森のかけら | 大五木材


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どんな木でも掘り下げてみると実は思いがけないところとつながっていたり、こんなところとも関わりがあるのかと驚かされることがよくあります。それぐらいわれわれの日常生活において木は切っても切れない密接な関係にあるということの証明でもあります。近所からいただいたオリーブですが、伐採して欲しいという話は昨年の年末からあって、こちらの都合で年明けとなったのですが、その頃からオリーブの事が少し気になっていました。縞柄の木自体が好きなので以前からオリーブは好きな木のひとつだったので、伐採させてもらったらまたブログで取り上げよう程度の漠然とした気持ちでした。

引き寄せの法則』というものがありまして、その事について強く念じ思い続けていると、それに関わるひと・ものが引き寄せられるように出会ったり、集まってくるというものです私の場合は、特定の樹種というより、木のモノ全般について何か面白い話はなかろうかと、「そのあたりに落ちている話」も拾うように心がけているのですが、最近は引き寄せられる事が多くなってきているように感じます。先日まで引っ張っていてラ・コリーナさんでもオリーブを見つけていて、独り勝手にゾクッとしたりしていたのです。このタイミングで出会うってもしや・・・?!なんて。

それがこちらの『オリーブ大福』。グルメブログではないので商品説明をする気はありません。樹になったのは、和菓子にオリーブという組み合わせです。その時はレジもお客さんが一杯いたのと、ダイエットの最中でもあったので手は出さなかったので、実は味は知らないのですが(笑)、後で読んだ山本社長の著書でその背景を知りました。数年前に知人とイタリアに行かれた際にあるワイナリーで、環境への負荷を考えながら経営をされているオーナーに出会われます。「自然に学ぶ」というその考えに共感した山本社長がとった行動が凄い。

そのワイナリーではワインの他にオリーブオイルも作っていたのですが、そのオリーブオイルが絶品だったそうで、「こういう人と長く商売がしたいと思った山本社長は、つい発作的に「ここにあるオリーブオイル全部買います!」と言ってしまったのです。結果的に20フィートコンテナで1台分のオリーブオイルを仕入れられました(個人で飲むと10年かかる量!)。しかもその時にはそれをどう使うか明確なプランはなかったというのです。その点は、市場で面白い木を見つけたら後先考えずに衝動的に買ってしまうので気持ちはよく分かりますがスケールが違いすぎる。

それでも本当にいいものは必ず売れるという信念のもと、和菓子にオリーブという奇抜な発想の『オリーブ大福』を商品化して大ヒット。コンテナ1台分のオリーブオイルは半年もたたずになくなったというのです。たまたま偶然そういう結果になったという話ではなく、常に感覚を研ぎ澄ましておけばこういう出会いがあって(会っても気づかない事が多い)、日々の修練に裏打ちされたモノが作れるという事。なるべくしてなった、会うべくして会った、と言えるまでにどれほどの時間が費やされてきたことか。ものづくりの深淵を垣間見た思いです。今回はたまたまオリーブでしたが、木はいろいろな事を示唆してくれます。日々発見、日々勉強。知らない事ばかり。驕るなかれ、臆するなかれ。だから木は面白い!

 




一方で、オリーブの木は手厚く保護され、神像を造る以外にその材を使う事は厳しき禁じられていました。単に傷をつけただけでも裁判にかけられ重罪に科せられるほどオリーブは古代ギリシャにとって神聖かつ重要な木だったのです。オリーブの始祖木にまつわる話としては他にも、紀元前480年にアテネがぺルシャ軍に攻撃された際に街は焼け落ち、始祖木も燃えてしまったのですが、その翌日には早くも始祖木からは新しい芽が吹き始め、アテネの人々は歓喜してその新芽を希望のしるしとしたというのです

更にその話には続きがあって、それから600数年経って、ペルシャの人々がアテネの地を訪れると、その木はまだ元気で、その木から採ったオイルでアテネの街のランプは明るく灯されていてというのです。ここまでくると何が何でもオリーブの木を聖なる木として崇め奉ろうという意思が潔くて好きです!木に対するエピソードはこれぐらい盛り気味で調度いいんです。ちなみにメシア(救世主)とは、『聖油(オリーブオイル)を塗られた者』の意味。今の木材界にも不滅の魂と不屈の闘志を合わせ持つメシアが必要です!

