森のかけら | 大五木材


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今年の春先に岐阜の市場で『ウダイカンバ』の耳突板を少しだけ購入。何に使うというアテがあったわけではないのですが、その名前で買いました。カバについて【森のかけら】では、『シラカバ』と『カバ』の2種類があります。同じカバノキ科の『ミズメザクラ』の項で少し触れましたが、カバってちょっとややこしい木です。そもそもカバというのはカバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹の総称で、単にカバという木はなくて、本来はOO カバという風に細かく分けられています。例えばシラカバとかマカバとかウダイカバ、ダケカンバといった具合。

北半球の温帯から亜熱帯にかけて約40種があり、日本国内にはそのうち10数種類が分布しているとされていますが、【森のかけら】では、それらを『シラカバ』と『カバ』の2種類だけに区別しています。ここでもっときちんと分類すれば、一気に【森のかけら】の種類も増えるのですが、なんでそんなザックリした『カバ』なんてくくりにしてわざわざ出口を狭くしているのかと思われるかもしれませんが、そもそも建築業界ではカバに限らず、木に関してそれほど細かな分類を求めていないのです。なので川上側も原木レベルでわざわざ細かく分類して出材しません

カバ科の木については、ザックリと『カバ』として扱われてきました。これはあくまで私の経験ですが、少なくとも愛媛ではそういういう状況で、周囲がそうだったのでそういうものなんだろうと思いこんでいました。たまに久万の山に行くと木工作家さんが、これは『マカバ』だとか『オノオレカンバ』だとかいってカバの木を細かく分類して使い分けられていました。その時はまだ【森のかけら】も作っていませんでしたし、通常の仕事でそういった分類は求められていなかったので、特別にそのことについて深く興味が湧くようなことはありませんでした。

建築で使うような大きさのカバの原木にそれぞれ個別の名前が付けられていたのを初めて見たのは、北海道に行った時です。原木市場にズラリと並んだ丸太にはそれぞれきちんと『苗字と名前』の木札が貼り付けられていました。それが私にはちょっとした衝撃で、今にして思えばそうやって知らず知らずのうちに『多樹種異常溺愛症候群』に発症してしまっていたのかもしれません。もし【森のかけら】を作るのが後2,3年遅れていたら『カバ』はもっと種類が増えていたかもしれません。カバの木の話、明日に続きます・・・

 




チャンチン』については不意にそこにあったので、つい立ち寄った感覚で実例等まだ不十分ですので、その材質等についてはいずれまた改めて書かせていただきます。とりあえずLOST店内の蔦屋書店へ。先月、家内が広島に行った時にここへ来たのですが、面白かったと聞いていたのでいずれ広島に来る機会でもあれば自分の眼でも観てみたいと思っていましたが、最近そう思っているとそれ関係の仕事が舞い込んで来たり、それ関係の人と出会ったり、そこに行く機会が巡ってきたりと、「引き寄せの法則」を実感しています。

家内が以前に来た時に驚愕してインスタグラムにアップしていたのがこの巨大本棚。天井まで連なる壁面がまるまる本棚になっています。もうこういうのを見ると、自分がいかに貧乏性&心配性なのかを思い知らされます。上の方の本を取るための専用の巨大な梯子はあるそうなのですが、そうそう出るものではないだろうから、いざ注文があって取ってみたら、埃まみれになってはいまいか?室内と言えども長期間陳列していてら結構日焼けしたりするのではなかろうか?大きな地震でも来たら下にいる人にとって本が凶器となってはしまわないか?そんな事ばかり考えてしまいます。恐らくそういう問題に対する対策は講じられているんでしょうが、凄いのは凄いのですが、上部の掃除どうやってするのかそれが気になって気になって・・・。最近こういう感じの『見せる本屋、図書館』多いようです。

それともうひとつ気になるのは、これだけ巨大な本棚の材料をもしも自分が受注したら何の材を提案できるかという事。色は後から着色するとしてとりあえあず無視するとして、ベニヤなど一切使わずすべて無垢という設定で考えてみます。本の出し入れが頻繁な下段は、ある程度摩耗にも強い木にしたい。節があると本が引っ掛かるので、基本無節とします。するとハードメープルブラック・チェリーあたりがお薦めですが、これだけ巨大になると総重量でもかなりなことになると思われるので、あまり重たい木は難しいかも。となると、ホワイトセラヤあたりか・・・。

