森のかけら | 大五木材


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昨日の愛媛新聞に掲載されていましたが、本日4月26日より愛媛県西予市JR卯之町駅前に建設していた複合施設『ゆるりあん』がオ―プンします。1階には道の駅『どんぶり館』や宇和郵便局が入居し、2階にはハローワークの他に木の玩具などを集めたフリースペースがあります。そこに『木の玉プール』や様々な木の玩具などがありますが、それらを弊社で納めさせていただきました。飲食店なども地元の素材を活用したというのが売りですが、今回の『木の玉プール』も地域材である西予市産のヒノキを使った特別仕様。

昨年納品させていただいた宇和島市立児童館 『こもりん』に続いて『木の玉プール』が常設され楽しめる南予地域で2か所目の施設となりました。コロナ禍の事もあり多少の制限はあると思いますが、小さなお子さんがいらっしゃる方は是非一度はまってしまえばなかなか抜く出せなくなる木の玉プールの魔力に触れてみて下さい。木の素晴らしさについて100の言葉を並べるよりも、木の玉プールの中で無邪気に遊ぶ子ども姿を見れば、その魅力は充分に伝わります。それは言葉で木の魅力を語る事に虚しさを感じるほど。

大人の方でも体感すれば木は五感で味わうものでということを再認識させられます。今回の木の玉は西予市産のヒノキが使われていますが、通常はヒノキより少し硬めのミズキブナ、サクラなどの広葉樹が使用されています。木の玉プールに限った話ではなくて、最近は地域の材を使って作って欲しいという産地限定の話がよくあります。樹種まで特定されるわけではないのですが、細かく産地を指定されると使える樹種というのは限られてきます。何年も前から企画されて準備期間でもたっぷりあるというなら話は別ですが。

乾燥や加工の事も考えると既存の流通に乗っかかっているものという事になるので、愛媛の場合だとどうしてもスギかヒノキになってしまいます。それで何も悪くはないのですが、田舎にこそ見渡す山野にはもっと多くの樹種があります。悲しいかなそのほとんどが利用されてはいません。場所によって生育樹種も異なる森こそは地域ごとの差別化もはかれ、手つかずの地域資源が眠る宝の山。長く生きた広葉樹を活かすには、こちらにも相応の長い時間をかけた粘り強い戦略が必要になってきます。




昨日の続きです・・・カリフォルニア出身クリスは、同郷のピーラーを気に入ってくれたのですが、ついでに室内看板の文字も描いてくれないかということなり、久しぶりに筆を持たせていただくことに。まあこういうのは上手いとか下手とかいう事はさておき、しっかりと思いを込めて描くというのが大切。弊社に残っているピーラーって目(年輪)は詰まっているものの、サイズも中途半端で量もちょっぴりなので、なかなか使いどころが見当たらなくてどうやって世に出てもらおうかと悩んでいました。

店舗の看板については、それを本業とされている企業ともいくつかお取引がありますが、そういう場合はしっかり指定サイズが決まっているので使える樹種に限りがあります。木の看板にしたという場合の多くは、一枚板というパターンが多く特に昨今は耳付きの変形したモノに人気が集中しています。そうなるとおのずと変形要素の強い広葉樹ということになり、針葉樹のあっさりした材は出番が少ないのですが、筆を走らせながらそれなら自社で使おうかとも。

弊社は少人数の会社なので、それぞれが何でもマルチにこなしていかないと会社が回らなくなるので、自分の特技や趣味を仕事に活かしながら働いてもらっています。特に女子チームは多才で経理の正子さんは糸鋸工作の教室にも通っていて、お客さんの注文に応じて糸鋸で加工もしています。製作した作品も人気で普通に販売してます。塗料など担当の奈々さんは絵が上手で、正子さんの加工した作品に彩りを加えたり、会社の看板等はすべて彼女の筆によるもの。

今回のクリスの看板も文字こそ私が描いたものの、着色は彼女に任せて仕上げてもらいました。予想を裏切るカラフルなデザインにクリスも喜んでいただきました。ところで先月、今頃なんですがようやく会社のトイレの水洗化工事が始まり、先日無事に完成しました。壁は昔に自分たちで珪藻土を塗っていたのですが、これを機会にちょっと遊んでみましょうかということになり、彼女に樹の絵を描いてもらいました。樹木に森の動物たちが集まってくるデザイン。出来がよかったので調子に乗って床に根っこのイメージまで描いてもらったら独特の世界観が生まれて、近所の子どもたちにも大好評!もう余った端材には自分たちで加工して絵や文字を描いてアート作品での売りもありだな~♪




ダグラスファー(ベイマツ)の話の続き・・・目の詰まったピーラーヤニ(脂)も出やすくて、杢が綺麗だと思って油断して持つと裏面にヤニ壺があって、腕にヤニがベッタリ付着したりして、ピーラーを運ぶのは好きではありませんでした。今なら乾燥材が主流なのでヤニを見る機会すら減ってきていますが、昔は生材が基本だったのでベイマツにヤニはつきものでした。入社した頃は、注文したピーラーを製材に取りに行ってトラックで積んで帰って梱包をバラシてみると、中にヤニが絡んだ材が何本かあって、返品しろの、許容範囲だのでもめる事も少なからず。

それからしばらくすると、こっちも面の皮もすっかり厚くなって、少々のヤニなら「外科手術」でヤニの周辺を除去して木粉で埋めるという「テクニック」も見につけるようになりました。なのでピーラーには対してはあまりいい思い出は無かったのですが、気がついたらピーラー材を使うような「木を現わしで使う家」もすっかり減ってしまい出番も激減。その頃になるとピーラーもほぼ姿を消して、目込みの強い材を「ピーラー級」とか「ピーラー並み」と形容してその幻影を追いかけていました。

