森のかけら | 大五木材


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昨日、キリ(桐)の話の際に竜の伝説を紹介しましたが、竜と言えば避けて通れないのが竜の名前を冠する植物・リュウゼツラン(竜舌蘭)。このブログを書き始めた頃の2009年に、朝青龍と白鳳が千秋楽で覇を争った時に紹介しましたが、思えばもう10年以上も昔の話。その時は、リュウゼツランの事を実物よりも先にさだまさしさんの歌『女郎花(おみなえし』で知りましたと書きました。悲哀溢れる内容なのですが、「竜舌蘭の夢は白い夢~♪」という歌詞で、確か高校生の頃だった思いますが、その名前を覚えました。

その名前だけでもリュウゼツランは、【森のかけら】に加わる資格充分なのですが、残念ながら木ではないので「かけら」には出来ません。リュウゼツランはかつて、花が咲くのに数十年もかかると誤解され、1世紀(100年)を要する植物という意味で、『Century plant(センチュリープラント)』」という別名もあります。そんなリュウゼツランを昨年、株分けしていただいて事務所の前に移植しました。この仲間は100種類以上もあって、これがどういう種類なのかは分りませんがどうやら無事根づいてくれたみたいです。

花を花を咲かせるのは長い年月を要しますが、ひとたび根付くと簡単に増殖するのでそこらじゅうリュウゼツランの子どもだらけになるので注意したほうがいいと言われてましたが、その後調べてみるとやはりその威力は凄まじく数十メートル離れた先にも仲間を増やしていくそうで相当に逞しい!いろいろと調べれば調べるほどに面白い植物で、樹木じゃないのが残念なほど。植物まで範囲を広げてしまうと収拾がつかなくなるので、このHPではそこまで深入りするつもりはありませんが興味は尽きません。

リュウゼツランは、肉厚な葉が竜の舌のように見えることからその名前がつけられたそうですが、こういう変わった名前を知って思うのは、最初にそれを言い出した人の気持ちはいかばかりか。初めにこれを竜の舌に見立てたひとはをさぞ膝を打ったことでしょう。この奇異な姿はさまざまなものに例えられたでしょうが、口伝として語り継がれるうちに人気投票のようにこれぞと誰もが納得する名前に落ち着いたと思うのですが、珍名奇名の多さは心の豊かさに通じると思います。昔の人は現代よりも花や木に多くのモノを見出していたんでしょう。




北米原産のニセアカシア(ハリエンジュ)は、1873年に日本に渡来すると、街路樹や公園樹、砂防・土止めなどに植栽され全国各地に広がりました。愛媛でもその姿はよく見られ、伐採された数本をいただきました。そこから【森のかけら】も作ったのですが、その際に頭を悩ませたのが、この木を日本に入れるか、世界に入れるかという事。この木に限らず、原産地は海外で名前も英語名で定着しているものの、日本で育ちそこで伐採された木は沢山あって、何を基準に国を分けるかというのが難しいところ。

漢字の名前の木がズラリと並ぶ中にカタカナの名前の木が並ぶという違和感はあるものの、すっかり日本に溶け込んでいて、その土地で育った木は日本産でよし、という事にしました。そのニセアカシアの英名がBlackLocustで、アカシアの英名がLocust tree。ローカスの語源はもともとラテン語の焼け野原という意味からきていて、大群が通り過ぎると全てが食い尽くされ焼け野原のような状態になるバッタにもその名がつけられています。アカシアとバッタにも何か関連性があるのかどうか、調べてみてもよく分りませんでした。

これはあくまでも私の推論ですが、アカシアの仲間の『フサアカシア』という木はオーストラリアが原産ですが、火災で焼け野原となった場所にすぐに定着して育つ樹種のひとつで、急速に成長して群落を形成して、もとの自生種が回復するのが難しくなることもあり、南アフリカやインドなどでは悪影響を与えているほどであるという話を目にしたことがあります。アカシアもそういう開拓地におけるパイオニア的な性質があるので、焼け野原で急速に勢力を拡大するということからローカスツリーの名がつけられたのかもしれません

そのオーストラリアでは大規模な火災が起きて多くの野生動物が被害にあいました。私がいつも通っている散髪屋さんがよくホームステイを受け入れられていて、以前に来日してお世話をしたオーストラリア人の方が現地の様子を撮った写真を見せてもらったのですが、驚愕の後継でした。その人は、火災の現場から100キロほど離れたところに住んでいるそうですが、そこからも真っ赤に染まった空が不気味に広がっています。想像を絶する規模の森が一瞬のうちに失われてしまいました。明日に続く・・・




