森のかけら | 大五木材

 

 

ケンパス

Kempas

マメ科・クームパシア属・広葉樹・東南アジア産

学名:Koompassia malaccensis 

別名:インパス(Impas/サバ)

気乾比重:0.80~0.95

 

鉄道『枕木』物語

★今日のかけら♯030【ケンパスKempas マメ科・広葉樹・東南アジア産

最近よくの注文があります。枕木といっても、新品の物ではなく実際に線路で使われていた中古の枕木です。枕木というと、材料となる木が決まっていると思われる方も多いのですが、実際にはいろいろな樹種が使われています。国産の枕木としては、何といっても【】が有名です。ただこの辺りにはそういう大きな栗がないので、実際に使われている『栗の枕木』を見たことはありませんが・・・。他にも、『青森ヒバ』や『』などにも、枕木で使われたとの記述があるのですが、青森ヒバでは少々柔らか過ぎる気がするし、それだけ大きな樫が枕木に使えるような安価で揃うのか疑問です。

そういう事もあったが、やはり問題があり永くは使われなかったという事かもしれませんが、日本は広いですから何があるかは分かりません。木材にも、まだ見ぬつわものが眠っているかも入れませんから。枕木材としての適応条件は、まず堅牢であるという事。数10tもの車輌を支えるわけですから当然の事です。さらに大量に使うわけですから、そこそこ安価で安定的に手に入る事。細かな精度は求められませんが、製材後に暴れやすかったり、反りやすい物も出来れば避けたいです。また、枕木には腐食を避けるために保蔵材が注入されるので、薬剤の浸透性がよい物がベストでしょう。どれだけ試行錯誤があったのか分かりませんが、そういう条件を満たした物として、世に認められている物の1つが、【ケンパス】です。

前述の条件を満たしているのでしょう(検証したことはありませんが)、このあたりで見かけるほとんどの枕木がケンパス・・・だと思います。というのも、中古で薬剤が浸み込み、かなりダメージを受けていますので、全体の雰囲気から推量するしかないのですが。中には、内部に大きな洞が出来るほど朽ちてしまったものや、ザックリ割れの入った物もあります。よく、どれくらいの重量ですかと訊かれますが、重さもまちまちで軽く持てる物から、二人がかりでようやく持てる物までさまざまです。

枕木=ケンパスという構図が先にあると、フローリングにも使われる事に違和感を覚えるかもしれませんが、少し着色してウレタン塗装したフローリングもかなり出回っています。表面に逆目や毛羽立ちやすいので、ウレタン塗装が基本となるため、弊社では扱ってはいません。釘持ちがよいことから、他にもパレット材やダンネージなどにも利用されています。ケンパスの【森のかけら】を手にとって見てもらうと分かるのですが、結構面白い杢目が出るので他の用途に使っても面白いと思うのですが、枕木の印象が強すぎて思考が止まってしまいます。

日本はどういう用途にでも細かな注釈をつけますが、現地では硬くて安ければ、使える物は何でも使うという大らかさがあり、アケンパスのほかにも、ユーカリ系の木も同じような特徴を持つようで、『ブラックバット』、『スポッティドガム』なども枕木に使われているようです。更に『ビリンガ』、『タリ』、『クマル』などのマメ科の木や、『カポール』、『ヘリチエラ』、『グリーンハート』など様々な気が枕木に利用されています。

肌がデリケートな私としては、強い薬剤の注入された枕木は手に余す事もあるのですが、ガーデニングや車止めなど用途も広く根強い人気があります。昔、枕木を磨いてベンチに使うという猛者もいらっしゃいましたが、薬剤の事もありますので、なるべく素手で触れる事のない外部での使用にとどめるべきです。以前ほど入荷が安定しにくくなりましたが、日々車輌の重みに耐え、奮闘する縁の下の力持ちに敬意を払いつつ、これからも枕木の第二の人生のアシストをさせていただこうと思っています

 

枕木考(1)・・・クレオソート油

昨日、ウッドデッキの材料としてマニルカラをご提案している話をしましたが、雨風に晒される外部に使える木というのはある程度制限されます。勿論、強い防腐剤を塗りたくるので材種は問わないなんて場合は別ですが・・・。外部で使う木として多く方が思い浮かぶ用途のひとつに線路の枕木があると思います。その枕木の条件としては、重い電車の重量を分散させ、レールが地面にめり込むのを防ぐ弾力性、強度、耐久性などが挙げられます。安全性は勿論ですが、なにしろ大量に使用するため当然コストも重視されます。

