森のかけら | 大五木材


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森の出口』を考える際に重要なのは、その木についてどれだけ多くの情報を持っているかという事だと思っています。材質や質感、産地、名前、由来などは勿論ですが、色合いや香りも大切な手掛かりとなります。特に最近注目しているのが木の色。赤い木は削れば当然赤い削り屑が出ますし、黄色い木からは黄色い削り屑が出ます。個性的な削り屑が出たものは、それをふるいにかけて選別して『森の砂』という商品まで作っています。中でも赤い色の削り屑って一般の方はなかなか目にする機会が無いので、珍しがって興味を持っていただきます。

イチイの場合は大径木が少ないため、どうしても辺材の白太が混ざってしまうため、なかなか赤身だけの削り屑を集めるのに苦労するのですが、機会があるごとに少しずつ集めいます。そんなイチイの色については先人たちもしっかりと目をつけいられていたようで、赤身部分の紅褐色の抽出液は染料として利用されてきました。紫のくすんだ赤色のことを『蘇芳(すおう)』と言い、昔は位の高い人しか使えなかった高貴な色ですが、繊維を蘇芳色に染める時にはこのイチイの染料も使われていたそうです。

そもそも蘇芳(スオウ)というのは、ミャンマーやインドなどアジア南部が減産のマメ科の低木の事(学名:Caesalpinia sappanで、その幹を切り砕き煎じて染料が採られていました。なので本来は木の名前なのですが、それで染めた色の名前としても使われています。スオウという木は漢字で蘇芳という字があてられていますが、これは英語名のSappanwood(あるいは  Sapanwood) からきているようです。日本で染料として使われてきたt歴史は古く、既に飛鳥時代には中国経由でこの木が日本にも輸入されていたのだとか。

かなり貴重なものなので、その代用としてイチイも使われてきたので、地方によってはイチイの事を『スオウ』という名前で呼ぶところもあるほど。あるいは本来のスオウに対して一歩引いた意味で『山蘇芳(ヤマスオウ)』と呼んだり。染料としても用途は分ったものの、色の図鑑などで見る『蘇芳色』と、いま目の前にあるイチイの赤身とがどうにも結ぶつかないのですが、木肌も経年変化で変わっていきますから抽出して煎じていくとこういう深みがかった色になっていくのでしょう、きっと。そんな事考えてたら抽出もやってみたくなってきた、『森のかけら色水』・・・

 




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