森のかけら | 大五木材

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★今日のかけら・#097 【朴/ホオ】 モクレン科モクレン属・広葉樹・宮崎産

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友情あるモスグリーン・朴

1. 今日のかけら, 誕生木・12の樹の物語
20130904 1ホオ(朴)の木の性質や用途について紹介してきましたが、ホオの木が他の木と決定的に違うのは何といってもその色合いです。木の色合いを言葉で説明するのは非常に難しいのですが、例えば樹種名の入っていない【森のかけら】を数10個並べたとして、特別木に詳しくない人でもホオの木を特定するのは容易な事です。それはホオ独特の色合いによります。右の画像の右から3番目がホウです。ちょうど心材と辺材が半々の木取りとなっていますが、右半分の緑がかった色合いがホオの特徴です。20130904 2写真に撮ると肉眼で見るよりもより濃い色合いになってしまうのですが、実際は画像よりもやや明るい爽やかな緑褐色でう。う~ん、ホオの木の色合いをうまく伝える語彙を持ち合わせていないのでもどかしいのですが・・・材を削った直後は、もう少し爽やかなモスグリーンのような色合いですが、時間を置くとやや色合いが濃くなってきてくすんできます。この色調を図鑑などでは、沈灰帯青緑色とか暗灰緑色などと表現していますが、何だかどれもしっくりきません。20130904 3緑色を帯びた木というのは案外少ないので、沢山の木の中でも結構目立つ存在です。言葉で説明するよりも実際に見てもらえば一目瞭然です。右の画像は少し光が当たりすぎて緑っぽくありませんが、部位によっては薄めのものもあります。このホオの木を使って作っているのが、こちらの『木言葉書(きことのはがき)』。食材などを包んだ事が名前の由来になっている事から、ホオのような包応力のあるあなたを招待する場面設定を想定。木言葉は『友情』。

 

20130904 4このホオの木について、「愛媛にもあるの?」という質問をたまに受けますが、当然あります。ただし、そのまま1枚板のテーブルサイズに使えるものとなると、愛媛県内産だとかなり難しいのが現状です。直径300mm前後の小さな原木でもよければ、愛媛県内産のホオをストックしていますので、幅剥ぎでよければテーブルを作ることも可能です。ただし大物の家具として、本格的に使えるようになるには後半年ほど様子を見たいところではあります。

 

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300mmを超えるような大きな木は、東北や中部、九州から仕入れしたものがあります。産地によっては色合いにも結構濃淡があります。特に、宮崎産のものには濃厚で深緑のものもあります。数百年も土中に埋まっていた『神代朴』もありますので、いずれ改めてご紹介させていただきます。9月の誕生木という事で、ホオを使った『暮らしに身近な商品』を現在急ピッチで開発中!ちなみに、『森のたまご/ホオ』は、SPECIAL(スペシャル)・・・¥2,000(¥2,100/消費税込み)で販売中です。


9月の誕生木の出口/カッティングボード

誕生木・12の樹の物語

20130922 1すっかり遅くなってしまったのですが、9月の『誕生木(たんじょうもく)の出口がようやく完成しました。これはあくまでもその月ごとの誕生木の身近な用途のご提案の1つです。9月の誕生木である朴(ホオ)は、5~6月頃に枝先に黄白色の大形の花を上向きに咲かせ、9月から11月頃に紅紫色に熟します。ホオの季語は、花が夏で実や落葉が秋です。そんなホオの身近な出口として、パンやケーキなどを切る時に使う手頃なサイズのカッティングボードを作りました。

 

20130922 2ホオは、水にもよく耐え、刃物を傷めない事からはまな板の素材としても知られています。匂いもほとんどない事から食材に余計な匂いをつける事もありません。また刃こぼれしないのもホオの特徴です。現在弊社には、テーブルサイズの大きなホオ以外にも、愛媛県産の小ぶりなサイズの耳付きのホオもあります。それこそ、以前紹介した『愛媛県の小さな広葉樹収集』の成果のひとつです。デザインしていただいたのは、前日紹介させていただいたジュネ・スタジオ佐伯勇樹さん

 

20130922 3今までにも樹種ごとの身近な出口を作る構想はあり、各樹種ごとの特徴を活かした『出口』の姿は漠然と見えていたものの、悲しいかなデザイン力がなくて具体的な形にする事が出来ていませんでした。それが佐伯さんと手を組んだ事で、今までのイメージがドンドン具体的な形として現れてきて嬉しい限りなのです!スタートが遅れましたが、今後は毎月の誕生木に合わせて、『身近な暮らしで使える誕生木の出口』を作っていこうと思っています。ではカッティングボードの詳細について。

 

