森のかけら | 大五木材


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このブログでくどいぐらいに何度も何度も繰り返し取り上げてきた、平賀源内が誤解して命名した『200歳のホルトノキ』ですが、その枝などを一部オンラインショップやイベントで販売してきました。製材してその内部を見た時には、朽ちて倒れた影響ですっかり変色してしまったその御姿に一瞬たじろいだものの、200年の命を預からせていただいた使命感から覚悟を決めました。今だからこそ言いますが、「全部使えなくても仕方がない」と腹をくくり、売れないならば『歴史を語る木』として活躍してもらうおうと!

ところが乾燥してくくると、風の谷を侵食していく腐海のようにホルトノキの白身部分を侵食する変色菌が、何とも妖しく面白い表情を生み出しているではないですかっ!そこをプレーナーでひと削りすれば、年輪にも深く食い込んで、まるで本物のオリーブの縞柄のようにも見えて、実はそこが人気を呼んで、オンラインショップでもイベントでもそういうものから順に売れていきました。ふた股に分かれたメインの幹の部分は、かなり癖が残っていそうなのでもうしばらくは上から圧をかけて乾燥させる予定です。

オンラインショップにも先日、数枚追加しましたが、今回はあえて癖の強いところもアップしました。老木という事もあって、ところどころに洞があったり、虫穴や傷も多くて、最初ネットで販売するにあたってそういう部分は意識して避けてきたのですが、購入していただいた方から、出来ればもっと癖の強いところ(つまり朽ちたり、穴が開いているようなところ)が欲しいとの要望もあって、当初控えていたそういう部位も積極的に出していくことにしました。蓼食う虫も好き好きの言葉通り、世の中いろいろな方がいらっしゃる。

例えば牛肉などでもそうですが、みんながみんなヒレやロースが好きという事は無くて、中にはホルモンが好物って人もいるように、木だって整った無節の筍杢だけが木ではないのです。森の中で風雪と戦った節の周囲の縮み杢や、腐る一歩手前のスポルテッド柄や芸術的な虫穴や、象形文字のような割れに萌えるフェチだって沢山いるはず。丸太を仕入れれば必ずそういう部材も含まれてきます。そういうフェチなお客さんをどれだけ持っているかが、マニアックな材木屋の生命線であり、だからこそ丸太1本を余すところなくしゃぶり尽くせるのです!




今年の夏にその本が出版されていたことは知っていました。このブログでも何度も登場していますが、JFKやUFO、雪男、ネッシーなどミステリーや未確認生物などの話は大好物な私(霊的なモノNG)。それらをひっくるめていわゆるオカルト好きと呼ばれたりもしますが、ちょっとその言葉には抵抗があります。それはさておき、そういう嗜好なのでその手の本や映像は結構こまめにチェックしています。なので、その本が出版されたことは勿論知っていましたし、近くの本屋でも本棚に並んでいるのを見ました。それでもあえて買わなかったのは、その話がオカルトの世界の中では超有名な昔の未解決事件であり、今までに何度も読んできたし、映画にもなり観てきたのと、決して解決されることの無い謎だと言われていて、どうせまた誰かが推理した解釈を書いたものだろうと思っていたからです。本のタイトルは、『死の山』。

事件の名前は、世界一不気味な雪山の遭難事件と呼ばれる『ディアトロフ峠事件』。今からおよそ60年前の1959年の米ソ冷戦時代、ロシアがソ連と呼ばれていた頃。ソ連のウラル山脈に冬山登山した9人の若者が不可解な死を遂げていたというもの。登山チームのリーダーの名前にちなんで「ディアトロフ峠事件」と呼ばれているのですが、なぜこの事件が60年もの間、謎とされているのかというと、遺体の状態が普通ではなかったから。極寒の雪山にも関わらず、発見された遺体は考えられないほど薄着で、靴も履いていない!

