森のかけら | 大五木材


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樹木としてのトドマツ(椴松)の話は昨日で終わりですが、トドマツの事を調べていて気になったことがいおくつか出てきたので、樹木とはまったく関係の無い余談なのですが・・・。まず1つ目が、同じ『トド』でも生物のほうのトド。漢字では海馬とか海象、胡獱、魹などと表すようですが、実はこちらも名前の由来はアイヌ語からきているようです。「なめし革」を意味するアイヌ語の「トント(tondo」が語源だそうで、太古の昔よりトド漁は行われていて、貴重なたんぱく源となっていたそうです。

またその革を使って生活用品も作られていたそうで、それが名前の由来となっているようです。しかしその後、交通の便もよくなり、全国的な流通網が整備されるにつれ、トド漁は下火となったものの、それによってトドの生態数は増加して現在では魚網を破るなど北海道だけでも年間10数億円もの被害が発生していて、害獣駆除としてトド漁が行われているそうです。世界的にみると準絶滅危惧種にも登録されている国もあって、日本のトド漁が批判されることもあるようですがそれぞれの国にそれぞれの事情があります。今でも北海道などではトドの大和煮やトドカレーが販売されているようですが、これぞジビエ料理。

外国がどうだからという基準でばかり考えると、地域の暮らしや事情が見過ごされてしまうのは木の世界ばかりではないようで、感情的ななりすぎるとものの本質を見失ってしまいます。その次に気になるトドは、「とどのつまり」のトド。私はてっきり度々(たびたび)、つまり何度も繰り返してその結果、という意味だと思っていたのですが大間違い。こちらのトドは、魚のトドからきていました。ときどき、都会の川などで恐ろしいまでに大量発生してニュースになることのあるボラの最終的な名前がトド。

出世魚といえばハマチ→ブリが有名ですが、ボラもそうらしく、地域によって多少の違いはあるようですが、関西だとハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドと呼び名が変わっていって、最終的にトドで落ち着くそう。という事はあの大量発生しているのは、まだ最終形態ではないという事。ということから、「とどのつまり」は「最終的に」という意味を持つ言葉として使われるようになったようです。漢字で書くと鰡、鯔、鮱など。トド(マツ)のとどのつまりはチップでもいいけど、その間にまだ何態か変身出来そう




北米産のホワイトアッシュが入荷。弊社ではホワイトオークと並んで回転率の高い広葉樹のひとつです。在庫があと数枚というぐらいになると、ああやっと全部売り切ったという安堵感があるものの、早めに次の手当てをして在庫の谷尾を作らないようにしなければとの焦りもあって複雑な気持ち。なければないで落ち着かず、あればあれでどう売ろうかと悩む、アンビバレントな気持ちは毎度のこと。ところで汎用性の高いこのホワイトアッシュが今、切実な問題に悩まされています。それは・・・

昨年、仕入れている商社のほうから情報は入っていたのですが、まだそこまで問題は切迫していると思っていなかったのですが、今年に入って徐々にその影響が出てきました。それは「虫害」の問題。ホワイトアッシュの生育域は、カナダの南部からアメリカ全域ですが特にアメリカ東部一帯が有力な分布域と言われています。そこで、近年エメラルドアッシュボーラーという甲虫による食害が発生し、その被害も信じられないくらいの規模で、ホワイトアッシュの大木が次々に立ち枯れしているのだとか。

このエメラルドアッシュボーラー(EAB)という虫は、もともとアメリカにいた虫ではなくて、今から30年ほど前にアジアから来た外来生物ということだそうで、外来生物で悩まされているのは日本ばかりではありません。このEABは、ホワイトアッシュなどのトネリコ類の木が大好物ということで、狙いを定めて食べているらしいのですが、その食欲とスピードは恐るべし勢い!そのせいで既に一億本以上ものアッシュが立ち枯れてしまっているそうで、その被害は深刻でアメリカ全域に広がっています。

