森のかけら | 大五木材


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最近よくご来店いただく若いカップル。いずれ大好きな木工の世界で生きていきたいという事で、おふたりで仲良く楽しそうに端材を物色されます。少し硬めで色味の濃い材を探していたようで、それで何を作られるつもりなのかと訊ねたら、ナイフの柄にしたいとの事。それならばとお薦めしたのが、弊社の誇る強烈個性軍団サッチーネパープルハートレースウッド。こんなの見たことない~!と、期待通りの反応を示して喜んで買っていただきました。最近、こんな感じで新規の一般の木工愛好家の方のご来店が増えております。

それから数日して再びそのカップルがご来店。前回買った材でこんなのが出来ましたよと見せていただいたのがこちら。これだけだと刃がついていないので分かりにくいかもしれませんが、ボルトを外して刃を中に仕込みます。かっちょいい~!ナイフやら刃物に疎いので詳しい事は分からないのですが、シルヴェスター・スタローンが『ランボー』で使っていたようなサバイバルナイフであることは分かります。実際に握らせてもらいましたが、これなら私でも『怒りの脱出』が出来そう!いつもの銘木も、こうして見ると別物のように見えます。

日頃から『新しい森の出口を探す!』なんて大仰な事を言っているのですが、悠久の歴史の中で試行錯誤を繰り返し、それぞれの分野の中で最適材を見出してきた先人たちの「見落とし」なんて、なかなかあるものではありません。まったく新しい出口というよりは、小さな出口を少しだけ広げる(流通や価格等の問題であまり試されていなかった材を試すとか)ことに自分がいかに関われるかという事が現実的だと思います。ナイフだっていろいろな木で作られていて、こういう銘木ナイフだって存在していると思います。要はいかにそこに大五木材が関わっていけるか。

今後建築材料としての木材が飛躍的に伸びていくことは考えにくいし、もしそうなったとしてもそこは魑魅魍魎のレッドオーシャン。スーパーニッチの材木屋が進む道はそこではなく、小さな離れ小島のブルーオーシャン。小さいながらもキラリト個性が光る木のものづくり世界こそが、スーパーニッチの生きる道。人も踏み込まないような世界だからこそ、まだ見ぬ恐ろしい獣たちと戦うためにもこんな切れ味鋭いサバイバルナイフが必需品となるのです。スタローン、銘木ナイフでもう一回老骨に鞭打って戦場に赴いてもらえないかしら。

 




そこから、まだ持っていそう製材所や問屋さんに手当たり次第連絡したもののどこにも無い!そして遂に弊社の『ロシアンラーチのかけら』も底を尽き、それから今日まで長い期間にわたって再会することがなかったのです。そしたら数か月前のこと、金沢の㈱ムラモトの営業の水野斉から、もしかしたらあるかもとの連絡がありました。さすがは業界有数の変態さん、マニアックなネットワークをお持ちです。水野君のお陰で数年ぶりにロシアのカラマツと感動の再会を果たすこととなりました。いや、正確に言えば、「数年ぶりにロシアのカラマツの野縁と感動の再会をした」のです。

というのも、ロシアカラマツロスト期間中もロシアカラマツのフローリングやパネリングなどは通常通り入荷していました。それを見ながら、あと数センチ厚ければと臍を噛んだものです。それはともかくこうして再会できたのは水野君のお陰。持つべきは変態友!入手できたとはいえ、生材ですのでこれからじっくり乾燥させてから加工しますので、【森のかけら】にロシアンラーチが復活するのにはもう少し時間がかかります。しかしこれからは第二、第三のロシアンラーチが出てくるのは間違いない。そこで頼りになるのは水野君のような変態仲間。【森のかけら】の半分は、マニアックな材木仲間の思いやりで出来ています

カラマツという木そのものについて言うと、数年前に初めて愛媛にもカラマツが生えているのを知ったぐらいで自生していることを知ったぐらいで、愛媛においてはカラマツはほぼ認知されていない木でした。10数年前に木童さんと出会い、長野県産のカラマツに出会い、経年変化で飴色に変化していく姿に魅了されました。それから5,6年ぐらいしてからフリーリングやパネリングとしてロシア産のカラマツを知ることになります。調べてみると、北洋材の基地と呼ばれた富山県では、昭和和30年に初めて北洋材を輸入されたようです。もっとも早くロシア材(当時はソ連)を輸入したのは静岡県の清水港

