森のかけら | 大五木材


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その知名度の低さをカバーするためか、最近は『アフリカン・チェリー』と呼ばれることも多いのですが、さすがにチェリーと呼ぶには違和感がある、と思っていました。竹中大工道具館の巨大なボセの一枚板を見るまでは!その木には何も表記が無かったので、これは一体なにかしらと思ってなめ回すように観察していたら、断片的に『ミズメザクラ』の面影も感じたので(あくまで個人的見解)、チェリーまんざらでもないかなんて思ったりもしたのです!まあこれは特別な一枚だとは思いますが。

心材と辺材の差が明瞭でその赤と白のコントラストもチェリーと例えられる一因かもしれません。この木の特徴として挙げられるのが、樹皮の小口より乳白色の濃いラテックス(油脂状のゴム)が滲出(しんしゅつ)することがある、少量であるもののシリカを含んでいるので刃物を痛めやすい、樹脂分が小さな染みを作りやすい、細かい木粉が皮膚あるいは粘膜に炎症を起こすことがあるなどがあります。自分で使った経験がほとんど無いので書いていても距離感を感じてしまうのが寂しいところ。

チェリーどころか海外ではホンジュラス・マホガニーによく似ているので、その代用材ともされるという事です。いまや希少材となったセドロや世界三大銘木のひとつでもあるホンジュラス・マホガニーの代用にもされると聞くとにわかにこの地味に思えたボセが途端に特別な輝きを持って見えてくるのですから人間身勝手なものです。今はまだほとんど盛り上がっていませんが、ケヤキの代替材としてトチが急激に人気が出て価格が高騰したように、もしかしたら次はボセの時代が来るかも!?

という事で今度少しボセの板も仕入れてみようかと考えています。やはりこういうものは実体験を踏まえて語らないと言葉に説得力も重みもありませんから。そしたらその場にいらした大先輩の成瀬製材所成瀬社長が、「ボセだったら数年前にミセスホームさんの近くのカフェに大きなボセの一枚板のカウンターを納品したことがある」と言われて、これは灯台下暗し!記憶が曖昧でしたがそれでもかなりの長さ、幅を有する上質材だったそうです。そもそも樹高30~46m、直径1.2mにもなるような巨木ですから、大きな板が取りやすい木なのですが、まさかそんな近くで、ボセの一枚板のカウンターに出会えようとは!なるべく早めにお店に伺おうと思っています。ボセのリポートはまたいずれ日を改めてご報告させていただきます。研修旅行はまだまだ続きます・・・




センダン科の広葉樹『ボセ(BOSSE)』は、アフリカのシエラレオネからコートジボアール、ナイジェリア、カメルーン、ガブン、コンゴ共和国などの西アフリカ及びウガンダに分布しています(あくまで私が調べて分かった範囲ですが)。業界では一般的には『ボセ』で名前が通っていると思っていましたが、地域によっては『ボス』、『ボッセ』あるいは、学名のGuareaから『グアレア』の名前で呼ばれることもあるようです。アフリカでBOSSEと呼ぶのは主にコートジボアール

英語では、シーダー(スギ)のような香りを持つことから、香りを意味するScentが頭に付けられ、Scented Guarea(センテッド・グレリア)とも呼ばれています。恐らく製材した時の芳香だと思うのですが、私が【森のかけら】用にとボセを挽いたのは何年も前の事で、その時にそんな匂いがしたかどうか覚えていません。その後は残念ながら、知名度が低いためか『森のかけら』でチョイスされる機会も少なく、大きなボセの一枚板を割るような事は無いため、香りを確かめることは出来ていません。

現地では、家具や装飾材、フローリング、ろくろ細工や、耐久性があってヒラタキクイムシやシロアリ対しても耐性があることからボート用材として利用されているそうですが、それ以外にもシガーボックス(葉巻煙草箱)としても重用されているようです。それはセドロと同様に広葉樹でありながらシーダーの香りがするという特性を活かした用途だと思われます。残念ながら煙草を吸わないため、ボセがどれほどシガーボックスに適しているのか検証は出来ませんが、好奇心の強い愛煙家の方いましたら是非お試し下さい。

しかし【森のかけら】サイズでボセを見てみると、ここにネームの無いサペリタリシポなんか並べられたら当てる自信は全くありません。それでも【森のかけら】用のボセを加工している時は、それなりに特徴も見えたりするんですが、他の樹種が混ざったらもう無理!外道材木屋としては本当はこういう樹種こそ『強く』、『詳しく』あるべきなのですが・・・。材木屋としての『臨床』は、その木を実際にどれだけ多く扱い、どれだけ深く関わったかといことだと思っているので、ボセにはまだまだ臨床経験不足。続く・・・




★今日のかけら #211【ボセBosse   センダン科・広葉樹・アフリカ産   

順番が前後しますが、ミセスホーム㈱さんの業者会・ミスター会の研修旅行で向かったのは神戸の竹中大工道具館。実は6,7年前にも個人的に行ったことがあったのですが、入館するまで移転していたことを知らなかったので、入口がふたつあったのかしら?増築でもしたのかしら?と思っていたら、移転してかなり大規模にスケールアップしていてビックリ!2014竹中年に開館30周年を記念して、新神戸駅そばの竹中工務店本社跡地に移転し、2014年10月から一般に公開されることになったそうです。

入館して目に飛び込んでくるのは耳付きの巨大な一枚板のパーテーション。果たしてこれが何の木なのかという事で、業者会の中でもざわついていたのですが、見たことはあるような気はするものの断定できず・・・無節で国産材ではありえないサイズ。とりあえず館内の案内順路に沿って動き出したものの、どうしても何の木なのかが気になって仕方が無いので、ひとり受付に戻ってスタッフの方に何の木なのか尋ねてみると、『ボセ』という返事。まさかこんなところでボセと出会おうとは?!

