森のかけら | 大五木材


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時の皇太子・劉拠に対する謀反に加わったとして捕らえられ、獄中で刑の執行を待つ身だった同じ境遇で友人の任安に対して、「腐刑」という汚辱を甘受したわが身の心境を綴ったものでした。自分には父親から厳命されていた史記の編纂という大仕事があったので、屈辱的な罪を受けようとも生きてその仕事を成就させなればならなかったという苦しい心の内を吐露した言葉だったそうです。それが年月ともに曲解されて、司馬遷の忠義を称えた言葉として伝わったというのが真相らしい。
本来の意味がタイサンボクの苗に影響を与えたかどうかは定かではありませんが、当のタイサンボクにしてみればそんな話知ったこっちゃないという事でしょう。しかし言葉でその木のイメージが形作られていくことってあるので、本来の意味を知ると複雑な思い。まあこの場合は、曲解された「義のために命をすてることは少しも惜しくない」という思いを込めて名前に使われたと考えたほうがよさそうです。そういう名前のタイサンボクですが、折角手に入ったのだから骨までしゃぶって使わせてもらわねば申し訳ない。
森のかけら』には取れないサイズの小さなものも出来る限り耳を落として製材しました最終的は「ストラップ」という最小サイズの出口がありますので、そこに使おうと思っているのですが、それならストラップも400種類作ってみたい・・・メインの木取り(森のかけら)で十分元が取れるのだから、端の端まで使い倒そうなんて欲の皮の突っ張ったことをいいなさんなとよく言われます。そうですが、そこは、『(骨までしゃぶり尽くしてこそ材木屋の使命と考える)義は泰山より重し。泰山木は重し(生木だからね)。』

大振りで立派な花と樹形から文字通り「大きな山のような木」という意味を込めて『大山木』と書いてタイサンボクと読ませることもあります。大山の木、大山と言えば・・・そう、わが愛する阪神タイガースの4番大山悠輔選手!で妄想で『阪神タイガースの5かけら』を考えてた際に、選手、選手、選手、タイガーウッドらと共にどうしても持っておきたかった樹種でした。これで虎と木にちなんだ『虎の5かけら』のご用命いつでもお受けできますのでご安心下さい阪神球団様!




今回ご縁があって入手できたタイサンボク(モクレン科)は、個人も庭に植えられていたものなので決して大きくはありませんが、『森のかけら』にするには充分なボリュームです。全部かけらにしたとしたら、これで向こう10年は安泰です。タイサンボクの材としての特徴などについては、これから乾燥させて加工した際に改めて書くつもりですが、ここではその名前について。原産地は北アメリカで、日本には明治初年に入って来ました。材としてのタイサンボクを見るのは初めてだったのですが、生木の状態ではクリーム色で加工性もよさそう。
これから乾燥していく過程でどう変化していくかという事ですが、案外使い道はありそうです。ただし材の供給が不安定なので限定品などになってしまいます。タイサンボクという言葉の由来は定かではないものの、大ぶりな花や樹形から大山木と名付けられたと言われています。花が大きな盞(さかずき)の形をしているから「大盞木」の漢字を当てているとの説もありますが、一般的には「泰山木」の漢字が当てられる事が多いようです。これは司馬遷の漢詩の一部から転じたもの。

 

山は中国山東省中部に位置し、秦の始皇帝や前漢の武帝らが天地を祀る儀式「封禅」を執り行なった荘厳で神聖な山のことです。司馬遷の史記の中の一説、「義は泰山より重く、命は鴻毛(こうもう)より軽し」から来ていると言われています。現在「義は泰山より重し」という言葉は、国家や主君のためならば命を捨てる事すらも惜しまないという忠君愛国の思想の教えのように解釈されていますが本来の意味は違ったようです。元の言葉は、「人 固(もと)より一死有り。或いは泰山より重く、或いは鴻毛より軽し。用の趣く所 異なればなり。(略)最下は腐刑、極まれり。」というもの。

