森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

弊社のわずかな神代木の中で、ひときわ異彩を放つ木があります。それがこちらの『神代朴』。言わずもがなですが、長らく地下で眠っていて掘り出されたホオ(朴)の木です。九州の宮崎県で出土したもので、手に入れたのは10数年前のこと。ご披露しようしようと思っていたのですが、モノがモノだけに何かいいタイミングがないかしらと探っていたらすっかり遅くなってしまい今頃になってしまいました。満を持してのご披露です!実は同時期に同じ『神代朴』を数枚仕入れししましたが、あまり状態がよくありません。

辺材部分はほとんど朽ち果てていて『神代』なんて形容するには申し訳ないような品質ではあるのですが、その中にとんでもないお宝が潜んでおりました!それほど大きくなかったと思われるサイズの朴の樹皮に近い部分ですが、辺材が朽ちてすっかり小さくなってしまっています。それを板に製材してみたのがこちら。普通に考えたらとても使い物にはならないような凸凹の端材・・・だと思われるでしょう。ところがこれをひっくり返してみると!なんということでしょう~!

なんと、この形は~!そうです、本州なのです!北は北海道から西は山口県までが見事に表現された『神代朴の本州』なのです!決して人工的に加工したわけではなく自然だけが造り出した奇跡の造形美。北海道から東北にかけては信じられないくらいの仕上がり!ちょっと琵琶湖が思い切り東北にずれてはおりますが、ちゃんと湖となっています。関西から中国あたりがやや未完成っぽいのですが、もしかしたら地下で神々が作成中だったものを途中で掘り出してしまったのかもしれません。もう少し掘り出すのを待てば見事な日本全体が完成していたのかも?!

とりわけ私が気に入っているのは日本海から北海道にかけての造形。このアングルから撮影したら、これは誰がどう見ても日本でしょう!!朽ちて生まれた凸凹が入り組んだ海岸線を見事に表現!能登半島もあります。綺麗に磨いて額にでも入れて飾ろうかなとも思っていましたが、ここに眠らせてしまってはモッタイナイので、『森のかけら累計70,000個突破記念セール』の目玉のひとつとして思いきって販売することにしました。本当は、四国、九州の神代朴も見つけて『神代朴全国地図』を完成させようと無謀な事も考えていたのですが・・・

自然が造り出した奇跡の産物だけに、全部集め終わるまでにはこちらが化石化しかねません。このまま磨いて飾っていただいてもいいのですが、楽しみ方のひとつとして高級ジオラマという手もあるので、ご参考までに「北海道で(苫小牧あたり?)、下北半島を背に怪獣ガヴァドンと戦うウルトラマン」を設えてみました。数百年かけて自然が造りたもうた産物に不遜?いやいや、これは日本地図として表現してこそ意味があるのです。オンラインショップ〔かわりものカテゴリー〕にて絶賛発売中ですので、物好きな方是非どうぞ!!

http://shop.morinokakera.jp/?pid=135530700




★今日のかけら #063【神代朴/ジンダイホオ】 モクレン科モクレン属・広葉樹・宮崎産

土中に数百年もの間埋まっていて、道路工事などで偶然掘り出された木、土埋木(どまいぼく)。「埋もれ木」とも呼んだりしますが、あまりにも長く地中にいたため、地下水や土中の成分、圧などによって元の木とはまったく異質なものに変成し、色合いも風合いもすっかり元の木とは違うモノに化けてしまうものもあります。愛媛でも稀に出土するものの、訊こうが温暖なこともあってか、コンディションのよい状態で出てくることはほとんどありません。

弊社にある土埋木もそのほとんどが東日本で掘り出されたものです。経年変化によって独特の風合いを醸し出していて、ものすごく雰囲気があるのですが、中に炭化しかかっているようなものもあり、本来の木の性質は既に損なわれてしまっています。なので乾燥に伴いどういう風に変化していくかが分からないので、精度が求められる用途には使いにくく用途も絞られます。若い頃にその面白さに惹かれて土埋木で建具を作って痛い目に遭いました。