アメリカ政府も手をこまねいているだけでなく、アジアからEABを寄生する蜂を輸入したり、ミネソタ州ではEABに感染した木の匂いを嗅ぎ分ける犬を導入するなどの対策を講じているようですが、圧倒的な数の前にはなす術もないようで、事態はかなり深刻なようです。リアルタイムの情報というわけではないので、現在の正確な状況は分からないのですが、国内に入ってくるホワイトアッシュの量がその深刻さを物語っています。恐らく今年は全国で、ホワイトアッシュが不足する事態が発生するかと!?続く・・・




私が大五木材に入社した当時にも、バンドソーやプレーナー加工機ぐらいはありましたが、それらはもっぱら弊社に刻みに来られた大工さんが使うものであって、自ら積極的に使うものではありませんでした。その後、プレカットの台頭とともに、現場での加工作業が激減。材木屋でもガンガン加工するようになり、現場に届けるのは加工された木材ばかりになってきました。そういう流れで弊社でもプレーナー加工やサンダー仕上げ作業が日常のこととなり、現在ではベルトサンダーを使わない日はないほど

それだけ加工するにも関わらず集塵装置を取り付けていないので、日々木粉が倉庫の中に積もっていくのです。作業場が狭いこともあって集塵装置を取り付けずにきたので、いちいちおが屑を救い集める作業にも体が慣れてしまいました。その加工場の奥にもいくらかの長尺の耳付き板を積み上げているので、久し振りに表に引っ張り出したりすると、長い期間にわたり堆積した木粉がまるで地層のよう!その上を小さな虫が這いずりまわっているので、こういう『デスバレーの動く石』のような軌跡が現れるのです。

これは『ダリナ(アンゲリン)』の幅広の一枚板の上に積もった木粉。ブロワーで少し飛ばしてみれば、赤身を帯びたダリナの姿が見えてきました。材木屋と木を食す虫は切り離せれない関係で、樹皮に潜む幼虫から、倉庫を飛び回る成虫、海外からのバンドルに交じって密航してきた異国の虫などさまざまな虫が入り込んでいます。木は決して人間だけのものではありません。そこをねぐらとしたり、生きるための糧としている虫たちにとっては、根こそぎそれを奪う人間のほうこそが侵略者や破壊者なのでしょう

とはいえ、こちらもその『木』で飯を食っていかねばならない身。どこかで折り合いをつけねばなりません。立派な材をボリボリと齧られてしまうと、そんな悠長なことも言ってられませんが、幸いにもというか恥ずかしながらも弊社にはそんな立派な銘木は無いので、在庫品が喰われてしまったら、それはそれで出口を切り替えるのみ。端材の活用に関してはちょいとノウハウもありますので、虫食いの木とてそれなりに使えます。それよりもそういう時に気になるのは、虫たちが喰った穿孔の軌跡、こっれてアート!?

木粉の上に描かれた軌跡は消えゆく運命にありますが、樹皮を食った軌跡は残そうと思えば残せます。それでそこにどんな価値があるのかと尋ねられますが、価値を見出しているわけではなく、面白いと思っているだけ。面白いなんて言うと、自分が生きるために必死にもがいた虫に対して失礼な話かもしれません。樹皮に産み落とされ、生きるためにがむしゃらにそこにある「食料」を必死に食っただけのこと。ここまで食うかと思うほどに食い尽くし薄っぺらくなった樹皮、そこに打算はなく真摯な生があるのみ。




世界のミステリーのひとつに、アメリカはカリフォルニア州の国立公園にある『デスバレーの動く石』というのがあって、この手の話が大好きな私は昔から興味津々でした。ご存じない方のために説明しますと、かつてはゴールドラッシュで賑わったのですが、その後衰退し住む人もいなくなった荒地です。長野県に匹敵する面積を持つアメリカ最大規模を誇る国立公園内にある、通称『死の谷』とも呼ばれる荒涼として乾燥地帯でその謎の現象は起こります。重さ200㎏を超える巨石が独りで勝手に数百メートルも動き回るというもの

