森のかけら | 大五木材


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ご来店されたお客さんに木材を明るいところで見ていただくため、倉庫の奥からあれもこれもと材を引っ張り出すのですが、出す時は「これを売るぞ~!」と気持ちも高ぶっていて、少々重いものでも平気なのですが、喉もかれよと懸命な営業トークを繰り広げた後は電池切れ。気にならなかった材の重さも肩に食い込みます。それでついついそのままにして、また次の板がその上に重なる続けること数年・・・

なんて事もあったりして、倉庫の入り口付近に材が重なってしまっていたので本日はその辺りを重点的に片づけ。するとその思いに「かけらの神様」がほだされたのか、板の裏側に積み重なっていた諸々の端材の下から思いがけない木が現れたのです!確かその昔に倉庫のどこかで見たはずだった『屋久桧』の端材です。文字通り、鹿児島は屋久島の生育するヒノキです。九州の材木屋からたまたま仕入れたモノの名残ですが、最後にその姿を見たのは確か3年ぐらい前の事。

現在屋久島にどれぐらい分布していた、そのうちどれぐらいが流通しているのか分かりませんが、少なくとも弊社にルートでは今のところ新たな仕入れは望めません。その存在そのものすらほとんど知られていませんので、『屋久桧』をご指名してくるお客さんもいらっしゃいませんが、【森のかけら】のそれを加えた身としては今後の『ヤクヒノキのかけら』の供給に一抹の不安も抱いております。確かいつかどこかでかけらに使えるサイズのヤクヒノキの端材を見たはずなのだが・・・

まるで幻となった二ホンカワウソを探すかのごとく目を皿のようにして探していた相手が思いがけないところから現れたのです!そうこれこそ、昔見たヤクヒノキの端材です。しかし嬉しかった半面、本当にこれが最後の端材なので、数年先を見越したかけら用の端材を仕入れる準備をしておかねばなりません。まあしかしこれで、【森のかけら】としては数年は大丈夫。ついでに『ラオス桧』まで出てきたのは僥倖。気を付けていないと、ダイヤモンドも塵の中に埋もれてしまう・・・。




森のかけら】は、樹種名および産地を明記したシールを貼りつけていますが、それについては賛否両論あります。そもそも地域によって呼び名が異なったり、別の木を指し示すこともある商業名ではなく学名をつけてほしいという要望もありますが、材木屋としての立ち位置からすればやはり日頃から使い親しんでいる商業名で通したいし、学名を限定できるほど出自が明快ではないという事情もあります。私にてとっては学問として木を扱っているわけではなく、生きる糧としての木材であります。

その中で自分なりに木の見識を深めていきたいという気持ちはあるものの、それは学術的な分野というよりも民間伝承や逸話といった、いわゆる『民俗学的な木材』という分野。ひとが暮らしの中でどういう形で木と付き合ってきたかとか、どういうモノに加工されて利用されてきたか、その地域ではどういう名前で呼ばれてきたかといった事の方がとっても気になるのです。なのであえて商業名で通していますし、それを貫くことが自分の立ち位置を明確にすることだとも考えています

ただ今後は外国の方や教育関係者の方向けに、出来る範囲で情報として分かりうる学名なども付記していきたいと考えているところです。以前の紙媒体であれば、過去のものについて修正が出来なかったのですが、そこが上書きの出来るネットの利点。過去に遡りながら『今日のかけら』の中で情報を追加していきたいと思っています。さて、シールの事に話を戻しますと、シールではなくレーザーで名前を彫ってほしいとか、通し番号にしてほしい、無塗装にしてほしい等の要望も沢山いただいております。

木の標本として、室内のインテリアとして、あるいはプレゼントや高級な知育玩具として、【森のかけら】を購入してくださる方の目的はさまざまで、それに合わせてこうあればいいという要望もあるのは理解できますし、ありがたい事だと感謝しています。ただし【森のかけら】の最大のファンである私にとっては今の形がベストだと思っていますので、今のところはこの仕様でお付き合いいただくしかございません。オリジナルで作っていただいたこのフォントも大好きで、眺めているだけでワクワクするのです。