何事も経験です。ところでそんな土埋木の中でも、とりわけ保存状態がよくて、木目や色合いなど総合的に判断して銘木的な価値のあるものについては、特別に「神の代(みよ)から土中に眠り続けられた木」として、『神代(ジンダイ』という冠が授けられるという話は以前にも書いた通りです。銘木の世界では神代と呼ぶには、最低でも500年~1000年ぐらいは土の中でお眠りいただいていないと、ふさわしくないとも言われていたりします。

そういう意味では弊社はあまりに気軽に神代を使いすぎていて大変不遜ではあるのですが、500~1000年ものの歴史的価値のあるような高級銘木とは縁の無い零細材木屋ゆえ、どうかご容赦いただきたい。そんな弊社にある神代木といえば、秋田富士とも呼ばれる名峰・鳥海山から出土した『神代杉』や『神代欅』。旭川から出土した『神代楢』や『神代楡』、『神代タモ』。珍しいところでは『神代胡桃』なんてものもありますが、銘木屋からは笑われるレベル。明日に続く・・・




石鹸の木」あるいは「葛西家復興を願う木」として知られる『サイカチ』の木ですが、長さが2700㎜で、幅が1mに迫らんとする二股変形の一枚板が2枚ありました。そのうちの1枚は4年ほど前に個人宅のテーブルとして売れたのですが、残りの1枚もようやくご縁がありました。機を逸すしてしまいすっかりアップするのが遅くなってしまったのですが、そんなサイカチについて。【森のかけら】を思いつくまでまったくご縁のなかった木のひとつであったサイカチですが、小さな接点が出来ると不思議と木が寄ってきます。

恥ずかしながら立木としてのサイカチを直接見たことがないので、この木のノーマルな感じがどの程度のものなのか分かりませんが、集まって来た多くのサイカチは耳の形もあっさりしたものが多く、二股に分かれたこのサイカチは異色でした。二股なので木目を流れてしまっていて、節も絡んでいて、サイズ感こそあれ、銘木屋とか一流どころの材木屋などでは相手にされることもないであろうモノ。他人のものさしなどどうでもよくて、形の奇抜さといい、木目のよれ具合といい、まさしく私好みの一枚

変わった形の木や珍しい種類の木を買うと、誰がこんなもの買うの?なんて尋ねる人がいらっしゃいますが、変わった木や珍しい種類の木があるからこそ、そういうとこに変人・奇人が集まってくるわけで、この木を受けいれてくれるどんな懐の深い人が現れるのだろうかと、仕入れた時からドキドキが始まるのです。ご縁は早いに越した事は無いと思われるかもしれませんが、私の場合は、出来るなら持ち主である私自身がたっぷりとその醍醐味を味わいたいので、3~4年ぐらいは倉庫で寝かしておきたいのです。

乾燥の甘い板の場合は、ちょうどその期間が乾燥養生期間にもなるため、趣味と実益を兼ねた必要不可欠な時間でもあるのです。その期間の間に、それらの端材で加工性や研磨性なども確かめ、塗装後の色の変化や材の特徴も記録。私のライフワークである『今日のかけら』の貴重な資料としても活用させてもらいます。今回のサイカチも、データ採集も終わり、すっかり乾燥も進んで、ちょうどいい売り頃になった時に、こういう個性を正面から受けてとめていただける素敵なお施主様との出会いがありました。続く・・・




長々と『クロガキ(黒柿』について書いてきましたが、【森のかけら】においては、プレミアム36の中の「日本代表」として送り込んでしまったので、このブログでも滅多に登場することがありません。材としてもかなりレアなのと、高級銘木にはあまり縁のない弊社としては、わずかしか在庫していないため、よっぽど倉庫の奥にまで侵入しようとするチャレンジャーでなければ、クロガキの板を目にすることもありません。端材までキッチリ使い切るので、『ちょこっと端材』コーナーに並ぶことすらもありません。

