森のかけら | 大五木材


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いかにも怪しそうな粉ですが、決していかがわしいものではありません。究極のケチ根性から生まれた、木粉商品『森の砂』です!赤いのは南米はブラジル産のサッチーネ、黄色いのは日本のニガキ(苦木)です。何に使うの?なんて無粋な質問は無しです。削った際の大鋸屑の色鮮やかさに惹かれて、どうしてもそのまま燃やしてしまうのは惜しくて集め始めたのがきっかけで、どうせ集めるのなら限りなく純度の高いものを目指そうと思って出来上がったのが『森の砂』。定まった出口はありません。

それでもきっと世の中には、これを面白いと感じてもらえる「同族」もいるはず!そしてその中には、なんかよく分からんけど買ってみようとノリで底なし沼にダイブするお調子者もいるだろうと思って商品化。オンラインショップで販売を始めました。世間の反応は、色味の鮮やかさともの珍しさから沢山の「いいね!」はいただけるものの、底なし沼に飛ぶ込む勇者はなかなか現れませんでした。オンラインショップにアップする前から店頭では陳列していましたが、誰も商品だとは思っていない様子。

それにも関わらず、私の中のリトルタカハシは「もっといっぱい作っちゃえ!」と囁きます。これは種類が揃う事で魅力が増すタイプの商品なのだから、売れないのは種類が少ないからなので、もっと種類を増やせば売れるに違いない。だっていろいろな種類があれば楽しいじゃん!私の作り出したほとんどすべての商品の根底にはこの発想に立脚しています。そしてそれは今も変わりません。なぜなら、それが好きだから。いろいろな種類があるってもうそれだけで楽しい。これは木材に限ったことではありません。

そして次第に種類が増えていき、事務所の棚には置ききれなくなった頃、ようやく遅れてきた勇者が登場!しかも私の思いつかなかった出口を携えて!まだトライアルの段階で、その出口がうまく開くか、あるいは無慈悲に閉ざされるか分かりませんが、その挑戦は応援したい。他にもポツポツとお声がかかるようになってきて、素材が不足してこのために木材をカットすることも。まあまだ「売れてる」なんて呼べる段階ではありませんが、商品の性質上、広く売れるよりは深く売れるモノになってくれれば嬉しい。




 

今回の広葉樹丸太の探索には別のミッションもありまして、それが装飾用の柱に使うための木を探すというもの。あえて広葉樹という事ですから、寸胴で通直ではなくそこそこの変化も必要。これだけあればより取り見取りですぐに見つかるだろう思うのは広葉樹をなめているというか、植林木に馴らされている感覚。ここにある木だって、この後に割ったり加工が控えているので極端に曲がりくねっている木は除外されています。それでも植林木に比べれば形はてんでばらばらで個性的。ここではひとが木に合わせるのです。

だいだいのサイズ感から数本の木を並べてもらい、その中から何本かを分けてもらいました。ここには、四国の森から集められたクヌギシイ、サクラ、カシ、ミズナラ、シデ等々の広葉樹がところ狭しと山積みされていますが、それは銘木市場に並ぶような立派な丸太とはまったく別の世界。製材して建築の板や柱が取れるような「ひとに都合のいい丸太」はほとんどありませんが、使い方次第では宝石に化けるようなモノばかり。しかし宝石にするためには相応のノウハウと汗をかく必要があります。今はまだ汗をかくばかり・・・

こういう非建築材としての広葉樹に触れるようになって数年経ちますが、少しずつその取扱い方や出口への繋ぎ方が分かってきました。とはいえまだまだ未体験の樹種も多くて失敗もあるのですが、これは痛い目をして覚えていくしかありません。今回も予定よりも多くの丸太を分けてもらいましたが、これはご依頼の柱に、これは『森のかけら』に、これは『愛媛県産モザイクボード』に、これはシンプルに丸太での販売に、へと細かく用途を区切っていってこそ広葉樹が生かせれるし、広葉樹を使う意味が生まれるというもの。

ご依頼の柱に使われるクヌギは、職人さんの手によってこういう形に加工されすっかりアートの趣き。伐り出された時期、その後の保管等々がよかったこともあり、虫も入ってなくて最高の仕上がりとなったようです。ここから弊社でおよそ1ヶ月間お預かりすることになったのですが、折角なのでこうして皮を剥いで加工して1ヶ月間置いていてらどれぐらい乾くものか調べたくなって、それから1週間ごとに重さを測って、乾燥の推移を追ってみることにしました。元は長さ3m、直径およそ150~180㎜の丸太でした。




そんなもの材木屋なんだから分かるだろうと思われるかもしれませんが、恥ずかしながら丸太の見分けがつきません!通常は板に挽かれたモノを仕入れるため、丸太に触れる機会がほとんどありません。最近になってようやく『都市林業』やパプアニューギニア産の丸太に接するようになって、樹皮を見る機会も増えてきましたがそれらはある特定の木で、もともと樹種が分かっている木。ここに運ばれてくる丸太は、その段階で枝払いされていて唯一の手掛かりである葉っぱも付いていません。

サクラやクヌギぐらい特徴あれば私だって分かりますが・・・。詳しく分類する必要はないとはいえ、そこは出材される山側の人たちもベテランばかりですから、ある程度の見立ては出来ていておおよその見当はついています。ハッキリ分からないものは持ち帰って加工して材面などから類推していきます。山にある木は、街路樹みたいに1本ずつ名前の札がぶら下げてあるわけではないので、葉っぱでもついてなければ樹種の特定はそう簡単なものではないのです。

