森のかけら | 大五木材

黒縞の美学・JAPAN PREMIUM 黒柿①

2018/05/20

今日のかけらプレミアム008 【黒柿/クロガキ】カキノキ科カキノキ属・広葉樹・愛媛県産

あくまでも私の個人的な趣味嗜好に基づくものですが、入手が難しい、その存在そのものが希少、特別なストーリーがある、などの木については、240種の【森のかけら】のレギュラーではなく、あえて仰々しくプレミア感を謳った【森のかけらプレミア36】として別枠に仕立てています。中には、「なぜこれがプレミアなの?」なんて意見もあろうかと思いますが、あくまでも私の趣味嗜好!そんな意見は聞くつもりもありませんが、その36種を選ぶ時にはかなり頭を悩ませました。

森のかけら・プレミア36の36種は以下の通り、アマゾンローズ、アマレロ、ウェンジオリーブウッドカステロキングウッド、グラナディロ、黒柿、黒檀、ココボロ、サントスローズ、紫檀、シャム柿、スネークウッドゼブラウッド、ソノケリン、ダオ、鉄刀木、チューリップウッド、バーズアイメープル、ヴィオレットウッド、パープルハート、パオローズ、パオロッサ、パリサンダー、パロサント、パンガパンガ、ピンクアイボリー、フランス黄楊、ベリ、ペロパローザ、ボコーテホンジェラススローズ、マホガニー、リグナムバイタレースウッド。30種のプレミアとレアなレギュラー6種で構成されています。緑色は「レアなレギュラー」です。 収納箱はブラックウォールナットで、全ての箱にシリアルナンバーがレーザー印字されています。本体価格¥63,000(¥68,040 消費税込・送料込)

そんな【森のかけら36】には、日本の木が1つだけ含まれています。それがこちらの『黒柿』。クロガキという樹種があるわけではなくて、カキの木の中で心材に墨で描いたような漆黒の模様が現れたものを『クロガキ』と称します。なぜそのようなクロガキが生まれるのか、その詳しいメカニズムについては解明されていないそうですが、一説にはカキノキには柿渋の元になる「タンニン」という物質が含まれていて、それと土中から吸収した成分とが化学反応して発生するとも言われています。

100年を越えた老木のカキにしか現れないとも言われていましたが、近くの農家の方から分けていただいた50年足らずの若いカキノキを製材すると、中身が黒くなっていましたので、必ずしも老木にだけ現れるのではないと思います。ただし、木材業界、銘木業界で言うところの『クロガキ』というのは、ただ単に黒味が出ているという事だけではなく、それが文様として美しい柄になっているとか、より黒味に濃淡の深みがあるなど、芸術的な風合いが求められ、それが特別な価値を生み出しています。続く・・・

小豆島のオリーブ物語② 選ばれし島*

2017/01/09

★今日のかけら プレミアム004オリーブOlive モクセイ科・広葉樹・スペイン産

さて本日は昨日に続いてオリーブの話ですが、ちなみに【森のかけらプレミアム36】に入っているオリーブはスペイン産のものですが、ここでお話しするのは小豆島で育った国産オリーブの話です。まずは小豆島とオリーブの歴史について。四国に来られたことのない方には小豆島がどこにあるのか分かりづらいかもしれませんが、瀬戸内海・播磨灘にある島で、香川県小豆郡に属し、小豆島町、土庄町の2町からなり、人口は3万弱。淡路島に次いで2番目に大きな島です。

こ の島がなぜオリーブの産地になったかというと、今から100年と少し前の明治41年(1908年)に、当時の農商務省がアメリカから輸入したオリーブの苗木の試作をするために日本で3か所が選定されました。なぜそれらの場所が選ばれたのかというと、オリーブの原産地のイタリア、スペイン、ギリシャなど地中海地方に似た温暖な気候の場所であるということと、小豆島については当時沢山獲れたニシン(鰊)をオイル漬けにして輸出する狙いもあったとか。小豆島以外の2ヶ所は鹿児島と三重。