大きめの板が数枚あれば、その端っこで『かけら』ぐらいは十分カバーできるので、左の写真ぐらいのサイズがあれば5~6年は心配いりません。これは先日から書いているブログに登場する板の、三枚に割る前の姿で8年ぐらい前に撮ったものです。クロガキの大きさが分かるように、板の横に座って写真に写ってくれないと頼んだら、喜んで手伝いしてくれた娘(次女)ももう高校二年生。今ではモデルなんてとんでもない話。三人の子供たちの誰がモデルになる~ともめていた頃が懐かしい・・・そんな頃からこのクロガキも弊社にあったということか。

『カキのかけら』の場合は、かけらサイズに加工して、植物性オイルを塗って完全に仕上げてから黒味がよく表れているものを『クロガキ』として分類しています。右の写真はまだ塗装前なので、黒味をぼんやりととぼけた色合いですが塗ると下の写真のように黒味がグッと濃くなって見た目も引き締まって見えるようになります。最近は近所からもカキの木を分けていただく機会も増えてはきたのですが、なにせ虫に喰われやすく、加工してみても『かけら』としてすら使える部分もわずかという事になってしまいます。

さすがに虫もタンニンは美味しくないのか、黒味が喰われている事は少ないのですが、折角カキの丸太をいただいても、伐り時が悪いとあっという間に虫の餌食。今回は寒伐りしていたのと、保管状況が良かったようで、かなりの数のカキが揃いました。この中から一部は『クロガキ』としてプレミアムチームに選抜。ちなみに隣に写っているのは『スモモ(李)』です。どちらともこの周辺の農家の方の庭に生えていたものを分けていただきました。狙ったわけではないものの、柿と李のフルーツウッド並びでした!(※ビーバー雑木隊解釈ではカキもフルーツウッドです)




パンフレットにあるように作業効率は圧倒的によくて、仕上げについても馴れれさえすればスムーズ。変形した虫穴にうまく充填出来るようにさえなれば、かなり役立つと実感しました。色もパインからブラック・ウォールナットや黒まで20種類近くバリエーションがあるのも心強いです。特に今回は相手がクロガキだったという事もあり、木粉ではいかに同じ木を削って採集した木粉を使ったとしても、墨汁のような漆黒の黒色を作り出すことが出来ずに、その部分だけ妙に浮いた仕上がりになってしまいます。

その点ではクロガキの自然の漆黒に負けない「黒点」で埋めることが出来ました。角欠けにも有効でしたが、硬化後にサンダーをかける際、ベルトサンダーを使うと回転の摩擦熱で再び軟化したりと、まあこういうものは実戦をこなして体で感覚を覚えることが大事。それでもこのリペアスティックのお陰で想像よりはるかに早く仕上がることが出来ました。裾広がりの形状だったのも幸いして、シンメトリーのクロガキというかなりレアなカウンターが仕上がりました。

後から現場でL型のカウンターと繋いで完成ですが、現場が新居浜市という事もあって完成後の写真は取り損ねましたが、普通見ることのない個性的なカウンターとなってお客様にも喜んでいただけました。同時期に仕入れたクロガキがあと数枚残っていますが、これだけ全身に黒味が現れて、柄が整ったものはありません。以前は関東の木工所などからも何度かお問い合わせをいただいて画像を送ったりしたものの、やはりこういうものは実物をご自分の目でご覧いただかないと不安。

特に高齢木や老木になると、部分的に脆くなっているところあったりして、それがその人にとっての許容なのかどうなのか、また虫穴や染み、傷、割れ、節など、言葉や写真ではどうしても伝わらないことがあって、後から互いが嫌な思いをしないですむように、そういう材については極力ご来店いただき実物を見て、触っていただくようにしています。カワリモノを扱う店にとって、必要なのはカワリモノを面白いと愛でてくれる変わり者の客。カワリモノ(木も店も)は変わり者に愛される!




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2018年10月
« 9月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
Scroll Up