森のかけら | 大五木材


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またまた本日も愛媛県歯科医師会館の『愛媛県産広葉樹のモザイクボード』の話なのですが、書き残しておきたい事がいっぱいありまして3日連続となりました。今回建物の設計を担当された矢野青山建築設計事務所矢野寿洋さん、青山えり子さん、から最初にお話をいただいたのは、今年6月頃のことでした。その段階で家具の納品は9月末頃ということでしたので、およそ3ヶ月半ぐらいは期間がありました。こんなに納期に余裕があることは珍しく、だいたいが「なぜもっと早く発注してくれなかったんですか~!」という事が多いのですが、余裕のある発注は本当にありがたい!

しかし実際は余裕があり過ぎると油断したり、その間に他の急ぐ仕事を入れ込んだりして結局最後は慌ただしくなるのはなるのですが(笑)、それでも事前に余裕を持って準備が出来たり、作り方を検討できる時間があるというのは非常に助かります。今回のソファーは完成した姿を見るとシンプルな箱型に見えますが、座面部分はすべてスノコになってして調湿効果を得られるようにデザインされています。スノコにも愛媛県産のヒノキを使うという徹底ぶりです。更に脚部分にはこちらも愛媛県産のクスノキ

クスノキにはタンニンが含まれ耐湿性にも優れている木です。そういい見えない分部にもこだわって材料を選ばせていただきました。また今回はソファーという事で、布地部分の制作はTOWER(タワー)室愛彦さんにお願いしました。室さんにはいつもは家具の木材を買っていただいているのですが、今回はソファー制作の過程も知れて勉強になりました。弊社の場合は家具を作っているといっても、材料の供給とプロデューサー的な役割で実際には善家君や室さんたち職人さんが作っていただいています。

それでも従来の、木材市場から仕入れてきた材を現場に持って行くだけの流通仕事に比べると、毎回悩んだり考えたりすることばかりで大変ではありますがとてもやり甲斐を感じます。私自身はモノ作りはできませんが、選ぶ木材に意味を持たせたり、名前の由来や特徴などの木の背景を織り込んでモノガタリ作りという側面から家具作りに関わりたいと思っています。最近では、門前の小僧習わぬ経を読むスタイルで、ごくシンプルなものであれば弊社でも製作するようになりましたが、やっぱり作るって楽しい!




本日は昨日に続いて愛媛県歯科医師会館が作らせていただいた愛媛県産広葉樹モザイクボードの家具、応接室の大きなテーブルについてです。このテーブルのサイズは2000☓1200㎜で、中央部に愛媛県産のトチ(栃)の板を挟んでいます。こちらも矢野青山建築設計事務所矢野寿洋さん、青山えり子さんによるデザインですが、すべてモザイクでなく無垢板を一枚挟むことで全体的に落ち着いた印象になりました。自分でデザインするとついついモザイクボードを目立たせねば~と、過剰に露出させようとしてしまい使い過ぎる事が多いので勉強になります。

間に挟む木の種類は一任していただきましたので、私の判断でトチ(栃)にさせていただきました。モザイクとの色のバランスを考えて落ち着いた色合いの木ということも在りましたが、何よりも考えたのはこの建て替えられた会館の「地域の方々や県民の方々に開かれた活動をしていく」というコンセプト。そこで選んだ木がトチ(栃)。今までにも何度か紹介させてもらいましたが、トチは大きな葉や実が沢山つくことから、「十(とう)も百も千(せん)も葉や実が付く縁起の良い木」とされています。それで昔は十千と書いてトチと呼んでいました。

そこから十☓千(10×1,000)=万(10,000)で、木偏に万を付けて「栃」になったとされています。多くの実がつくことから縁起の良い木としても知られ、白星を招くという意味でも大相撲のしこ名にも使われるなどしています。より多くの市民・県民に親しまれる建物になってもらえばという思いも込めてトチの木を使わせていただきました。そもそもトチは大きく成長する木ですのでテーブルなどの一枚板としても人気があり、広めの材が得やすいという物理的な理由もあります。誰にも分っていただかくてもいいのです、自分が納得する理由が欲しいだけなのです。

こういう大きなテーブルを作るにあたってはモザイクボードの特徴を最大限に活かせます。今回は長さが2,000で、間に板を挟んだ事でその必要はありませんでしたが、もしもこれがすべてモザイクボードだけで作ったとしても、500幅なり600幅の規格サイズを幅剥ぎすれば問題なくワイドサイズのテーブルが作れます。製造能力の問題で、現場ごとのフルオーダーというのはまだ難しいのですが、幅方向については対応力のある商品だと考えています。そういう事もこういう事例を経験させていただきながら考えるところ。明日はその「見えざる部分」について。




2020年末に解体され建て替え工事が進められていた愛媛県歯科医師会館が先日無事竣工しました。その中の応接室に弊社のテーブルとソファーに『愛媛県産広葉樹のモザイクボード』を使ったいただきました。建物の設計を手掛けられた矢野青山建築設計事務所矢野寿洋さん、青山えり子さんが、家具の素材として選んでいただき作らせていただいたものです。小口方向のブロックピースを化粧面に露出させるなどこだわりにこだわられた理由は完成品を見れば分かるデザインの説得力。

通常はフィンガージョイントしている継ぎ手方向が小口に出るか、あるいはブロックピース面とが混合してしまうのですが、それをあえて小口面はすべてブロックピースで統一させることで、ブロックピースに囲まれた家具のような面白い印象を受ける造りになっています。ただしこれはワンピースが正四角形ではないため継ぎ手の細工などは結構大変な作業でもありまして、製作してくれて善家君ZEN FURNITURE)が苦心しながら頑張ってくれました。