そんな名前シールも数樹種が欠品してしまし、先日頼んでおいたシールがようやく手元に届きました。人気のある樹種はもう何度も何度もネームシールが増刷されていますが、マニアックな樹種についてはなかなか数が減りません。圧倒的に日本の木の方が売れるので、日本の木のネームシールの方が無くなりやすいのですが、今回は外国のマニアックな木もそこそこ減っていたようで、「おお~、お前もようやく増刷してもらったか」とシールを見ながらひとり感慨に浸っているのです。




アマゾンの話つながりなんですが、【森のかけら】の中から特定のテーマに準じて5種類の木を集めてパックにした『森の5かけら』の中にあるのが『ブラジルの5かけら』。その5種類というのが、ブラジル産の『マニルカラ』(アカテツ科)、『イぺ』(ノウゼンカヅラ科)、『サッチーネ』(クワ科)、『イタウバ』(クスノキ科)、『セドロ』(センダン科)。確か2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックにちなんで作ったものだったはず。早いものであれからもう2年、次は『東京五輪のかけら』?!

さて、その中の1つ『セドロ』についてですが、別名『シガーボックスシーダー』とも呼ばれるこの木は、文字通りシガーボックスに使われる材としては最高級だとされています。私自身もそういう風に紹介してきましたが、実物を見たことがありませんでした。それがたまたま実物を見る機会がありました。松山市内に飲みに行った時、初めて入った店のカウンターに鎮座ましましていたのがこちらのシガーボックスです。セドロは、調湿効果に優れ香りづけの効果もあることからキューバ葉巻を収納する箱に最適とされています

私自身は葉巻はおろかタバコも吸わないのでよく分からないのですが、葉巻にこだわる愛煙家には羨望のモノのようです。まあ、あくまでも中身の葉巻そのものが大切なのですが、葉巻も高級なものになると1本¥1000を越えるものもあるようで、やはりそれを保管する箱は重要になります。『シーダー』という名前が付いていますが、センダン科の広葉樹でシーダー(スギ)の仲間ではありません。それが削るとスギのような匂いがすることからシーダーの名前が付けられたそうですが私は匂いよりも削り屑にスギっぽさを感じます。

材が軽いこともあってフワフワした羽毛のような質感で、匂いだけでなくそういう見た目からもスギをイメージさせたのかもしれません。もっとも外国で付けられた別名なので、日本のスギではなく米杉(ウエスタン・レッドシーダー)をイメージしているのだと思います。さてそのセドロですが、シガーボックス以外にもギターのネックなどにも使われるなど珍重されるものの、輸入量は決して多くはありません。弊社にも薄い板があって全国の葉巻愛好者が沢山買い求めていただきましたが、その板も完売。

残っているのは長さ3m前後、幅500~600㎜、厚み60~75㎜程度のカウンターサイズの大物ばかり。今後も新しい入荷は見込めそうにないので、残っている材を大切に売っていこうと思っています。『赤欅』なんて呼ばれることもあるぐらい木目に和風の趣きもある木です。このセドロに限らず、手持ちの材が無くなってしまうと今後入荷が未定という木が増えてきて心配は尽きません。それぞれ【森のかけら】用に少しずつストックしていますが、この1年でも「次の入荷が難しい木」が増えてきそうで悩みのタネは尽きません。




先日、塗装後乾燥中のズラリと並んだ【森のかけら】の姿をお見せしましたが、その中でも異彩を放つのがカキスモモの並びではないでしょうか。私の大のお気に入りでもあります。向かって左の、白いかけらに墨汁が飛び散ったように見えるのがカキ。左側の赤白の年輪がハッキリしているのがスモモ。いわゆる『フルーツウッド』ですが、いずれもこの近くの山から産されたもの。カキは、黒い染みが見えるものの、銘木の誉れ高い『クロガキ』というわけではありません。大小の黒染みはよくあります。

