森のかけら | 大五木材


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森のかけら】で、国内外の木・240種をリストアップした時にも、まだ新たな木が増える可能性はあったものの、解説書等の印刷物を刷る都合もあったので、とりあえずキリのいい日本120種と世界120種でひとつの区切りとしました。それからボツボツとリストに加えれなかった木が手に入ってくるようになったのですが、もうそれは縁がなかったと諦めていました。それでもそれが20種類近くになると、目途もありませんでしたが、いつの日にか『追加版』か『改訂版』でも出せれればいいなと思っていました。

そんな漠然とした思いが、大きく動いたのは同族のビーバー・武田隊長にお会いしてからのことです。初めて訪れたビーバーハウスで、これでもかと積み上げられた板の山々には、初めて目にするマニアックな木の名前が小さな板にマジックで書かれ無造作に打ち付けられていました。それらは通常木材市場に出てくることはないような灌木であったり、街路樹であったり、庭木、公園木などさまざまでした。植物図鑑でかろうじて名前だけは知っていたり、植物園で見かけるような木ばかり。そんな木を集めている変態がいる!

 

しかも武田隊長は、集めたそれらの木に対して何の明確な出口も定めてはいなかったのです!集めたいから集めるという本当の、真正の、愚かなビーバーだったのです!世の中にはこんなとんでもない人がいるのだ。私は強い衝撃を受けました。その夜は隊長の自宅に泊めていただき、木の話を肴にお酒を酌み交わしました。隊長が引き出しから出して来られたのは、今まで自分が集めて挽いた木のリスト。そこには自筆で木の名前が書かれていました。これを書くときどんな気持ちだったかは容易に想像がつきます。私も同じことをしているから。

そのひとつの樹種名を書くたびに、遂に俺はこの木を征服したぞ~!という満足感に心は痺れていたことでしょう。よ~く、分ります。私もそうしてカーツ大佐のように『かけら王国』を築いてきた同族なのですから。そして思ったのです。隊長はいろいろな木を全部集めることに快感を得る『集めビーバー』ならば、私はその集められた木に出口を見つける『広めビーバー』になろうと!それから数年かけて徐々にマグマは溜まっていきました。そして遂にその時がやって来たのです!みんながやらないことをやる、誰もやらないから俺たちがやる!

 




毎月いろいろな端材を特集して取り上げようという思いで始めた端材コーナーの特集企画も、忙しさにかまけてまるまるひと月飛ばしたりすることあり反省。実際にやってみて、毎月となると告知が遅いこともあって、来店されるお客さんとの間にタイムラグが発生したり、準備に振り回されて中途半端になってしまうなど改善点が分ってきましたので、1ヶ月ごとではなく2ヶ月単位でやってみることにしました。ということで、早速変更後の第一弾11月・12月の端材特集は、都市林業の代名詞的な存在でもある『モミジバフウ』!

主に街路樹、公園や学校の校庭に植えられ、秋には美しい紅葉で目を楽しませてくれるモミジバフウですが、伐採後はほとんど利用されることなく産業廃棄物扱い。そんなモッタイナイことしたら伐られたモミジバフウも浮かばれない。骨の髄まで使わせていただこう。たとえ虫に喰われていようとも、たとえ曲がりくねっていようとも、使えない木など無いっ数年前にたまたまご縁があって大型トラック10数台分もの大量のモミジバフウの丸太が大五木材にやって来ました。それが私を都市林業に目覚めさせたきっかけにもなりました。

正直、当初は私もこのうず高く積み上げられたモミジバフウの丸太の山を見て、どう料理すればいいのか分からず呆然としました。虫に喰われ曲がりくねった短材をどこにどう使えばいいのやら・・・。そもそもモミジバフウがどういう木なのかすらも分らず、いろいろ調べてみても活用事例がほとんどない手探り状態。とりあえず板に挽いてみましたが、乾燥させてみると材質は結構硬めでそれなりに強度も確保できる。ただし長さが無いので建築や家具には難しい。さてどうしたものかと思っていたら、クラフト細工に手頃ということで少しずつ売れていきました。

