森のかけら | 大五木材


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20101213 「住み継ぐ家」を語り継ぐ・・・2①本日は、改めて『住み継ぐ家』のディティールに迫ります。このお家は、施主さんの祖父母が長年暮らした思い出がたっぷり詰まっていて、その思いを留めたまま住み継ぎたいというのが根本にありました。かといって、普通の古民家再生にしてしまっては、「イシムラトモコ」の名前が泣きます。また、そうであれば施主さんも彼女に依頼したりはしません。その辺りは、家がご近所という事もあって、以前に建てたドラゴンハウス・ファミリーとお友達という事もあって、イシムラトモコの家の見学会の常連という事もあって、お互いよ~くご承知!最後に施主さんが引渡しを惜しむ光景(それはこの素晴らしく楽しい家造りが終わってしまうからなのですが)は、彼女の家造りにとっては最後の儀式のようになってきました。それはイシムラトモコ・ファンクラブの正会員会員証の授与式でもあります。

 

20101213 「住み継ぐ家」を語り継ぐ・・・2②今回は時間の都合で最後までご一緒できなかったのですが、もみじ建築・チームと施主さんご家族が万感の笑顔で映ったこの1枚を見ると、その絆がどれほど強い信頼関係で結ばれていたかを物語っています。いくら設計士と施主さんの関係が良好でも、それを具現化していく棟梁はじめ業者との息が合っていなければ良い仕事は出来ません。中でも、乗松社長率いるもみじ建築の真摯で前向きな姿勢にはいつも頭が下がる思いです。社員教育もしっかりされていて、今回の窪田棟梁も実に爽やかでアグレッシブ。智ちゃんの無理難題(?)にも愚直なほどに前向きに取り組まれます。最後に写したこの1枚を撮ったファインダー越しの彼女の目には涙が浮かんでいたかどうかは定かではありませんが(負けず嫌いなので、きっと人前では涙など流さないのでしょうが)、心の中では大粒の涙を流していたに違いありません。

 

 

20101213 「住み継ぐ家」を語り継ぐ・・・2③その思いは彼女だけではありません。初日の終わり間近、玄関に佇み感慨にふける窪田棟梁の姿をこっそり後から撮影。あえて声は掛けませんでした。この家に関わった皆の胸によぎる思いはそれぞれ・・・。1日目は、智ちゃんと長棟さん(トーヨーキッチンと私が主に中で喋らせていただいて、もみじ建築さんは会場設営から備品の手配、初日が雨だったので足元もビニールシートからテントなど、とにかく見学会の準備などを一手に引き受けられていて、当日は駐車場の案内や受付など縁の下の力持ち的な地味で大変な仕事をされているのに、私は当日ひょいと出かけて好き勝手な事を喋らせていただく・・・申し訳ない気持ちです。 見学会のエンディングは、さぞかし感動のセレモニーが繰り広げられたのではないかと思います。あ~、立ち会えなかったのが残念!

 

 

20101213 「住み継ぐ家」を語り継ぐ・・・2④今日こそはご使用いただいた各木材のディティールに迫るつもりで書き始めましたが、毎度の事ながら前振りの話で筆が乗って(キーボードがリズミカルに打てて!)、これから始まる始末!とりあえず、このお家が歴史を積み重ねたという事を言いたかったのですが横道に逸れました。解体してみると立派な梁が現れたので、何とかこの梁を活かそうという所から、彼女の苦心が始まるのです。そのあたりのエピソードは『はたらく石』にお任せして、その梁が映える天井をどうするか?

 

20101213 「住み継ぐ家」を語り継ぐ・・・2⑤彼女が選んだのが【カランタスの小幅パネリング】!もはや『トモコ・スペック』と呼んでもいいとさえ思えるこのシャープな小幅サイズ。 当初『カランタス』をこの幅で料理するというのは、正直どうなのかと戸惑いもありました。内心、無理に小幅にしなくてもいいのに、というジレンマもありました。それが貼ってみたらどうでしょう!この質感、色合い、存在感。この材を活かす「出口」はここにもあったかという思いです。今回も多くの皆さんに天井の事を尋ねられ、そして気に入っていただけました。

 

20101213 「住み継ぐ家」を語り継ぐ・・・2⑥しかしこれは有効幅で50数㎜程度しかありませんので、実際に施工するとなると、その手間は大変です。いくら設計士さんや施主さんの了解を受けているとはいえ、実際に納品する際に施工する大工さんから嫌な顔をされると辛いものがあるのですが、窪田棟梁は、 「これですか~!」と腕を振るうのを待ちかねた様子で受け取ってもらいました。実はそれってとっても嬉しいことなんです。経験上、現場で働く人間の気持ちがひとつになる現場って物凄く良い家が出来上がります。

 

20101213 「住み継ぐ家」を語り継ぐ・・・2⑦窪田棟梁からカランタスがまだ足りないと連絡があったので、少し多めに入れたのに・・・と思っていたら、天井照明の内側までびっしりとカランタスが貼ってありました。この徹底したこだわりが美しい空間を生み出すんでしょう。一見均質に見えますが、ある程度幅のある板を小幅に再割りしますので、板目柾目が混在します。折角の幅の板を割るのだから、なるべく無駄なく使いたいということで、板目柾目、色ムラや小さな節、カスリなども大胆に取り入れていただいています。決してトロだけ使って後は捨てているわけではありません。小幅にする事で、木の色ムラや木柄の癖が分散するという効果も生まれています。こういう効果は計算してというよりは、感覚的なものが結果的にそういう効果も生み出すのだと思います。それほど彼女の感覚には秘めたる力があります。恐るべし、センス・オブ・ワンダー

 

hazai★「カランタス」の端材は、『ちょこっと端材』コーナーでも販売しております。端材が出来次第、随時商品をアップしていきます。「カランタス」結構人気がありますのでお早めに!




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