森のかけら | 大五木材


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今日のかけら番外篇・E049ディレニアDillenia   ビワモドキ科・広葉樹

M.L.Hについての前置きがすっかり長くなりましたが、本日紹介するのはパプアニューギニア(PNG)産で、いつもは他の木と一緒にM.L.Hとして雑木扱いされている木、ビワモドキ科の『ディレニア』について。M.L.Hと呼ばれているのは供給と需要の関係性の中での名称であって、その中にある木に必要性があれば、M.L.Hから抜け出して本来の固有名詞で取引される事もあります。このディレニアなどもその木のひとつですが、その出口は結構ニッチです。

この地域ではこういう性質の木が要るからM.L.Hの中から適した木として選ばれたというだけで、その出口は全国共通のものではありません。私が考えているのはそんなミニマムで地域の特性が出る小さな出口。ささやかでも、名前すら知られず数ある木の中の1本として消費されていくより全然いいと思うのです。愛媛県今治市タオルが有名ですが、もうひとつ有名なモノがあって、それが造船業。建造量国内最大で世界でも第3位を誇る今治造船をはじめ多くの造船業が集積する日本最大の海事都市なのです。

その造船工事に必要とされるのが硬くて重たい木・ディレニア。基本的は話ですが木には水に浮かべれば水面に浮かぶ木・フローターと沈んでしまう重たい木・シンカーがありますが、ディレニアはシンカー系の重硬な木。建造中に船体を支える盤木として使われるので水に沈む必要はないですが、重硬で安価な材が必要とされます。船が完成するまでの間、足元で巨大な船を支え続けて、完成時にはバラされて御用済みとなります。まさに縁の下の力持ち的役割。

愛媛に輸入されている中で、いろいろな木を試されてディレニアに行きついたのか、製材側からの提案なのかは定かではありませんが、この辺りでは造船という出口が確立されているようです。また製材した端材から土木資材などにも活用されています。いずれにしても化粧で木肌を楽しむような用途ではなく、陰で支える黒子的役割。しかしこのディレニアという木は、人目につかぬ黒子でその一生を終えさせるにはモッタイナイほど美しい一面も持っています。




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