アフリカのソマリアでバッタの大群の襲来を受けてソマリア政府が国家非常事態を宣言しました。爆発的に発生したバッタが飼料や食料を食い尽くすという蝗害(こうがい)は、古くから世界各地で発生していて、大規模な大雨や旱魃が起こった後にバッタが大量発生して、わずかしか残っていに飼料・食料を食い尽くして大きな被害を与えてきたことが歴史の書物にも書き残されてきました。このブログでも取り上げましたが、映画『エクソダス:神と王』でも描かれた旧約聖書『出エジプト記』の、エジプトの空を覆いつくす蝗害が有名です。

中国でも蝗害は、各時代の統治者を悩ませてきました。漫画『蒼天航路』では、曹操と嶺府が初めて刃を交わす場面でバッタの大群が天から押し寄せる様子が描かれていますが、乱世に出現した二人の奸雄があたかも蝗害のような天災であるかのように示唆されていました。今回ソマリアで大きな被害をもたらしているのは、サバクトビバッタという種類で、非常に飛翔能力も高くて1日で100キロ以上も飛ぶことが出来るとか。1平方キロ内の群れに約4千万匹ものバッタがいて、わずか1日で約3万5千人分の作物を食べ尽くすまさに悪魔の所業。

私は虫全般苦手なのですが、特に不意にこちらに向かってジャンプしてくるバッタは恐怖の対象でした。田舎なんでバッタは身近に沢山いましたが、バネのような超筋肉質な脚の動きがどうにも苦手で・・・。そんなバッタですが、英語だとグラスホッパー(grasshopper)だとばかり思っていたのですが、このブログを書くにあたってソマリアの蝗害の事を調べるとローカスト(locust)と記してありました。グラスホッパーは文字通り「草の中で飛び回る昆虫」という意味でイナゴの事らしく、バッタはローカストというみたいです。

ローカストといえば、以前にある木の英名としたローカストツリーと書いた事があったと思い調べてみたら『アカシア』でした。【森のかけら】に含まれる『ニセアカシア(ハリエンジュ)の英名がBlackLocustなのですが、書いた時はその意味がよく分りませんでした。ローカスというのはラテン語の焼け野原という意味からきていて、バッタの大群が通り過ぎると何も残らない焼け野原のような状態になってしまう事から名づけられたそうです。ではなぜアカシアの事をローカストと呼ぶのか?明日に続く・・・




後から気づいたのですが、芥川龍之介の『河童』は私にとって木のネタの宝庫でした!イチイ水松、ラクウショウと次々に関連づけて繋がっていく(勝手につなげているだけですが)。それで「河童と木」ということで最後にどうしても触れずに素通りすることの出来ない関わりがありました。お酒の好きな方、あるいは同世代の方ならすぐに気づくはずですが、そう『河童といえばサクラ』!ついつい口ずさんでしまう「かっぱっぱー るんぱっぱー♪」のCMで有名な『黄桜の河童』。あくまでも企業名としてのサクラだと思っていたら意外な事が分りました。これも木物語の世界のひとつと。

黄桜というのは、京都府伏見区に本社を置く酒造メーカー、株式会社黄桜の事です。主に清酒の製造販売を行ってきましたが近年ではビールの製造も始められているようです。社名の黄桜という「黄色い桜」は創作したイメージかと思っていたら実際に黄色いサクラがあるのを知ってびっくり。それは「御衣黄桜(ギョイコウザクラ」という種類で、開花直後は淡い緑色の花を咲かし、やがて黄色く変化していくサトザクラの品種の1つ。「御衣」というのは平安時代の貴族が着ていた衣服の色(萌黄色/モエギイロ)に由来します

最終的には花びらの中心部分は赤く染まるのだとか。創業社長がその花が好きだったことから黄桜を社名にされたそうです。その後、2代目社長がその社名にふさわしい親しみやすいキャラクターを捜していた時に、週刊朝日に連載中だった清水崑さんの漫画「かっぱ天国」に一目惚れして自社のキャラクターに採用。清水さんが亡くなられた後は、1974年から漫画家の小島功さんがデザインを引き継がれ今に至っています。合わせて、あの頭に残る「♪かっぱっぱー るんぱっぱー♪」のCMソング『河童の歌』もずっと使用されています。