こういうエピソードなどは昔から興味があったとか、知っていたわけではなくて、『適材適所』を書き始めた20数年前から、木の話を知りたくなって少しずつ読んだり集めたりするようになりました。世の中には6万種もの木があると言われていて、どの木のエピソードにいつ出会うのかというのは神のみぞ知るところ。ある木の話を知ってから、昔観た映画や読んだ本に出ていた木にはそういう意味があったのかと気づかされることも多いのです。逆にその時に知っていればもっと楽しめたのにと残念に思う事もあります。

もともと歴史好きなのですが、ヨーロッパの歴史は馴染みが薄い事もあってなかなか入り込めなかったのですが、紀元前480年にアテネがぺルシャ軍に攻撃されて燃えたオリーブの話とかは、映画『300(スリーハンドレッド』の設定舞台だし、映画『トロイ』も古代ギルシャが舞台だし、もっと早くからオリーブのエピソードをしていれば映画の中でもオリーブの木や、その背景に隠された意味などを探していたかもしれません(それはそれでかえって映画のストーリーに集中できなかったかもしれませんが)。

オリーブの木の事をよく知らなかった頃の私が、オリーブとして思い浮かべていたのは、ノアの箱舟。神が怒って起こした大洪水の後にノアが放った鳩がオリーブの葉を加えて帰って来たという話。食べ物にも無関心だった頃からムーなどのオカルト本を読むのは好きだったので、私にとってはオリーブオイルよりもノアの箱舟の鳩が加えてきたオリーブの方が馴染みがあるのです。ただしその頃は、それが何の象徴なのかなどは理解も出来ず、ただどこかに土地が残っていたという意味としか捉えていませんでしたが。木の話知れば知るほど映画や小説も深く楽しめるようになる

 




ここ数日間、近所で伐採させていただいたオリーブの話をしてきましたが、オリーブについては以前から気になっていたことがありました。2年ぐらい前に『今日のかけら』でオリーブを取りあげたのですが、それはちょうど知人の方から香川県小豆島産のオリーブの材を分けていただいた(一緒にオリーブの新漬けもいただいてすっかり虜になりました)事もあって、日本におけるオリーブの歴史というような形でも紹介となりました。その流れで北原ミレイの『石狩挽歌』、北海道小樽の鰊御映画『ジャコ萬と鉄へと展開しました。

地中海沿岸の北アフリカや西アジアが原産のオリーブですが、すっかり日本の木のような紹介になってしまい、原産地やヨーロッパに沢山あるオリーブにまつわるエピソードにまったく触れていなかったのが心残りで、いつかそちらに触れようと思っていました。なのでこの機会に世界におけるオリーブにまつわる神話や伝説をご紹介したいと思います。中東の死海以北ではオリーブは紀元前3700年頃には既に栽培がされていたと言われています。日本に渡来したのは江戸末期ですから、歴史が違いすぎます!

ちなみに北アメリカにオリーブが渡ったのは1769年で、修道士が現在のカリフォルニアの州サンディエゴの伝道地に植えたのが最初だと言われています。古代ギリシャでは、都市の繁栄はオリーブのお陰といわれるぐらいにオリーブに頼っていたとされ、人々も大切にしてきたそうです。すべてのオリーブの始祖に当たる木は、女神アテナを祀った神殿の傍に生えていて、美と潔癖さの象徴でもあり「処女神」とも呼ばれたアテナにちなんで、大切な火を灯すオリーブ油は「ヴァージン・オイル」と呼ばれるようになりました。

アテネ建国とオリーブも深い関係にあって、この国が新しく作られた時に、女神アテナと海神ポセイドンは、それぞれが自分の名前を国名としたいと願い、建国のお祝いにアテナはオリーブの枝を、ポセイドンは馬を贈りました。悩んだ神々たちは会議を開くのですが、馬が戦争の象徴であるのに対して、オリーブは平和の象徴』であったことから、この新しい国の名はアテネに決まったのだそうです。オリーブの始祖木から採られた油は神聖な宮殿のランプに明かりを灯し、女神アテナにも捧げられました。続く・・・




ラ・コリーナ近江八幡で出会った『気になる木のモノ』は木型以外にもいろいろありましたが、そのひとつが、こちらのロンドンバスをシンボルにバイクなどを展示してあるギフトショップにあります。この建物も面白くて、外見は半円形のガレージで、全体の空間の中に違和感なく溶け込んでいます。中もアメリカの映画に出てきそうなほどオシャレ。神はディテールに宿るといいますが、細部に至るまで計算して作り込まれていて、手を抜かない本物志向が垣間見えます。こういうセンスの無い私からすると羨ましい限り・・・。

そのショップにはさまざまなオリジナル商品が販売されているのですが、商品の企画開発から包装のデザインまですべて自社でされているそうです。先代の頃から包装紙などもご自分でデザインされていたそうで、やはりものづくりには『絵心』は大切な素養のひとつだと思いました。私も子供の頃から絵を描くのは好きでしたが、若い頃のきちんとデザインとかの勉強をしておかなかった事が今でも心残りです。さて、そのガレージショップには2階があって、その階段を上がるとそこには、気になる木のモノがあります。

