森のかけら | 大五木材

三重県大台原のビーバーハウスこと武田製材をめぐる冒険譚ブログのまとめ

 遅ればせながら少しずつ更新しています。もし読んでやろうなんて奇特な方がいましたら、こちらからどうぞ!!

ビーバーハウス遥かなり・・・・・①  2017年5月2日5月18日分まで

ビーバーハウスに溢れる思い・・・②  2017年5月22日2017年5月29日


 

 




ビーバーハウスの土場に転がっていて、さあこれから製材しましょうとなっていた丸太がありました。それがこちらの『ナナミノキ』。モチノキ科の広葉樹ですが、今までほとんど耳にしたこともないはずの木なのに、なぜかその名前を最近聞いたような・・・そうだ、ここに来る前に酔った瀧原宮で柳田さんに教えていただいたばかりではないか!滝原宮で見たのは小さな若木だったので随分とイメージが違いますが、今までは見ていたはずなのに意識してなくて見えていなかったのが意識することで急に見えるようになった例。

私はこういうことを『目に前に大きな未確認飛行物体(UFO)がいたとしてもその事を認識してなければ見えていない(例えば鳥や飛行機として認識してしまう)のに、UFOに関する情報を得て、認識した途端にそれらが自分の周辺で沢山現れる、そういう事象に急に多く遭遇するようになる法則』だと考えています。自分で長いわ~!と突っ込みたくなりますが、実際そうやって目ではみていたはずなのに、見えていなかった(認識していなかった)木のなんと多いことかと自分でも驚いているところです。

この『ナナミノキ』なんてまさにその代表例。木って、そうやって身近で教えていただける人がいれば出会える機会は実は思っている以上に沢山あるものです。ところで、このナナミノキは以前も触れましたが、愛媛では『アオキ』と呼ぶ地域もあります。それはこの木が常緑樹で葉が表も裏も青い事に由来していて、アオというのは『日本における青と緑の混用』です。だから実際には緑の葉。実は赤くて、葉は緑、肌は白という典型的なモチノキの特徴。恐らく板に挽いてしまえば他のモチノキの仲間とたいして差はないように思えます。

にもかかわらず、『ナナミノキ』という名前から入ったために、この木は私の中では唯一無二の木のような存在になってしまったのです。しかしモチノキの仲間って板にしたり小さく加工してしまうと、特徴が似すぎていてほんとんど識別不可能なのではないかと思います。実や樹皮や葉のついている丸太の状態ならまだしも、完全に耳を断って板状になってしまえば、どれもこれも同じに見えます。なのでこういう風にモチノキの中でもその種類をしっかり特定できている木はありがたいのです。いずれ分けていただくことになりそう・・・




昨日、『シャリンバイ(車輪梅)』の事を運命的な出会いのようなテンションで書かせていただきましたが、以前から気になっている木があって、たまたまその名前がテレビやSNSで目や耳に入ったり、新聞や雑誌でそれに関する記事などと出会ったりすると強く脳に刻まれ、それが風化されないうちに再びその名前に出会ったりすると、これってもしや運命の赤いとで結ばれていたのでは~!なんて風に受け止めてしまうおめでたい人間なので、日々至る所で「運命の出会い」に感激するのに忙しいのです。この『ハナノキ』だってその1つ。

それまで名前すら知らなかったその木に初めて出会ったのは、昨年の6月の事。日本木材青壮年団体連合会(木青連)の全国会員福井大会の際に、先行して北陸入りして待望の『兼六園』+『金沢城』を観光中に、『金沢城公園』で初めてハナノキに巡り合ったのです。その時の様子については、ブログをご覧いただくとして、それからおよそ1年後に今度は三重で薄い板に挽かれたハナノキに遭遇。すると私の中の記憶はこの2つのたまたまの出会いを運命的なつながりだったかのように強く錯覚してしまうのです。

カエデ科カエデ属の落葉高木で、春先なると紅色の花が咲いて遠くから見ると、赤い花飾りのように見えるところからこの名前がつけられた木なのですが、ハナノキは日本の固有種で、長野、岐阜、愛知のみに自生しているとされています。愛知県では県木にも指定されていますが、この材もそちら方面からの仕入れだったか、ちょっと記憶が曖昧・・・。産地はともかく、板になってしまうとカエデの仲間なので、見た目の印象は「カエデ一族」。材としての特徴云々ではなく、そのネーミングだけで欲しくなってしまう木のひとつ

まあそう言ってしまうと身も蓋もないのですが、国産の硬質で白っぽい木ってどうしても印象が似たり寄ったりになってしまうのは仕方のないところ。材としてきわっだった特徴の無い場合は、名前から入るべし、というのが弊社の方針。なので、ハナノキはその名前だけで弊社の在庫に名前を連ねる資格があるのです。ただ、ビーバーハウスでは少し薄めに挽かれる傾向があるので、それに合わせた『出口』を早めに確立させる必要があります。これで二度目、三度出会ったらその時は有無を言わずに買うしかないっ!




