森のかけら | 大五木材


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つかの間の父のささやかな愉しみ『城巡り』の次は、本来のメインイベントである娘たちが選んだ店。その日の朝、天女の衣掛柳の次に寄った『クラブ・ハリエ』のグループ店らしくて、なんでまたわざわざ滋賀まで来て同じ系列の店に行かなくてもと内心思っていたのですが、すぐにその考えが間違っていた事を思い知らされます。テーマパークのそれかと見まがうほどのとてつもなく広い駐車場のその奥に佇む、宮崎アニメに出てきそうなほっこりした巨大な建築物。『ラ・コリーナ近江八幡』、オシャレには縁遠い私にだってこの店がトンデモナイということぐらいは分かります。

『ラ コリーナ近江八幡』(以下、ラ コリーナ)は、和菓子の『たねや』、洋菓子の『CLUB HARIE(クラブ ハリエ)』を展開するたねやグループさんが、自然豊かな近江八幡の地で2015年の11月にオープンさせたフラッグシップ店。地方の隠れた美味しいお菓子屋さんぐらいにしかイメージしていなかった私としては仰天!敷地面積はなんと35,000坪(115.652㎡)!!店名の『 ラ・コリーナ』とは、イタリア語で「」という意味だそうですが、安土城を観てきた後だけにまさに芝生の城、いや宮殿かと見まがえました。

娘たちはよく知っていたようですが、私は恥ずかしながら一切の予備知識が無かったので、見るモノすべてが新鮮というか強烈でただただ圧倒されっぱなし。こんな夢みたいな事、本当にやってしまうひとがいるんや~。凄い、凄い、面白い、面白すぎる!安土城では400数十年前に信長が築いた無双の城に魅了され、もうこの旅は私にとって十分な収穫があったと満足していましたが、まさかその数10分後にそれを超える衝撃を受ける事になろうとは想像もしていませんでした。ここに現代の信長を見た思い!滋賀、恐るべし!

この建物、空間、しつらえを見て独り心が激しく高揚していたのですが、娘たちの目的は建物よりもその中身にあるようで、さっさと店内へ。正面入口にはたっぷりと木が使われていたのですが、まだこの時点ではこの建物が誰の設計で、どういうコンセプトで建てられているのかに気がついていませんでした(本当にお恥ずかしい・・・)。娘たちに促されるように店内に入ると、中には長蛇のお客さんの列。こ、こ、これは・・・とんでもない店だという事が次第に身をもって分かって来たのです。「さあ、お父さんカフェの列に並ぶよ」、「えッ!?(こんなに仰山人並んでいますけど)」。明日に続く・・・

当時安土に滞在していた巡察師ヴァリニャーノが九州へ戻ろうとすると信長は予定を延ばさせます。そして金欄盆会の日に、いつもの年とはまったく逆で城下の家臣たちの家々では灯りを焚かせずに、天守にだけ色とりどりの美しい提灯を飾りつけ、闇夜の中に天主を浮かび上がらせました。そして仲間たちと驚いてこの火の祭典を眺めていたヴァリニャーノのところに信長がやって来て、「どうだ、祭りは面白かったか」と訊いたのだそうです。そういう意味からも信長が派手な演出で人を驚かせるのが好きなエンターティナ―の要素もありました。

そんな立派で独創的な天主であるにも関わらず、400数十年にわたり一度も復元されたことがありません。安土城跡は国指定特別史跡に指定されているため、さまざまな条件を満たさなければ復元することが出来ないのです。国指定の特別史跡に復元をするには、当時の工法で再現しなければならないらしいのですが、現在の建築基準法ではこれだけの高さの高層建築物が建てられません。また図面も消失しているので、規格外の城は分からない部分が多くて、復元のための高いハードルとなっているようです。そう考えれば城づくりは建築技術継承の大切な場であったとも言えます。

城主は威厳を示し、棟梁は技術を示す。特に安土城はそれまでの戦うための城から、見せるための豪華絢爛な城にしたことからも、世を平定して争いの無い泰平の世を作りたいと願っていたのかもしれません。もしあのまま本能寺の変が起きることなく、信長が天下統一を果たしていたら?誰もが一度は考える「もしも」ですが、もしかしたら奇想天外な木造高層建築物も出来ていたかもしれません。城そのものは復元困難ですが、麓の『安土城天主 信長の館』には、復元された金色の天主が展示されていたのですが、残念ながらここで私の持ち時間はタイムアップ。金色の天主は次の楽しみにします。

こうして不意に訪れた私の安土城探索はこれにて終わるのですが、これだけブログでページ数を使ったにも関わらず、実際の所要時間は1時間足らず。本当は、最初に車で間違って辿り着いた二王門の方にまで行って、摠見寺や三重塔も観たかったのですがこれも次回の楽しみに取っておきます。降りる頃にはすっかり雨も上がっていたので、石段を軽快に駆け下りたのですがその様子はYouTubeにアップしています。わずかな滞在時間でしたが私的にはこれだけでも十分に滋賀に来ただけの値打ちがあったのですが、娘たちが選んだ次の場所では第六天魔王の威光もかすむほどの衝撃を受ける事になるとは

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