その後、小豆島以外の地域ではオリーブがうまく育たず栽培を断念。小豆島の環境にはうまく適応したようで、順調に生育し、大正時代の初めの頃には搾油ができるほどに地域に定着したのだそうです。栽培農家の努力もあって、その後栽培面積も増えて、昭和29年には県花、昭和42年には県木にも指定されています。しかし昭和34年の農産物自由化以降は、スペインなど海外から安価なオリーブ製品が輸入されるようになって厳しい価格競争の波に飲み込まれることに。

当初考えていたニシンのオイル漬けも、漁獲環境が一変して激減します。ちなみに明治30年には国内の鰊の漁獲量はおよそ100万トンもあって、海藻なども含めたあらゆる漁業の総漁獲量が174万トンだったので、全体のおよそ6割をニシンが占めていた計算になります。個体数で換算すると、約30~40億匹という天文学的な数字!しかしその後ニシンは急速に獲れなくなり、「あれからニシンは どこへ行ったやら ~♪」と石狩挽歌で歌われたように激減の一途を辿ります。

森のかけら・ジュラシックウッド36*

2016/10/14

さて今日も『福井県立恐竜博物館』の話。後のこともあって、実際にはここにも1時間程度しか居られなかったので、相当に駆け足で館内を巡ったのですが、またいずれ改めてゆっくりと来てみたいと思います。とはいえ折角なので、ひとつでも多くの事を見ておこうと目を皿にしてあちらこちらをつまみ食い。恐竜そのものにも興味はあるものの、こういう場所でしか見られない「恐竜時代の森」についても興味津々。しかしこういうものって見る側にある程度の知識がなければこんな短時間では到底消化しきれるわけもなし。

とりあえずカメラにだけでも収めておこうとカメラを向けるのに夢中で、中身については帰ってらゆっくり確認しようという始末。恐竜が跋扈した時代のジュラ紀の森についての展示も充実していて、当時の森のジオラマなんて、売っていたら個人的に購入したいぐらい。実は以前に、このブログで古代樹について書いたことがあるのですが、その時は恐竜の時代よりも遥かに太古の3億年前のベルム紀、石炭紀の時代に地上で隆盛を誇った『シギラリアTietea singularis)』などのシダ植物について

また別の項では、愛媛県伊予市の市木『メタセコイア』について書きました(『メタセコイア外伝・伊予市の扶桑木』)が、太古の樹木って恐竜と同様に偏屈なマニア材木屋の心も揺さぶるのです。館内の解説文によれば、「ジュラ紀後期は、三畳紀やモンスーン的な気候がとだえた結果、世界のほとんどが均一な植生になった時代」だそうで、「やや乾燥した環境の中でもっとも繁栄した裸子植物はジュラ紀のおわりまでに現在のほとんどのグループが出揃い、巨大化した針葉樹と競うように巨大になったグループが栄えた時代。」


世界のいろいろな樹種を集めていると、こうした今は無き太古樹にも思いが及んでしまいます。もしもタイムマシンがあるのならば、この時代に行って太古樹を少しだけいただいて、戻ってから『太古樹のかけら』を作ってみたい!そしたら中には時々、太古の虫が入っていたり、草食恐竜が葉を食べるときに擦れた傷や噛み跡でもあれば、それはもうジュラシック・プレミアムウッド!どうせ作れないならせめて妄想の中だけでもリストアップしてみようかしら、『森のかけら・ジュラシックウッド36』!

美しき「棘」ホンジュラスローズ①*

2016/04/16

いろいろありましてようやく本命に辿り着きました。ホンジュラスといえば、そう『森の宝石』とも呼ばれるホンジュラスローズ!もし、【森のかけら】を作っていなかったら今でも巡り合うことはなかった樹のひとつだと思います。それぐらい通常の材木屋の業務では縁の無い木。たまたま市場に転がってたから、ちょっと気まぐれで買ってみては的な感じでは手に入らない木でして、こちらが強く意識して覚悟を持って買いに臨まねばならない木です(少なくとも私にとっては)。