ところで、これも『引き寄せの法則』なのかもしれませんが、その後思わぬところでシャリンバイに遭遇することになりました。それは、道後で日用品・台所用品・雑貨などを販売している『BRIDGE さんに行った時の事。店主の大塚加奈子さんは『えひめのあるくらし』のメンバーであり、人気商品『丸いまな板』をコラボしています。それを納品に行った際に思わずシャリンバイと遭遇!それがこちらのシャリンバイのドライフラワー・リースです。この美しいリースを制作されたのは二名良日(ふたなよしひ)さん。

このドライフラワーのリースは、『草輪 Wreath』という作品で、シャリンバイの他にもネコヤナギやロウバイ、タケ、モミなどが展示されていました。初めて拝見したのですが、その造形美に体全身に電気が走ったような衝撃を受けました。これは・・・素晴らしい!いろいろな小枝と葉と実で作られているのですが、これも『森の出』の1つのカタチ。今まで200種類を超える材を扱ってきたものの、その対象は幹であり、その先にある小枝や葉、実については、興味はあったもののモノづくりの対象とは考えていませんでした。

正直やられた~という気持ちと、発想の面白さから軽い嫉妬を覚えながらジックリと拝見させていただきました。その後、二名さんのホームページを拝見すると、四季ごとの美しい草輪がズラリと並んでいました。嗚呼、ダメなんです。こういうワンスペックの多品種にもの凄く弱いんです。BRIDGEさんに伺った時には、入荷した結構時間が経過していたらしく、いい感じのドライフラワーになっていて枯れた味がでていたのですが、入荷時はまだ葉も瑞々しくて美しい緑色、実も青かったようでその経年変化の様子も素晴らしい!

ビーバー隊長と出会ったから私の中のストライクゾーンも徐々に広がってきました。それまで反応もしなかった(私にとってのボールコース)にも体がピクッと動くようになり、時々手が出るようになりました。まだなかなかヒットゾーンには運べないものの、打てる球が増えたことは素直に嬉しいし、こちらの打ち方も進化しているような気がします。たぶんビーバーハウスでシャリンバイの木を見ていなかったら、BRIDGEさんで草輪のリースを見てもここまでの感動はなかったはず。見えなかったものが見えてくるって楽しい~!




★今日のかけら番外篇・E031シャリンバイ/車輪梅】 バラ科シャリンバイ属・広葉樹・三重産

Rhaphiolepis indica var. umbellata

ビーバー隊長の素晴らしいところは沢山ありますが、その中のひとつにストライクゾーンの広さがあります!それは恐ろしいほどに広くて、広葉樹中心に針葉樹、街路樹、低木、灌木何でも来いです。ビーバーメンバーの『熊鷹』こと柳田国男さんと日々材の捜索には余念がありません。『木に貴賤なし』がモットーのお二人は様々な木を『救出』されるのですが、中にはこういう木もあります。バラ科の『シャリンバイ(車輪梅』。私の中では製材する木という認識すらありませんでしたが、まさかこういう形で巡り合うとは!


名前こそ知っていたものの枝をまじまじと見るのは初めて。誤解を恐れずに言うならば、この木にどれほどの特徴があるのかというのはビーバーにとってはあまり意味がありません。シャリンバイという種類の木が今ここにあるということこそが肝心なのです。一体全国でどれだけの人間がシャリンバイの木を探してきて製材しようと思っているのか。日本植物学の父・牧野富太郎博士によると、「梅のような花が咲き、枝葉が密集して輪生状に(車輪のスポークのように)出るからである」と、その名前の由来を説明されています。

分布域は東北南部より以南ということで愛媛県にも分布しています。日本一細長い半島で知られる愛媛の佐田岬周辺では、『ハマモッコク』の名前でも親しまれているそうです。これは先に『モッコク(木斛』という木の説明をしておくべきなのですが、それは項を改めるとして、浜辺の山に生えるモッコクという意味です。どちらも常緑で、葉が厚くて表面に光沢があり、その特徴がモッコクに似ていることが名前の由来だそうですが、材質はどうなのでしょうか。まだ挽かれていなかったので、その中身が気になるところです。

乾燥や大気汚染にも強く、よく刈り込みに堪えることから道路脇の分離帯や街路樹にも植林されているそうですが、幹や根にはタンニンが含まれていて染色用の染料にも利用されます葉には消炎作用があり、潰瘍の腫を煎汁で洗浄する他、打撲傷に用いられたりもします。なるほど低木ながらいろいろ利用価値のある木のようですが、材としての用途については硬いので木槌に使われるというぐらいで、他にはほとんど記述が見当たりませんでした。やはりそうなると、【新・森のかけら】の1つに加えねばなりますまい!




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