森のかけら | 大五木材

★今日のかけら・#041 【モンキーポッド Monkeypod マメ科・広葉樹・中南米産

100107_0722~0001

DSCF0078昨年末の事・・・この時期、こういう書き方で数日前の事を表記せねばならないのは毎年の事ですが、しばらくは座りの悪い違和感を感じます。さて、改めて昨年末の事ですが、【モンキーポッド】の座卓を作らせていただきました。いつもお世話になっている地元の㈲末広住研さんの、H様邸のご主人さんこだわりのお部屋の座卓です。お施主様家族みなさんで、会社に数度ご来店いただき材を選んでいただきました。まだ加工する前の荒材ですから、かなり想像力を働かせていただかなければならないのですが、それも無垢材で家具を作る楽しみの1つです。楽しく(?)悩まれて、選ばれたのがこの木ですが、この木何の木かというと、【モンキーポッド】です。画像はひっくり返して木裏面が出ています。現状で2400X700~850㎜ぐらいあります。さて、これがどういう風になるかというと・・・。

 

DSCF0222こういう風に仕上がりました。【モンキーポッド】は、マメ科の木ですが、概してマメ科の木はよくオイルとの相性が良く、よくオイルが浸み込んで、濡れ色になって深みのある表情を見せてくれます。さすがにここまでの仕上がりは想像しにくいので、荒材の端を少し削ったり、サンプルにオイルを塗って仕上がりを確認していただいております。左の画像は、木表面を上に向けていますので、上の画像戸はクラックが逆になっています。端から中央に向けての深めのクラックは、面を取って触っても痛くないように仕上げています。あえてこのクラックを活かして欲しいという事で、【パープルハート】の契(ちぎ)りを入れさせていただきました。この紫色も勿論原色です。あまりやり過ぎるとくどくなるので、少しアッサリした印象があるかもしれませんが、素材そのものが良い場合は、必要以上に手を加えずに素材の持ち味を活かしたいと思います。

 

DSCF0221モンキーポッド】といえば、かつては輪切りの丸太の円卓が流行りましたが、オイル塗装で仕上げるには難しい形状です。芯を含んだ輪切りの場合は、よっぽどうまく乾燥させていないと芯割れが発生しますので、ウレタンなどでカチンカチンに固める必要があります。輪切りも確かに面白い表情が出ますが、耳付きの板に挽いてもなかなか楽しめる杢が現れます。特にこの縞模様は見る角度によって違った光沢が現れます。縞模様も濃淡の茶褐色からこげ茶と複雑な柄が絡み合い、ワイルドな雰囲気の中にも上品さと色気があります。

DSCF0219長さ2100㎜で仕上げましたので、残った材で脚の部材も取れました。足元は掘り下げていますので、脚材の内側をかぎ込んで、框に掛けて固定しています。辺材が白く黒味部分とのコントラストが特徴の1つで、今回は耳付き仕上げというご注文でしたので、白太の耳を活かした仕上げです。イメージは『男の隠れ家・居酒屋篇』という事でしたので、かなり近い雰囲気に仕上がったのではないかと自負しておりますが、H様如何でしたでしょうか?これから多くの輪染みやお酒を吸いながら次第に馴染んでいくと思います。たっぷり長く楽しんでいただきたいと思います。

 

鬼は外、モンキーは内!

2. 木のはなし

20100203 モンキーポッド本日は節分という事で、全国各地でたくさんの豆が撒かれ、たくさんの恵方巻きが食された事と思いますが、豆はマメでも撒くほうではなく、「マメ科」の木の話です。一口にマメ科といっても実に多くの仲間がいます。とりわけ外国のマメ科の木には、木目や木柄が個性的な物が多くあり、『個性の塊』とも言える種族です。中でも人気が高いのが、日立のテレビCMで誰でも一度は見た事のある『この木何の木、気になる木』こと【モンキーポッド】です。この画を見れば、誰でもなんだか懐かしい気分になるのではないでしょうか。最近見かけなくなったような気がするのですが、私が見てないだけでしょうか?

