森のかけら | 大五木材


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雨が多いと気になるのは雲の大きさばかりだけれど、心の広さに比べてみれば別にたいしたことじゃない♬って、さだまさしさんの歌がありましたが(HAPPY BIRTHDAY )、雨が続くと材木屋が気にするのは木のコンディション。弊社の小さな倉庫に入る材には限りがあって、倉庫の中に入りきらなった材は外の差し掛け屋根の下で保管しています。でっかい倉庫でもあればいいのかもしれませんが、大きいと大きいなりに使ってしまうので結局同じことだと自分に言い聞かせています(涙)。

いったんしっかり乾燥してしまえば、実は少々雨に濡れたぐらいでも大丈夫なモノなのですが、それにしても濡れないにこしたことはありません。なので、風の向きも考慮して、ここぐらいまでだと雨が吹き込まないだろと数センチのせめぎあいが繰り広げられています。手前の方の木は濡れてもひと風吹けばすぐに乾きますが、風が強くて奥の方にまで雨が吹き込むと厄介。風通しが悪いと、しばらくすると見たくもない光景にお目にかかることもあります。

ちゃんと名のあるキノコの仲間だと思うのですが、私にとってはエイリアンが材木屋の商売を邪魔するために宇宙から持ち込んだ細菌兵器としか思えません!私の中では映画『宇宙戦争』の凶暴エイリアンの姿がオーバーラップしています。きっとそのうちここから何か最悪な胞子が飛び出してきてひとを襲うに違いないッ!この丸太は、直径が小さくて形がいびつだったので、製材できずに半割だけして、何か使い道でもあれば儲けものと外に積み上げていたモミジバフウです。

なのでエイリアンに宿主にされても痛くもかゆくもないのですが、侵略されてはたまらないのでどうにかせねばならないと思っていたら、さすがにこの暑さで敵もまいってしまったようで、すっかり弱体化してしまいました。エイリアンといえども地球の今年の異常な暑さまでは計算にいれていなかったか。当初はラーメンに入っているキクラゲのようにプニプニして思わず採取しそうになったほどでしたが今は見る影もなし。エイリアンの野望こうして果てて、材木屋の平和は守られたのです。




昨日からご紹介しているクロガキを加工してもらったのは、いつものZEN FURNITURE』の善家雅智君。彼の工場からクロガキの板を運ぶ際に思いがけない組み合わせが実現。弊社の3トン車の荷台の上に並んでいるのは、クロガキ(右)とクリ(左)。クリは函館産のクリの一枚板をフローリングに加工したもの。こちらは木工所で加工されたもので、この後弊社で検品して長さをカットして整えます。それぞれ別のお客様さからの注文だったのですが、この組み合わせに注目!これも「チーム・フルーツウッド」!

一体何を興奮しているのかというと、クリとカキ。フルーツウッドなどキワモノ木材を扱う弊社とて、【森のかけら】以外で同じタイミングでこういう組み合わせの仕事が入るのは珍しいのです。そう、ここにあといくつかの木が揃えば、日本人なら誰もが知っているあの昔語の登場人物(キャラクター)が揃うのです。後のメンバーは、『モンキーポッド』。カキ、クリ、サルといえば、もうそれだけでもピンとくると思います。そう、『サルカニ合戦』です!

今更ストーリーを説明するまでもありませんが、話によっては登場人物(キャラクター)が省略されている事もあるので、整理しておきます。主役はサル(モンキーポッドカニ。事件が起こるのがカキの木()。親ガニを殺したサルを懲らしめるのが、石臼、牛の糞、蜂、畳針、クリ(栗)。とりあえあずカキ、クリ、サルだけでも何となくサルカ二合戦はイメージできるとは思いますが、ここは強引な力技で『森の5かけら』を作り出す「かけら職人」のメンツにかけて後もどうにか木に例えたい!