それがこのウィスキー樽。ウィスキー樽と言えば、京都は伏見の有明産業㈱さんのところの商品です。ポンポンといくつか並べて置いてあったのですが、何も説明が無かったので単にインテリアとして設置されていたのか、イベントでもされる時のテーブルか何かに使われるのか分かりませんが、ただそこに置いてあるだけでも存在感充分!有明産業さんのこの樽はちょっとオシャレな店舗などでは最近よく見かけます。やっぱりこちらも本物。本物はただそこに置いておくだけでも画になります

恐らく『ホワイトオーク』製だと思われます。ホワイトオークにはチロースという成分が含まれいていて、非透水性が高く木樽の中に水を入れても水漏れしません。更に内部から抽出成分が溶け出してまろやかなウィスキーに仕上げてくれます。これが他の木だとうまくいかないようで、やはりウィスキー樽はオークでなければなりません。初めて有明産業さんのこの樽を見た時は、樽に打ち付けられたラベルがいかにも外国風なデザインだったので、てっきり海外から輸入された樽だとばかり思っていました。やっぱりデザインって商品の顔だし、大事。

ちなみに有明産業さんではホワイトオークの他にヨーロピアンオーク、コモンオーク、国産のミズナラ(水楢)の木を樽の素材として使われているそうです。更に他の地域のオークや、オーク以外の木(スギ、ヒノキ、メープル、クルミなど)も樽の一部に使用されたりしているみたいで、『森の出口』作りにもご熱心!この樽に特別な意味はないのかもしれませんが、旅先で木のモノに出会うだけで、旧友に会ったようなような気分になってしまいます。すっかり木のモノを探す習慣が身についてしまって・・・




その道の方には有名な話のようですが、ラ・コリーナ近江八幡を運営する『たねやグループ』さんのご先祖は材木商だったそうです。初代は近江八幡で江戸時代頃に材木商をされていて、かなり儲けられたらしいのですが、儲かりすぎて遊びほうけて全財産を失くしてしまい、そこで鞍替えして穀物や根菜類の種子をうる仕事を始まられました。その後、明治になって菓子屋に転じられて今の仕事の基礎が固まったと、山本昌仁社長の著書に書かれていました。私は著書を読んで初めて知りましたが、まさか先祖が材木商だったとは・・・。

材木商だったからというわけではないのでしょうが、ラ・コリーナではいくつか『木で出来た気になるモノ』がありまして、そのひとつがメインショップの壁面にずらりと飾られた木型。その昔は、砂糖を水に溶いて木型に流し込んで固めた砂糖菓子などを作るのに必要だったもの。私が子供の頃は、『めで鯛』ということで鯛の姿をかたどった和菓子をよく見かけたものです。さすがに今ではほとんど使われる事がなくなったので、装飾として展示されているのだそうですが、これだけズラリと揃うとまるで美術工芸品のよう!

どれもが経年変化で黒ずんでいて、実際に使われていたのだと思いますが、そのデザインは素晴らしくずっと眺めていたいほど。実は今でもたまに京都などから菓子の木型に使いたいのだけど、ヤマザクラの材は無いかという問い合わせが入ることがあります。なかなか取引にまで至る事は少ないのですが(今どきですからあちこちから相見積もりを取られているのだと思います)、今でもそういう需要もあって、やはりそこで使われているのは摩耗性が高く滑らかで彫りにも適したヤマザクラ(山』のようです。

私は実際に木型を使って菓子を作った事もありませんので、ヤマザクラがどれぐらいこういう適性があるのか本当のところは分かりませんが、昔から木型と言えば桜と言われているぐらいですから、先人たちが長い経験の中で桜がもっとも適性があると見出したんだと思います。ここに展示してある木型が何の木なのか、近づいてみたのですがサクラっぽくも見えるのですが、全部が全部そうなのかは判断できませんでした。昔であればもしかしたら入手しやすい里山の広葉樹あたりを使われたのかもしれません。

海外では美術品としても人気があるということですが、日本人にだってこういうものに目が無い好事家は多いと思います。木型に限らず昔の職人さんが使っていた道具って、実に緻密で精巧に出来ていて、その割に構造がシンプルで修理しやすくなったりと驚くほど機能的だったりします。特に木の道具って時間が経てば経つほどに味わいや趣きが生まれて来て、いい感じになってきます。これが貼りものだったらこういう味わいは出ていないでしょう。やっぱり本物って時間が経ってもしっかり残ります。




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