今回ウッドショックで北米材が話題になっているのでピーラーを取り上げたと思われるかもしれませんが、そうではなくてその出自に関わるお客さんが来店されたから。以前にもブログで紹介しましたが、近くにアメリカ人の英語塾の講師・クリス(Chris Crews)住んでいます。カリフォルニア出身で木と野球が大好きなので、何か木で作りたいときにはよく来店してくれます。それで今回も塾の室内看板を作りたいという事でご来店。木にはこだわらないという事でしたが、こちらは強くこだわりたい(笑)

クリスは故郷カリフォルニアの山が大好きで、各部屋の室名にも故郷の山の名前を冠していました。Mount Mount (ラッセン山)、Mount Shasta(シャスタ山)、故郷の立派で美しい山だそうです。訊けばシャスタ山というのはカスケード山脈南部に位置するとの事。ならばここはカスケードしかない!ということで弊社の倉庫に眠る歴史の証人ピーラーの出番。表面に多少のヘアークラックはあるものの、野趣に溢れた極細目のピーラー登場となりました。故郷の木という事でクリスも大喜び。・・・続く➡




昨今のウッドショックで入手が難しくなっている北米材。その中でも大きな比重を占めているのがダグラスファー、いわゆるベイマツ(米松)です。今更ですが、簡単に説明すると米松という名前からいかにもアメリカのマツというイメージがありますが、厳密に言うとマツ科トガサワラ属に分類されます。日本のアカマツやクロマツはマツ科マツ属で、正しく言えば「アメリカトガサワラ」という事になります。しかし現在はこの本家のトガサワラの方がほぼ見かけることの出来ない希少材となってしまったので非常に説明がしづらい💦

トガサワラについては改めてご紹介しますが本日はベイマツについて。産地はカナダからワシントン、オレゴン州にかけての太平洋岸の丘陵地帯で、昔から植林がされて計画的に伐採が行われています。現在日本に輸入されているのはその多くがセカンドグロス(2次林)といって植林されたものです。恐らく若い人はそれだけしか見たことがないと思うので、ベイマツというと温暖なところでブクブク太った目荒な木というイメージがあるかもしれません。

しかしかつてはオールドグロスと呼ばれる原生林の高齢木が流通していて、その木目の美しさには惚れ惚れしたものです。オールドグロスのベイマツは、バンクーバー島およびカナダ本土のカスケード山脈の太平洋沿岸から、ワシントン州のタコマ周辺に及ぶ限られた一帯から産出されます。この一帯は気温が低く、目の詰まった良質な木材が生育するには最適な環境なのです。その山脈の名前にちなんで『カスケード』とも呼ばれます。それよりもやや目の粗いものを『セミカスケード(セミカス)』と呼んで区別もされていました。

 

そのカスケード材の中で杢の整ったものは化粧合板に利用されました。その製造方法が料理にリンゴの皮むき器(ピーラー)に似ていることから、化粧合板にも使えるような良質材のカスケード材を『ピーラー』として分類していました。私が若い頃は松山市内にもそんなピーラー材を専門に挽く製材工場もあって、化粧桁や化粧梁、化粧垂木など「木を現(あらわ)しで使う」家には欠かせないものでした。今やそんなピーラーも死語に近い存在になりつつあるようで、若い設計士さんの中にはピーラーの実物を見たことがない方も・・・続く➡

 




先日のあいテレビの取材の続きですが、今回弊社を選んでもらったのは、事前に連絡があった電話で私が伝えた『都市林業』に興味を持ってもらったから。無論我々ビーバー隊としては、SDGsをお題目として活動しているわけでなくて、そのまま朽ち果てさせるのが惜しい、モッタイナイ、それで何かつくれんじゃないの!いろいろな木が見たい!というビーバーの本能のおもむくままにやっている事なのですが。入口はどうだろうと構わないのです。ビーバー隊広報班としては、まるでレジスタンスのように日陰で活動するビーバーの存在を世に知らしめることが大切。

そうすることにより、怪しさが解消され、少しでも多くの樹種と巡り合える可能性が広がるのです。ここで注意しなければならないのは「多くの量」ではなく「多くの種類」ということ。実は今でもバーバー隊の存在を知って、県外からでも「庭の木を伐ったのだけどなんとかなりませんか」という問い合わせは頻繁にあります。一応材木屋なので木には興味満々なのですが、回収業者ではないのでなんでもかんでもお引き取りするわけではありません。都合のいい条件ですが、庭木でも珍しい木が欲しい!

ここでいう珍しいとは、高級なとか価値があるという意味ではありません。供給が不安定だからとか、木が小さすぎるからとか、用途がなさそうだから、という理由で通常の木材市場ではおよそ流通していないだろうという木の事。どこにでもあって沢山ある木は正直こちらもおなか一杯。そろそろ置き場も余裕が無くなりつつあります。ビーバー隊長(三重県武田製材・武田誠さん)のところなどは集め過ぎて倉庫が決壊しかかっています。未成熟な都市林業では回収できる量に限りがあります。

だから今後は各地にもっともっとビーバー隊が増えればいいんです。とにかく集める事に長けた集めビーバー、樹種にうるさい好き嫌いビーバー、果樹園との相性がいいフルーツビーバー、大型のユニックを駆使するビッグビーバーなどさまざまなタイプが増えれば、それだけ多様な樹種が出口と繋がっていきます。トライアルで作ってみた愛媛県産広葉樹限定のモザイクボードの評判もいいので、増産も視野に入れているのですが、そのためにも都市林業の果たす役割が非常に重要になってきます。




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