森のかけら | 大五木材


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さあ、それではここからビーバー隊による救出作業開始です。まずそのクスノキがどれぐらいの大きさかですが、身長176㎜の私と並んでこれぐらい。樹齢は記述が無かったので年輪を数えてみたらおよそ80~90年歳と思われます。後日改めてきちんと数えてみるつもりですが、いずれにしても大先輩であることには間違いありません。折角のご縁ですので大事に使わせてもらわねばなりません。まあこれからすぐに製材所に運んで板に挽いてもらったとしても、再びこのクスが表舞台に現れるのは早くても3~4年後先の事になるのではないでしょうか。気長に天然させるつもりなので。

クスノキは英語で『Camphor tree(カンファーツリー)』と言いますが、カンファーとはカンフル剤のことで、クスノキの材内に含まれていて蒸留して樟脳となります。立木だとあまり匂いませんが、鋸を入れたりすると一面に強い刺激臭が立ち込めます。古来よりこの香りに神性を求めて、クスノキの枝や葉は神様への捧げものにも使われてきました。これだけ大きなクスノキを伐ったので、境内はもの凄い匂いだったと思うのですが、鼻が麻痺してしまったのかそれほど匂いは感じずにちょっと拍子抜け。これも神のご加護?!

こちらはほぼ真横に枝が伸びていた、いわゆるジョイント部分。実はもしかしたら内部は洞(ウロ)になっていてまったく使い物にならないかもしれないと心配はしていたのですが、まったくの杞憂に終わりました。洞はおろか大きな割れや腐りも無くてコンディションは上々。ただしクスノキは気をつけないと乾燥の工程で強くねじれたり変形することがあるので、ここから板挽いていかにきちんとお守り出来るかが大事です。テーブルやカウンターに使えそうなのはこの4本ぐらいで、後は小物用に薄めの板や角材に挽くつもり。

1本ずつ慎重にユニックで吊って製材所に運び込みます。これ以外も数本のクスを伐ったので、最終的には4tユニック車で6台分ぐらいの量になりました。製材して板になって弊社に帰って来るのはもう少し先のことになりますが、板になったとしても全部合わせるとそこそこの量になります。気がつけば倉庫には、こうやって救出された『町の木』がおよそ1/3ぐらい占めるようになっています。まあ乾燥中のありますが、このままのペースでいけば山の木よりも町の木の方が多くなってしまうのでは?!そうなったら正真正銘の『町のビーバー』になれるのかも・・・

いろいろな種類の木が集まって来るって面白いのですが、油断しているとダムがドンドン大きくなっていって、崩壊してしまいかねないので、集める以上に、『使う、作る、売る』という『出口』にも注力しておかねばなりません。まあ今のところ広葉樹に関しては、いくつかの小さな出口ながら流れは出来ているのですが、あと幾つかは出口を作っておかないと詰まったりしたら一気にダム崩壊!最後にお賽銭も奮発させていただき、大切に使うとの約束と、新たな出口とのご縁を祈念しておきました。都合いい時だけの神頼み🎵

 




話は阿沼美神社のクスノキに戻ります。サカキアラガシ、ナナミノキなど境内に続く階段の脇にあった木々を伐採。これらの木についてはまた日を改めてご紹介します。神社とかでまとめて木を伐ると、普段手に入りにくい木と出会えるころが嬉しい。アラガシは、直径も尺足らずの大きさですがとにかく重い!伐採直後だとそれぐらいのサイズでも長さが2mあれば、人力では軽トラックに積み込むのもやっと。さて問題はこの階段を上がったところにある大きなクスノキです。スケール持って行くの忘れましたが、直径は1ⅿ超え!

木材市場に並ぶような巨大なお化けクスとかではありませんが、それでも十分にそれだけで一枚板になるサイズ。ただし搬出の都合上、長い材は出せないのと運ぶのに問題があるので短めに伐ってもらわねばなりません。丸太運搬用の車両があるわけではないので、欲を出さず安全優先。ちなみにこちらが枝の部分。立ち上がった幹から3,4mのところから大きな幹が地面とほぼ水平に延びて絶妙のバランスを保っていたのですが、それゆえに枝でも折れようなら幹が社殿に倒れ掛かる危険性も孕んでおりました。まあよくぞこれでバランスを取っていたものと感心しきり。

