森のかけら | 大五木材


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先日、サワラ(椹)の話を書きましたが、ちょっと書き足りなかった事があるので補足します。以前にもブログで書きましたが、同じ響きのサワラ(鰆)について。春先になると産卵のために沿岸に近づくので、春によく見かけることから、「春を告げる魚」という意味で魚編に春で『』。これぐらい由来がしっかりしていると分かりやすいし覚えやすいのですが、木の名前は往々にして音の響きからその漢字があてられているだけで意味のない漢字や誤用したまま放置されているものがあります。

樹木のサワラもまさにそれで、漢字としての椹は本来「桑の実」を表わす漢字なのですが、誤用されて今に至っているのだとか。ではサワラという言葉はどうかというと、同じヒノキ科のヒノキに比べると枝葉がまばらで少なく全体的にスッキリしていることから、髪の毛がすけすけで少ない状態を表わす「爽(さわ)らか」という古語に由来しているのだとか。あるいはその材質もヒノキに比べると軽軟で粘りもないからとか、その香りもヒノキより薄く爽やかだからという説もあるようです。

サワラの木を手にする機会が少なくて、弊社にいまあるのも壁板に加工されたものなので、しっかり乾燥されていることもあって、ほとんど匂いはしません。産地の方に伺ってもヒノキほどの匂いは無いと言われていました。木を見るとほとんどの方が匂いを感じようと鼻を近づけられます。ひとは本能的に五感で木を感じようとしているのだと思いますが、そういう意味では匂いも木にとって重要なストロングポイントのひとつ。その匂いが弱いサワラって自己アピール力弱いのでは?!

ところがよくしたもので、匂いが弱いという事は考え方を変えれば食べ物に匂い移りがしないという見方にもなります。更にサワラが水質によく耐える性質があるため、飯櫃やかまぼこ板、経木など食べ物に直に触れる用途に使われているのです。先人たちの木の特徴を見極めてそれに合った用途に用いる目利きぶりとその感性、骨までしゃぶって一切無駄にすることなく使い切ってやろうというモッタイナイ精神と樹木に対する畏怖と感謝の心にはいつもいつも頭が下がる思いです。

 




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