そのうちの3人は頭蓋骨骨折などの外傷があり、女性のメンバーの一人は舌を失っていたのです。またテントは内部から切り裂かれていたり、更に遺体の衣服からは放射線が検出されたことで、その原因については様々な説が浮上しました。登山途中で遭遇した地元の先住民による犯行説、雪崩や獣による襲撃説、近くに軍の施設があった事から軍による秘密の実験説、はたまたエイリアン説などなど。しかしそのどれもが決めてを欠く中、捜査当局が出した結論は、「未知の不可抗力によって死亡」。これが一層謎を深めました。

というのがこの事件の概要で、事件発生から60年経った今もその真相は解明されていないという事で、未解決事件などの本には必ず掲載されるため、私も幾度となく読んできました。また、2013年には『ダイ・ハード2』や『クリフハンガー』などのアクション映画で知られるレニー・ハーリン監督によって映画化もされ(タイトルは『ディアトロフ・インシデント』)、当然私はDVDも買っています。そこでは、この事件の真相を探りに雪山に向かうというモキュメンタリー風の設定でその真相に迫るという仕上げになっていました。

丁寧に彼らの登山ルートを追う前半から一転、後半はいかにもレーニンらしい謎説きをしていてそれなりに楽しめました。そのようにこの事件については銘々が勝手な解釈を結論としているのですが、結局そのどれにも疑問が残っていて、この新書もその類だと思っていたので購入しなかったのです。そしたらこの本の著者ドニー・アイカーが導き出した結論を映像化した番組をたまたま観たのです。その結論が意外や意外!嗚呼、そういう内容だったら本も買っとくんだったと後悔したものの、結論は冬の山はとにかく怖いということ




まだまだ今年一年を総括するのは早いのですが。今年はこれまでの材木屋稼業の中で一番『クリ(栗)』材を使わせていただきました。今までクリといえば、ほとんどがフローリングでした。主に岩手産のクリのユニFJのフローリングを使ってきましたが、今年はフローリングではなく造作材やデッキなど無垢の一枚板のクリを沢山扱わせていただきました。多いといってもクリを専門にしている店からすれば微々たる量だと思うのですが、弊社的には短時間のうちにクリの挽板が何梱包も次々に入ってくるというのは初めての体験。

それを右から左に売るわけではなくて、梱包をばらして一枚一枚サイズや素性、木目などを確認しながら木取りしていくのですが、私の段取りが悪い事もあって、一時期は毎日毎日クリと格闘していました。割ってみると反りが出て使えないので、また次の板を出したり、削ってみたら虫穴(ピンホール)出たので交換、これをそっちに回したら、こっちが後OOぐらい足りなくなるので、もう一度やり直し。タンニンが滲み出して黄色みが強いもはバランスを損なうのでNGなんてやってたら、やってもやっても終わらない・・・。

そうして木取りしたクリは、弊社で荒加工して現場に入れたり、木工所で仕上げ加工までしたり、建具屋さんの作業場に送り込んだり、そうやって数か月の間、クリ材と関わらせていただきどうにかやり遂げる事出来ました。その結果をすべてカメラに収める事は出来なかったのですが、そのうちの1つがこちらの厚み28㎜、乱幅(最大200㎜)の豪奢なソリッドのフローリング。エントランスホールの床材としてクリを使っていただきました。こうして見ると、クリって完全な国産材なのに、洋風の使い方も出来る貴重な木だと思います。

他にも長い濡れ縁にも、クリを使っていただきました。濡れ縁といっても長さが10mを越えていて、一枚の厚みが30㎜、幅も最大で280㎜の乱幅という特殊仕様だったので、かなりのクリ材を割らせていただきました。たまたま他からのクリの注文が入ってきたりして、一時期は「あとどれぐらい割ったら取れるのだろうか・・・」とクリの事で頭が一杯になっていた事もありました。しかしそんなにクリを使っていただけるなんて本当にありがたい事。その際に使ったのは北海道は函館産のクリ。そして現場は無事竣工しました。

戦い終わって倉庫を見れば、そこは兵(つわもの)どもが夢の跡。残った幅広のクリの板がまだ20数枚。あの時には祈るような思いで探し求めた幅広のクリも出番が終わってしまえばただの在庫(←申し訳ない、言い過ぎた!)。それで、そのクリを使った幅剥ぎのダイニングテーブル作りませんか?とアナウンスするものの、あの一時期のクリ騒動が嘘のように打てども響かず・・・。まあこういうものって焦っても仕方ないので、気長に待つことにしますが、売り切った頃に注文が入るような気がして仕方ない。クリなら今ですぞ!