伐採の瞬間も見たかったのですが仕事の都合で伐採日には立ち会えず。後日神社に行ってみるとすっかり境内の様子が変わっていました。それまで日差しを遮っていた大きなクスノキが無くなったため、境内には光が入り随分と広くなったような印象。こちらが一番大きなクスノキ。レッカーで吊り上げて伐ったのですが、大きすぎてチェーンソーの刃が届かずかなり苦労されたそうです。町の木を伐る場合、電線やら軒先やらいろいろと障害物が多いので気苦労も多いようです。まずは怪我もなく無事に伐採できてひと安心。

こちらが元口から伐りだしたもっとも大きなところ。最大直径で1200㎜ぐらいあります。山から出すのであれば長いままで伐ってもらうのですが、町の木の場合、自分のところの車で搬出・運搬することになるので、長さは1ⅿ程度につまえてもらいました。これぐらいでないとうちのユニックでは吊れない。普段は製品しか運んでいないので、大きな丸太の運搬が不慣れなのと、神社の木ですからお祓いしてあるとはいえ、何かあると怖いのでいつも以上に慎重になります。製材所に運び終わるまではまだまだ気が抜けません。続く・・・




果たしてビーバーと造園屋さんはいかにして巡りあえばいいのか?当時は私もまだ完全にビーバーにはなり切れていなかった(子ビーバー)ので、正直覚悟もありませんでした。覚悟というのは、「それが欲しい」と言って話がまとまってしまった場合に、集まった材をどうするのか?こちらの思惑以上にあれもこれも全部持って行って、と言われてしまったら、こちらから言い出しておきながらそんなに都合よく断れるのか?持って帰ったとして【森のかけら】以外にどう活用するのか?どこに保管するのか?社員はそれを見てどう思うのか?理解を得られるのだろうか?

いろいろ考えていたら、やっぱり止めとこうとなってなかなか手を出せない世界だったのですが、思いがけない形である日突然その垣根は取り外されることになります。造園屋さんの方から声が掛かってきたのです。「〇〇で結構大きめの木を伐るんですが、大五木材さんではこういう木は必要ないですか?」これを僥倖と言わずになんと言おう!その時はすぐに【森のかけら】で必要な木では無かったもののこのご縁を活かさねばと二つ返事で答えて現場に駆けつけました。大きさこそまあまあだったものの量が少なかったのでスムーズに搬出完了。

それで、その時今後もこれこれこれぐらい種類のこういうサイズであればいただきたいとにこちらの要望も伝えると、先方もそれはありがたいという事で簡単に話がまとまりました。更に、それなら同業者にも声をかけてくれると、思わぬ形で造園業界に波及。ただし気をつけないと、必要も無い木の処分場になってしまうので、こちらが求めている樹種やサイズはしっかりとお伝えしました。基本は広葉樹で、変わった木!こういう交渉の際には【森のかけら】という実例が非常に有効です。ああ、こういうモノを作りたいのね、と。

職種は違えど同じ木を扱っている人間同士、話してみればその人も珍しい木を伐ったりすると、このまま捨ててしまうのはモッタイナイと感じていたそうで、使ってやれるのなら木も喜ぶだろうと共感してもらいました。だったらこれぐらいのサイズでこういう風に伐っておくと、話がトントン拍子に進んで、それからは近隣で伐採された『町の木』が急速に集まるようになりました。町の木の神様が導いてくれたとしか思えません。そうして私はすっかり『町のビーバー』と化していったのです。という事で話は地元の神社の木の救出に戻ります。

 




まずは境内へと続く参道脇にある小さめの木から伐採が始まりました。例のサカキはこのあたりにありました。伐採にあたられた地元の門屋造園さんは、地域の消防団活動でも一緒でいつも懇意にさせていただいていて、面白い木を伐採されるといつも分けていただいています。町の中に在る木を活かす『都市林業』は、これから非常に大切になってくると思いますし、その必要性はいろいろなところで叫ばれていますが大切なのは実際にそれを伐採するひととの結びつき。誰かが伐って誰かが運んで誰かが製材して、ようやく流れが出来るのです。イメージするだけでは動きません

高邁な理念もグランドデザインもいいけれど、地を這う我らビーバー隊としては、まずは自分が動けというのが信条。自分は高みの見物で指揮だけして、木を集めないビーバーなんていないでしょう。やっぱビーバーは木に近いところにいないと話になりません。近くにいれば、仲間にも会えるし、そこから話も広がる。私自身、ビーバーになるまで(もはや例えもよく分かりませんが、笑)、地元にこんなに個人で活動されている造園屋さんが沢山いらっしゃるって知りませんでした。これが本当の井の中のビーバー。そういう方たちとの接点もありませんでした。

