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先日、雪の積もった日に久万高原町に行った話をアップしましたが、それより少し前の年末の天気のいい時に久万に行った時の話です。昔は、久万に材料を取りに行くといえば、柱など角材が中心でしたが今はその多くが板物、あるいは丸太買いして賃挽きしてもらった材の引き取りです。板物というと、具体的には破風板、貫、胴縁などのいわゆる羽柄材です。社員がひとり定年で退職したため、配達に影響の少ない土曜日に取りに行くことが多いのですが、その際寄り道させていただくのがこちら。
盟友・井部健太郎君が製材工場跡地に作ったWaiwaiwaiカフェ。常時店は開いているわけではありませんが、事前に連絡を取っておいて、打ち合わせがてらいつもコーヒーをタダ飲みさせていただいております。打ち合わせといっても、目先の仕事の木材をどうするこうするといった話ではなく、健太郎君の標榜する『100年後の森』の話から、小さな小さな森の出口商品の話まで多岐にわたります。カフェという場所ができたことで、ここを起点としてさまざまな異業界との方とのご縁あり。
以前から、いつかそんな事でも出来ればとよく話していましたが、実際それが形となって、そこでコーヒーでも飲みながら、この木で作ったものを世界へ届けるには~なんて話をしていると、不思議な感覚に襲われるのと同時に、有言実行した健太郎君の行動力と判断力には頭が下がります。そういう人間に対して、すぐに妬みやひがみ根性丸出しで、効果は?結果は?と他人の懐具合を心配してくださる奇特な方がいらっしゃいますが、そんな事を訊いてなにがしたいというのかしら?
歴史があって、仕事の流れが型にはまっている木材従事者にとって、今までにない新しい形や変わった波は、受け入れざるべき忌まわしいもの。もしかして現在の自分の立ち位置すらも脅かしかねない歓迎せざるもの、と映るのかもしれません。なにより、その新しきものが成功し、世間に受け入れられることで、今までの自分の仕事そのものが否定されかねないなんて考える方がいるのかもしれません。業界的にはアウトサイダーである私などは、阿保がまた調子に乗って何か変なこと始めたでと、いつも冷ややかな目で見られていますが、若い頃は気になったそういう事も、ある時期を契機にすっかり気にもならなくなりました。ようやく、誰にも気兼ねせずにそういう事が出来る時期がやってきました。強い思いが濃縮されて、かなり濃いものがこれから形になっていきそうな予感。
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