20130922 5素材は久万高原町産のホオで、サイズは(S)が長さ280mmX幅120mmX厚み18mm。(M)が長さ240mmX幅160mmX厚み18mm。(L)が長さ270mmX幅180mmX厚み18mmの3種類です。無理に県内で大きなホオを探すよりも、手に入るサイズの素材をなるべく無駄なく使うというのも森のめぐみを活かす1つの手段です。小さなサイズのものを作ったことで、幅の狭い材も無駄にすることなく利用できます。小さな節やカスリ、色ムラもありますが、それも森の履歴書です

 

20130922 4塗料はしていません。水気のあるものをカットした場合は、乾いた布でよく拭いて風通しのよいところで保管下さい。濡れたままの状態で長期間そのままにしておくとカビや染みの原因となります。決して大量生産を考えているわけではなく、ある材を活かすというのが前提です。誕生木の該当月が終わっても販売は継続していくつもりですので、『商品紹介・誕生木の出口コーナー』をご覧下さい。『誕生木・12の樹の物語』の解説書がセットになっています。

 

9月が誕生月の大切な人へ、是非『愛媛県産朴のカッティングボード』を贈ってみませんか。

S=¥2,500(税込み¥2,625)、 M=¥3,000(税込み¥3,150)、 L=¥3500(税込み¥3,675)。

それぞれに誕生木の解説書付き。送料は別途となります。


木のまな板狂時代①

2. 木のはなし, 木のものあれこれ, 誕生木・12の樹の物語

20130901 2先日、『誕生木 12の樹の物語』について紹介しましたが、それに準じると今月9月は『朴(ホオ)』が誕生木となります。今後は、毎月その月の誕生木についても触れていこうと思っています。まずは、ホオについてですが、まだ『今日のかけら』としても取り上げていませんでしたので、今回誕生木に合わせる形でホオの木をご紹介させていただきます。ホオは全国的に分布している木ですが、地域によっては『ホオノキ』、『ホオガシワ』とも呼ばれますが、ここでは『ホオ』に統一します。

 

20130901 3まずホオの最大の特徴は、反りや曲がり、狂い、暴れ、アテなどが非常に少ない素直な木であるという事です。また切削加工性が非常によい事も特徴のひとつであって、彫刻や版木には最適の素材といえます。他にも指物用材や寄木細工、漆器生地などにも使われています。またその特徴から製図板や定規としても大変重宝されていました。残念ながら最近は合板やプラスチックのものが主流となってしまいましたが、刃物が錆びない性質を活かして刀の鞘にはホオが使われています。

 

20130901 4また一般の方に身近な用途として有名なのは『まな板』です。「イチョウ・ホオ・ヤナギ」がまな板の素材の御三家と言われていますが、色調が緑褐色なので印象が悪いのか、最近ではホオノキのまな板を求められる方はすっかり少なくなりました(イチョウやヤナギのまな板の問い合わせは結構多いのですが)。まな板に好まれる理由は、刃あたりが良くて刃を痛めない事、軽軟で扱いやすい事、赤味を使うと比較的水にもよく耐える事などが挙げられると思います。

 

 

20130901 5水に耐えるという事に関してはデータを持っているわけではないのですが、まな板と並んで台所の必需品・杓子(しゃくし)にもホオはよく利用されていて、我が家でも長らく熱い味噌汁や汁物に耐えて頑張ってくれていますので、経験的に水にも耐えるのではないかと考えます。広島の宮島に行くと、ついついホオの杓子を買ってしまうのですが、お陰でうちには幾つものホオの杓子が・・・。もうひとつ有名な用途は下駄の朴歯。下駄の台はキリですが、脚歯にはホオが使われています。

 

20130901 6ただし残念ながら、まな板同様に下駄そのものが一般的では無くなってしまっていますので、ますますホオの木で出来たものを身近な暮らしの中で見かけることが少なくなっています。ホオについては、材というよりもその葉の方が身近に感じられるかもしれません。ホオの葉はモクレン科の中では最大で、大きなものになると40㎝を越えるものもあり、昔から飯や餅を包むのに使いました。飛騨高山の朴葉を使った味噌焼きなどはその代表格です。ホオの話、明日に続きます。

 


木のまな板協時代②

木のものあれこれ

20130902 1本日は9月の誕生木『ホオ(朴』の木の名前の由来などについて。昨日、地域によっては『ホオガシワ』とも呼ばれていると書きましたが、そのあたりにこの名前のルーツがあるようです。万葉集においては『ホホガシハ』の名前で詠まれています。それによると、既にその頃からホオの葉を酒の杯としていたという習慣があったようです。古来より、食物を盛るための器として使われた大ぶりの葉の事を総称して、カシキハ(炊葉)と呼んでいたようで、これが転じてカシハになったのだとか。

 

