森のかけら | 大五木材


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今回ご縁があって入手できたタイサンボク(モクレン科)は、個人も庭に植えられていたものなので決して大きくはありませんが、『森のかけら』にするには充分なボリュームです。全部かけらにしたとしたら、これで向こう10年は安泰です。タイサンボクの材としての特徴などについては、これから乾燥させて加工した際に改めて書くつもりですが、ここではその名前について。原産地は北アメリカで、日本には明治初年に入って来ました。材としてのタイサンボクを見るのは初めてだったのですが、生木の状態ではクリーム色で加工性もよさそう。
これから乾燥していく過程でどう変化していくかという事ですが、案外使い道はありそうです。ただし材の供給が不安定なので限定品などになってしまいます。タイサンボクという言葉の由来は定かではないものの、大ぶりな花や樹形から大山木と名付けられたと言われています。花が大きな盞(さかずき)の形をしているから「大盞木」の漢字を当てているとの説もありますが、一般的には「泰山木」の漢字が当てられる事が多いようです。これは司馬遷の漢詩の一部から転じたもの。

 

山は中国山東省中部に位置し、秦の始皇帝や前漢の武帝らが天地を祀る儀式「封禅」を執り行なった荘厳で神聖な山のことです。司馬遷の史記の中の一説、「義は泰山より重く、命は鴻毛(こうもう)より軽し」から来ていると言われています。現在「義は泰山より重し」という言葉は、国家や主君のためならば命を捨てる事すらも惜しまないという忠君愛国の思想の教えのように解釈されていますが本来の意味は違ったようです。元の言葉は、「人 固(もと)より一死有り。或いは泰山より重く、或いは鴻毛より軽し。用の趣く所 異なればなり。(略)最下は腐刑、極まれり。」というもの。

意味は「人として生まれたからには、必ず死はあるもの。だがその死が泰山より重いか、鴻毛より軽いかは、人それぞれの、その動機の違いによると言える。最悪は、命を惜しんで受ける宮刑に尽きる。」という事で要約すれば、人の守るべき道は泰山よりも重く、それにくらべて命は鴻(おおとり)の羽毛より軽い。義のために命をすてることは少しも惜しくないという意。そう聞くと司馬遷の高潔な生き方を表わした言葉のように聞こえますが、実は本来はそうでなくて司馬遷の屈辱の胸中の吐露だったようです。続く・・・




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