聞き慣れない名前かもしれませんが、熱帯アフリカ産のセンダン科の広葉樹ボセ』あるいは、『ボッセ』は丸太の直径が1mにもなる大木です。『森のかけら』にも含まれているものの、それまでは弊社でも取り扱ったことがありませんでした。アフリカ産のあまりメジャーでない木(メジャーかどうかはあくまでも愛媛に住む私の感覚)の場合、強く意識して仕入れるつもりでもないと、出会う機会すらないのが現状。材木屋でも扱った事が無い人が多い木ではないかと思います。

入口に一枚板でパーテーションに使われているぐらいですから、木目も整っていてほれぼれするような美しさ。近づいて見ると美しい虎斑が入っていて、私の知るボセとはまるで別物のように見えます。35㎜角の『森のかけら』になってしまうと、他のアフリカ産の広葉樹と見比べても分かりづらく、元のある程度の大きさの時の表情を知っていないと、正直35㎜のキューブの中で個体差を見出すのは容易ではありません。特にボセなんて切り取り方次第では、元の樹種すら想像できず・・・明日に続く




昨日までテーブルの一枚板としてもミズナラについての話でしたが、粘りがあって逞しいミズナラはフローリングや家具以外でもいろいろな用途で活躍しています。以前は厚み30㎜前後の耳を断った平板としても仕入れていたので、造作材なども利用していましたが、品質の良いものは価格が高騰したのと安定供給の問題で、そのポジションは北米産の『ホワイトオーク』に取って替わられました。大きな一枚板が必要な場合は、やはり北海道や東北、岐阜の市場などから仕入れることになります。

小さなものでよければ、地元の久万の山からも少しは出てきますので、製材所に丸太で仕入れてもらい耳付きの板に挽いて使っています。曲がり木も多く、家具などに使うには難しいものの、小さくカットして使うには十分。小さくとも曲がり木であろうともミズナラに違いはなく、例えばこういう『木の球』に加工すれば、ヒノキとは比べものにならないズシリとした重みが感じられます。木同士がふれあった時の力強い音もミズナラならでは。前述した『カラコロ木琴』をはじめ音色も楽しめます。

昔は床材、家具材としてしか見ていなかったため気づいていなかったのですが、ミズナラの魅力は小さくしてもその特性が失われにくいことにあります。小さなモノにも虎斑(トラフ)が現れたりと表情豊かで、子供たちにも「木らしさ」がよく伝わります。ヒノキやスギの針葉樹の切り取った柾目部分だと、木とは感じない子供もいたりしますが、ミズナラだとさすがに子供にも「木感」は理解できるようです。またそのしっかりした重さからも掌で木を感じているのだと思います。

節や割れだけでなく、虫に喰われる事も多いミズナラですが、最近はその虫穴も含めて『木の醍醐味』と理解して、それらも自然体で受け入れたいただく寛容な人も増えてきています。むしろそういう部分を取り込んだものが欲しいというリクエストもあったりして、木に対して求められるものは随分広がってきたと実感しています。だからこそそれを供給するこちら側が、いつまでも古臭い昔のままの物差しで木をはかっていてはいけないのです。新しき価値は新しい木の中にあるのではなく頭の中、心の中にある




天板が仕上がったら最後は植物性オイル+蜜蝋ワックス拭き仕上げ。鉄脚が付いて仕上がったのがこちら。中央に走った大きな割れも、豪快な流れ節も、このミズナラに力強さと唯一絶対の個性を与えてくれています。中には節や割れが許せないとか、許容出来ないという方もいらっしゃいますが、弊社の倉庫にあるのはそういう木ばかり。私自身がそういう木の表情が好きだし、それを個性だと感じているので、あえてそういう木ばかりを選んで仕入れています。なので自然とご来店される方にも感染。

もちろん欠点の無い無節の木も嫌いではありませんし、ある意味でよくぞそこまで綺麗に成長したなと感心するものの、生来のひねくれ者ゆえ万人が認める絶対的な価値に対する反発心みたいなものがありまして、節ひとつ無い優等生のような木には何か物足りなさを感じてしまうのです。欠点の無い事、それこそがある意味欠点でもあります。自身の人生を投影した、完璧なモノに対するひがみ、ねたみなのかもしれませんが、やはり私は節や割れ、傷のあるような板にこそ木の魅力を感じてしまうのです

ぬくぬくと育った優等生の無節の板からは発することのない、ワビサビのような味わい深さは、森で雨風や小動物、昆虫たちと格闘して刻まれた節や割れ、傷などの爪痕からこちらの想像力を大いに掻き立てながら滲み出してくるのです。酸いも甘いも嚙み分けたような老獪な味わい深さがたまりません。映画でも完全無欠のスーパーヒーローよりも、心に闇のあるような脇役に惹かれたりするのです。古い例えで恐縮ながら、アーネスト・ボーグナインとか ウォーレン・オーツ、ロバート・デュヴァル等々。

話が映画の方に逸れそうなので戻します。きっとそういう自分自身の中の反骨心というか反発心みたいなものが、木の節や割れなどがあって『欠点』とか『B品』なんていう表面だけしか見ない薄っぺらい世間の評価に対する怒りのメタファーとなっているのだと思います。人は誰も理想通りには生きられませんが木とて同じこと。そこに芽吹いてしまえば、いかに過酷な環境だろうがそこで生きていくしかない木。その木たちが必死にもがいて刻まれたしるしの中こそかえがたい魅力があると思うのです




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