セコイア』ってその一族に超有名なものがいるので(世界一高い、世界一大きな木)、名前だけやたらと知られているものの、実物の木を見たことが無い人が多いと思います。その木が木材となって木材市場ではあまり流通していないから、材木屋といえども実物を見た事の無い人も多いと思います。ではなぜ取引量が少ないのかというと、その材の特性にあります。世界一高いと言われるセコイアは100mを超えていますが、そこまでグングン成長するという事は、成長スピードが年輪に反映されるのでかなり目荒です

しかも材質はスギのように軟らかい(私の感覚だとスギよりも軟らかい)ので、目の粗い軽軟材に対して評価の厳しい日本の建築・家具材市場では歓迎されていません。アメリカでは建築から家具などに幅広く利用されているのに対して、日本での評価が極端に低いのは不思議なのですが、同じ北米出身でセコイアのように赤身で軽軟な木『ウエスタン・レッドシーダー(米杉)』に比べても評価が低いのは、材質そのもののせいというよりも、使った事が無いからではないだろうかと勘ぐってしまいたくなります。

油分をたっぷり含んでいるため赤身部分の対水性や耐朽性は高く、白蟻にも対する対抗性もあるので、外部などにも利用されているので、日本では構造部材としてではなく、壁材や屋根材などで多少流通していたりします。そんなセコイアですが、しばらくの間弊社でも欠品状態が続いていたのですが、少し前にある程度まとめて手に入るという幸運に恵まれました。私的には大喜びだったのですが、恐らく普通の材木屋だったら、その特徴ゆえに『使えない木』の烙印を押されていたと思います。

その木を求めていた材木屋の元にそんな木がやって来たというのはまさに運命としか思えません。板に製材してもうすぐ1年が経過しますが、目が粗い事もあって、45㎜前後の板に挽いたセコイアはすっかりいい感じに乾燥しました。白太部分はダメージがあるものの、赤身部分は艶やか。これから徐々に削って倉庫に立て掛けてお披露目させていただきます。一族に世界一高い木があるとはいえ、手に入ったのはそんな巨木ではありません。直径も大きいモノでも500~600㎜程度で、一枚板のテーブルとかになるサイズではありませんが、板に挽いたので枚数はそれなりに揃っています。詳しくは後日アップします。ところで「普通の材木屋が相手にしないそんな軽軟な木、買う人おるんか?」と言われる人がいます。「無ければ需要を作ればいい!大火で荒野となった地に種を残すセコイアに相応しい舞台ではないかっ!」←超強気!




森の木にとって炎はむっとも忌むべき対象ではありますが、木の中にはその炎が無ければ子孫を繋げない木もあります。それが森林火災が頻発するカリフォルニアにあって、しかもその木が現像する中で世界でもっとも高い木なのですから、世界は皮肉で出来ている。その木はの名前は『セコイア(Sequoia)』。今回、カリフォルニアの大規模な森林火災の事で、セコイアの話に繋げましたが、書いていて同じような事を以前にも書いたような気がしていて、ブログを検索してみると9年前にも同様の事を書いていました

その時は、オーストラリアで発生した森林火災の事を憂いて、炎の中で育つセコイアの話を引き合いに出していました。10年以上も書いていれば、内容が似通ってくることもあるのでご容赦ください。そこでセコイアの特徴について書いていますが、改めて要約してここでもご紹介します。セコイアの樹皮は分厚くゴワゴワしていて、内部にたっぷりと油分も含んでいるので、森林火災に遭っても外皮は焼けても内部まで燃え尽きて枯死することはないほど逞しい木なのです。だからそういう環境で勢力を拡大していくのです

そのセコイアの種子は硬い殻に包まれていて、火の熱によってマツカサが開いて子孫を残していくのです。なのでセコイアが種を繋いでいくのに炎は必要不可欠な関係にあるのです。他の競争相手の木たちが燃え尽きていく中で、その炎を利用してピンチをチャンスを繋いでいくセコイアに生命の神秘を感じます。そういう特性があるからこそ、厳しい生存競争を生き抜いて『世界一高い木』にも『世界一大きな木(体積)』にもなりえたのだと思います。世界で一番高いと言われている木は、『ジャイアント・セコイア』。高さは驚異の115.55m。学名は『Sequoiadendron(セコイア・デンドロン)』。『ジャイアント・レッドウッド』とか『マンモスツリー』、『セコイアオスギ(雄杉』などの名前で呼ばれます。

もうひとつのセコイアが、Sequoia sempervirens(セコイア・センペルビレンズ)の学名を持つ『カリフォルニア・レッドウッド』。一般的に『セコイア』の名前で市場で取引されれているのがこちらのセコイア。【森のかけら】の240種をリストアップした頃に、たまたまこちらのセコイアの木を手に入れる事が出来たので、240種の仲間に入れました。その後も簡単に入手できると思い込んでいたのですが、在庫が品薄になった頃、入手先に声をかけたら「もうありません。入荷の見込みもありません」という衝撃の返事!続く・・・




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