私が初めてホンジュラスローズを手にしたのは、【森のかけら】に着手する1,2年前のことなので、もう10年近く前の話になるでしょうか。一般的にはなかなか入手しずらいレアで特徴のある個性的な樹でプレミアム36(あくまでも私の独断と偏見によるプレミア基準!)を作ろうという構想があったのですが、果たしてそれが集められるかどうかということで全国各地の情報を収集し、少しずつプレミアな材を揃えていく工程で、偶然ホンジュラスローズとの出会いもあったのです。

手に入った喜びでその時は気づかなかったのですが、それから何年も倉庫で寝かせていざかけらに加工しようとなった時、その木取りの困難さに直面。まあ、お金を出せばしっかり赤身の多い大トロのような材も手に入るのでしょうが、なにせ基本は端材が出自の【森のかけら】ですから、いかにプレミアシリーズといえども高額な材を使うのはご法度(当然経済的な理由も大きいのですが、精神的にもよろしくないということで)!図鑑に載っている特徴通り、廃材率が半端ではないっ

端材職人としては、少々のことであれば活かす手口は持っているものの、なかなかどうしてそんな私の手に余すようなところもあって、かけらを取るのさえひと苦労。いや、思い切って大胆に木取りすれば取れるのは取れるのですが、そこは貧乏性な性分と、端材職人としての意地もあります。モスキートコーストで未開のジャングルと格闘したハリソン・フォードよろしくここは私も格闘せねば!と妄想を巡らせながら、大割れや曲がり、虫穴、青染み等との格闘が始まるのです。続く・・・

 

プレミア付き商品券の使える材木屋

2015/09/24

20150924 1内閣府が2014年度の補正予算で、景気の下支えを期待して打ち出した経済対策『地方自治体が発行するプレミアム付き商品券』ですが、弊社もその商品券が使える『商品券利用可能店』に登録しております。愛媛県・松山市限定ではありますがまだ未利用の方は、利用期間は11月30日までですので是非利用候補の1つに加えていただければと思います。我が家でも私と家内それぞれ4万円分購入して、家内は既に使ったようですが私はいまだ使用目的が定まらず、期日は近づく・・・(汗)。

 

20150924 2この商品券については恐らく他県でも同じような内容だと思うのですが、愛媛では愛媛全県で使える『愛顔のえひめ商品券』と、松山市内で使える『まつやま幸せ実感商品券』の2種類があり、既に申し込みはとっくに終了していますが、両方合わせると最大で4万円分購入でき、4.8万円分の買い物が出来ます。先日、初めてこの商品券でお支払いをしたいというお客様がいらして、テーブルや椅子などの家具一式のご購入に際してガッチリと多数の商品券をお使いいただきました。

 

 20150924 3新築中で家具の購入も初めから視野に入っていたため、親族で買えるだけ買われたという事で大量に商品券を確保されていてこれだけの枚数になりましたが、これだけあると圧巻です!私が入社した頃は、給料は現金を給料袋に入れて渡すものでしたが、いまや現金支給するところなどほとんど皆無でしょう。硬貨まで入った給料袋を持つと、一ヵ月の労働の対価を肌で感じて有難味があったものですが、昨今では銀行振り込みで明細書を渡すだけで、何やら拍子抜けしてしまうのです。

20150924 5そんな中で、紙幣よりも厚い商品券がこれだけ揃うとかなりのボリュームで、パンパンに膨らんだ袋を手にすると有難味もそれに比例して大きく感じられる単細胞です。それを渡す立場の人間が言うのも何ですが、やっぱり労働の対価としてはただの数字(明細書)よりも『現物』の方が説得力があると思ってしまうタイプなのです。弊社でも稀に電話一本で材をつないで(現物が手元を介さず右から左で)契約成立する事があるのですが、不謹慎ながらどうにも実感が乏しく・・・

20150924 4貧乏性なのかもしれませんが、伝票上だけで材が動いてしまったりすると、ついモッタイナイとか疎外感を感じてしまうのです。なるべく自分が直接木に携わりたい(触れたい、持ちたい、見てみたい)という思いが、【森のかけら】を作る原動力になったぐらいですから。ちなみに、【森のかけら】や『森のりんご』などのクラフト商品につきましても商品券は使えますので、私のように商品券を購入したはいいがまだ具体的な使い道が決まっていないという方、是非ご検討下さい!

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