いやそもそも物語を紡ぐ本屋なのだから、機能性よりも物語優先でいったほうがいいのかも。となると、やはりBOOKの語源とも言われるビーチ(ブナ)しかないのかも。太古の昔、木材質が精緻なビーチの棒や小片などに文字を書いていたのですが、後にビーチの薄い板を重ねて使うようになり、それがBOOKになったという事。しかし重たいビーチでこれだけの量をまかなうと思うと、入口から内部に運び込むだけでも相当大変。うちの3トン車だと何十往復しないといけないんだろう。う~ん、だったらやっぱりビーチは止めて他の木に・・・捕らぬ狸の皮算用。

 




先日、木材を納品させていただいた現場の敷地の中にオリーブの木が植えてありました。最近、庭にオリーブを植栽される人も多くて、珍しくもないのですが、木材を納品するのにそのオリーブの枝をよけないと入れないので、何度か枝をよけているうちにあることを思いまだしました。今年のはじめに近くの畑に植えてあった結構大きめのオリーブの木を伐採したのですが、そういえばあれからもう半年以上が経過したけど、乾燥どれぐらい進んだかしら?小さく割って参切りしていたのでたぶんもう十分に乾燥している頃では。

この数年で造園屋さんや学校、神社などから、伐採した木をいただく機会が急増していて、まず市場では流通しないであろう珍しいような樹種が手に入るようになりました。そんな木は特に入念に乾燥させます。少しでも早く使ってみたいという気持ちはあるものの、乾燥の甘い中途半端な状態で使ってしまうと、後からねじれたり、収縮したりして、貴重な材が何にもならなくなってしまっては大変。最初のうちは、もうそろそろいいかしらと何度も何度も触って乾燥具合を気にしていたもののいつしかその存在が記憶から遠ざかっていってしまうまで我慢、我慢。

日々の仕事に追われて数年が経過して、今回みたいに何かの拍子にその木の事を突然思い出して、すっかりたまった埃を払いのけて引っ張り出したてみる、それぐらいだとしっかり乾燥できています。中にはなかなか記憶が呼び起されない木もあって、とんでもない時間が経過してしまっているという事もあるのですが・・・。そういう意味ではオリーブはまだ乾燥始めて8ヶ月ぐらいなのでまだ早いものの、こうやって存在を思い出した時に乾燥経過を肌感覚で確認しておこうと、久しぶりにオリーブを引っ張り出してみました。

オリーブという木が建築や家具に使える木では無いので(サイズ的な問題で)、弊社もオリーブとの関わりが浅くほとんど知見も無く、どれぐらい乾燥期間が必要なのか、どういう状態まで乾かせばいいのか、自分で試しながら探っています。細かく割り返して耳も落として小さな角材にして荷重をかけて乾燥させています。図鑑などには、オリーブは油分が多い木なので乾燥には時間はかかると書いてありますが、こちらのオリーブはスペインチュニジア産のそれとは随分と印象も違うし、立木の段階からそこまで重さを感じませんでした。

折角手に入った貴重な『愛媛生まれのオリーブ』なので、少しも無駄にはしたくなかったので、小物にも使えそうにもないような小枝は、輪切りにしておきましたが、そちらの方はカラカラに乾いています。角材の方も出してみましたが、持った感覚では感想は十分と感じます。伐採直後は濡れ色で鮮やかな黄色でしたが、水分もすっかり抜けて色合いも淡くなっています。これなら加工してもよさそうですが、【森のかけら新シリーズ】に加えるつもりなので、その準備が出来るまでもうしばらくお眠りいただくことに。これで『愛媛産オリーブ』は確保!当然、日本の木として分類します。

 




LLP-SAL 空間芸術研究所』の大阪オフィスには、パートリッジウッドの他にもいくつかの木を使っていただいたのですが、その中に恐らく弊社史上最大サイズの幅剥ぎテーブルがあり、それがこちらのブラック・チェリーの幅剥ぎの巨大テーブル。サイズは2800×1500×30㎜。あまりの幅ゆえに8枚も幅を剥ぎ合わせねばならないほど。右写真の手前がパートリッジウッド、こちらも2850×900㎜のビッグサイズゆえに、奥のブラック・チェリーの大きさが今ひとつ分かりにくいかもしれませんが、同時期にこれだけのサイズが並ぶなんて事は初めて。