意味は「人として生まれたからには、必ず死はあるもの。だがその死が泰山より重いか、鴻毛より軽いかは、人それぞれの、その動機の違いによると言える。最悪は、命を惜しんで受ける宮刑に尽きる。」という事で要約すれば、人の守るべき道は泰山よりも重く、それにくらべて命は鴻(おおとり)の羽毛より軽い。義のために命をすてることは少しも惜しくないという意。そう聞くと司馬遷の高潔な生き方を表わした言葉のように聞こえますが、実は本来はそうでなくて司馬遷の屈辱の胸中の吐露だったようです。続く・・・




いま取り組んでいる『森のかけら400』にどうしても加えたいのがモクレン科の広葉樹『タイサンボク』。大振りな白い花と艶のある葉が特徴的で、松山市内でも街路樹や公園などによく植えられています。この木の存在は知っていたものの、用材として利用されることはほとんど無くて、木市場ではついぞ見かけたことがありません。日々よく目にしていながらも『森のかけら』に加える事の出来ないジレンマ。

こういう思いが「次に改訂するときは必ず加えてやる!」という変な野心を抱かせてしまうのです。今回400種を目指す際には真っ先に解説文は書き終えて待ち構えていました。『森のかけら240』を作った10数年前はまだまだ細かったネットワークも広がり人脈も多彩に。なによりも国産材に関してはビーバー隊長』こと武田誠さんとの出会いが大きくて、この人がいなければ400種の木を集めようなどという野望は夢のまま実現することはなかったことでしょう。

武田隊長という懐刀もあるし、今回はタイサンボクも楽勝だろうと高をくくっていたのですが、そこが街路樹・公園木の木の難しさ。天下無双の武田隊長と言えどもさすがに勝手に街路樹を伐採できるわけではないので、飢えた獣のように草陰に身を潜めただひたすらじっとその時を待つわけですが、なかなかそのタイミングが巡って来ない。こういう場合は、とにかくこの木が欲しい!と強く強く念じてじっとご縁を待つしかないのです。

本当に強く願えば叶わない事は決してない、というのがビーバー隊の信条です引き寄せの法則は本当にあると思います。先日、そんな私の元に1本の電話が・・・。「タイサンボクの庭木を伐ったけど要りますか?」やっぱり神はいる!端材までしっかり活かしきろうというモッタイナイ症(貧乏性)の我々をビーバーの神は見捨てなかった!念願叶ったタイサンボクの丸太とはこうして出会えたのです。実に構想10余年・・・

 




今まで床柱やフローリングでしか扱った事のなかった『メルバオ(Merbau』ですが、海外ではどういう用途に使われているのでしょうか。まずその特徴ですが、気乾比重が0.74~0.90と非常に重たく沈木である。その硬さの割りに加工性はよくて、乾燥による歪みやねじれも強くない。耐久性も高くて、シロアリなどの虫に対しても高い防蟻性を持つ反面、防腐剤の注入は困難であるというもの。床柱、フローリング、かけら以外での利用実績が無いので、書いていてもいまひとつ実感が湧かないのですが、典型的な硬質系南洋材の1つです。

こういう木の用途として木材事典などに記されている用途は、主に床材、キャビネット、パネル、家具、楽器、挽物、柄、指物、重構造用材など。つまり、メルバオでなければならないというマストな出口は定まってはいないようです。大きな材加工したから際に、黄色いシュウ酸石灰がどれぐらい刃物に影響を与えるのか分りませんが、いろいろ試してみたもののその事がネックとなって用途が広がりきらなかったのかしれません。折角、この木はメルバオだと断定できるポイント付きなのだから、何かもっと『ならではの用途』があってくれると嬉しいのですが・・・

