森のかけら | 大五木材


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この数日間、映画『シェイプオブウォーター』の事について書いてきましたが、本日は久し振りに木の話。この映画に登場する半魚人は、アマゾン川にいて、現地の人々から神のように崇められていたという設定でしたが、私は行ったことがないもののアマゾンにだったらこういう異形なるモノがいたって不思議ではないと思ってしまうほどに、アマゾンは大きくて深い(聞いた話ですが)。今の若い人だとアマゾンと聞くと、ネットのAmazonをイメージするでしょうが、昭和40年代男子は仮面ライダー・アマゾン

あの迷彩色のボディスーツにアマゾンの大密林を重ね合わせた小学生たちは数多い。そしてアマゾンの恐ろしさ、奥深さを頭に叩き込まれたのです。またあるいは久米明の重厚なナレーションが懐かしい「すばらしい世界旅行」。いずれにせよ、行ったこともない異国のブラジルに流れる巨大な川と、野生の動物たちが暮らす鬱蒼として広大なジャングルに我々の心は鷲掴みされ、いまだに人の目に触れることのない未確認生物がいたとしてもなんらおかしくないという確信が根付いたままに大人になっていったのです。

それから数十年、まさか自分がそのアマゾンから運ばれてくる木を買ったり売ったりするようになろうとは青天の霹靂。今弊社ではアメリカをはじめ沢山の国で採れた木を取り扱っています。『世界中の木を見てみたい、触ってみたい』という好奇心が、世界の国の木を手掛けるようになった理由ですが、なかでもとりわけ行ってみたいのがアフリカとアマゾン。リアル生物が苦手で暑さにも弱い者としては、どちらもかなり厳しい環境ではありますが、死ぬまでに、いやこの仕事をしている間に一度は行ってみたい場所。

今日もウッドデッキの注文が入り、アマゾン産の『マニルカラ』を動かしていたら、やっぱりこの木が実際に立っている場所でその姿を見ておかないと、簡単に曲がりがダメとか、反っていないモノを持ってこいという声に対して説得力のある言葉が出ない。資料や情報はあるので、言葉の上だけでならどうでも説明はできるものの、あの場所で生きてきたこの木に対してそれではあまりにも言葉が軽いのです。ボタン一つで届かないモノの中にこそ本当の価値がある。まずはリアル生物に馴れることから始めようかしら。




樹木としてのトドマツ(椴松)の話は昨日で終わりですが、トドマツの事を調べていて気になったことがいおくつか出てきたので、樹木とはまったく関係の無い余談なのですが・・・。まず1つ目が、同じ『トド』でも生物のほうのトド。漢字では海馬とか海象、胡獱、魹などと表すようですが、実はこちらも名前の由来はアイヌ語からきているようです。「なめし革」を意味するアイヌ語の「トント(tondo」が語源だそうで、太古の昔よりトド漁は行われていて、貴重なたんぱく源となっていたそうです。

またその革を使って生活用品も作られていたそうで、それが名前の由来となっているようです。しかしその後、交通の便もよくなり、全国的な流通網が整備されるにつれ、トド漁は下火となったものの、それによってトドの生態数は増加して現在では魚網を破るなど北海道だけでも年間10数億円もの被害が発生していて、害獣駆除としてトド漁が行われているそうです。世界的にみると準絶滅危惧種にも登録されている国もあって、日本のトド漁が批判されることもあるようですがそれぞれの国にそれぞれの事情があります。今でも北海道などではトドの大和煮やトドカレーが販売されているようですが、これぞジビエ料理。

外国がどうだからという基準でばかり考えると、地域の暮らしや事情が見過ごされてしまうのは木の世界ばかりではないようで、感情的ななりすぎるとものの本質を見失ってしまいます。その次に気になるトドは、「とどのつまり」のトド。私はてっきり度々(たびたび)、つまり何度も繰り返してその結果、という意味だと思っていたのですが大間違い。こちらのトドは、魚のトドからきていました。ときどき、都会の川などで恐ろしいまでに大量発生してニュースになることのあるボラの最終的な名前がトド。