その後も大量のノベルティグッズの材料となったり、店舗の小さな棚板に使っていただいたり、花台にしたり、まな板にされたり、こちらから用途を決めて販売したものもあれば、お客さんがめいめいに使い道を考えられてご購入されたりと、さまざまな用途で売れていきました。気がつけば大型トラックに10数台分もあったモミジバフウも残りが見えてきました。あれからさまざまな街路樹が大五木材にやって来るようになり、製材した板を置くスペースにも困るほどになりつつあります。そこで残りのモミジバフウを軽く加工して11、12月の葉材コーナーの特集にしました。街路樹、公園木、校庭木としても役目は終わりましたが、まだまだその人生(樹生)は終わらせないという心意気で、特集のタイトルは『ネバーエンディング〔モミジバフウ〕ストーリー』です!在庫を睨みながらどんどん追加投入していきますので、ぜひ端材コーナーを覗き来てみて下さい!

 




その昔に南京からやって来たという『ナンキンハゼ』を製材してみた話。伐採された小口の色が『ハゼノキ』のようには黄色くなかったので、黄色い木肌は期待していなかったのですが、材質も全然違っていてかなり軽軟。『ハゼノキ』の名前がついているのが不思議なくらい。その名前の由来は、文字通り南京のハゼとい意味で、日本のウルシ科のハゼと同じように種子から「烏臼油(うきゅうう)」という油脂が採れて、蝋燭や灯用、塗料、石鹸などに利用されているそうです

ウルシと同じように油脂が採れることからハゼノキの名前が冠されたようで、材質はハゼノキとは似ても似つかない。根皮や果皮は「烏臼(うきゅう)」と呼ばれ利尿剤になるなど有益であるものの、種子には毒があるようです。材質が思いのほか軟らかいので、【森のかけら】以外の出口についてはちょっと頭を悩ましそうですが、実に毒があるので『森の毒りんご』に使えそう。まあ、しっかり乾燥した後のコンディション次第ではありますが。ちなみに烏臼というのは、ナンキンハゼの漢名

材としてあまり用途が明確でない木というのは、それなりの理由があるわけで、このナンキンハゼも材としても用途としては器具材程度ですので、種子や樹皮、根皮などに比べると材はほとんど利用されていないみたいです。細かく割って削ってみればそれも頷けますが、偏屈材木屋としてはそういう木の方が燃えたりするのです!この木の別名に『トウハゼ』、『カンテラハゼ』、『リュウキュウハゼ』などがあります。トウハゼというのは言葉通りに唐から入って来たという意味。

リュウキュウハゼも入国ルートが名前になっていて、中国から琉球を経由して日本に入ってきたためその名前がつけられたもの。カンテラギというのは、採れた油でカンテラ(携帯用石油ランプ)を灯すためだと思われます。別名とか方言名に、その木の特徴が込められている事が多いので、用途を考えるためには、こういう情報がとても大切になります。さあ、これから乾燥したらどういう表情になるのか。新たな出口はこれからゆっくり考えるとして、【新・森のかけら(仮称】にナンキンハゼ(南京黄櫨)加わるのは確定です!

 




今日のかけら番外篇・E046ナンキンハゼ/南京黄櫨】 トウダイグサ科・シラキ属 

いつもお世話になっている近所の造園屋さんから「結構大きめのナンキンハゼの庭木を伐ったけど要りますか?」という連絡が入りました。お付き合いが長いので、これこれこういう種類のこれぐらいのサイズの木が出たら(伐ったら)教えてくださいと伝えているので、いつもこちらのストライクゾーンに球を放り込んできてもらうので本当にありがたいのです。今までにも木材市場では決して手に入らないようなマニアックな木を分けてもらいましたが、『都市林業』には欠かすことのできない私の懐刀のおひとり。

個人の庭に植えていたのですが、大きくなり過ぎたので今回伐採したということでした。通直ではないけど根元の方は直径が300㎜を越えるものもあると言われてたのでちょっと期待して取りに伺ったのですが、想像以上に大きい!しかも運搬しやすいように短くカットしていただいて至れり尽くせり。ナンキンハゼの木を扱うのは初めてで、どういう性質の木なのかも分っていませんが、これぐらいあれば【森のかけら】にするには充分だし、もっと大きな出口にも使えそう。ありがたくいただいてきました。

