森のかけら | 大五木材

 昨日のブログで、六甲山のアセビ(馬酔木)の木で作った『森の毒りんご』の事に触れましたが、名前だけ聞くと毒という言葉におどろおどろしさを感じるかもしれません。敢えてパッケージのイラストにもちょっと不気味さ漂う白雪姫にしていますし、その上には『18歳禁 アダルトオンリー』のマークまでつけていますので、そりゃあさすがに木の事をよく知らない人は手を出そうとは思わないでしょう。まあ、そこが狙いなのですが、ちょっと脅しが強すぎたようで木のマニアにも尻込みされてます。

毒成分があるとはいえ、触って危険というほど強力な毒ではありません(そうであれば、りんごになるまでに死屍累々の惨劇が起きています)。まあ齧ったりすることはお薦めしません、普通にオブジェとかペーパーウェイトなどで使っていただく分には何も問題ないので安心してご購入下さい。現在、オンラインショップ¥3,000/個(消費税・送料別)で発売中です。毒の心配は無いとはいえ、折角なので見た目に毒々しい(入皮や傷,染み、割れなどちょっと癖のある)りんごの方がそれっぽくて面白いと思います。

森のりんご』について改めて説明しておきますと、触感の滑らかさと、見た目の美しさを重視し【森のかけらプレミア36】のレアで硬質な木を中心に作っています。一部、針葉樹も含まれますが基本は広葉樹です。価格帯は、¥5,000/個(消費税・送料別)のPREMIERE¥4,000/個(消費税・送料別)のSPECIAL¥3,000/個(消費税・送料別)のBASICの3タイプありますが、現在のところオンラインショップでは、プレミアクラスのりんごのみの販売とさせていただいています。

まるで着色したかのように見えるカラフルな色合いもプレミアウッドならではの特徴でもあります。価格の面からも【森のかけら】以上にマニアックな商品ではありますが、マニアの皆さんに支えられ、発売開始からもう少しで累計100個になります。これって買ってどうするの?なんて野暮な質問をするような人はまだまだ浅い、そんなことではマニア心を理解することは出来ないでしょう。1個買ったはいいが、1つでは物足りなくなって3つ、4つと並べないと気が済まなくなった、これが正しいマニアの姿!

『森のりんご』を作った動機のひとつに、「この木目を丸く削ったらどうなんるんだろう?」という純粋な疑問もありました。通常はほとんど、平面でしか杢を見ることがないので、普段見慣れている杢の別の顔を見たくなったのです。特に興味があったのが『ゼブラウッド』。一番好きな木(グループ)の1つでもある、美しい縞柄が名前の由来でもあるその縞を局面で見たかった。この縞はどうなる?この縞は?果てなき好奇心は、ゼブラのりんごを大量に生み出すこととなったのです。ゼブラの悲劇?いやいやゼブラの喜劇




本日も黒田かけら探検隊御一行のお話し。後になると必ず忘れてしまうので、今回も早々にサインの儀式。『霧島栂』にお名前いただきました。先日少しだけ触れましたが、黒田先生は樹木組織の専門家ですが、同時に里山の管理や保全に関するスペシャリストでもありますが、地元神戸を代表する名山・六甲山の森林資源についても研究されていていらっしゃいます。その中で問題になったのが、『アセビ(馬酔木)』という木の存在。その名前からも分かる通り毒性を持つこの木が厄介者扱いされていました。

六甲山というと、阪神ファンの私としては阪神タイガースの応援歌『六甲おろし』しか思い浮かびませんが、神戸の人にとっては暮らしにも密接した自然のランドマークであり、市民の誇りでもあるとか。山に対する畏怖や畏敬の念tごいうと、正直なところ昔はあまり意識したこともなく、あって当たり前という空気のような存在でしたが、近年幾度となく登山するようになった霊峰・石鎚山に行くと、こんな私でも何か敬虔な気持ちになって、万物の気配に敏感になります。山岳信仰にはまる気持ち分からないでもないです。