そういう条件のもと、利用されてきたのがクリブナニレミズナラなどの広葉樹、また意外に思われるかもしれませんがヒノキヒバなどの針葉樹の他いろいろな樹種が枕木として利用されてきました。それは日本全国に張り巡らされた線路の枕木として利用するのに、硬い広葉樹だけではどうにも対応出来なかったという事情があります。もっとも日々鉄の車輪に踏みつけられる特殊な環境の枕木の場合は、そのまま生地で使ったのではすぐに朽ちてしてしまうので、クレオソート油による防腐処理が施されます。

よく廃枕木、いわゆる中古枕木をガーデニングなどに利用される方もいらっしゃいますが、クレオソート油というのは、コールタールを蒸留して得られる液体で、IARC(国際がん研究機関)のグループ2A(おそらく発がん性がある)に分類されている非常に強力な塗料ですのでくれぐれも取り扱いには注意しなければなりません。それを塗れば確かに耐久性は飛躍的に向上する(無塗装状態に比べれば倍から数倍)ものの、それだけ長持ちさせる効果のある塗料が果たして人体にも無害なものであるのか?

そういう疑問を抱くようになってから、安価で弱い木に強い塗料を塗って長持ちさせるような事は止めて、なるべく強い木をそのまま、またはなるべく人体への負荷の少ない塗料を使うスタイルへと切り替えてきました。ただ私も塗料についてはまだまだ勉強不足ですので、今も試行錯誤の繰り返しで、検証も必要だと思っています。また前述の石炭から作られる工業用クレオソート油の他にも、正露丸などにも使われる事で有名な『木クレオソート』があり、こちらはブナの木などから作られています。明日に続く・・・

枕木考(2)・・・家庭用品規正法

昨日に続いて枕木の話です。木クレオソートが、ブナなどの木材から出来たものだから安全というのは早計で、やはり何事も過ぎたるは及ばざるが如しと言いますので、用法や用量を守るのは当然ながら、あまり過信するのもどうかと思います。イチョウイチイをはじめ木材の中にも毒性のあるものはいくらもありますから。また業界関係者の人も案外ご存じない方が多っかたりする事なのですが、クレオソート油で防腐処理された枕木については、改正された家庭用品規正法によって、販売対象に制限がかけられています

弊社でも以前は中古枕木を取り扱っていて、一般の方が購入されるケースもありましたが、現在は一般の方への販売は控えさせていただいております。また現在残っているわずかな在庫が無くなれば、中古枕木の扱いそのものも止める方針です。ちなみに、業者の方が業務用に使用する場合は問題がありません。例えば、建設業者や造園業者が業務用資材として使われる場合、事業を営む個人が営業用として購入する場合、事業者が一般家庭の造園などに施工する場合、農業者が牧柵や土留めに使う場合などは問題ありません

ちなみにホームセンターで『中古枕木』または『中古風枕木』などとして販売されているものについては(新品枕木というのも含めて)、実際に線路で使用してたものではなく、ガーデニング用に作ったもので、クレオソート以外の防腐剤を使ったり、発癌性物質は取り除いたものだと思いますがご自分の目でよく確認して下さい。その枕木も最近はコンクリートなどに切り替えられ、文字通り枕木なのに木が使われなくなりつつありますが、現在の日本で鉄道枕木に使われる主要木材は東南アジアの『ケンパス』です。

そのケンパスの商品が先日まとまって入荷しました。それがこちらの写真。枕木に使われるぐらいですから、ケンパスが硬くて重く耐久性の高い木だという事は分かってもらえると思いますが、気乾比重0.80〜0.95程度。これはマンションのベランダなどに敷き詰めるタイプのデッキなどに使われるつもりで海外から輸入したものだと思われるのですが、ご縁があって弊社にやって来ました。昔はよくケンパスのフローリングというのも出回っていましたが、よく見ればなかなか味わいのある木なのです。詳しくは明日。

ケンパス、使わねば・・・

東南アジア産のマメ科の広葉樹『ケンパス』については、既に『今日のかけら』で触れておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。それが今から5年ぐらい前の話ですが、その頃はまだケンパスといえば、フローリングか枕木になったものぐらいしか見たことがありませんでいた。しかも当時周辺で流通していたケンパスのフローリングはすべて着色したウレタン塗装のものばかり(あるいは中古の枕木)でしたので、実際に私が生地のケンパスに触れるようになったのは【森のかけら】を作るようになってからの事。

