それは目を疑うような光景でした。久し振りの小雨に見舞われた昼下がりのことでした。私が仕事の合間に裏の敷地を歩いていると、草むらから何やら物音が…猫でもいるのかと茂みに近づくと、動物の後ずさりするような音。目を凝らして見ると、草むらの中からこちらの様子を伺うような気配がします。猫でも犬でもない、小さな物体がつぶらな瞳でこちらを見ています。草を払いよく観察してみると…
なんとそこにいたものは、あの珍獣ブタマジロではないですか!もはや絶滅したとまで言われていた幻の珍獣にこんな所で会えるとは、まさに神の与えた奇跡に感謝するばかりです。しかも1匹ではありません、なんと家族連れだったのです。
しかし、ほとんど攻撃力を持たず動きののんびりしたブタマジロがこんな所にいては、犬や猫の餌食になってしまいます。あまり動物が得意ではない私ですが、この貴重な珍獣の未来を守るため、勇気を振り絞り、捕獲して安全な場所に移してやることにしました。ブタマジロは抵抗することもなく、おとなしく私の腕の中に入ってきました。そうか!気がつきました。私が午前中に木を加工していたので、ブタマジロの好物である木の香りが私の服に染み付いていたからでしょう。ブタマジロは一瞬、安堵の表情をのぞかせ、私に身を任せました。そうして、ブタマジロファミリーは、大五木材にやってきたのです。
身 長:約300mm
胴 体:約150mm
足の長さ:約60mm
体 重:約900g
※生き物のため個体差があります。
- 鼻の頭にパックリ入った割れが成人の証です。
- ブタマジロは大きくなるほど、割れが中心部分に入り、それが強さの証でもあります。
- 甲羅に虫が棲みつく者は族の長老格です。
- 稀におなかに節を持つ者がいますが、これは向こう気の粗い若いブタマジロによく出る特徴です。
ブタマジロは、かぐや姫のごとく木の中から生まれてきますが、
DNA鑑定の結果、彼らは兵庫県の桧の間伐材から生まれたことが分かりました。
調査を進めると、一日中歩き回るブタマジロは、自分達が少しでも疲れないように足画をクリのような硬い物質に進化させていました。
これは驚くべきことです!
更に、活動が盛んになるこの梅雨の時期に、甲羅を守るために柿渋のような液体を体内から放出して、自らを保護していました。お腹の部分に、多少液ダレのような跡が見えますが、お腹はあまり強い刺激を受けるとまずいので、自らの判断で強く保護したと思われます。
紫外線に弱いブタマジロですが、直射日光を浴びると肌や甲羅がロマンスグレーに変化して更に身を守るようです。次第にザラザラしていく姿に、命の尊さとはかなさを感じずにはいられません。
今日から大五木材で、保護します。うまく繁殖に成功したら、ブタマジロの性格をよく理解して長く付き合っていただける方にお分けしようと思います。うまく増えるかどうか…。
1匹からでもOKですが、家族の絆の強い生き物です。両親+子の3匹セットが微笑ましいですね!
心の大きな方に飼っていただければと思います。
どういうブタマジロが生まれるかは天のみぞ知る、です!