線をヒョイと飛び越えて作品にペタペタ・・・!係員の方が慌てて飛んで来て、ガキに教育的指導を!
あの手があったか!とさすがに真似はしませんでしたが、触りたくなる気持ちは分かります。それほどに魅力的なのです。是非、fujita家に作品が来た時には、私も童心に返ってぺタペタ、クンクンさせていただきます!
これって、本当は久万美術館でやってほしい企画なのですが・・・盛り上げてみますか?