森のかけら | 大五木材

このブログを書き始めて9年目になりますが、つい錯覚して一度取り上げると、もうそれでみんな分かってもらっているなんて気になってしまう事があり、「OOの商品はどうなっているのですか?」「ブログでの説明とかしないんですか?」などとご指摘を受けて慌てて取り上げる事が多いのですが。それも喉元過ぎればすぐに熱さを忘れてしまう駄目な性格・・・。ということで、このところオンラインショッピングでもご注文の多い【森のかけら36】について改めて紹介させていただきます。

【森のかけら】は、日本の木120種と世界の木120種の合計240種の中から、好きな組み合わせで100種選べる『森のかけら100』と、36種選べる『森のかけら36』の2タイプがあります。全部で240種あるのに、100+100+36=236しかないとコンプリート出来ないじゃないかと思われるかもしれませんが、これは【森のかけら】の出自に関わっています。そもそも『端材を捨てるのがモッタイナイ』というケチ根性と『世界中の木を見てみたい』という好奇心の両親の間に生まれたのが【森のかけら】なのです。

端材がベースという事もあって、常に240種が1つも欠けることなく常時揃っているというわけではないのです。なので日本、世界それぞれ120種に対して20種ぐらいのゆとりを設定して100種選べるようにしました。また当初は全種を揃えるというようなコンプリーターが続々と出てくるなどとは想像もしていませんでした・・・。また、240種もあると選ぶのも大変という人向けにこちらでセレクトした企画商品も作りました。それがこちらの『設計士なら知っておきたいに日本の木36世界の木36』。オンラインショップでは16,000円(税抜)で発売中。

個人的には、240種の中から36種、100種を選ぶ工程そのものが楽しいはずと考えていたのですが、さすがに購入される方すべてがマニアというわけでもないので、ある程度指針になるものがあった方がいいという事でこういう企画商品を作らせていただきました。そういった企画商品の中で今までもっとも売れたのが、こちらの『今だからこそこどもに伝えたい日本の木36』。第4回キッズデザイン賞を受賞した際に記念セレクションとして作らせていただいたもの。オンラインショップでは16,000円(税抜)で発売中。

これらすべての商品には、240種の木の簡単な説明が書かれたールカラーの解説書が付きます。これだけ単独で購入したいという声も聞くのですが、これはあくまでも【森のかけら】本体の付属品という事ですので、解説書単体での販売をしておりません。解説はすべて私が書きましたが、かなりの時間とそれなりのコストを費やしています。【森のかけら】をご購入された方への手引きのひとつになればと考えています。さあ、ご興味の沸いた方はオンラインショッピングへGO~!




昨日ご紹介したカフェ、凸凹舎さんの入っているのは フレッシュリーブスという6階建てのビルで、かつては弊社の商品等のデザインを手掛けてもらっているパルスデザインさんや、お弁当作家にして大五木材の社外ショールームとしても活躍していただいている尾原聖名(ミナ)さんなども入居されていました。立ち代わり入れ替わり友人・知人が入居されるなど、ご縁深いビルなのですが、そのビルのオーナーである青葉土地コーポレーション田中啓文社長は、愛媛のものづくりに対しても非常に理解が深いお方。

かなり早い時期に【森のかけら】もご購入いただいておりましたが、何と『森のかけらフレーム289』まだご購入いただいているのです。先日、凸凹舎さんの秋田杉のテーブルのメンテナンスに行った際に、隣にある田中社長のオフィスにもご挨拶に伺いました。するとオフィスのベストポジションに『かけらフレーム』がドーンと鎮座ましましておりまして、しかも289あるマスの中央部分36個のみを使って、『プレミアのかけら』だけを展示するというなんとも贅沢でお洒落な使い方をしていただいておりました~!

