森のかけら | 大五木材

★今日のかけら・#033 【桂/カツラ】 カツラ科カツラ属・広葉樹・岩手産

 

 

CA343377今晩は『中秋の名月』という事で、家内と子供たちが作ってくれた『白玉団子』でお月見です。お月様も綺麗なまん丸でした。愛媛県ではこの時期、各地の河川敷などで『いもたき』が盛んに行われています。『いもたき』とは、その名の通り里芋や鶏肉、野菜などを大鍋で炊いて、みんなで食べるというシンプルなもので、この時期にはなくてはならない愛媛の風物詩です。工務店さんの業者会などでも、それぞれに『いもたき』が企画されるほどです。以前にテレビで紹介された時(秘密のケンミンSHOW)、出演者から大袈裟な「え~っ!」という反応を浴びていましたが、他県の変わった習慣には眉をひそめることもあるのに、地元の事を言われると妙にムッと過剰に反応してしまいます。しかし冷静に考えれば、確かに妙な風習です。皆が集まりただ黙々と食べて飲むだけです。まあ、どこの風習もそんなものでしょう、お酒を飲むのに理由は要りません!

090705 桂実はこの月と深い関係がある樹木があります。以前にもこの事に触れましたが、『』の木です。『』は日本固有の木で、カツラ属カツラ科で英語名も『カツラツリー』といいます。その桂が月とどういう関わりがあるかというと、月には五百丈(約1500m)もの巨大な桂の木があるという伝説があります。その桂の葉っぱが茂れば月は満ち、葉が枯れ少なくなっていくごとに月も欠けていくというのです。そしてまた新たな葉が出ると、それに合わせて月も徐々に大きくなっていくのです。桂の木は栄枯盛衰を繰り返し永遠に生き続けるというロマンティックな伝説です。そのエピソードに花を添えるように、桂の葉はハートの形をしています。出来すぎたような話ですが、神々はディティールに宿ります。細やかで繊細な日本人の観察眼が、シュールな物語を紡いでいくのだと思います。

20070507 カツラ3桂の語源は、その材に甘い香りがすることから『香出(かづ)ら』と呼ばれた事に由来していますが、弊社に入荷する桂は、製材され人工乾燥処理された物なのでその香りは飛んでしまっていて残念です。桂は潤沢な水を必要をするため川や沢の近くに良く育つようです。愛媛の山にも桂の木はありますが、建築用の材が取れるような良質な物は揃いません。弊社が取り扱っている桂は、主に北海道産、岩手産のものです。私と桂の出会いは、以前にじっくりお話させてただきましたので省略しますが、今主に取り扱っているサイズは、カウンターサイズの耳付の1枚板片耳付きの平板の2種類です。今や桂の1枚板でテーブルを作るというのは相当贅沢な事になりつつあります。そういう材があればあるに越した事はないでしょうが、なければ無理に大きな材を伐らずとも、幅剥ぎを使うという手もあります。右の画像は偶然手に入った豪快な桂の生きた証です!イマジネーションの湧く方、どうぞ挑戦して下さい。

20090717 60年代の月の写真桂は成長の過程で入皮などを取り込んでしまうので、板に挽くと大きな入皮を含んでいる事もあります。入皮に部分は粘りがありそうでも、時間の経過でもろくなってバラバラになる事もあります。また、材に甘味があることから虫にも好まれるのか、虫穴も結構あります。しかしその手触りは木綿に例えられる通り、サラサラとしていつまでの触っていたくなります。それも桂という木の個性です。秋の夜空に浮かぶ満月の姿に思いを馳せてみました。

 

月の桂も茂る秋

2. 木のはなし

20100923 月の桂も茂る秋ついこの間まで暑い、暑いと言っていたのに今週になって朝晩が急に涼しくなってきました。昨晩は日中も温度が下がり、夜は肌寒く感じるほどでした。すっかり秋の気配の中、22日は中秋の名月でしたが、1日遅れの昨晩に我が家からも綺麗な満月が見えました。庭木越しに流れる夜雲の隙間に浮かび上がる美しいお月様を眺めて堪能しました。この様子だと、月に生えているという五百丈(約1500m)の桂の木もたっぷりと葉を茂らせていることでしょう。

20100924 月の桂も茂る秋・・・②の木は、私が会社に入っって結構早い時期から取り扱っていたのですが、もっぱらテーブルかカウンター材という販路しかありませんでした。実は恥ずかしながら、クラフトや小物材を手掛けるようになってから、初めての偉大さに気が付いたのです。勿論それまでも桂の肌触りの心地よさや寸法安定性などは理解していましたが、このという木は細かくすればするほどその特性が発揮されるのです。普通、癖の少ない木でもある程度小割りすると反ったりすのですが、においてはそういう事がほとんどありません。それと、材質がほとんど均質なので更に細かくすれば、同じような品質の物が大量に揃える事も可能なのです。サクサク加工が出来るのもありがたいです。うまく使えば、白太のギリギリまで無駄なく使えるのも嬉しいところです。

20100924 月の桂も茂る秋・・・③後日詳しくアップしますが、【木言葉書】でもの優れた均質性が発揮されています。月の桂にちなんで、二人の仲が満月の如く続きますようにとの願いを込めて、『結婚する大切なあの人に・・・』という事で、結婚式にまつわるシーンで使える『永遠のムーン・ツリー』を作りました。の温もりのある木綿の手触りともうまくマッチ出来たのではないかと、自信作です!ハート型のの葉にちなんでハート型にもと考えたのですが、こちらはTPOに合わせたシリーズ品なので、ハート・バージョンは別の商品にします。

 

20100924 月の桂も茂る秋・・・④の木は、使えば使うほど、知れば知るほど、その可能性が広がっていきます。ああ、決してがメジャーではないこの愛媛の地でもっとこの木の素晴らしさを知ってもらいたいと思うのです。きっと建築や家具だけの分野に留めておいたのでは、この木の本当の良さに気づかないでしょう。やっと訪れた秋の夜風を感じながら、美しい月を見ると月のの大木の事が気になって仕方がないのです。材木屋だからといって、どの木でもも伐ればいいと思っているわけではないのです。




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