愛媛県産広葉樹モザイクボードは、現在愛媛県の『新たな県産材利用促進事業補助金』の採択を受けて、専用サイトやパンフレットなどの制作も行っているところですが、活用事例の扉に最高の実例となりました。愛媛県産の広葉樹だけに限定して、その時々に入手できた20~25程度の種類を使って製作しています。そもそも愛媛県の広葉樹の供給が不安定で、その集材や乾燥期間も試験的な段階で大量注文に応えられるだけの対応力はまだありませんが、今回の実績は大きな自信となりました。

愛媛県産の広葉樹のみで製作しているため、弊社の既存商品である『モザイクボード』に比べるとどうしても地味な印象はありますが、かえって落ち着いているとか派手すぎなくていい(店舗向きと思っていたがこれだと個人の家でも使える)などの肯定的な意見も多くいただいて、今後はワールドワイド版と愛媛版をTPOに合わせて使い分けていこうと考えています。納品後にこっそり座らせていただきましたが、『モザイクの王』になった気分で独りニンマリと気持ち悪い笑みを浮かべていました。明日はこちらのテーブルについて。

 




先日の日曜日のお昼に家内と二人で、松山市鷹子町にあるパンとココットの店『カシュ』さんに行って来ました。こちらのお店は 2020年4月中旬にオープンされています。店内にはイートインスペースがあって、そこのテーブルトップに弊社の『モザイクボード』を選んでいただきました。開店直後はなかなか伺える機会が無くて、ようやく行けるようになったらコロナ禍で店内での飲食が出来なくなってしまい、訪れてはイートインを断念してパンだけ買って帰ることが何度か続きました。そしてようやく店内でも飲食できるようになって、晴れて今回ランチをいただきました!

何度も買わせていただいていましたので、パンが美味しいのは分かっていたので、私の主目的はモザイクテーブルの撮影!イートインスペースには10台ほどの大小のテーブルがあるのですが、そのうち数台はモザイクボードでは無いのですが、ちょうど二人掛けのモザイクボードのテーブルに案内していただきました。駐車スペースはかなり広くて、正直こんなに駐車場広くて大丈夫なのかしらと心配していたのですが、あっさりと杞憂に終わりました。昼の時間だったという事もありますが、が次々とやって来ます。

店内にも結構の人がいらしていて大繁盛。思うようには撮れなかったのですが、隙間をついて少しだけ様子を撮らせていただきました。もともとのご縁は、オーナーご夫婦がSNSでモザイクボードを見つけられて気に入っていただいたというもので、ご夫婦が直接弊社の訪ねて来られました。以前はこういう店舗との関わりといえば、設計士か工務店経由がほとんどでしたが、最近は施主さんが直接お求めになられるというケースが増えています。弊社としても直接詳しい説明が出来るのでその方がありがたい。

モザイクボードには20~30種程度の広葉樹をランダムに使っていますので表情も1枚1枚バラバラだし、多少節や筋、染みなどのあるモノも個性として捉え「彩り」として加えていますので、出来れば商品開発の経緯から説明させていただき、モノの背景にあるモノガタリも知ってもらって使っていただきたいのです。それが既存の積層ボードの代替品としてだけの意味合いで使われたのでは、モッタイナイし、ただ値段が高いだけの商品に思われてしまうのは本意ではありません。お店で作られるパンや料理だってその背景が分かればもっと美味しく感じられるし、興味も深まると思うのです。そんな面倒くさい話にも付き合っていただけるカシュさんのような物語好きな店舗オーナー大歓迎です(^^♪




 

国内外の多様な広葉樹を使ったモザイクボードですが、今まで単発の現場が主だったのですが、安定的に取り扱っていただけるお店が増えています。先日、石川県金沢市(株)ムラモトさんの『加賀百万石 絢爛モザイクボード』をご紹介させていただいたばかりですが、そこから少し西に下がって今回取り扱っていただけるようになったのは京都府京丹後市(株)福田工務店さん。福田工務店さんは創業昭和15年の老舗の工務店で、木にこだわり良質の木材を使った家造りをされてきました。

在庫されている木材の量・質ともに工務店のレベルを遥かに越えています。三代目の若い正吾社長は、数年前にわざわざ奥さんとご来店いただき、それからのお付き合い。伝統に胡坐をかくことなく、工務店という立場から新たな木の魅力の発掘にも取り組まれていて、倉庫の一部を展示場/販売スペースに改造し 木工雑貨から一枚板天板やDIYに使用する材に至るまで幅広く取り揃えて、KUKU』というブランド名で様々な商品展開をされています。いずれも工務店さんの技術力に裏付けされた商品ばかり。

テーブルやカウンターなどの展示スタイルや空間の使い方にもセンスが溢れていてとてもオシャレなのですが、その一角にモザイクボードも加えていただけることに。展示の仕方ひとつでうちの倉庫で見るよりも随分と上品に見えます。それを見ながら、今まで自社のオリジナル商品という事で、最後の『出口』まで自分で見届けたい(自社で最終商品まで作り込みたい)という気持ちが強かったのですが、これからは感度の高い人に違った視点で活用していただく事が必要だと痛感。

福田工務店さんのある丹後地方といえば撚糸技術を用いた後染め絹織物である『丹後ちりめん』が有名。それで今回のキャッチコピーは『丹後ちりめん 優美モザイクボード』。先の『加賀百万石モザイクボード』(金沢市)、今回の『丹後ちりめんモザイクボード』と移動してきたので、次は恐らく加古川の『播磨灘モザイクボード』か、大阪の『立売堀モザイクボード』あたりになりそうな予感が・・・。何はともあれ京都でもモザイクボード旋風巻き起こしていただきたいです!




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