なんて思っていると、先日思わぬところで違った出口の形に加工されたメルバオに出会いました。それがこちらの太鼓の撥(バチ。まあ、これもいわば先日の『シラガシ(白樫) 』からの引き寄せのようにも感じる撥(ばち)繋がり。これはメルバオが太鼓の撥に向いているから作ったというよりは、たまたまメルバオがあったので、重たくていい音色が出そうなので作ってみたという事でしたが、持ってみればズシリと重く、叩くにもかなりの力が要りそうで、腕っぷしが強い人向き。サイズにもよりますが持った感覚では白樫よりも重く感じました。

増え琴に撥と音色を出す出口繋がりながら、音の良さなどまったく分らない無粋な人間なので、その有効性が見極め出来ませんが、相当力強い音が出るのは容易に想像できます。その太鼓の撥を扱っていらっしゃるのは松山市内で、太鼓や撥、笛、提灯などなど祭りに関する道具を扱っているお祭り道具専門店『まつり屋 田内』さん。店主の田内さんが防災士の資格をお持ちだという事から、昨年店舗を改装されて店の一角では防災用品や非常食、防災無線などの防災用品などの販売も行われています。

このブログでも何度か書いた『ラミンの丸棒』も残った分はすべて田内さんがお買い上げいただき、練習用などの太鼓の撥として販売していただいています。変わった材を売るには、変わった人と変わった出口とのつながりが不可欠!そこで拝見したメルバオは、メルバオならではの出口というわけではないでしょうが、重硬材の用途を考えるヒントになりました。こういう出会いでもないと『今日のかけら』で取り上げにくいのですが、まさかこんな身近なところでメルバオが使われていたとは。常に高い意識で出会いを求め続けることの必要性を痛感しました。メルバオが招いた僥倖。




昨日の続きです・・・東南アジア産のマメ科の広葉樹、『メルバオ(Merbau』が含まれるIntsaia属という種類には、12種類の木が含まれているそうで、私が認識しているメルバオがその中のどれに当たるのかは分りません。製材されて板になったり床柱やフローリングなどの商品になったものしか見たことがないので、大きな板材の状態で見たことはないのに、見たり触った経験は多いという木の1つです。材木屋仲間では、昔からメルバオといえばこれが見極めるポイントというのが伝えられていて、その特徴が分りやすいので、その特徴のある木はメルバオだと認識してきました。

木の材面を見て、黄色いチョークみたいなのがあったらメルバオや、というもの。左の写真は材面をアップで撮ったものですがところどころに黄色い筋状のものが見えると思いますが、これの事です。専門的に言うと、道管の中に黄色のシュウ酸石灰を含んでいる状態なのだそうですが、私には詳しい事は分りませんが、とにかくこれがメルバオを見極めるポイント。とはいえ、35㎜角の【森のかけら】にしてしまったら、そのサイズの中に都合よく「見極めポイント」が入っているものだろうかと、改めてメルバオのかけらを引っ張り出して観察してみると、

わずか35㎜角の立方体の中すべてにちゃんと「見極めポイント」が入っていました。シュウ酸石灰 やシリカなどの鉱物質が含まれている木は結構多くて、南洋材においては大きな特徴の1つにもなっているほどです。代表的な例で言えば、アピトンレンガス、ホワイトメランチ、チーク、タンギールなどなど。チークなどは、シリカの影響ですぐに刃物が切れなくなるので、なるべく刃物を替えたばかりの時には加工しないようにしています。メルバオについてはそういう話を聞いたことがないのは、板として加工する頻度が圧倒的に少ないためか、含まれる好物質の違いか?

科学的な話は分かりませんが、前述したように荒板などの素材で流通しているケースが少ない(特に愛媛ではほぼ皆無)ため、メルバウを鉋で削った経験値が少ないので、話題にならないだけかもしれません。最初に床柱で加工ミスがあった(それをかけらに転用している)と書きましたが、もしかしたら塗装の問題だけでなく、シュウ酸石灰の影響もあったりしたのかも?ルーペで小口から導管を覗いてみると、黄色いシュウ酸石灰がしっかりと詰まっているのがよく分ります。明日は久しぶりに『かけら』以外のメルバオに会った話。続く・・・




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