といっても石が動いている姿を見た人は誰もいなくて、石が動いた軌跡が発見され、すわ宇宙人の仕業か、嵐の仕業かな、いや意思を持つ石からのメッセージなのではなどと様々な推測され子供心にワクワクしていたものです。原因が分からないところにロマンがあるのですが、残念ながら近年この謎も解明されてしまいました。ご存知の方も多いと思いますが、巨石が動く理由は「地表の泥に浮いている薄い氷が割れ、風によって割れた氷が何層にも重なり、大きくなった氷が石を押し進めている」というもの。つまり自然現象

かなり限定された条件が幾つも揃わないと発生しない特異な自然現象ということのようですが、そうやって昔からまことしやかに語り継がれてきたミステリーが解明されていくのって、私は複雑な心境。かつては人間の英知が及ばない未知の現象と考えられていた事が次々と科学的に解明されていくことで、自然に対する畏怖や畏敬の念って薄れていくのではないでしょうか。私としては謎が解明される数よりも謎が生まれる数が多いほうが嬉しいのですが・・・。ところでこれが何の前フリだったのかというと、これ。

この写真は、「デスバレーの動く石」をかなり俯瞰で捉えたものではありません、という言葉をいいたかったためだけに持ち出した前フリだったのです。実はこの石が動いたような軌跡(そう見えるか見えないかは問題ではありません、自分が楽しんでいるだけなので)は、倉庫の中から長年眠っていた材を引っ張り出した際に現れたものです。正体を明かすと、厚みにして実に10㎜以上もの微細な木粉が積み重なった上を小さな虫が這いずりまわった跡。さっさと掃除をすればいいものを、ここにデスレバーの動く石が重なって見えたのです。続く・・・




恐らく地元では大きな話題となっているのだと思いますが、ここ愛媛ではほとんど話題になることもありません。ただ私は個人的に、以前に『小豆島のオリーブ』の事を取り上げた時に、北海道のニシン(鰊)漁の事をしつこいまでに取り上げさせていただきましたので、大変興味を持ってこのニュースを拝見しました。そのニュースの内容とは、2月の末に北海道江差町で、ニシンの産卵活動で沿岸部の海が白く濁る群来(くき)」という現象が104年ぶりに発生し、海藻についた卵も確認されたというものです。

あまり興味の無い方にとっては、ニシンが久しぶりに大量に押し寄せて来ただけの和やかなローカルニュースだと思われるかもしれませんが、前回「オリーブとニシンの関連性」についてのブログを書くにあたって、当時『北のウォール街』とも呼ばれたニシン漁についての状況を調べると、それが単に一地方都市のの漁業の栄枯盛衰の話ではなく、そこに日本が近代化する歴史の悲哀が凝縮されていたことを知ったのです。そういうこともあって、今回のニシンの群来については他人事ながら非常に嬉しく思いました

104年ぶりというのは江差町での話であって、小樽などでは継続的なニシンの稚魚放流などの活動の結果、10年前から群来が確認されているようです。改めてニシンと木(オリーブ)の関係について説明すると、100年前当時に大量のニシンが押し寄せ、ピークで100万トンもの水揚げ(個体数で換算すると30~40億匹!)があり、そのニシンをオイル漬けにして海外にも輸出する狙いもあって、国が国内3か所(香川、三重、鹿児島)にオリーブの試験栽培を始めました。それが香川の特産品・オリーブの発祥なのです。


その後、三重、鹿児島ではうまく生育が出来なかったものの、香川ではうまく根付いて特産品にまでなりました。しかし残念ながら、ニシンそのものが獲れなくなってしまったのは皮肉な話。しかしその後オリーブは当初の目的とは違う形で利活用され、島の特産品とまでなりました。100年を経た香川のオリーブですが、あるこころからお話もいただき、剪定される枝などを「材」として何か利用できないものかと考えているところです江差も小豆島も私にとっては無縁の地ですが、自分の中では既に繋がっています。




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