森のかけら | 大五木材


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 ★今日のかけら・#022 【榛木/ハンノキ】 カバノキ科ハンノキ・広樹・日本産(北海道産)

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空青く澄み渡り、田植えの季節となりました。配達に行く先々で、農家の方々が田植えに励む姿を見かけます。私は田舎の生まれですが農業経験はないので『米作り』はほとんど無知です。今更ではありますが、『米作り』の事も少しは勉強しようかと思い、早速『久万郷』の【ペットボトルで米づくりコンテスト】 にエントリーしました。ご興味のある方、是非参加してみてください。なにしろ、『米作り』のプロ・田村ファーム&フォレストの田村隆悟君がついていますから!田村君のHPは、こちら→http://www.tamura-f-and-f.com/

20090616e38080e794b0e38293e381bcところで、その田んぼと深い関わりのある木があるのをご存知でしょうか。北海道から九州まで湿原や湿地帯に育つ【ハンノキ】です。【森のかけら】では結構前からリストに掲載していましたが、恥ずかしながら立ち木ははっきり確認した事がありません。今度しっかり立ち木でも葉や枝も確認してみるつもりですが、探せるかな・・・。一口に【ハンノキ】といっても、その種類は多く、川辺の周辺によく育つ『カワラハンノキ』、一方山手の渓谷や皮辺に現れる『ヤマハンノキ』、『ケヤマハンノキ』、さらに山奥の斜面の岩盤などに僅かに流れる水を利用して育つ『ミヤマハンノキ』など。

いずれの種類にも共通しているのは『水辺』という事ですが、なにしろこの木の学名は、『Alor amne』というラテン語で『水辺に栄える』という言葉を起源としているという事ですから当然といえば当然でしょう。ですから【ハンノキ】のホームグランドは、川や沼地、湿地帯ということになります。では何故そういう場所を好むのかというと、【ハンノキ】の持つ特殊な能力に因ります。根に根瘤菌(こんりゅうきん)のコブが出来て、それが空気中の窒素を取り込み、窒素を固定して養分として利用出来るというのです。また、洪水や長雨で水浸しになったとしても、本来の根とは違うところから伸びる不定根うやひこばえを使い酸素を吸収できるので、簡単には根腐れしないというのです。この不思議な能力のお陰で、【ハンノキ】は湿地に適応したといわれています。そういう場所にありながらも、最大で高さ30メートルにも成長するものもあるようですから立派と言うほかありません!

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その名前も田んぼに由来していて、『ハンノキの花多き年に不作なし』とか『ハンノキの実が多い年にはよく米が出来る』という俗言もあるほど、かつての田んぼにはつき物の木だったのでしょう。【ハンノキ】が地下水位の高いところに生えるために、水田を開墾する際の適地の目印とされたたというのです。また【ハンノキ】を利用して土地改良を行ったり、水田の周囲にこの木を植え稲の肥料にも利用したとも伝えられています。そこから、開墾の懇の字から『墾の木(ハリノキ)』になったといわれています。なるほど理屈に合っています。

20090616-e3838fe383b3e3838ee382adefbc931またこの木の果実や樹皮は、染料としても利用されていて、かつては『日本書記』などの書物にも登場したようです。実際に【ハンノキ】の染物を見たことはありませんが、伐採後の材の色の変化は明快です。直後は鮮やかな橙色ですが、1週間もすると淡い褐色に変身します。【森のかけら】を作るために、初めて生木を立てかけておいた時には、少し見ない間に違う木になっていたので驚きました。材としては【ハンノキ】は決して用途が広いとはいえないようですが、クラフト細工などにこれからいろいろ探ってみようと思います。




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