バニラ香る将棋盤の木②

20100824 バニラ香る将棋盤の木⑤昨日の続きです。さあ、すっかり皮も取れて耳が綺麗に露出しました。それらを丁寧に1枚ずつ桟を切って並べて乾かせます。それほど大きな丸太ではありませんでしたが、うまく製材していただいたので予想以上に大きな板も幾つか取れました。幅が150㎜未満の狭い板は、乾燥後に小割りして【森のかけら】や【円い森】に使う予定です。幅の広い物は、カウンターや幅 剥ぎにして家具などに使えそうです。当然節も出ていますが、やはり愛媛県産の榧とう出自がこの木の売りですから、そういう方向に目を向けられている方に勧めさせていただきます。

20100824 バニラ香る将棋盤の木⑥乾燥をより進めるためにも両小口を再度カットします。小口には乾燥させ始めた時の日付も書き込みます。この後は風通しの良い日陰でひたすら日を重ねていくのです。挽き立ちで水分も多く含んでいるので、画面では白っぽく映っていますが、乾燥して水分が抜けてくるともう少し黄色くなります。小口を見てもらえれば幅が300㎜ぐらいでも結構年輪が詰まっているのが分かると思います。榧は成長が遅く、耐陰性の強い木でかなり暗い場所でも育つので、小さな木でも目が詰まっている物が多いです。

20100824 バニラ香る将棋盤の木⑦さて、この榧の代表的な用途といえば『将棋盤』や『碁盤』が思い浮かぶと思いますが、水にもよく耐えるので風呂桶などにも使われる事があります。木目が緻密であるという事と適度な弾性があるという事から将棋盤に好まれるのですが、特に将棋盤においては『天地柾』といって上下に柾目が出ている物は最高級品とされますが、上下に柾目が出るという事は直径が1m級の原木が必要という事になりますので、素材としても相当に貴重で、取れたとしたら将棋盤1台で数百万の価値があるとも言われます。

20100824 バニラ香る将棋盤の木⑧また榧の葉は対生で先端が鋭く尖っているのが特徴で、葉を握るとかなり痛いです。似た名前で【イヌガヤ】という木がりますが、カヤイチイ科カヤ属であるのに対して、イヌガヤイヌガヤ科イヌガヤ属で、こちらは葉を握っても痛くありません。どちらも古くから山村では庭先に植えられたりして、実から油を採る油料(ゆりょう)植物ですが、主にカヤは食用油イヌガヤは灯油に用いられたようです。またカヤの実は灰汁に1週間ほど漬けて、炒って食べる事も出来ます。

 

20100829 榧榧の名前の語源については、『和名抄』という古い書物で、の感じを当て、和名を万葉仮名で加倍(かへ)と書き表されていて、この古名のカヤに転じたものであるとされています。そのカへも、古い時代の朝鮮語から転訛したということですが、カヤの油が重要視されそれが日本に伝わった事に由来しているとか、かつてこの葉を燻(いぶ)して、蚊を追い払う『蚊遣(や)り』に使われた事に因(ちな)んでいるなど諸説あるようです。弊社に材を観に来られた方には『バニラの甘い香り』と紹介していますが、その葉は蚊を追い払う効果もあるのですから、匂いの良し悪しも紙一重蚊もしれません。

バニラ香る将棋盤の木

★今日のかけら・#032 【榧/カヤ イチイ科カヤ属・針葉樹・宮崎産

 今日のかけら・榧

20100823 バニラ香る将棋盤の木①ご縁があって最近原木市場に出掛ける事が多いのですが、原木の出荷が少ないようで、製材業者の方もかなり苦心されているようです。相変わらず、山の事情と末端の家造りの現場との乖離を感じます。ところで、松山周辺の原木市場に出材されるのはほとんどがで、あとが並ぶぐらいで、広葉樹の原木が出る事は滅多にありません。テーブルなどに使える大きな広葉樹がない事もありますし、広葉樹を専門に扱う製材工場がないこともあって、小さな広葉樹丸太のほとんどはチップに回されます。山の木も需要があってこそ伐採されます。買ってもらう見込みがなければ山からは出て来ないの当然の理です。小さな広葉樹にも充分利用価値があるのですが、どれだけの量をどれだけ安定した価格で購入できるかという事でしょう。

 

20100823 バニラ香る将棋盤の木②そんな隙間だらけの土場の片隅に私の興味を 引く木が並んでいました。榧(カヤ)の原木です。決して大きな原木ではありませんが、愛媛県からの出材がこれほど明確な材を放っておく手はありません。桑の木についてはまた改めてアップしますが、まずはについて。原木市場から丸太を仕入れるためには、保証金を積んで原木市場の買い方にならなければなりません。その後、市日に1本ずつ入札して最高入札者が落札して、初めてその丸太を手に入れることが出来るのです。

20100823 バニラ香る将棋盤の木③弊社は製材工場ではないので、いつもお世話になっている製材工場さんにお願いして丸太を購入していただきました。その後すぐに市場からもって帰ってもらい、45㎜の厚さの耳付でにタイコ挽いてもらいました。弊社にやって来た挽き立ての新鮮な榧からは、いい香りが漂ってきます。榧はバニラのような甘い香がするのが特徴です。木から甘い匂いがするよと、子供たちを呼んで匂いを嗅がせます。挽き立てですから、ここまで鼻を近づけなくともぷう~んと香りますが、カメラを意識してモデルしてくれてます。

20100823 バニラ香る将棋盤の木④丸太を割っただけなので、これから乾かして使えるようになるのは早くても1年先です。榧の香りを損ないたくないので、人工乾燥ではなく天然乾燥を選らんだので道は長いですが、その分手元で長い間楽しめるという事です。さてきちんと乾かして在庫管理するためにはしなければならない事が幾つかあります。まず皮を剥くのですが、手で簡単に外せる物もあれば、ノミで叩かなければ取れないような物もありますが、皮がついたままでは虫の害を受けやすくなったり乾燥の妨げになります。