これが全身に現れると、別名『墨流し』とも呼ばれる高級銘木となるわけです。実はそのメカニズムは完全に解読されているわけではないものの、およそ以下のようなもの。鉄分を多く含んだ土地に生育するカキは、成長とともに導管に鉄分が溜まり、それがカキ内部のタンニンという成分と反応して黒い模様となる。そういう状態になったものの中でもとりわけ模様の美しいものをクロガキと呼んで珍重するわけで、カキと別の種類があるというわけではないのです。あくまでもカキの極上ものの意。

弊社ではそんな高級銘木とは縁遠いのですが、手持ちの中ではもっともクロが出たのがこちら。ただし虫穴も多く、かなり喰われてしまっているものの、それを差し引いても水墨画のような美しさは惚れ惚れします。そもそもカキやスモモ、ナシなど甘い果実がなる木は材の食害も半端ではなく、大抵どこかは喰われているもの。そんな食害を潜り抜けたごく一部が高級銘木として取引されるのでしょうが、私自身はそれほど高級銘木に対して愛着はありません。これら脛に傷のあるような木に惹かれます。

一方のスモモは、近所の柑橘生産農家の方から分けていただいたものです。かなりの量をいただいたので、【森のかけら】で当面はスモモで困ることはありません。ただしスモモ低木でねじれたり枝が多いので、丸太の量から想定するほど良質の材は多くは得られません。かけらサイズ以外のモノの出口も試案中です。何か作ろうにもまずは素材ですが、フルーツウッドの素材もほぼ乾燥が出来たので、今年こそは「フルーツウッド版森のりんご、森のこだま」に着手します。遂に禁断のリンゴのりんご!




森のかけら】は精度を安定させるため外部で加工してもらっています。弊社で40~45㎜程度の角材にして、いくらかの樹種をまとめて加工に出します。それで加工出来たものがこちらで、弊社で樹種を選別します。この時に樹種が分からなくならないように、似たような材質の木は同時期には加工しないように注意せねばなりません。例えば、エゾマツトドマツアカエゾマツモミなぞは決して混ぜてはいけません。エゾマツとトドマツぐらい見分けられるわ、という方は35㎜の世界をなめていらっしゃる。

通常材木屋が木を選別するのは、一枚板なら一枚板、1本の角材なら角材の全体の印象、雰囲気、形状、木目、木味、質感、重さ、匂い、節の状態などで、そこに自分の経験値を掛け合わせながら判断していくものです。基本的に板や角に製材されているので、葉っぱや樹皮はありませんので、それらを判断基準にすることは出来ませんし、導管を見るためのルーペを持ち歩いているわけでもありません。また小口も綺麗にスライスされているわけではないので、ルーペも万能というわけでもないのです。

瞬時に何の木なのかを判断しなけらばならないという時にもっとも頼りになるのは己自身の経験則。しかしこれがなかなか通用しないのが、縦・横・高さ35㎜の【森のかけら】の世界!上述したように己の経験則を生かすためには多くのデータが欠かせないのですが、35㎜の世界では年輪わずかに1,2本、赤身なし(あるいは白太なし)、見た目ほぼ同じ、樹種によっては重さもほぼ同じ、というような特殊な状況なのです。なので最初っから特徴の似た木は別にしておくということが肝心なのです。

とはいえ240種類もあれば多少は混ざってしまうもので、そうなったらルーペの登場となります。しかし木にも個体差というものが結構ありまして、30~40年の若木と100年を超える高齢木では、35㎜にしてもその差は歴然。まあ、木との出会いも一期一会と思っていただくしかありません。選別が終わると次は塗装に移ります。樹種ごとにズラリと並べて乾かしていくのですが、私この光景が大好きなのです!同じ形のモノが色違いに沢山並んでいるという構図にただただ無性に惹かれるのです!




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