あまりの大きさゆえ、いつも塗装している場所にまでは運び込めず、急遽倉庫の正面を使って塗装作業。開いててよかった~。納品までの数日間、お客さんが来られるたびに、それまで掛けていた毛布をめくって、「おお~っ!」という驚きに満ちた声を聞くのが癖になっていました。家具材を求めて来られたわけでもない方にもサービスお披露目(笑)。大きな事が必ずしも優れている要件ではありませんし、巨大一枚板というわけでもありませんが、存在感という点では圧倒的!大きいという事はそれだけで価値があるのは間違いない。

ブラック・チェリーは、ブラック・ウォールナット、ハードメープル、ホワイトオーク、レッドオーク、イエローポプラ、ホワイトアッシュとともに北米を代表する広葉樹で、色味が赤くて光沢があり、かつやわらかい雰囲気があることから女性の方に人気があります。右の写真の中央部の黒い線に見えるのは、反り止めの金物ですが、それを挟んだ左右の板は木目を見ればお分かりの通り同材です。それがオイルを塗るだけでこれほど変わってきます。勿論オイルは植物性のクリアーで着色はしておりません。これがブラック・チェリー本来の色です。

仕上がったのがこちら。写真に撮ると光の反射で、塗装ムラがあるように映りますが実際に見ると写真のようなムラは感じません。実に塗装映えのする木だと思います。ただしこの時期、注意しないといけないのはブラック・チェリーはすぐに日焼けしてしまうので、保管したり配達するときに極力日にあてない事が大事。中途半端な養生とかしていると、養生しきれなかった部分にクッキリと日焼けの跡が残ります。これぐらいならいいだろうと思うような短時間でも夏の日差しはブラック・チェリーにはご法度。

 




ウズラ卵業界。食文化に欠かせない卵という分野でありながらも、ウズラという嗜好性の高いマニアックな存在ゆえに、景気が悪くなると原料費の高騰や後継者問題で業界が疲弊して業者数が激減するという流れは、まさに銘木業界のそれと同じ。なのでとても他人事とは思えずつい感情的になって大きく脱線してしまったのですが、無くなっても困りはしなけれど、あればいろどりとしてはいいよね~的な存在としては銘木業界も共通。分野は違えどもマニアックなファンを育てて市場を確立させていかなければならないという点では一致しています

ウズラの卵生産日本一の会社では、今までウズラの卵を使っていなかった飲食店にウズラの卵を使った料理の提案をしたり、卵の回収の自動化などに取り組むまれたりもしている様子。一方、小学校などへの出前授業による啓蒙活動は人材不足などもありなかなか進んでいないみたいで、そういう事情も含めて一層シンパシーを感じます。実は豊橋市の周辺には木材の取引先がいくつかあって、よく通過していましたが、今度は豊橋にも寄ってウズラの卵関連の商品を購入したいと思っています。がんばれ豊橋!がんばれウズラの卵!

という事で、ここから改めてパートリッジウッド』こと『アンゲリン』、あるいは『ダリナの話です。弊社でも取り扱い経験がなかったので、最初は小さくカットして端材を削ったり加工したししてみておそるおそる使ってみました。マメ科の木らしく硬質で、削ると滑らか。木目はウズラの羽に例えられるのも納得がいく美しさ。オイルを塗ると更に濡れ色になって光沢が増します。木目があまりに緻密すぎて、少し離れてしまうと濃い目の赤身の中に埋没して木理が分からなくなってしまうほど。右の写真はオイル塗装を施した状態のもの。

塗装する前はかなり地味な色合い。今回アンゲリンで作らせていただいたのは、2850×900×40㎜サイズのテーブル。幅が広いので裏面には反り止めの金物を座彫りして入れています。左の写真はオイル塗装工程の途中ですが、写真の奥はオイルを塗ったので濡れ色になって濃いオレンジ色になっていますが着色しているわけではありません。幅広なので3枚の板を幅剥ぎにしていますが、片面に黒い筋があったので、そちらを裏面にして使わせていただきました。さすがにこのサイズになると一人でひっくり返すのは無理。明日に続く・・・

 




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