出世魚といえばハマチ→ブリが有名ですが、ボラもそうらしく、地域によって多少の違いはあるようですが、関西だとハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドと呼び名が変わっていって、最終的にトドで落ち着くそう。という事はあの大量発生しているのは、まだ最終形態ではないという事。ということから、「とどのつまり」は「最終的に」という意味を持つ言葉として使われるようになったようです。漢字で書くと鰡、鯔、鮱など。トド(マツ)のとどのつまりはチップでもいいけど、その間にまだ何態か変身出来そう




昨日、アメリカで発生しているホワイトアッシュの虫害の話に触れましたが、リアル生物の苦手な私としては、成虫ならまだしも芋虫の幼虫はお目にかかるのも避けたいところ。弊社でも最近は丸太を扱う機会が増えて、土場には招かざる訪問者がウヨウヨといらっしゃっておりますが、アメリカのそれとなると体形もかなりビッグだと思われ、私の恐怖度も増幅されると思われます。蛇やトカゲなどのヌメヌメ系に比べると、まだどうにか成虫のメタリックなボディは触れるのですが・・・

まあ、それも慣れというもので、さすがに日々カミキリムシの幼虫に出会っていると恐怖感も薄らいできました。しかしこれが大群で発生となると・・・そういうニュースを聞いて私の脳裏に浮かぶのは、映画『神と王』の空をも覆いつくさんばかりのイナゴの大群が町を襲うシーン。勢いよく口にも飛び込み、あらゆるものを食い尽くす!ホワイトアッシュの虫害は、幼虫によるものなので状況は違いますが、ひとたび虫に狙われてしまうともうそれが収まるまでひたすら耐えるしかないのでしょう。

恐らく現地ではそんな呑気な事を言っている状況ではないと思われますが、アメリカなどの大規模な森林火災などの報道を見ていると、人間の力で抑え込むことには限りがあって、自然に鎮静するまで見守るしかない、手のつけようがないというのが現実だと感じます。2017年にカリフォルニアで起きた森林火災の焼失面積は約9万ヘクタール(ちなみに東京都はおよそ 21万9千ヘクタールなので、東京都のおよそ半分近くが焼失した計算)ということなので、火災にしても虫害にしても日本とは桁違い。

日本の零細弱小材木屋に出来ることは何もなくて、ただその現実を受け入れるしかないのですが、今まで北米産広葉樹の中では価格もリーズナブルで人気のあったホワイトアッシュが、今後手に入りにくくなる可能性があると思うと、倉庫に立てかけるため担ぐ板も何だか重く感じられます。『木は決して人間のためにだけ生まれてきたわけではない』というのは私の信条ですが、それは綺麗ごとではありません。ホワイトアッシュに限らずこの問題は、すべての木が避けては通れない宿命。




北米産のホワイトアッシュが入荷。弊社ではホワイトオークと並んで回転率の高い広葉樹のひとつです。在庫があと数枚というぐらいになると、ああやっと全部売り切ったという安堵感があるものの、早めに次の手当てをして在庫の谷尾を作らないようにしなければとの焦りもあって複雑な気持ち。なければないで落ち着かず、あればあれでどう売ろうかと悩む、アンビバレントな気持ちは毎度のこと。ところで汎用性の高いこのホワイトアッシュが今、切実な問題に悩まされています。それは・・・

昨年、仕入れている商社のほうから情報は入っていたのですが、まだそこまで問題は切迫していると思っていなかったのですが、今年に入って徐々にその影響が出てきました。それは「虫害」の問題。ホワイトアッシュの生育域は、カナダの南部からアメリカ全域ですが特にアメリカ東部一帯が有力な分布域と言われています。そこで、近年エメラルドアッシュボーラーという甲虫による食害が発生し、その被害も信じられないくらいの規模で、ホワイトアッシュの大木が次々に立ち枯れしているのだとか。