こういう展示スタイルは初めて拝見しました。田中社長も「こういう使い方もいいでしょう」と悦に入っておられましたが、私の中にはこういう発想はなかったので軽い衝撃でした。かけら屋の本能というか、マスが空いているとそこを埋めたくなってしまうのですが、あえてそこを空けておくというのも面白い使い方です。貧乏性の材木屋からは出てこない発想で勉強になります。この『かけらフレーム289』は、弊社のオンラインショップでも販売しています。289個の詰まったフルセットで¥210,000(税別)です。

フレーム単体(中身のかけらは含まれません)でも¥55,000(税別)します。素材はブラック・ウォールナットのオイル塗装。そんなマニアックな高額商品がネットで売れるの?と思われるかもしれませんが、少し前に売り切れてしばらく欠品していました。世の中には奇特なもの好きな方が沢山いらっしゃる!それでしばらく欠品状態が続いていましたが、先日発注していた分が入荷しましてようやく欠品解消。今回は通常の289マスの他に100マスなどのミニ版もあります。田中社長のような斬新な使い方の報告もお待ちしてます。




弊社もそうなのですが、今月が決算月という会社は多く、年度末ということもあって何かと慌ただしい3月ですが、それに伴って【森のかけら】への注文も増加しています。オンラインショップをリニューアルしたことで、そちらからの注文も順調に増えていますが、直接弊社に問い合わせ電話(またはメール)もそれに比例して増えてありがたい限りです。しかし油断していると、『かけら』の補充がおろそかになってしまい、いざ出荷しようとした時にそれに気づいて大慌てすることもしばしば、毎度毎度の繰り返し。

何度も何度もそんなタイトロープ(綱渡り)を経験してきたので、普段からきちんと整理しておけばいいだけの事なのですが、喉元過ぎれば熱さ忘れるという能天気な性格なもので、我ながら反省がない・・・。ちなみに【森のかけら】はどういう状況で保管しているかというと、240種+プレミア36+αの約280種ほどの樹種がそれぞれ10個ずつ収納できる専用の棚を作っていて、とりあえず急ぎの分はすぐに取り出せるようにしています。そこに収まらないものは樹種ごとに分けて別のところに保管しています。

なにしろ種類が多いので、1樹種100個の在庫(それだけで考えるとちょっとなんですが)で全種あるとすると単純計算でも3万個近いになります。実際には、品薄でわずか数個しかないものもあれば、数百個あるものもあって3万どころではないのですが・・・。もっと均等になるように在庫すればいいじゃないかと思われるでしょうが、基本的に『端材ベース』の商品なので、端材が発生した時にここぞとばかり作ってしまったり、原料の端材に節が多そうだから、多めに作っておこうかという老婆心が過剰に作用。

不足気味な樹種はその都度追加加工しているのですが、その整理がなかなか追いつかず。今日は久しぶりに自ら収納棚に「かけら」を詰めました。そうして時々はどれが多いか少ないかを目と体(触る)で体感しておかないと、倉庫を整理した時にたまたま出会った不足気味の『かけらの素材』とニアミスしてしまうことがあるのです。それぐらい覚えておけよと思うのですが、年々記憶があやふやになりつつあって、同じ木ばかり加工してしまうことがあって、網膜と脳髄にしっかり刻み込むためのトレーニングでもあります。




六甲山のアセビからは『森の毒りんご』が生み出されましたが、黒田慶子先生は神戸大学の構内で伐採された『エノキ(榎』を自分たちで乾燥させて、オーダーキッチンの突板にされました。その経緯については黒田先生のブログに詳しいのですが、樹木が材木になるまでの過程でかなりのご苦労がおありになったようです。木材の場合、伐採、製材、運搬、保管、加工などその工程において様々な専門業者が関わらねばなりませんが、それがうまく繋がっていないと信じられないくらい流れが停滞して物事が進んでいきません

我々業界ではその流れが仕組みとして確立されているので、SNSなどでアップされた丸太(ビフォー)と板(アフター)が並んでアップされたりすると、丸太がいとも簡単に板材になるかのように思い込まれるかもしれません。昔は製材所や材木屋だけでなく木材産業に携わる会社も人も多くいたので、一般の方が所有する山の木を伐って家を建てようと思っても、その流れに乗ることも難しくはありませんでしたが、ひとたびその流れが断ち切れてしまうと、丸太を板にすることがとんでもなく難しいことになります。

