森のかけら | 大五木材


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★今日のかけら・#070 【佛/タモ モクセイトネリコ属・広葉樹・北海道産

20110523 トランジスタ・タモ・ハウス①週末のオレンジ会の青空市を抜け出すこと2時間、青空市が開催されている堀江町とは真反対の砥部町に車を走らせました。そこでは、イシムラトモコ建築設計さんの『トランジスタハウス展示会』が開催されているのです!本来であれば、2日間とも駆けつけて精一杯喋らせていただきたいところなのですが、むさくるしいおっさんが2日間も延々喋くりまわっていては、かえってイメージダウンになってしまってもいけないので、実はこれぐらいの出番が丁度良いのでしょう。こういう時こそ身の程を知った大人の対応が臨まれるところです(決してちょっとしか顔を出さなかった事への強い言い訳ではありません・・・)。その短時間の滞在にも関わらず、次々とお客さん(イシムラトモコファン)が集まって来られます。いつもの事ながら本当に関心します。今回は、施工中の現場の画像が撮れなかったので(私事情)、たっぷりとブログでご紹介します。

 

20110523 トランジスタ・タモ・ハウス②外観も独特ですが、そちらの方はイシムラトモコ建築設計さんのブログ『はたらく石』をご覧いただくとして、早速内部に入ります。1階のフローリングには、タモを採用していただきました。今までのトモちゃんのイメージとはちょっと違うよね・・・というお声を何人かの方からいただきました。その人のイメージって、自分が一生懸命作っているつもりでも、実際にはインパクトの強いある一部の側面を切り取って、それぞれが勝手にそのイメージを作り上げているのだと思います。という事は、このトランジスタハウスが、イシムラトモコらしいと思うか、いつものイシムラトモコらしくないと思うか、人それぞれだとは思うのですが、いずれにしてもそれぞれの中の『イシムラトモコの姿』の姿の輪郭は明確に見えているようです。さて、そのタモのフローリングですが、早々にタモを選択してもらっていたのにも関わらず、こちらの不手際でいろいろご迷惑をお掛けしました。

 

20110523 トランジスタ・タモ・ハウス③にも関わらず、その工程すらも楽しんでやろうというポジティブなお施主さんと、器の大きな設計士さんのお陰で救われました。また、今回のタモという選択は、私にとっても意外でしたが、仕上がってみるとやはりこの空間にはタモしかありえなかったと思わせるほど絶妙なバランスに仕上がっているのですから恐れ入ります。少し地味で控えめな印象の強かったタモですが、壁のクロスや天井、調度品との組み合わせ次第で、意外なほど『食える魚』であった事を再認識させられました。

 

20110523 トランジスタ・タモ・ハウス④かの設計士、ただの男らしい(!)無謀な冒険家にあらず、繊細にして大胆な芸術家肌であることがよく分かりました。タモは、ナラと並んで化粧単板として高い汎用性があり、現代住宅においても使用頻度が高いにも関わらず、家具の雄・ナラに比べるといまひとつ人気が低いのは、皮肉にもその用途の広さではないのかと思うのです。あまりに周囲に溢れていると、こだわりの強い方にはちょいと敬遠されてしまうのかも知れません。私自身もその傾向はありました。今更タモ・・・という潜在的な偏見はありました。

 

20110523 トランジスタ・タモ・ハウス⑤化粧単板によく使われるという事は、それだけ癖が少なく、木目が全体的に整っているという事で、その点も個性的なものを求める私のストライクゾーンからは微妙にずれていたのですが、このフローリングは若干ムラのあるグレード(ラスティックではなく、敢えて言えばナチュラルグレード)で、無垢っぽさがより際立っています。タモは強度にも優れ、アオダモと並んで野球のバットにも使われるほど硬く、耐久性もあります。化粧単板に使われるタモは、色目の大体揃ったものを利用していますが、実はタモは個体差によってかなり色ムラのある木なのです。心材と辺材の差というよりは、赤身の中でも濃厚な茶渇色~灰褐色、淡黄色など実に表情が多彩。それがこのフローリングの際には、プラスに出ました。ちなみに植物学上はヤチダモと表わされる『谷地ダモ』の由来は、湿地(谷地:ヤチ)に多く生育している事ですが、湿地のタモの方が通直な良材が揃いやすいとか。 明日に続きます。




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