このエメラルドアッシュボーラー(EAB)という虫は、もともとアメリカにいた虫ではなくて、今から30年ほど前にアジアから来た外来生物ということだそうで、外来生物で悩まされているのは日本ばかりではありません。このEABは、ホワイトアッシュなどのトネリコ類の木が大好物ということで、狙いを定めて食べているらしいのですが、その食欲とスピードは恐るべし勢い!そのせいで既に一億本以上ものアッシュが立ち枯れてしまっているそうで、その被害は深刻でアメリカ全域に広がっています。

アメリカ政府も手をこまねいているだけでなく、アジアからEABを寄生する蜂を輸入したり、ミネソタ州ではEABに感染した木の匂いを嗅ぎ分ける犬を導入するなどの対策を講じているようですが、圧倒的な数の前にはなす術もないようで、事態はかなり深刻なようです。リアルタイムの情報というわけではないので、現在の正確な状況は分からないのですが、国内に入ってくるホワイトアッシュの量がその深刻さを物語っています。恐らく今年は全国で、ホワイトアッシュが不足する事態が発生するかと!?続く・・・




本日も、「引き抜くと人間のような叫び声をあげ、その声を聞いた者は死に至る」と言われるマンドレイクの話の続き。その根や葉に幻聴や幻覚を起こさせる毒成分を有するマンドレイクを守るため、それを引き抜くと叫び声をあげ、聞いた者は神経に異常をきたして死に至るという恐怖の伝説を流布させたというのがどうやら真相のようですが、その伝説に信憑性を与えたのが、マンドレイクの独特の根の形状。根茎が幾重にも分かれ凸凹の形をしていて、中には人型のように見えるものもあり。

細い根が地中に深く張るため引き抜くにはかなり力が必要で、その際に細い根がブチブチと音を立ててちぎれる事から、叫び声をあげるという例の伝説がまことしやかに語り継がれるようになったのだとか。当時としては幻聴や幻覚を生み出すその効果が劇的だったこともあり、恐れられた存在になっていったのでしょう。なお一説には、絞首刑になった受刑者の男性が激痛から射精した精液からマンドレイクが生まれたという伝承もあるなど怪奇要素もふんだん。

このマンドレイク、映画などにもしばしば登場していて、こうやって調べてみてから、あああれもそうだったのかと気づくことがありました。映画『ハリーポッター』でも魔法学校の一室でマンドレイクが栽培されていて(石化の魔法を解呪するための妙薬の精製に必要という理由で)、鉢から引き抜かれるのですが、思いっきり人型植物というデザインとなっていました。神経を逆なでするような悲鳴もあげていました。当時はあれが何を意味しているのか、まさか実在の植物がモデルだったとは知りませんでした。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターにもその展示があるということを子どもたちに教えてもらいましたが、知っている人には有名な伝説なんですね、きっと。ハリーポッターの映画の中では、引き抜かれたマンドレイクは叫び声をあげて死んでしまったと記憶していますが(記憶違いかもしれませんが)、その行為と絵面がなかなかシュールでした。一方でその伝説の恐怖を前面に押し出したこんな映画もあります。タイトルは『マンドレイク・人喰い植物のえじき』、B級映画の匂いがプンプンしますが、内容もまさにその名に紛うことなきB級!

ジャングルを訪れた探検隊の一行が謎の棺の中の剣を抜いたことから人食い植物が目覚めて人を襲うという内容で、植物の暴れっぷりは結構なもののマンドレイクそのものとは無関係・・・。さすがにネームバリューに依存し過ぎだと思うのですが、それぐらい海外ではメジャーな存在なのかも?ところで植え替えをした淡路島では、念のため耳栓をして引き抜いたようですが、その呪いは及ばなかったらしく担当者の方はご無事でした。それにしても、嗚呼、毒性植物ってどうしてこうも魅力的なんだろうか・・・。




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