六甲山はそういう類の山なのかどうかは分かりませんが、植林された山とはいえ100年もすれば立派な森が生まれていて独自の生態系が形作られているのだと思います。そういう中にあっても、毒性があって用材としての利用が未確立の木は手に余る存在で、伐採も進まず六甲山整備のための障害ともなりつつあったようです。山なんて自然なんだからそのまま放置しておけばよいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、一度人の手が入った山はその後も人が責任を持って整備していかねばなりません

自然なんだから放っておくといずれ山は荒廃していきます。自然という言葉からアマゾンのようなジャングルと混同してしまいがちですが、そこは大きく異なるところ。勝手に適性の木が育って豊かな森を作ると思ったら大間違いなのです。黒田先生はそういう観点から六甲山の森林整備も考えられて、今はまだ利用価値のほとんど見出されていない(利用価値が無いのではなく)アセビにも何かの『出口』を与えられないかと案じられています。私もいまだ『森の毒りんご』しか思い浮かんでなくて歯がゆいところ。まだまだ続く・・・




神戸大学大学院農学研究科教授黒田慶子先生御一行が先日ご来店いただきました。直接一度もお会いしたことの無い人とも気軽に日々やり取り出来るSNSのお陰で、全国の多くの木材ファン、木フェチとも楽しく交流させていただいていますが、黒田先生もそのうちのおひとりで、私にとっては直接お会いできるその日を夢描いておりましたが、その日は突然やって来ました。強く願うことはいつか実現するってヤツ。香川県で里山林管理に関するセミナーに来られるついでに弊社にまで足を延ばしていただけることになったのです。

黒田先生とゼミ生とOBの合計5名のかなりもの好きと思われる(わざわざここまでやって来られるわけですから相当でしょう!)皆さんがご来店。黒田先生は既に【森のかけら】をコンプリートされていて、授業でも学生たちに触らせたり観察させるなどしてご活用いただいています。黒田先生の専門は、森林病理学,樹木組織学で、ワークショップでは樹木組織を顕微鏡観察されたりするのですが、その際に【森のかけら】もしっかりと観察されています。こうなると【森のかけら】にも一気にアカデミックな色合いが!

黒田先生は神戸大学の前は森林総合研究所にお勤めで、以前に『才の木』でお世話になった京都大学の高部圭司先生とは京都大学の先輩後輩の関係。そのこともあってかねがねお噂はお聞きしていたのですが、それとは別にビーバー雑木隊武田製材(三重県多気郡)の武田隊長ルートから入った話が直接メールをやり取りすることになったきっかけです。それが『六甲山の森の毒りんご』!詳細については以前にその経緯について書かせていただきましたが、黒田先生は里山のスペシャリストでもあられます。

最近いろいろな方が全国各地からお越しになられるようになりましたが、今回のように目的がはっきりしている(マニアの巣窟探検!?)場合は話も早いので早速ご案内。と、思ったのですが、偏屈材木屋の「多様性」を知っていただくために『木のもの屋・森羅』にて木の玩具などを見ていただきました。皆さん木の事を真摯に学ばれる研究者ですが、無垢な木の玩具にあっという惹き込まれます。研究者すらも瞬時に虜にするのが木の魅力、いや魔力!明日に続く・・・




りんごの病気?

カタツムリが這うような歩みながら少しずつ、1個ずつ手元から消えていく『森のりんご』。売れてこその商品ではありながらも、多樹種収集フェチとしては、レアな木が「消失」していくことはとても辛くて悲しかったりもするもの。売りたいのか、売りたくないか!?非常に珍しくて鮮やかな木を見ていると、自分でもよく分からなくなることがあります。せめてもの救いはそれが原料たる木そのものせはなく、そこから派生して出来た木のモノであるということ。五十歩百歩・・・。

 

そのアンビバレントな衝動は【森のかけら】についてだって同じように起こるのですが、結構な量のストックがあり、まだサイズ的にも補充がききやすく、700セット(総個数で考えれば5万個を越える)もの「かけら」が私の(気持の)中を通過したことで、それなりの耐性が身についたため、さすがに売れることの喜びや感謝の気持ちの方が大きいものの、かけらよりもひと回り大きなサイズが必要となり、それなりに珍しい木を使って作っている『森のりんご』についてはまだ抗体が出来ず。

