森のかけら | 大五木材


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20160519 1本日も映画『レヴェナント:蘇えりし者』についての話。本作は不屈の男ヒュー・グラスの凄まじ復讐の物語という事だけではなくいろいろと考えさせられる事の多い映画でした。亡き先住民の妻が遺した言葉、「強い風が吹くときに木の前に立つと、枝は折れそうになる。けれど地面にしっかり根を張った木は、風でも決して倒れることはない。」は、文字通り先住民たちが自然との暮らしの中で学んで知恵ではあるものの、人生の中で多くの事を示唆する意味深な言葉でもあります。

 

あるゆる事象置き換えられ、受け取る人によってその対象が変わるでしょうが、強い向かい風を受け進むこともままならない時に忍耐強く辛抱し、エネルギーを貯めて逆境を乗り越えていく。言葉の受け取り方はさまざまながら、実際に大木は大雨や台風に見舞われようとその場を動くことなどできません。激しい風にもっていかれそうになる根や枝を踏ん張り、重い雪で折れそうになる枝を支え、それでも悠然と耐え続けます。その格闘の記憶は、伐採後に枝の周辺に如実に現れます

 

20160519 3その痕跡から激しく枝が揺さぶられた様子を思い浮かべるとき、樹という巨大で無口な生き物が内に秘めた生への強い執着と尊厳を感じずにはいられなくなるのです。そういうこともあって、映画の冒頭でグラスたちのハンターチームが林の中で、全住民の襲撃を受けて木々が荒らされ火が放たれる場面では、撮影終わったら早く消火してやれよとか、簡単に傷つけてるけど結構大きな木だそモッタイナイとか、雪の影響でロケ地がカナダからアルゼンチンに変わったそうだけどこれは何の木?

 

20160519 4等々、職業的な視点が飛び出してなかなか集中出来ず。どこまでがカナダロケでどこまでがアルゼンチンか分かりませんが、いずれにしても雪をかぶった大森林地帯を見ていると、日本とは比較にはならない森のスケール感に圧倒されっぱなし。大きな木の元では、大きな物語やドラマ、大きな夢が膨らむなんて言ってしまえばそれまでですが、これを林業とか森林資源なんて同じ物差しで語るのはあまりに空しいということは間違いない。映画のスケールは風景が作る要素が大きい。




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