森のかけら | 大五木材


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現在、国内外240種の木材標本『森のかけら』を400種にすべく奮闘しているところですが、日一日と樹種数は増えていっています。商品の完成には越えなければならない課題が多くてまだもう少し時間はかかりそうですが、確実に1歩ずつ頂きに近づきつつあります。ところで『森のかけら』は35㎜角のキューブで、例えそれが100個集まったとて、木材のボリュームとしては微々たるものなのですが、都合よくそれが取れるだけの端材が数百種も集まってくるわけではありません。しかも今集めている樹種は、かなりマイナーで知名度の低い木ばかり。

そんな木を集めわけですから、こちらの都合や思惑通りにはいきません。35㎜角のキューブを得るために、長さ10数メートルもある原木を買うことだってあります。もちろんそれをすべて35㎜角のキューブに加工するわけではありません。ある程度硬質な木であれば、カウンターやテーブル、造作材などに活用して、残った端材の一部をキューブにするだけです。なので問題は、キューブを得た残りをどうするか?いや、問題の本質が逆転してしまっています。本来であれば、使用目的があって仕入れた端材でキューブを取るべきなのでしょうが、それでは永遠に目的は達せない。

400種すべての木に、絶対にこの木でなければならないという明確な出口など存在していないからです。そこで、考えなければならないのは続々と集めってきている100数種類の木たちの『本来の命題である出口探し』。といったってそんなものがすぐに見つかるわけではありません。しかし、さまざまな木が集まっている光景を見ているだけ心はものすごく満たされるのです(笑)。個別出口に関してはさぐりさぐり考えていくとして、とりあえずいつもの『ワンスペックを多樹種で作る商品』の実践。三本脚のモザイクスツールの座面だけいろいろな木で作ってみました!

とりあえずパイロット版として作ってみたのが、ゼブラウッド(アフリカ産)、ホルトノキ(愛媛産)、クリ(北海道産)、ニガキ(岐阜産)、オリオモ(P.N.G産)の5種です。脚材はすべてブラック・ウォールナット(北米産)。サイズなどの微調整をして、仕様が決まったらこれを400種の木の出口の1つにしてみたいと考えています。まだ名称は決まっていませんが、「座面は400種の中からお好きなものを選べます」と言ってみたい!しかしそうなると常に400種の在庫を置いておかねばならないという別の問題が起きてくるか・・・多樹種の悩み尽きまじ。




先日の『都市林業』で、松山市内の民間住宅の庭木として植えられたいたクヌギ(櫟)が伐採されたのでその一部を分けていただきました。クヌギの木とは結構ご縁も多くて、今までにも多くのクヌギの丸太が大五木材にやって来ました。その目的はもちろん『森のかけら』に生まれ変わるため。ですから小さなクヌギの丸太が1本もあれば十分に事足りるのです。足りるどころか1本の丸太から何百という「かけら」が取れれば、それだけで何年分もの「かけら」が確保できてそれ以上にクヌギの丸太は必要ないのです。

うまく取れればの話・・・それがうまく取れないから何本も何本も丸太がやって来るのです。まあとにかくクヌギは上手く乾燥させるのが至難の業。私に理論的な乾燥時術が欠如していて、経験と勘だけを頼りにしているというのが最大の問題なのですが、残念な結果を繰り返してきました。クヌギは乾燥に伴いねじれる性質があるのと、芯から放射状に深い割れが入ってしまうので、たかだか35㎜の「かけら」ですら取りかねるほどなのです。もちろん1個も取れないというわけではありませんが、歩留まりから言うと散々たる結果。

失敗の繰り返しの中で、45㎜ぐらいのオーバーサイズに挽いて乾かせるだの、先日の「カキ」のように小口に新聞紙を貼るだの、ボンドを縫っておくだのいろいろ試してみましたがどれもなかなか上手くいかず、どうにか「かけら」になった数倍、いや数十倍が無惨な結果となり、それは「夢のかけら」にすらなりえない代物でした。現在の『森のかけら』240種の中では、私にとって『もっとも乾燥させるのが難しい木』のひとつです。今回こそはといつも願うように乾燥させているのですが、どうしても上手くいきません。

そろそろ貴重なストックも残り少なくなってきたので、今回のクヌギには是非とも上手く乾いてもらいたい。そう思って準備をしていたら、言葉ではうまく表現できませんが、今回のクヌギは何か違う!というような感覚がありました。伐採した直後ではあるものの既に水分が少し抜けているというか乾燥が進んでいるというか、あくまで私の感覚ですが。それで触っていたら厚い鬼皮がポロリと剥がれました。それでちょっとノミを入れてみたら綺麗に剥がれたのです。これは何かの吉兆か~(笑)。鬼皮の無くなった姿がまるでブッシュ・ド・ノエルみたい!




あまり出来て欲しくないのですが、どうしても出来てしまうのが『夢のかけら』。詳しい説明は過去のブログで書いてきましたので、そちらをご覧ください。木材樹種数400の世界一の木材標本『森のかけら400』に向けて着々と情報収集や解説書の原稿書きに取り組んでいるんのですが、次々に想定以上のハードルが現れてきてなかなか思うようには進んでいません。本来ならば、今年の夏頃で『森のかけら240』の販売を終了させていただきますとアナウンスをする予定ではあったのですが・・・

ハードルが高いという事は、誰かがもし同じようなモノを作ろうと思ってもそれだけ大きな参入障壁にもなるということなので、と考えたりもしましたが真似しようとする人もいないか・・・。ともあれ『森のかけら400』まではまだまだ時間がかかりそうで、当面は『森のかけら240』の販売も継続していくのですが、合わせて『夢のかけら』も販売していきます。現在の240種でもこれだけB品が発生することを考えたら、400種になったらどれぐらい出来てしまうんだろうか・・・怖っ。

