森のかけら | 大五木材


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私はあってが弊社にやって来た木材は骨までしゃぶりたいという強欲な人間なものですから、どうしても材の足が遅いというか回転が悪いのです。入ってきた材が、そのまま全部すぐに右から左へと売れる、なんていうのは材木屋の理想といえるありがたい商いなんでしょうが、私の場合はそれだとモッタイナク思えて・・・。それがまだスギやヒノキのように日頃からよく目にしている木であれば、そこまでは思わないものの、変わったりした木だと「自分を素通りして売れてしまうなんて口惜しい!」完全にアウト!

梱包をさばいて1本ずつなめ回すように見て、写真を撮って、自分の肩に乗せて重さや質感を確かめながら倉庫に立て掛けて、値札をつけて、しばらくの間ひとりでニヤニヤしながら眺めては悦に入り、少しぐらい加工をして刃物切れや塗装のノリを確かめて、また写真を撮って、図鑑とかで情報を集めて、たっぷりブログに書いて、それから少しずつ売れてく、というのが私の望むべき姿。経営者としては完全に失格。自分でも分かっているのですが、こればかりはどうしようもない。その木と少しでも関わりあいたいッ!

そんな青臭いことを言い続けた結果が今の倉庫に反映されていて、さすがに私も猛省して、かけら70,000個突破記念という事もあってロングセールである程度昔から眠っている材を回転させようという事にしたのです。そんな思いが神様に通じたのかどうかは分かりませんが、いつもは全部売切れるまでに半年ぐらいかかっている『カランタス』の梱包が、珍しく入荷後およそ1週間で完売!商売としては滅茶苦茶ありがたい事なのですが、そうなると私の中のビリー・ミリガンが目を覚ますのです!

まあ今回はギリギリのところで覚醒させなかったのですが、今回ばかりは一度ブログで書いた材については、『泣いて馬謖を切る』覚悟で売り切ろうと思っています。カランタスは細幅に加工して、天井や壁材としてよく使っていただいているのですが、今回は材に印刷してある文字とかが面白いと気に入っていただきまとめてのおとな買いをしていただきました。市場ではいまひとつ知名度が低く、存在感も希薄なカランタスですが、オイルを塗ればチークと見間違うほどに重厚さと落ち着きが出てきます。モノは使いよう。

以前に大学で大学生相手に木の話をさせていただく機会があって、その中でたまたまモミアスナロの話になったので、イメージしやすいかなと思って、ちょうどいずれもが文学に登場する木ということで、山本周五郎の『樅の木は残った』と井上靖の『あすなろ物語』を引き合いに出したのですが、そこにいた数十人の学生全員が無反応。後から先生に聞いたのですが、最近の学生はそういう昔の本や映画をほとんど読んだり観たりしていないので、授業でそういう例えを使っても理解できないですと聞かされました。

私は本を読むのが好きなインドア派の子供だったので、子供の頃結構本は読んだ方だと思います。買って読むのはほとんど漫画で、本はもっぱら学校の図書室。当時、どれぐらい本を借りたか(読んだか)をグラフにしていて同級生と競うように本を読みました。意味も分からず読んだ(文字の羅列を眺めていた?)本もありましたが、紙をめくる感覚と古い本の独特の匂いは今でも大好きで、どうしても電子書籍には馴染めない昭和40年代男です。山本周五郎も井上靖も遠くになりにけり・・・

いつものように枕が長くなりましたが、今日書きたかったのは節の所でバックリと欠けたゼブラウッド。長さも短く家具材としては使いにくいので本来であれば【森のかけら】にするところですが、現在『ゼブラのかけら』はたっぷりあるので、オンラインショップの『ちょこっと銘木端材コーナー』で販売することにしました。もともと大きな節のところで豪快に欠けていたのですが、そこを飛ばして綺麗な板にしてもよかったのですが、こういうものって使い勝手もあるので、あえてそのままのサイズで削りました。

ゼブラウッドとしては、正直なところ縞柄は今ひとつ。節の周辺にうねりが出るので、欠けた節の周辺がいい感じになっているので惜しいのですが、まあこれはこれで個性。割れも逆目もありますが、購入された方が自由に割ったり削ったりして使っていただければ。粗削りしたサイズで440 X290X62mmですが、仕入れから15年も経過していますので、ゼブラウッドとしてはかなり軽い方だと思います。それでも収縮したりするやんちゃぶりがゼブラの怖いところでもあり愛おしいところでもあるのですが

そんなやんちゃなゼブラへの愛を、名作の台詞を使って表現しようと思っていたため、冒頭のような話になったのです。ある人が私に「世界中の木の中でどの木がもっとも好きかと」尋ねます。私は答えます、「どの木もそれなりに素晴らしく、木に貴賤などあるべくもなく甲乙つけがたくとてもどの木が一番好きなどとは・・・」と、ここまで型通りの優等生発言を続けた私でしたが、その時私の目にザックリ欠けたゼブラウッドが映ります。感極まって私は思わず本音を吐露してしまうのです。

どの木もそれなりにすばらしい・・・・・・いえ、やはりなんといってもゼブラです! 私はゼブラが大好きだ!割れていようがかけていようがゼブラが大好きなのだ~」。そう往年の映画ファンなら誰もがご存知の『ローマの休日』の名場面。アン王女こと妖精オードリー・ヘプバーンが記者に囲まれてつい本音を漏らしてしまう場面です。映画では「どこの国もそれなりにすばらしかった・・・・・・いえ、やはりなんといってもローマです! 私はローマの思い出を生涯心に抱き続けることでしょう!」と訳されました。そういう話も若い人には通じないとしたら切ないなあ・・・

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