どうにか木と関連付けてみると、まず牛の糞は、バッコウヤナギ。文字通り、ベコ(牛)が好んで食むヤナギがその由来。石臼は、石つながりで「イシゲヤキ」の別名を持つ『ニレ』。畳針は、針つながりで「ハリエンジュ」。かなり苦しいですが・・・。問題はカニとハチ。蟹という言葉で木材でイメージするものといえば、蟹の甲羅のように見える蟹杢。その蟹杢が現れるのがツガ。弊社の在庫で蟹杢があるのは『キリシマツガ』、最後のハチですが、これがどうあがいても繋がりないので誕生木(8月)でケヤキ。かなり苦しいこじつけではありますがこれにて『サルカニ合戦の8かけら』完成!




地元の愛媛県久万高原町で産出された『モチノキ』。板に製材して半年ほど天然乾燥させていたものですが、中を開けてみると無数の小さな虫穴が~!調べてみると同時期に挽いたモチノキすべてが同じように穿孔されていました。ひと昔前なら青ざめて発狂したかもしれませんが(それは少し大袈裟ですが・・・)、半世紀を生き抜いたこの歳になると、こういう冷静に受け止める事が出来ます。まあこれが市場で仕入れた1枚数十万の板であれば発狂したかもしれませんが、原木ならばこれも宿命!

そもそもこれらの丸太は、愛媛県内で集めることの出来る広葉樹という大枠で集めているもので、とりあえず板に挽いて小さめのカウンターや幅剥ぎにして家具などに使うたもの。更にそれで余った端材などは【森のかけら】や『モザイクボード』などに使います。虫に喰われてなければそれはそれでありがたいものの、あればあれで使い道はそれなりにあります。その前提は、虫穴を『欠点』と捉えずに、『個性』だと認識できるかどうか。そしてそう思える仲間をどれぐらい集めることが出来るか。

いくら自分では理解できたとしても、それを認めて受けとめて買っていただける人がいなければただの「強がり」ですので、まずは同じ穴のムジナ、いや同類の友をいかに多く集められるか。変態的な木材嗜好を持つ者の元には、同様の変態的嗜好を持った人が寄って来るもの。お陰様で建築以外の用途でこういう『個性』を買っていただける人が、匂いを嗅ぎつけてやって来ていただくようになりました。すると、すぐに「何に使うのですか?」と訊ねる人がいらっしゃいますが、そんな事教えられるわけがない!

勘違いしている人が沢山いらっしゃいますが、「どういう用途で売るか」という事こそが、こういう個性を持った木にとっても最大の肝であるのに、それをただで教えてもらえると思い込んでいる無神経さには驚かされます。その用途を作るのにだって当然それなりのコストはかかっているわけで、まだまだ未発掘の用途は沢山あるはずなのだから、ぜひ自分で汗をかいて発掘すべき!そうしたら人に教えようなんて思わないはず。虫穴のあいた板の用途をただで教えてもらおうなんてあまりに虫のいい話




材木屋だけに小枝がいっぱい転がっていて巣作りに適しているのか、差し掛けの屋根が雨よけに都合がいいからなのか、木の中から出来来た虫が食糧になるためのか、あるいは店の主の人徳なのか、理由は定かではないものの(個人的にはいちばん最後の理由だと信じていますが)、やたらといろいろな鳥が巣作りにやって着ます。ツバメやハトをはじめ、名前も分からぬ大小の鳥たち。作り始めた段階で気づいた場合は、可哀想ですが追い払って強制撤去させていただきます。

商品の上などに巣を作られたら、商品が糞でえらいことになってしまいますので。しかし我々の目をかいくぐって愛の巣を作ってしまって、その中に卵が見えたり、孵化してピヨピヨなんて小鳥の声でも聞こえた場合は、私とてひとの親。鬼ではありませんので、無事巣立っていくまでは家賃未納でも、そこには近寄らずそっと見守ることにしています。しかし問題なのは、その巣がある木材を動かさねばならない時。不安定に積んだ木材の隙間とかに巣を作られてしまうと大変。

うかつに動かしていて、もしも崩壊でもしてしまったら小鳥の命はありません。かといって、お客さんに「お求めの商品の前に鳥が巣を作っておりまして、無事に雛が巣立つまであと2週間ぐらいはかかりそうですので、納品はそれからでもよろしいでしょうか?」なんて事が通用しようはずもありません。そんな時は、鳥の話は私の小さな胸の中にしまっておいて、いろいろと大人の事情で納品が遅れている旨お伝えし、一日も早く雛が巣立っていくのを待つのです。

しかしそれでもどうにも納期が迫って来た場合は、超スローで極力巣に振動を伝えないようにソロリソロリト材を動かします。先日もそういう状況になってしまい、もうどうにも納期が伸ばせないので覚悟を決めて巣のある材をリフトで動かすことになりました。明日動かそうという日の夕方、鳴き声がしなくなったようなので確認してみると巣がもぬけの空。奇跡的なタイミングで巣立っていきました。それで安心して動かしていたら、桟が朽ちていて、リフトを上げた拍子に物凄い勢いで崩落!ガラガッシャーン!!

