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なんて思っていると、先日思わぬところで違った出口の形に加工されたメルバオに出会いました。それがこちらの太鼓の撥(バチ)。まあ、これもいわば先日の『シラガシ(白樫) 』からの引き寄せのようにも感じる撥(ばち)繋がり。これはメルバオが太鼓の撥に向いているから作ったというよりは、たまたまメルバオがあったので、重たくていい音色が出そうなので作ってみたという事でしたが、持ってみればズシリと重く、叩くにもかなりの力が要りそうで、腕っぷしが強い人向き。サイズにもよりますが持った感覚では白樫よりも重く感じました。 | ![]() |
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増え琴に撥と音色を出す出口繋がりながら、音の良さなどまったく分らない無粋な人間なので、その有効性が見極め出来ませんが、相当力強い音が出るのは容易に想像できます。その太鼓の撥を扱っていらっしゃるのは松山市内で、太鼓や撥、笛、提灯などなど祭りに関する道具を扱っているお祭り道具専門店『まつり屋 田内』さん。店主の田内さんが防災士の資格をお持ちだという事から、昨年店舗を改装されて店の一角では |
このブログでも何度か書いた『ラミンの丸棒』も残った分はすべて田内さんがお買い上げいただき、練習用などの太鼓の撥として販売していただいています。変わった材を売るには、変わった人と変わった出口とのつながりが不可欠!そこで拝見したメルバオは、メルバオならではの出口というわけではないでしょうが、重硬材の用途を考えるヒントになりました。こういう出会いでもないと『今日のかけら』で取り上げにくいのですが、まさかこんな身近なところでメルバオが使われていたとは。常に高い意識で出会いを求め続けることの必要性を痛感しました。メルバオが招いた僥倖。 | ![]() |
わずか35㎜角の立方体の中すべてにちゃんと「見極めポイント」が入っていました。シュウ酸石灰 やシリカなどの鉱物質が含まれている木は結構多くて、南洋材においては大きな特徴の1つにもなっているほどです。代表的な例で言えば、アピトンやレンガス、ホワイトメランチ、チーク、タンギールなどなど。チークなどは、シリカの影響ですぐに刃物が切れなくなるので、なるべく刃物を替えたばかりの時には加工しないようにしています。メルバオについてはそういう話を聞いたことがないのは、板として加工する頻度が圧倒的に少ないためか、含まれる好物質の違いか? | ![]() |
★今日のかけら♯225【メルバオ】Merbau マメ科・広葉樹・東南アジア産
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それから月日は流れ、【森のかけら】を作ることになって久しぶりにクイラーを扱う事になります。かけらにに使っているのは、昔加工ミスした床柱の一部です。かまぼこ型に加工した表面をガチガチにウレタン塗装で固めているのですが、そこに鑿を入れると、塗装面が弾けたりして使い物にならなくなってしまった床柱の欠品が残っていて、それを転用してかけらを作っています。なので日々かけらとしては目にしたり、触る事があるのですが、角材や板材としてクイラーに出会う事はすっかり無くなってしまいました。 |
【森のかけら】を作る際にいろいろ調べていたら、一般的にはクイラーではなくて『メルバオ(あるいはメルバウ)』の名前の方が浸透しているようで、全国各地の木材関係者に訊いてみても、多くの人が『メルバオ』で認識されていました。もの本によると、メルバオとは『マレー語地域におけるIntsia 属の樹種の総称』らしく、元来はIntsia palembanucaという樹種につけられている通称名で、それ以外はメルバオ〇〇などのように呼ばれていることが多いとありました。クイラー(Kwila)というのは、ニューギニアで使われる名称。 | ![]() |
画像で簡単に確認できるのは便利ですが、それでいいか悪いかはそちらで判断してね、というのは正直なところ営業マンとしては自己存在の否定のようなものなので、自分で売る時もなるべくその木に対する言葉を添えるようにしています。それが最近は送る写真の枚数や量、スピードがどんどん増えていって、言葉を添え忘れたり、間に合わない事も増えていて反省してます。それならせめて『今日のかけら』のリンクだけでも貼り付けつようにしているのですが、そのためにも早く『今日のかけら』完成させないと💦 | ![]() |
恥ずかしながら私は『ネズコ(鼠子)』を、【森のかけら】以外に使った事がないので、その材質や特徴がどうだのこうだの説明出来るだけの生の感覚を持っているわけではありません。なのであくまで小さな「かけらのネズコ」を通してのわずかな知見となりますが、その個性的な名前以上に気になるのは、「とにかく軟らかいので傷をつけないように慎重に扱うという事」です。気乾比重0.30~0.42というデータがありますが、今「かけら」にしているものが粗目なせいかもしれませんが体感的にはもっと軽く感じます。 | ![]() |
35㎜角のキューブになってしまうと、ネームシールでも貼っていなければよほどの目利きでもなければそれがネズコであると識別出来る人はほとんどいないと思います。むしろ同類のウエスタンレッドシーダー(ベイスギ)との区別は年輪の密度とその特徴的な匂いで容易に判断できると思います。生木の段階ではどうなのかは知りませんが、乾燥したネズコはほぼ無臭。良質で大径木のネズコだと、天井板や長押、建具材、羽目板などの装飾材や飯櫃や桶、下駄や家具などにも利用されるそうですがそんな立派なネズコにはお目にかかったことがありません。 | ![]() |
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四国の深山にも自生しているようですが、もし伐採されたとしてもスギと一緒くたにされて出材されて、そのまま誰も気づかず、ちょっと雰囲気の違うスギぐらいの感覚で使われている可能性のあるような気がします。時々スギの中にも雰囲気の違うようなものが混じっていることがありますが、もしかしたらその中にネズコも混じったいたのかも。【森のかけら】でも作らなかったら、私もネズコの事を意識することはなかったかもしれません。灯台下暗し。案外すごく身近なところで気づかずに脇をすり抜けている木があるかも?! |


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