実はそれまでケンパスといえば枕木の素材の木というイメージもあってあまり顧みる事もなかったのですが、じっくりと近くで見れば随分と味わいの木であることが実感できたのです。特に今回入手したケンパス材は、結構ボリュームがあるので、並べてみるとケンパスにも多彩な表情があることがよく分かります。同類の『メンガリス』と同じように環状の異常組織があり、ルーペで観察すれば独特の模様がよく分かります。その特性からすればベランダなどのデッキにしてもいいのでしょうが何だかもったいない・・・

これをデッキ材に使うというのはもっとも正当な結論なのかもしれませんが、もっとこの木柄を活かす用途があるのではなかろうかと思うのです。ちなみにこれ1枚のサイズは、長さ470×幅75×厚み12㎜というもので、4面プレーナー加工してあります。現地加工品で、国内に入荷してからの保管期間も長かったという事で、精度はそれほど信頼できませんが、1枚の大きさが大きさなので、値段もかなり格安!手間はかかるでしょうが、例えば店舗などの壁面にレンガ貼りに貼ってみても思いのではないかと思います

かなり枚数があるので、すぐになくなる事はなさそうなので、私なりにこの商品の出口も考えてみようと思っていますが、このいう風に現物がそこにあると「やらねば感」が湧いてくるのです。出口も見えぬままに買ってしまって何とかして売らねばという焦燥感よりも、どうやって料理してやろうかというワクワク感が勝ってしまうのが問題ではあるのですが、登る山が高ければ高いほど燃えるタイプなので致し方ありません。そういう事ですので、いずれこのケンパスにも「おっ?!」と言われる舞台を用意したいと思っています。

スチールガレージとケンパスの杞憂

線路の枕木に使われる事で有名な『ケンパス』という木があります。東南アジア産のマメ科の広葉樹です。枕木の他にはフローリングとしてもよく使われていましたが、最近はあまりみかけなくなりました。そのケンパスのちょっと変わったサイズの製品が入荷しましたとアナウンスしたのはもう1年以上も前の事・・・。新しいものが入荷した直後は心も高揚して盛り上がるものの、熱しやすく冷めやすい性格なもので、あれからすっかり触れる事も無くご無沙汰しておりました。そのケンパスにようやく光が!?

スポットライトを当ててくださった救いの主は、いつもお世話になりっぱなしのジューサンケンチクセッケイ石村隆司サマ様。このケンパスを見るやいなや閃いたようで、壁面に使っていただく事になりました。1枚のサイズは、長さ470×幅75×厚み12㎜というもので、レンガ貼りでもされるのかと思っていたら、自らの手で幅を割り返して2種類のサイズにしてからそれをランダムに貼る事に。その作業中に危うく指を飛ばしてしまいそうになりながら果敢に挑まれた成果がこちらです。

ワンサイズで張る事ばかりを考えていた私には目から鱗が剥がれるような感覚。さすがです〜。さて、このまるで店舗の内装にも見えるこちらの建物は実は石村家のガレージでして、ジューサンケンチクセッケイさんが取り扱いを始められた、『アメリカンスチールガレージ』なのです。まるでアメリカ映画に出て来るスタイリッシュなガレージで、車好きにはきっとたまらない空間なんだと思います。車に興味の無い私などは、男の隠れ家、趣味部屋的な用途で使いたいところです。

車が余裕で二台収まるぐらいの大きな空間の壁一面にケンパスを使っていただきました。これでおよそ600枚ぐらい分の使用量です。実際に貼ってもらって分かったのですが、ケンパスという事で購入したものの中にはケンパスではない同類の木もいくらか混じっていたようです。流通しているケンパスのフローリングって実はほとんどが着色塗装されていて濃淡が無いと思われていますが、生地のままだとかなり色ムラもあります。ここは敢えて無塗装でその色ムラを楽しんでいただきました。

そんな素敵なスチールガレージの展示会が今週末(3月28日、29日の両日、いずれも10時から17時まで)に開催されます。自由に見学していただく展示会という事ですのでご興味のある方は是非実物をご覧になってください。スチールのシャープな質感と暖色のケンパスの組み合わせも絶妙でございます!こうやって実際に使っていただくとイメージも湧いて、用途も一気に広がるのでしょうが、皮肉なものでこれでケンパス人気が沸騰して注文が入り出した頃には在庫が無くなりました、なんて事になりそうでちょっと心配もしたり・・・それを杞憂という。




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