最初の富山の入荷量は約4千m3。その後、富山新港が新たに整備されたことなどから、ロシア材の輸入量は大幅に増加して、昭和48年には180万m3を越えるほどになったようです。なので東日本においては昔から馴染みがあった樹種だと思いますが、運賃の問題もあって、瀬戸内海が橋で繋がるまでは四国にはほとんど入って来ませんでした。初めてカラマツを見た時は、節の大きさこそ小さいモノの、どんだけ節のある木やねん!って印象でした。それはお客さんも同様で、カラマツを認知してもらうまでに随分時間がかかりました。今でも初めてカラマツを使っていただいた現場の事は経緯も含めてよく覚えています。

何はともあれ、しばらくの間「欠品」していたロシアンラーチのかけらが補充された事はありがたい。ときどき、【森のかけら】をコンプリートしたいという猛者が現れるのですが、そのたびに「申し訳ないのですが、ロシアンラーチだけは入荷見込みが無くて・・・」とお断りを入れるのが辛かったのですが、ようやくそれからも解放されます。世界の240種はこれで、供給不安のある木はあと数本になりました。いずれそんな木たちにも、「あなたが失った木はこれではないですか?」なんて樹神(水野君?)が湖から現れるのではないかと妄想の日々。

 




先日、神戸の娘のところに行った際、道路の混んでいない早朝に出発したこともあり、早々に予定よりもかなり早めに到着して用事も早々に終了。用事が済めば家内は娘と神戸市内にショッピングに出かけるので、私には自由時間が与えられることになり、京セラドームで開催される阪神VSヤクルトの開幕カードの第三戦に行けるチャンスが突如巡ってきたのです4月16日に松山の坊ちゃん球場で開催される阪神VSヤクルト戦(残念ながら今年は1試合のみ)のチケットは当然抑えているものの、まさか京セラの開幕カードに行けるとは思ってもいなかったので、これはまさに僥倖!

浪速のなぐり王子』こと橘明夫君(橘商店)たち大阪の材木屋の虎党が開催している、開幕カードを京セラで応援する会に毎年声をかけてもらっているものの、その時期に泊りがけで大阪に行く都合がつかずいつも断念していました。今年も羨ましく参加状況を眺めていたのですが、まさかの「神戸に日帰りで行かねばならない状況」が発生。ただし、既にそちらの方は既に定員となっていたので、個別にチケットを手配。今時なんで、ドタキャンした人がネットでチケットの売り買いをしているので、1人席ならどうにでなるのがありがたいところ。運よく前列の内野席を確保!

これはもう、最近心を入れ替えて倉庫の掃除をまめにするようにしているので、かけらの神のお導きに違いない!いや、これこそ長女からの少し早めの誕生日プレゼント!そう言い聞かせて、早朝より車を走らせてきたのです。家内と長女と一緒に神戸市内で昼食を済ませた後、私は独り電車で京セラドームへ移動。大阪に来た際にはその独特の球場の屋根を横目に見ていましたが、入城するのは初めて。地方から野球観戦に来る者にとっては、4時間かけて大阪まで来てからの試合中止はかなりのショックですから雨でも試合が流れないドーム球場は本当にありがたい。

今年は西ガルシアなど協力投手陣の補強に成功したものの、相変わらず糸井福留頼りの打線が心配ですが、勝ち負けだけにこだわらず1年間ゲームを楽しみ、仕事をする張り合いにしたいと思っています。野球界でもいろいろと移籍がありましたが、身近な木材業界内でも違う会社に移った人、退職された方、新しく仕事を初めた人、違い職種に畑替えした人などさまざま。それはうつものことながら、今年は長女の就職の事もあって、「新しい舞台に立つ」人の事が特に気になります。どんな場所にもよき友、よき理解者は現れる。人生到るところに青山あり

 




奇跡の星の植物園』の企画展示の案内板にも「徳川家斉は妾16人、子どもが53人もいて道楽を尽くしたといわれ。側近に政治を任せて趣味の世界に生きた道楽将軍として知られ」と、さんざんな書かれようで笑ってしまいましたが、続きに「しかし園芸的にこのひとの存在は重要です。(中略)フウランを富貴蘭と名付けたのも家斉。」と、あるように蘭が家斉によって厚く庇護されたことが記されています。よく銘木の事を金持ちの贅沢なんて言う人もいますが、趣味嗜好として本物を愛でる層が存在しなければ成立しないモノは世の中に沢山あって、それが贅沢か道楽なのかはそのひとの価値観

