本日は節分という事で、全国各地でたくさんの豆が撒かれ、たくさんの恵方巻きが食された事と思いますが、豆はマメでも撒くほうではなく、「マメ科」の木の話です。一口にマメ科といっても実に多くの仲間がいます。とりわけ外国のマメ科の木には、木目や木柄が個性的な物が多くあり、『個性の塊』とも言える種族です。中でも人気が高いのが、日立のテレビCMで誰でも一度は見た事のある『この木何の木、気になる木♪』こと【モンキーポッド】です。この画を見れば、誰でもなんだか懐かしい気分になるのではないでしょうか。最近見かけなくなったような気がするのですが、私が見てないだけでしょうか?
テレビCMの木はハワイのオアフ島に実在する木なのですが、その樹形以上に驚くのは、あの広大に見える場所が実は個人の所有地という事ではないでしょうか。所有者の好意で一般公開されているという事です。樹齢は100年を越える長寿で、枝の広がりは40mもあるという事です。弊社に内装材や家具の相談に来られる方には、この木を生で見た(ハワイに行って)という人が多いです。それだけ木に関心があるということでしょう。またこの木は別名が多い事でも知られていますが、要するに人気があるので好みのニックネームで呼ばれるということだと思います。
例えば『レインツリー』という別名は、雨が近付くとすぐに葉を閉じてしまう事に由来していて、『雨を予知する木』とも呼ばれています。雨の時だけではなく、夕方になると葉を畳んで夜中に眠り、朝日とともに葉を広げることから、『アメリカネムノキ』とも呼ばれます。モンキーポッドという「本名」自体が怪しいのですが、ポッドにはエンドウマメの「さや」の意味があり、春先にこの木の丸っこいの実が熟して枝からたわわに垂れ下がる姿が、遠目から見るとちょうど小猿が木の枝にぶら下がっているように見えるところから来ているようです。こういうのは印象ですから・・・想像力は無限です!
材の特徴については、以前にモンキーポッドのローテーブルについて取り上げさせていただきましたが、『かけら』で見てもこげ茶の深みのある色合いが美しいです!でも実際には白身のある辺材も入る事もあるのですが、この色合いがモンキーポッドのトレードマークのようなものですから、淡い色合いの物は人気が薄くモンキーとして認めてもらえない事もあります。小さな部材なので、木取り具合によって差が現れるのは宿命なのですが、これも人気材の証でしょうか。まるで毛皮のようなしなやかな杢と、不規則に現れる褐色の縞模様の織り成す複雑な表情が存在感抜群!個人の住宅のテーブルや座卓はもとより、店舗のカウンターなどにもよく使っていただいています。現在、3、4mの長尺材は切らして折りますが2.4mサイズのテーブルサイズは数点あります。節分の豆は外に撒いても、マメ科のモンキーポッドは(家の)内で使ってください。
雨にも映える、雨を予知する木
「この木何の木、気になる木~♪」で有名なモンキーポッドについては、以前もブログでアップさせていただきましたが、当時のカメラは精度が低かったので、モンキーポッド本来の色合いが伝わりきれなかったのではと心配しておりました。アップに強いGR/DIGITALⅡにて接写の迫力をお伝えしたいと思っています。表面の割れを防ぐために塗布してあったボンドを剥いで、植物性油を塗って、仕上がりの色合いをイメージしやすいようにしました。心材と辺材のコントラストが気持ちがいいぐらいに明快です!
かなりテーパーの形状をしていますが、長さが2400㎜、狭い方の幅が500㎜、広い方で800㎜もありますから、うまく使えばカウンターやテーブルとして充分な大きさです。耳のエッジがちょっと緩いので、仕上げる際にはもう少しエッジを立てた方がいいかもしれません。これも最終的にはお好みですが・・・。耳の触感は滑らかなので、耳付でのご利用をお勧めします。ただ、耳の部分にクラック(割れ)が入りやすいので、少し削り込んで下さい。浅めの割れだと甘く見ると、痛い目に会いますのでご注意!
更にアップしてみると、木の材質感というよりは動物の毛皮の感覚です。アップすればするほど、木に思えなくなります。深いダークブランの色合いが余計にそう思わせるのかもしれません。モンキーポッドという名前の由来には見当たりませんでしたが、この質感がお猿さんの肌に似ているから、というのも一因としてあるのではないでしょうか。触感も見た目を裏切りません。さすがに毛足が立っているという訳ではありませんが、木目に添って元から末に向かってなでると、う~ん不思議な感覚!
モンキーポッドは、マメ科のネムノキ亜科の木で、ネムノキと同じように、雨が降る前になると葉を閉じる特徴があり、雨を予知する木として『レインツリー』の別名もあるぐらいなのですが、この日も撮影していたらに、わかに空が曇り、やがてパラパラと雨が・・・。生憎、葉っぱは落としてあるので、雨を予知したかどうかは不明でしたが、雨にもこのインパクトのあるお姿は映えます。それこそ、これこそがあるべきホームの姿なのでしょうか。ありきたりの木では物足りないとうお方、是非お猿さんの肌触りも楽しんでみませんか?