一時期、企業のCI(コーポレート・アイデンティティ)がもてはやされ、老舗企業でもそれまで長らく使ってきたロゴやキャラクターが一新されました。変化する業態に合わせるとか、分かりやすいイメージにするなど理由はさまざまですが、長年使ってきたロゴやキャラクターを変えるというのはそれなりに勇気がいること。ましてやそれが先代の思い入れがあるものならば尚更のこと。弊社でも私が入社してしばらくしてからロゴを一新させましたので、もうかれこれ25年近く使っています。このロゴやキャラクターには相応の思い入れがあります。

最近はあまり見かけなくなりましたが、私が子どもの頃はテレビで黄桜の河童のCMが流れていてよく目にしました。恐らくそれは小島功さんのデザインだったと思うのですが、かなり色気のある河童で子どもながらにドキドキしたものです。あくまでも河童の擬人化(河童に擬人化もおかしいですが)ですが、恐らく今だと無粋なひとがすぐにクレームの電話でも入れそうです。今でもあの「♪かっぱっぱー るんぱっぱー♪」の歌とともに河童の夫婦が温泉で酒を酌み交わすイラストが思い浮かびます。やっぱりイメージは大事。それは酒も木も一緒、そのあとで酔わせるところも

 




今日のかけら番外篇・E045ウダイカンバ/鵜松明樺】 カバノキ科・カバノキ属・広葉樹

昨日に続いて『カバ』の話です。北海道の市場でカバの木の種類の多さを実感して、その後なるべくそれぞれの木の出所についても訊いて仕入れるようになりました。現在【森のかけら】の追加版も企画しているので、もしかしたカバの仲間も少し増えるかもしれません。その候補の1つともいえるのが、この『ウダイカンバ』。日本固有の木で英語名では、『ジャパニーズレッドバーチ(Japanese Red birth)』。樹皮に特徴があってそこに惹かれて買ったのですが、この不思議な名前の由来もそこにあります。

この樹皮がリング状に剥げて火をつけるとよく燃えて、雨が降っても燃えにくいために鵜飼の時の松明(たいまつ)として利用されていたことが、名前の由来とされています。なので漢字では『鵜松明樺』と書いて『ウダイカンバ』と表わします。明るく火を灯すことから『トモシカンバ』の別名もあります。鵜飼といってもあまり実感が無いかもしれませんが、愛媛では夏の風物詩として親しまれています。愛媛県の大洲市肱川流域で行われる大洲の鵜飼は『日本三大鵜飼』のひとつに数えられるほど有名で、私も3,4度経験したことがあります。

 

その際に松明が使われているかどうか(ましてウダイカンバが)は記憶していませんが、こういうつながりが『森の5かけら』の大切な情報になります。松明にしようと思って仕入れたわけではないのですが、材そのものよりもその特徴的な樹皮が面白そうで、このまま何かのディスプレイや装飾などに使えるのではなかろうかという下心で仕入れてみました。とりあえずは乾燥させないといけないので、桟を積んで並べて乾かせていました。それから数か月が経過。夜中倉庫で残業していると闇に中から聞こえてくる不気味な音・・・

カリカリカリ・・・ええ、その正体は分っています。カミキリムシが樹皮を齧っている音です。仕方ないんです、彼らだって生きていかないといけないんですから。いわばこちらが彼らの終の棲家を奪ってきたんですから。それは諦めているのですが、できれば私の耳に入らないところで齧ってほしい。それならばこちらも見て見ぬふりをして自主退去するまで待たないこともないのです。しかし目の前でカリカリされて、木くずのピラミッドをいくつも建立されてしまっては、さすがに見て見ぬふりはできません。

ウダイカンバの個性的な樹皮を何かに使ってもらえないかと思って、これみよがしに倉庫の事務所の入口近くにも数枚立て掛けていましたが、女性スタッフからそこを通るたびに不気味な音が聞こえますと言われてしまっては、こちらとしてもお咎めなしとスルーするわけにもいかず。カリカリの音の響きからすると、自主退去はまだまだ先のようです。こちらとしても、何かに使えるはずだった樹皮を諦めるので、申し訳ないですが強制撤去していただくことに。こうしてウダイカンバの樹皮は焼却炉の灰となってしまったのです(涙)。

 




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