そもそも材木屋は木材市場か製材所から木を買う者と教わって来たし、事実そうだったので、同じ木を扱う職業とはいえ造園屋さんとは別フィールドだと思っていました。国道などで街路樹を剪定している場面に出くわしても、小さな枝では興味も湧きませんでした。それが廃棄されることに違和感を覚える事も無く。その意識が変化してきたのは、【森のかけら】を作るようになってからです。日本だけでも120種の樹種を集めようと思うと、建築家具用材だけではなかなか難しい。それで意識がいくようになったのが、街路樹や公園や学校などにある木。それを剪定、伐採するのは造園屋さん。

それでいろいろ調べてみると、近くにも造園屋さんは結構あるし、繋がりがなくもないので、話はできそうだったのですが気になる事がありました。剪定作業を見ていると、横付けしたトラックに枝葉を次々に放り込んでいます。そのまま処理場に廃棄するので、面白い形だろうが大きかろうが関係ないわけです。材の形状などで仕分けるという作業が不要というか必要ないのです。そんな中に分け入って、「これとこれと、直径〇O以上の木だけ下さい」なんて言えるだろうか。逆の立場だったら、何言ってんだ!って気持ちになると思うとなかなか声が掛けられませんでした。

伐採になれば、伐った後どうするなんて考えませんからいかに効率よく仕事をするかが最優先で、いちいち形や長さなんて気にしていられません。それこそ横にいて、その場で判断して自分で指示を出すなり積み込みまですればいいのかもしれませんが、本業をほったらかしてそんな事出来ません。自分が最前線にいるからこそ、そこで働く人の気持ちを理解できる。だからといってボランティアをするつもりは無い。あくまで材木屋としての仕事の範疇でやらなければ本末転倒。街路樹を「業」としていかに効率よく手に入れるか?自分で伐らないビーバーの悩み・・・

 




少し前のブログで、近所の神社で伐採されたサカキ(榊)の話をアップしましたが、サカキはあくまで「副産物」で、メインは大きなクスノキ(樟。先日すべての伐採も終わり、境内に置いておいた丸太の搬出も完了しましたので、改めてその神社の木の救出の全貌について書きたいと思います。規模だけでいえば、以前に4tユニック車で20数台分ぐらいの『自分史上最大の救出(木はユリノキとモミジバフウ』を経験しているので、そこまでではないものの、材の大きさだけでいえばそれに匹敵する『町の中の大木』の救出劇となりました。こちらが会社から数分の距離にある地元の阿沼美神社です。

愛媛に住んでいると、神社の木というとクスノキというイメージが強くあります。特に樹齢が2600年とも言われ、国の天然記念物にも指定されている今治市大三島町の「大山祇神社のクスノキ群」は、日本最古の原始林社叢の楠群としても有名です。幹周が11m、樹高が15. 6m。その姿を拝むだけでも神々しさを感じます。四国だとどの神社にいっても大概大きなクスノキが鎮座ましましておられて、神社にクスノキが在るのが当たり前のように思ったりしますが、全国的にみると決してそうではありません。むしろ神社にクスノキが在る方が少ないのでは

常用漢字ではクスノキを「」と書きますが、文字通り南方に多く生えている木という意味から木に南と現わされます。それで九州や四国~関西あたりまでは神社にクスノキが植えられている事が多いのですが、東に行けば神社の御神木と言えばスギ、ヒノキ、マツ、ケヤキなどに取って代わられます。古い樹木や巨木の中には精霊や神様が存在すると信じていた古代の人から連綿と受け継がれてきた樹木への強い信仰心は、その地域で大きく育つ木を「依り代」として崇めました。なので地域の環境に適して巨木となる木が神社に植えられていったのだと思います。

そんな大切な神社の木ですから、お話をいただいた時に躊躇もありましたが、これもクスノキ様のお導きとありがたくいただくことにしました。町の中の街路樹や公園木と同様に神社などで伐採された木も行き場(活用できる引き取り手)、が無ければ、一般廃棄物として処分葉に送られます。すべてが信仰の対象というわけではありませんが、神社の境内にあって地元の人々に親しまれてきた木が、伐採された瞬間に「廃棄物」扱いされてしまうのは違うのでないか。神に近い木を捨てるとは竜神様も畏れぬ暴挙!そういう時のために我らビーバー隊が生かされているのだと、勝手な思い込みで出動~!続く・・・




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