20090713 モンキーポッド #409-A・BテレビCMの木はハワイのオアフ島に実在する木なのですが、その樹形以上に驚くのは、あの広大に見える場所が実は個人の所有地という事ではないでしょうか。所有者の好意で一般公開されているという事です。樹齢は100年を越える長寿で、枝の広がりは40mもあるという事です。弊社に内装材や家具の相談に来られる方には、この木を生で見た(ハワイに行って)という人が多いです。それだけ木に関心があるということでしょう。またこの木は別名が多い事でも知られていますが、要するに人気があるので好みのニックネームで呼ばれるということだと思います。

20090127  モンキーポッド③例えば『レインツリーという別名は、雨が近付くとすぐに葉を閉じてしまう事に由来していて、『雨を予知する木』とも呼ばれています。雨の時だけではなく、夕方になると葉を畳んで夜中に眠り、朝日とともに葉を広げることから、『アメリカネムノキ』とも呼ばれます。モンキーポッドという「本名」自体が怪しいのですが、ポッドにはエンドウマメの「さや」の意味があり、春先にこの木の丸っこいの実が熟して枝からたわわに垂れ下がる姿が、遠目から見るとちょうど小猿が木の枝にぶら下がっているように見えるところから来ているようです。こういうのは印象ですから・・・想像力は無限です!

100203_2247~0001材の特徴については、以前にモンキーポッドのローテーブルについて取り上げさせていただきましたが、『かけら』で見てもこげ茶の深みのある色合いが美しいです!でも実際には白身のある辺材も入る事もあるのですが、この色合いがモンキーポッドのトレードマークのようなものですから、淡い色合いの物は人気が薄くモンキーとして認めてもらえない事もあります。小さな部材なので、木取り具合によって差が現れるのは宿命なのですが、これも人気材の証でしょうか。まるで毛皮のようなしなやかな杢と、不規則に現れる褐色の縞模様の織り成す複雑な表情が存在感抜群!個人の住宅のテーブルや座卓はもとより、店舗のカウンターなどにもよく使っていただいています。現在、3、4mの長尺材は切らして折りますが2.4mサイズのテーブルサイズは数点あります。節分の豆は外に撒いても、マメ科のモンキーポッドは(家の)内で使ってください。

 

 

雨にも映える、雨を予知する木

1. 今日のかけら

20110502 雨にも映える、雨を予知する木①この木何の木、気になる木~」で有名なモンキーポッドについては、以前もブログでアップさせていただきましたが、当時のカメラは精度が低かったので、モンキーポッド本来の色合いが伝わりきれなかったのではと心配しておりました。アップに強いGR/DIGITALⅡにて接写の迫力をお伝えしたいと思っています。表面の割れを防ぐために塗布してあったボンドを剥いで、植物性油を塗って、仕上がりの色合いをイメージしやすいようにしました。心材と辺材のコントラストが気持ちがいいぐらいに明快です!

 

20110502 雨にも映える、雨を予知する木②かなりテーパーの形状をしていますが、長さが2400㎜、狭い方の幅が500㎜、広い方で800㎜もありますから、うまく使えばカウンターやテーブルとして充分な大きさです。耳のエッジがちょっと緩いので、仕上げる際にはもう少しエッジを立てた方がいいかもしれません。これも最終的にはお好みですが・・・。耳の触感は滑らかなので、耳付でのご利用をお勧めします。ただ、耳の部分にクラック(割れ)が入りやすいので、少し削り込んで下さい。浅めの割れだと甘く見ると、痛い目に会いますのでご注意!

 

20110502 雨にも映える、雨を予知する木③更にアップしてみると、木の材質感というよりは動物の毛皮の感覚です。アップすればするほど、木に思えなくなります。深いダークブランの色合いが余計にそう思わせるのかもしれません。モンキーポッドという名前の由来には見当たりませんでしたが、この質感がお猿さんの肌に似ているから、というのも一因としてあるのではないでしょうか。触感も見た目を裏切りません。さすがに毛足が立っているという訳ではありませんが、木目に添って元から末に向かってなでると、う~ん不思議な感覚!

 

20110502 雨にも映える、雨を予知する木④モンキーポッドは、マメ科のネムノキ亜科の木で、ネムノキと同じように、雨が降る前になると葉を閉じる特徴があり、雨を予知する木としてレインツリー』の別名もあるぐらいなのですが、この日も撮影していたらに、わかに空が曇り、やがてパラパラと雨が・・・。生憎、葉っぱは落としてあるので、雨を予知したかどうかは不明でしたが、雨にもこのインパクトのあるお姿は映えます。それこそ、これこそがあるべきホームの姿なのでしょうか。ありきたりの木では物足りないとうお方、是非お猿さんの肌触りも楽しんでみませんか?




Archive

Calendar

2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031