ここで言う板は、ただ丸太を挽いたという意味ではなく、乾燥などの工程を経て「住宅や家具などに使えるような資材としての板」の意味です。そういう現実を嘆いたり、新しいシステムの構築を叫ばれる人は沢山いますが、実際に経験してみなければ本当の問題は見えてこないと思います。黒田先生のえらいところは、それを実際に実践されているところ。そして幾多の葛藤がありながらも、もともと癖が強いエノキを突板にしてオーダーキッチンにまで仕上げられて結果を出されたとろこ、素晴らしいです。

そういう経験をされたからこそ、各地で整備の進まない里山実情が本当に歯がゆく思われていることとお察しします。植林や伐採、加工、商品化などという各工程がぶつ切りでの里山整備ではなく、それがひとつの流れになれば、利用価値が無いと思われている里山の木の利用も進んでいくのではないかとの思いで、黒田先生と考え出したのが、『黒田慶子教授監修・日本の里山の木36(仮称)』です!森のかけら240種の中から、代表的な里山の木を36選んでいただき、里山の整備などに関する先生の手引書をセットにした新シリーズ

私にとって【森のかけら】は、端材から生まれた『出口』の1つですが、買っていただく方にとっては森や木の事を知るための『入口』だと考えています。同様に『里山の36』も、里山の事を考える『入口』や、里山整備に関われる方にとっての道しるべ(里山の多様性や材としての利用まで含めた)の1つになればと考えています。そんな話があまりに盛り上がりすぎて、帰りの電車の時間がギリギリになるほどでした。早速樹種の選定をしていただいていますが、新しい『かけら』の仲間が登場することになるかも?!これにて神戸大学かけら探検隊の話終了~、皆さんありがとうございました!




本日も黒田かけら探検隊御一行のお話し。後になると必ず忘れてしまうので、今回も早々にサインの儀式。『霧島栂』にお名前いただきました。先日少しだけ触れましたが、黒田先生は樹木組織の専門家ですが、同時に里山の管理や保全に関するスペシャリストでもありますが、地元神戸を代表する名山・六甲山の森林資源についても研究されていていらっしゃいます。その中で問題になったのが、『アセビ(馬酔木)』という木の存在。その名前からも分かる通り毒性を持つこの木が厄介者扱いされていました。

六甲山というと、阪神ファンの私としては阪神タイガースの応援歌『六甲おろし』しか思い浮かびませんが、神戸の人にとっては暮らしにも密接した自然のランドマークであり、市民の誇りでもあるとか。山に対する畏怖や畏敬の念tごいうと、正直なところ昔はあまり意識したこともなく、あって当たり前という空気のような存在でしたが、近年幾度となく登山するようになった霊峰・石鎚山に行くと、こんな私でも何か敬虔な気持ちになって、万物の気配に敏感になります。山岳信仰にはまる気持ち分からないでもないです。

六甲山はそういう類の山なのかどうかは分かりませんが、植林された山とはいえ100年もすれば立派な森が生まれていて独自の生態系が形作られているのだと思います。そういう中にあっても、毒性があって用材としての利用が未確立の木は手に余る存在で、伐採も進まず六甲山整備のための障害ともなりつつあったようです。山なんて自然なんだからそのまま放置しておけばよいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、一度人の手が入った山はその後も人が責任を持って整備していかねばなりません

自然なんだから放っておくといずれ山は荒廃していきます。自然という言葉からアマゾンのようなジャングルと混同してしまいがちですが、そこは大きく異なるところ。勝手に適性の木が育って豊かな森を作ると思ったら大間違いなのです。黒田先生はそういう観点から六甲山の森林整備も考えられて、今はまだ利用価値のほとんど見出されていない(利用価値が無いのではなく)アセビにも何かの『出口』を与えられないかと案じられています。私もいまだ『森の毒りんご』しか思い浮かんでなくて歯がゆいところ。まだまだ続く・・・




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