小鳥の命は救ったものの、代償は小さくない・・・。豪快に崩れてしまったのはケンパスのショートサイズのデッキ材。もともと間に入っていた桟も弱くて不安定だったのと、加工してあって板自体が滑りやすくなっていたこともあって、豪快にやらかしてしまいました。たまたま加工に来られていた大工さんからは、いくつになってもリフトの運転下手やの~の冷たい視線を浴びましたが、ここに小鳥の命を救った慈悲深い材木マンがいることを誰も知らない・・・




昨日、子供たちの通う高校の校庭で『アコウ』との出会いの話をしましたが、今日はそのアコウに関する少し怖い話。アコウの英語名は、『Banyan Tree』(バニヤンツリー)と言いますが、そのBanuyan(バニヤン)はインドが原産で、当地では『ベンガル菩提樹』などとも呼ばれるように宗教上の聖木として東南アジアに広く植えられています。しかしその一方でこの木にはもうひとつの『絞め殺しの木』という恐ろしい俗名があります。その名前の由来は、この奇妙な姿の木の成り立ちに関わっているのです。

バニヤンの果実を食べたサルやコウモリ、トリなどの動物たちによって、森の中に育つ他の木の上に運ばれ、そこで糞とともに排泄され発芽します。そしてまずは宿り木として生活を始めます。樹上から気根を垂らして成長し、気根が地面に届くと本格的に成長し、幹が太くなり、宿主である木に巻きついて養分を得るのです。やがて宿主の木を覆いつくし、自分の方が大きくなると、その姿が木を絞め殺しているように見えることから『絞め殺しの木』の名前がつきました。遂には無数に伸びた気根が、「1本が林に見える」ほどに成長。

普通の木に反して上から下に向かって成長する性質や、気根が宿主にまとわりついた異様な姿から、バニヤンの木には夜叉神が宿るという古代信仰があり、その果実は怪しげな呪術、妖術などにも使われたそうです。同じクワ科のガジュマルも『絞め殺しの木』と呼ばれ、宿り木も種類は多いものの、宿主そのものを本当に絞め殺してしまう例は他にないとか。奄美大島でも、アコウの木には赤毛の妖怪が棲んでいるという伝説があるなど、洋の東西を問わず妖しげな伝承には事欠かないのですが、その姿を見ればそれも納得。

同じ絞め殺しの木の仲間でも大きなものになると、樹どころか建物までも飲み込んでしまうほどに巨大化するものもあって、アンコールワットの遺跡群を押しつぶさんばかりに成長したガジュマルは畏怖すら超えてもはや映画のセットのような造りもの感が漂うほど。いずれこれらの貴重なクメール王朝の遺跡もガジュマルによって破壊されていくのでしょうが、もしこれが日本だったら遺跡を守るためにガジュマルを伐ろうなんて言い出す愚かな輩も出てきそうで怖い。絞め殺しの木に絞め殺されるのも自然の摂理で、そこに良いも悪いもない。

そんな絞め殺しの木ですが、四国や九州ではアコウの大木が国の天然記念物にも指定されています。四国だと、愛媛の伊方町佐田岬の『三崎のアコウ』、高知の土佐清水市の松尾神社松尾のアコウ』、いずれも自生のアコウがあります。ちなみに愛媛の佐田岬と佐賀県の唐津市が自生するアコウの北限だそうです。その異形から『タコの足』とも呼ばれていますが、文字通り宿主に巻きつく姿は、獲物に吸盤で吸い付き圧死させるタコのようでもあります。こうなると『毒りんご』の上をいく『キラーツリー』としてまた別の魅力が見えてくる!




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