そんな中で探し求めていた木に出会った時の喜びといったら格別です。今回もいくつかの収穫がありました。こういうとこと繋がりがあると非常にありがたいのですが、弊社の場合わずか35㎜角の『森のかけら』をいくらか作るというのが目的なので、小ぶりな丸太が1,2本もあれば十分なのです。しかしここでは次々にトラックに山積みされた丸太が運ばれてきていて、段取りよく出口である薪製造に回していかないとすぐに土場が丸太で溢れてしまいます。

最近、ノベルティグッズなどの分野では『県産材の広葉樹』という指定がつくケースが増えていますが、そのあたりの出口とうまく連携することが出来ればいいなと考えています。他にも現在取り組んでいる『愛媛県産広葉樹モザイクボード』など県産広葉樹の出口は今後ますます広がっていくとは思うのですが、問題は流通ルートがまだ未整備であるという事。だからこそ弊社のような零細材木屋が絡んでいける隙間があるわけで、今のうちにどれだけこの流れを整備できるかが肝。




キソケトンの続き・・センダン科で気乾比重が0.56という事だたので予想はしていましたが、実際に板に挽いたものを持ってみると思っている以上に軽さを感じます。稀にカウンターサイズの大きく厚みのあるサイズのものが市場に並ぶこともありますが、さすがにそれだとひょいと持てるわけではないのと、乾燥していない事が多いので、「正味の重さ」がわからないことがあります。今回は入荷してから4ヶ月ほど経過した原木を45㎜角とか60㎜角に挽いたので、ほぼ「正味の重さ」ですが、これがかなり軽い。

肌感覚だと同じく南洋材の『カランタス』よりはやや重いかなという感じで、間違いなく軽軟材。しかし(社)全日本検数協会発行の『新輸入原木図鑑』によると、「水中に落下した場合、比重の割には、沈木になりやすく、浮いても沈みが深い」との記述があるので、生木と乾燥後の重さにかなり差があるのか、それともキソケトン属にはおよそ100種が含まれるということなので、個体の性質差か?沈木になりやすいというのもきっと体験に基づく肌感覚の記述だと思うので意味ある貴重な情報です。

情報の少ない木って、こうしてみんなで経験を持ち寄り、その実像をより明確にしていかないといけません。特に1つの名称でもそこに多くの仲間が含まれ代表的樹種名となっている南洋材の場合、重たいとか軽いとか、強いとか弱いとか、その性質に極端に違いが出る場合があります。なのでどれが間違っているということよりも、材木屋としては性質の幅を理解して扱う時のリスク軽減にするべきだと思います。キソケトンにどれほどの幅があるのか分かりませんが、今回の丸太だと普通の材木屋は手を出さないでしょう。

しかし今回はそのやわらかさがこの木のストロングポイントとなってのですから、まさに役に立たない木など無いっ!いくつかの木でサンプルを作って試していただいたところ、チェンソーを使って刻むのにこのやわらかさが最適!とアートクラフトイング河野さんのお眼鏡にかないました。誤解されると困るのですが、キソケトンがチェンソー加工に適しているというよりも、今回のテーマの作品を作るのには硬さ、質感、色合い、雰囲気などが適していたというご判断です。なので必ずしもチェンソーアート向きというわけではありません。ケースバイケースです。それで河野さんが何を刻まれたのかというと、それがこちら!なんですか~!インカ帝国かマヤの古代遺跡の何かですか~?!続く・・・




少し前まで暑い暑いと言っていたのが嘘のように、9月に入ると朝晩が肌寒くなって急に秋めいてきた気がします。『誕生木』を作ってから季節の変わり目を強く意識するようになりました。9月の誕生木は『ホオ(朴』ですが、毎年9月になるとこの話題を取り上げていると思うのですが、たぶん他の月よりも9月、10月が突出していると思います。それは秋にさまざまなイベントが開催されていて、その際に配布するノベルティグッズの商品の問い合わせが多いからだと思います。

そういう相談があった場合、例えば今は9月なので9月の誕生木といえばこういう商品があって・・・といった感じで、見本にお見せする機会が多いので自然と意識するようになって、ブログでも取り上げるからだと思います。それが昨年のは秋はコロナ禍でイベントも控えめだったのでノベルティグッズもさっぱりでした。しかし今年はワクチン接種も進み、さすがにこの秋はコロナの予防対策をしたうえで各種イベントも開催されそう。

そもそも「 誕生木・12の樹の物語」は、弊社と兵庫県明石市に本社を置く株式会社Laboさんで共同製作したもので、1~12月のそれぞれの月に関わりのある木を『誕生木』として設定し、Laboさんが商標登録されています。モノではなくモノガタリを作りたいという思いは昔からありましたが、この誕生木によってその後いろいろな展開が出来るようになりました。そのエッセンスをストラップにふりかけたものが『誕生木ストラップ』。初見の方と木の話をする場合、この誕生木ストラップがマストアイテムです。

老若男女問わず誰もがどれかに該当するわけで、そこから自分の誕生木の話を通じてスムーズに木の世界にいざなえることが出来ます。最近では、「誕生木を知っている」という方も増えてきて、ここが製作元だったですかと驚かれたりすると、多少は世間で認知されてきているのかなと思います。最終的には12ヶ月それぞれの誕生木商品を作るという命題があるのですが、いまだ10、11、12月の3ヶ月分しか出来ておらず。なにもかも中途半端で終わる悪癖にけじめをつけねば・・・!




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