ナンキンハゼは中国大陸原産のトウダイグサ科シラキ属の外来広葉樹で、日本には江戸時代に渡来したといわれています。主に西日本で植栽されていて、九州の一部の地域では野生化しているのだとか。【森のかけら】で『ハゼノキ』を調べているときに、ナンキンハゼの名前は目にしたものの、庭木・街路樹という事だったので、その当時はまあ手に入らないだろうと思って気にしていませんでした。それがこうしていま目の前にあるのも『都市林業』に目を向けたお蔭。こちらから望んでいなければ巡り合えない木もあります。

街路樹公園樹、庭木などに植栽されているものはせいぜい5m程度ですが、大きなものは樹高15mに達するものもあるとか。造園屋さんも、結構大きくなったものも見かけるという話でした。伐った直後だったので水分たっぷりでそれなりに重たかったのですが、持ち帰って2週間ぐらい置いていたら(通常はすぐに製材するのですが、今回は忙しかったので💦)乾燥が進んでかなり軽くなりました。ハゼノキのイメージがあったのですが、製材して分かったのは材質がまったく違うこと。とりあえず細かく割ってみました。明日に続く・・・

 




話を埼玉県秩父のサワラから、埼玉出身のNHKアナウンサー金子峻アナウンサーに戻します。伐採後の街路樹の活用に非常に関心を持っていただき、最終的にそこにスポットを当てていただくことになりました。今後大きな問題となる『都市林業』の事に少しでもスポットを当てていただけるにメディアにアピールしていくことは我らビーバー雑木隊にとっての使命でもあります。ところで金子さんの食いつきがあまりにいいので、もしかして実家が材木屋の関係者なのではなかろうかと勘繰りたくなるほど。

そのあたりをもう少し掘り下げて尋ねてみると、アナウンサーになって最初の赴任地が宮崎県だったとの事。そうです、宮崎と言えば全国に名だたる林産地で、特にスギに関しては丸太の生産量27年連続日本一に輝くなど圧倒的な森林資源を誇っています。それだけでなく広葉樹の活用も旺盛で、都城周辺では鋤(すき)や鍬(くわ)、スコップなどの農具の柄(持ち手)も精力的に生産されています。金子さんはその辺りで木に関する取材もしてきたので、自然と木材に対する関心も高まっていかれたのでしょう。

その次の赴任地が愛媛県だったので、同じ林産地でありながら、気に関する熱量には違和感を覚えられたと思います。丸太素材の生産(川上)だけでなく、建築材のほか家具やクラフト細工、玩具、器具など端材まで有効に利用する職人(川下)まで大きな流れが出来ている宮崎に対して、丸太の生産量こそ全国でも有数ながら、川下が未熟で未整備な愛媛では市民レベルでも、愛媛が林産地であるという意識が低いように感じます。恐らく金子さんが感じられた違和感もそのあたりが原因ではなかろうかと思います。まあ、何はともあれ木材業界にスポットをあてていただけるのはありがたい話です。ならばより日陰のところに光を当てていただきたい!

という事で『都市林業』!今後ますまさ問題化されることになるであろう町の中から産出される樹木たち。街路樹をはじめ、庭木、神社木、公園木、校庭や広場など町の中にも沢山の木が植えられています。森の木との大きな違いは、成長して大きくなったら伐採して材木にするために植えられたものではなくて、町の景観や美観、緑化などのため植栽されたものということ。経済林との違いは、成長した後(皮肉な話ですが、大きくなり過ぎてしまった後)の「行き先」。伐採して製材所に行く森の木に対して、町の木の行き先は産業廃棄物処理場

町の中で汚れた排気ガスにまみれながらも、安らぎを与え続けてくれた街路樹など町の木が廃棄物扱いなんてあまりにも可哀想だし、なによりもモッタイナイ!町の木は建材にするために植えられたわけではないので、建築材に適した樹種でもなければ、それに適したサイズでもありません。曲がりくねっていたり、小さく枝が多かったり、ほとんどの材木屋・製材所は歯牙にもかけないでしょう。そんな一般的ではない、深海魚的な木の受け皿として我々樹種異常溺愛症候群』に感染したビーバー雑木隊がいるのです!・・・あ、ほぼカットですか(笑)大丈夫、また次の機会に!

 




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