ざっと計算しても倍近い量が出てくると思うので、そうなったらまた何か別の出口を考えなければなりません。2階のストックヤードも今の倍近いスペースが必要になってくるし、在庫管理を考えても常にどれかの樹種を作っているイメージ。一度に多く作っておけば安心なのですが、大量に作っても一度に出るのは1種類につき1個だけなので、そうなるとストックが膨大になります。240種でさえその人気にかなり差があるのにこれが400種になるとその差は更に顕著なことになりそうです。

今年のオールスター戦のファン投票では、タイガースの佐藤輝明選手がルーキーとしては異例の最多の得票を集めましたが、かけらの世界でも400種になると大型新人も入ってくるのでベテランもうかうかしていられません。ネームシールの減り具合が人気のバロメーターで、ほとんど増刷の無い不人気な樹種もあります。しかし、3度の解雇通告を受けながらその後オールスターに選出されMVPを獲得した元近鉄バファローズの山本和範選手のように、今は不人気な木だってきっかけ次第で飛躍できるはず!




さて、そういうわけで妖怪と精霊の棲む島パプアニューギニア(以下PNG)からはるばる日本にやって来てくれた南洋材の木の話です。先にお断りしておきますが、PNGの木の事でテンションが上がっているのは私だけで、木材業界的にはPNGの木が珍しいとか、プレミア感があるとか、高く売れるというわけではありません。むしろその逆で、今までも輸入され続けて来ているのですが、ほとんど注目を浴びる事も無くひっそりと流通されてきたというのが現状です。なので個別の名前で呼ばれる事すらなかったのです。

木材関係者の中でも南洋材を扱った事がない人は聞いたことがないかもしれませんが、南洋材には『M.L.H(エルエムエイチ)』という名前で呼ばれる木があります。これは特定の木を指し示す名前ではありません。Miscellaneous Light Hardwoodsの略で日本語に訳すと「雑軽軟広葉樹材」という意味になります。膨大な樹種を内包する南洋材において細かく樹種を分類することは非常に困難です。輸入された南洋材は、一般社団法人・日本貨物検数協会で1本ずつ計測され、樹種、グレード、欠点(損傷)が判定されます。

それを元に検量証明書が発行されて取引されることになります。その際に特徴が少なく樹種が特定できない木、樹種が確定してもあまり価値がない木については、まとめてmiscellaneous(種々雑多な)としてまとめられてました。当初は軽軟な木が対象だったので、light(軽軟)がついていましたが、その後重たい軽いに関係なく、ひっくるめて雑木という意味で名前の特定されない木、その必要が無い木を現わす名前としてM.L.Hという言葉が使われるようになりました。名前は特定されても取引上、それが求められない事も。

余程でない限り検数協会では樹種名はつくのですが、商取引の際には細かな名前は必要ない事があって、その場合はまとめて樹種名はM.L.Hとされます。例えば、梱包材やパレット材など一定の強度さえ確保できれば樹種にはこだわらないという場合、個別名は重要ではなく樹種名は記号的な意味合いしか持っていません。その出口においてはあまり価値がないかもしれませんが、別の出口に繋がれば、今まで気づかなかった違う価値が見つかるかも!ならばそれを見つけるのが、『かけらトレジャーハンター』である私の役目!




先日、『今そこにある森のかけらの危機』を救うためにビーバー本部から送られてきた『今欠品して困っている端材たちを早速製材。弊社は製材所ではないので大きな鋸はありませんが、小型バンドソーはあるので、これぐらいのサイズの端材は割ることが出来ます。限られた材をいかに無駄なく木取りして最大有効に使えるようにするかは、この木取り次第。この作業だけは他人には任せられません。【森のかけら】だけではなく、素材によっては『森のりんご』や『モザイクボード』、『森のこだま』などにも活用します。

欠品している材って、だいたいがメジャーではなくて一般的にはあまり流通していないものが多いので、なるべく無駄が出ないように慎重に製材しなければなりません。とはいえ、そういう木って径級も小さくて芯が含まれていることも多く、わずか35㎜角のかけらといえども取るのには頭を悩ますこともしばしば。しかもまだ瑞々しいものはこれから数ヶ月かえて乾燥させていくので、「天使の取り分」も考慮して少し大きめに挽いていく必要があり、頭で考える以上に木取りも難しく、出したくはない「端材の端材」も発生します。

しかしこういう場合に発生するマイナーの木の「端材の端材」の存在が新商品開発の原動力になったりするのです。まあ、さすがにこんなものどうにもならんだろうというペラペラの端材でも、それが珍しい木であれば廃棄する気にはなれません。例え商品にまで昇華できなかったとしても、そういマイナーな木の端材ばかりを一定量集めれば、全国にはいろいろな樹種を使ってクラフト商品を作られている人は沢山いらっしゃるので、オンラインショップの『ちょこっと端材』にアップすればそれなりに売れて、活用してもらえます。

しかし私の場合、そこで気をつけなければならないのは、すぐにそっちに心がいってしまい、「端材の端材」の商品開発に夢中になってしまい、本来主目的のはずの【森のかけら】の事がおざなりになり本末転倒になりがちという事。同時にいくつかの事を同じ加減で考えられないので、そうやっていつも脱線したり寄り道してしまう。まあそうやって今まで商品ラインナップも増やしてきたわけですが・・・。欠品していた木が再入荷するとテンションもあがってきます!数か月後にはほぼ欠品解消できそうです!




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