自分で稼いだ金で自分が好きなモノに金を費やすことに何の問題もありません。本物(無垢)を愛でるひとたちがいてくれてこそ成立するのが木の世界。ただし、高いモノが必ずしも良いものというわけではなくて、安いものの中にも味わいやら風情という趣を楽しめるのが「銘木」の世界だと私は考えています。そのためにもいろいろな木を知ってもらう事が大切で、その中で自分の趣味嗜好に合ったものを探してもらえばいいと思っています。そういう意味で現代にも家斉みたいなパトロンが居てくれたら嬉しいのですが、今は妬み嫉みですぐに足を引っ張る輩ばかり・・・。

現代の家斉を探すよりも、将来の家斉を育てる事の方が大切だと感じています。そういう意味での種蒔きの重要性は強く感じていて、昔ならどこの木材の展示会に行っても、木に対して一家言ある常連のお爺さんとかがいて、木に詳しくない若手の営業マンだと、それは違う、そんな事も知らんのかと叱責され、逆に解説してもらうなんて光景も珍しくありませんでした。私も若い頃はそんな人の姿を見たら怒られるのが嫌でそっと物陰に隠れたりしたものですが、結局見つかって毎年同じ自慢話や木の話を聞かされたのも懐かしい思い出です。

いまにして思えば、そうして実戦で鍛えられ、趣味嗜好の道楽だからこそ真剣にならねばならないという感覚を養わせてくれたと感謝しています。最近はそんなプチ家斉のような人を見かけなくなりました。木の情報が素早く正確にSNSで手に入るという事も影響していると思っています。昔は口伝の世界なんで、経験のあるベテラン、年寄りのいう事が正しい、そこにしか情報源が無いという世界だったので、話はかなり盛られていたとしても傾聴に値するものであったし、その言葉に重みも深みもありました。またそうやってその人のキャラクターも作り上げられていたと思います。

銘木の世界って、そんなひと癖もふた癖もあるような偏屈爺たちが、ああでもないこうでもないと木をひねくり回し、上下斜めいろいろなところから観て講釈をつけて価値を創り上げてきた世界です。当時はそれが、いつまでも堂々巡りで結論の出ない辛気臭い世界だと感じたこともありました。今、業界の若い人にとっては私がそんな話がやたら長くて面倒くさい偏屈爺なのかもしれません。しかし自分の代ですべて終わっていいのであれば構わないが、そうでなければ誰かが将来の家斉を育てなければ銘木の世界に明日は無い!材木人よ、現代の家斉を育てよう

 




果たしてビーバーと造園屋さんはいかにして巡りあえばいいのか?当時は私もまだ完全にビーバーにはなり切れていなかった(子ビーバー)ので、正直覚悟もありませんでした。覚悟というのは、「それが欲しい」と言って話がまとまってしまった場合に、集まった材をどうするのか?こちらの思惑以上にあれもこれも全部持って行って、と言われてしまったら、こちらから言い出しておきながらそんなに都合よく断れるのか?持って帰ったとして【森のかけら】以外にどう活用するのか?どこに保管するのか?社員はそれを見てどう思うのか?理解を得られるのだろうか?

いろいろ考えていたら、やっぱり止めとこうとなってなかなか手を出せない世界だったのですが、思いがけない形である日突然その垣根は取り外されることになります。造園屋さんの方から声が掛かってきたのです。「〇〇で結構大きめの木を伐るんですが、大五木材さんではこういう木は必要ないですか?」これを僥倖と言わずになんと言おう!その時はすぐに【森のかけら】で必要な木では無かったもののこのご縁を活かさねばと二つ返事で答えて現場に駆けつけました。大きさこそまあまあだったものの量が少なかったのでスムーズに搬出完了。

それで、その時今後もこれこれこれぐらい種類のこういうサイズであればいただきたいとにこちらの要望も伝えると、先方もそれはありがたいという事で簡単に話がまとまりました。更に、それなら同業者にも声をかけてくれると、思わぬ形で造園業界に波及。ただし気をつけないと、必要も無い木の処分場になってしまうので、こちらが求めている樹種やサイズはしっかりとお伝えしました。基本は広葉樹で、変わった木!こういう交渉の際には【森のかけら】という実例が非常に有効です。ああ、こういうモノを作りたいのね、と。

職種は違えど同じ木を扱っている人間同士、話してみればその人も珍しい木を伐ったりすると、このまま捨ててしまうのはモッタイナイと感じていたそうで、使ってやれるのなら木も喜ぶだろうと共感してもらいました。だったらこれぐらいのサイズでこういう風に伐っておくと、話がトントン拍子に進んで、それからは近隣で伐採された『町の木』が急速に集まるようになりました。町の木の神様が導いてくれたとしか思えません。そうして私はすっかり『町のビーバー』と化していったのです。という事で話は地元の神社の木の救出に戻ります。

 




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