 

あくまでも私目線ながら、比較的硬質で世界中のレアな木を集めたプレミアのかけらの新しい出口として作り始めた『森のりんご』なのですが、加工が出来て事務所に届いて箱を開封するときのドキドキする気持ちはいまも変わらず。形が球体ということもあって、杢目の表情も1個1個実に個性的で、自分で材を用意しておきながら言うのも何なんですが、出来上がったりんごの形に生まれ変わったそれらは、素材の段階よりもはるかに鮮烈で美しいばかりの輝きを放っているのです。

20160324 4嗚呼、これにオイルを垂らしたら一体どれほど美しくなるのだろうか・・・硬質で滑らかなりのごを掌で転がせながら私の妄想は膨らむばかり。もともと個性軍団の集まりであるプレミアウッドですが、緋色やピンク、まっ黄色、漆黒、縞柄など綺羅星のごとき派手なスターたちが集いし箱は、童謡の世界の中に舞い込んだがごとく私を魅了します。自分の商品をそこまで恥ずかしくもなく褒めるものかと思われるでしょうが、褒めているのではない、惚れてしまっているのです・・・病気!




20160312 1しばらくの間欠品していてマニアの方々にご迷惑をお掛けしていた『リグナムバイタのりんご』がようやく入荷致しました。硬質で重みのある世界の広葉樹を選んで加工している『森のりんご』ですが、その中でもっとも人気のあるのが「世界でいちばん重たい木・リグナムバイタ」です。チューリップウッドボコーテ、キングウッド、ゼブラウッドウェンジなどかなり個性的な木を選んで作っている『森のりんご』ですが、やはり特徴の際立つ木が惹かれるようでは人気は圧倒的。

 

在庫の様子を見ながら不定期で加工している『森のりんご』ですが、リグナムバイタに関しては完成した端から売れていく状況です。だったらいくらでも作ればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、材そのものが高価な上に希少で簡単には入手することが出来ず、作りたくても作れないという裏事情もありました。それがたまたま木材市場に出ていたリグナムバイタを少しだけまとめて仕入れることができましたので、今回2ダースぐらいのりんごを作ることが出来たのです。

 

世界で一番重たい木として知られるリグナムバイタですが、以前『今日のかけら』でご紹介したように特徴のよく似た近縁の3種の木を、商業流通上まとめて『リグナムバイタ』の総称で呼んでいます。なので、図鑑やネットで見るリグナムバイタとは若干色合いや雰囲気が違っているかもしれませんがご了承ください。18世紀に西インド諸島で発見されて、リグナムバイタという名前には「生命の木」の意味があり、ヨーロッパなどでは古くからその樹脂の薬効が知られていました。

 

日本には明治時代頃に『グアヤック』の名前で輸入されていましたが、『ユソウボク癒蒼木』の名前でも紹介されています。瘡は「きず、できもの、梅毒」のことで、昔は梅毒のことを「瘡っ気(カサッケ)」と言っていたらしく、この木から取れる「グアヤック脂」が梅毒の治療に使われていたことから、瘡(梅毒)を癒す木という意味で、中国でも『癒蒼木』の名がつけられていました。それが日本に伝わり、癒蒼木の音読み(ユソウボク)が和名となったと言われています。

 

また、癒蒼木の脂は万病に効くともされ大変重宝されたそうで、乱伐もされたようです。またこの木自体成長が遅いことから大きな材が得られにくいこともあり、流通量も圧倒的に少ないのです。まあ、材木屋が扱う木というよりは、数珠や仏壇などの工芸屋さんとかが扱われる木なので、そちらのルートで流通していると思われます。空気に触れると化学反応を起こして艶やかで深い緑に染まっていきます。世界で一番重たくて、生命の木の名を持つリグナムバイタのりんごいかがでしょうか?

※  リグナムバイタのりんご ¥5,000(税別)⇒ 申し込みはこちらから




オンラインショップ

Archive

Calendar

2017年6月
« 5月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
Scroll Up