20130902 2つまり、古来カシハを名乗る植物の大部分が、その葉で食物を盛るのに用いられたのではないかという説。では、ホオの語源はどこにあるのか?昔から日本ではホオガシワの漢名として『和厚朴』という名前が使われていました。ホオの樹皮は薬剤の原料とされますが、中国におけるホオ(厚朴) に対して、日本の固有のものを示す和がつけられ和厚朴とされていたらしいのですが、この厚朴の漢音hou-poから転じてホウとなったという説、『あるいは厚朴の音なるやも知れず』。

 

20130902 3また音感からではなく、ホウノキの葉がより合わさって物を包む様子を頬懸(ほほがけ)に見立ててホオとなったとか、開花する数ヶ月も前から枝先に冬芽をつけて長い時間過ごすのですが、その状態を形容した古語「ほほまった」から転じたのではなど諸説あるようです。個人的には最後の「ほほむ」説を支持したいところです。全国的にみてもホオの方言名は種類が少なく、せいぜい「ホウガシワ」か「ホウバ」程度ですが、食物を包む習慣は全国的に残っているようです。

 

20130902 4ホウの木の葉が使われるだけでなく、その炭は「朴炭(ほうたん)」と呼ばれ、金属や漆器の研磨には非常に重要で珍重され、乾燥した樹皮には芳香性のある油分が含まれる事から薬剤の原料とされています。種子からも油が取れ、アイヌ民族は果実を煎じてのみ、食後の清涼飲料としていたとか。厚みのある花弁は食用ともなり、つぼみは焼酎に漬けてリキュールが作られていたそうですから実に無駄のない木です。材は墨がにじみにくい事から卒塔婆などにも利用されています。さらに明日に続く・・・


木のまな板狂時代③

木のものあれこれ

20130903 1本日も『ホオ(朴)』の木の話。ホオの英語名は、ジャパニーズ・アンブレラツリー、あるいはジャパニーズ・キューカンバー・ツリー、ビッグリーフ・マグノリアなどと表すそうです。思うに、朴の木のどの部分に注目するかによって名前が変わっているように思われます。例えば図鑑などで比較的よく目にするジャパニーズ・キュウカンバー・ツリー(japanese cucumber tree)の表記。キューカンバーというのは言わずとしれたキュウリの事ですが、まさにこの果実の形から。

 

20130903 2アンブレラツリーというのは、文字通り大きな葉が垂れ下がって茂る様子から。まさにその形は「森の傘」!そして、この大きな葉の形から付いたのがビッグリーフ・マグノリア(モクレン科の大きな葉の意)。マグノリアというのはモクレンの事ですので、ホオをはじめ、オガタマコブシ、ハクモクレン、タイサンボクなどモクレン科の木の英語名に付く事が多いようです。果実の形で見るか、葉の形で見るかによってその表現も変わってくるのは洋の東西を問わないようで。

 

20130903 3マグノリアといえば、昔(1989年)、『マグノリアの花たちSteel Magnolias』という映画がありました。『グッバイガール』の名匠ハーバート・ロス監督の作品。アメリカ南部の町ルイジアナを舞台に、固い友情で結ばれる女性たちの群像劇で、興味はあったものの、サリー・フィールド、ドリー・パートン、シャーリー・マクレーン、ダリル・ハンナ、オリンピア・デュカキス、ジュリア・ロバーツというひと癖もふた癖もある女優陣の顔ぶれにすっかり腰が引けてしまい、結局観ずじまいだったのですが、そのタイトルだけが頭に残っていました。タイトルのマグノリアは、映画の舞台でもある南部を代表する木に由来しています。ここで言うマグノリアは、ホウの事ではなく、同じモクレン科のタイサンボクの事を示しています。それからおよそ10年後、再び『マグノリア』の名前を冠する映画が公開されました。その名もずばり『マグノリア』!

 

 

20130903 4こちらは、ロサンゼルス郊外のマグノリア・ストリートに住む12人の人々に起こる出来事。町の小さな美容室に集まる男女6人の出来事を描いた群像劇で、出演者もトム・クルーズ、ジュリアン・ムーア、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H・メイシーなど渋い主演役者が揃っているのですが、何せ上演時間が3時間超え・・・!こちらも結局未見に終わっています。このタイトルのマグノリアは、舞台となるサン・フェルナンド・バレーの「マグノリア・ストリート」に由来しているそうで、特別に深い意味があるわけではないそうですが、どうもマグノリアのタイトルの映画とは縁が無いようです。特別な意味が込められているわけではなくとも、それぞれ群像劇をマグノリアの早熟な花が葉の前に現れる姿に見立てたのでしょうか。ちなみにミシシッピ州は、州内にタイサンボクが多いことから、タイサンボクの州 (Magnolia State) という愛称があり、ミシシッピ州の州の木であります。


 

 




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